JPH0436168Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、電線などに一定間隔に取り付けら
れ、電線への着雪を防止する難着雪リングの、自
動取り付け装置に用いるリング送出装置に関する
ものである。

＜従来の技術と問題点＞ 難着雪リングは、一般的に適当な長さの切れ目
を有するリング状をしており、取り付け時に開口
端をカシメあるいは、嵌合により、電線に取り付
ける。

この為リング自体が可撓性を有しており、自動
取付の際の自動取り出し及び収納が難しかつた。

この解決手段として、従来より、ドラム状リン
グ収納ケース内側にＴ字状のリング保持片を多数
等間隔にドラムの長手方向に取り付け、Ｔ字状の
リング保持片の間にリングを保持し、送り出しは
リング収納ケース後方より、エアシリンダにより
送り出す方法が提案されている。

しかしながら、この方法によると、リング収納
数を増加させようとすると、リング収納ケースを
太くするか、長くする必要がある。ところが、太
くすると、リング収納部はケース内周のみである
から、体積が増える割には収納量は増加せず、長
くすると、リング送り出し用エアシリンダも長く
せねばならず装置が大型化する。

又、リング送り出し用エアシリンダ以外に、ド
ラム回転手段も必要であり、装置が大型化、重量
化する等問題があつた。

そこで本件考案の考案者たちは本件考案の出願
と同時に出願した実用新案登録願１に示すような
難着雪リング収納装置を考案した。その考案はテ
ープにリングを連続的に仮固定してテープをリン
グに巻き付けて収納するもので、それにより従来
のドラム状の収納ケース式のものに比べ収納密度
を飛躍的に向上することが可能となつたが、その
ように収納されたリングを送り出して電線にカシ
メるような送出装置はこれまでになかつた。

＜考案の目的＞ 本件の考案は、前述の新しい難着雪リング収納
方式により収納されたリングを確実に送り出し
て、電線にカシメ取り付けすることが可能なリン
グの送出装置を提供することを目的としている。

＜目的を達成するための手段＞ その為にまず、リングヒンジ部に切欠溝を、リ
ング外周に凹部を形成したリングの、切欠溝に挿
入されるテープに、リング外周の凹部に嵌合する
凸部をテープの巾方向に、リング厚みより少し広
く等しいピツチで多数形成し、次にこの凸部を爪
にて引つかけてテープを送るようにした送り装置
を有し、且つ、該送り装置は、リング収納装置側
から見たときリングを電線にカシメるリングカシ
メ装置の後段に、同一ベース上に配置固定し、更
に同一ベース上のその後にテープ切断装置を配置
したもので且つ送り装置と切断装置はひとつのロ
ツドシリンダにより駆動できるようにしたもので
ある。

＜作用＞ 以上によりまずテープの凸部は等しいピツチで
形成したので、そのピツチ分だけ爪で引つかけて
引つ張ればテープが確実にリング収納ピツチだけ
移動しリングカシメ装置に正確に送られる。

また、送り装置はリング収納装置側から見たと
きリングカシメ装置の後に配したので、テープが
送り装置の所まで来たときにはすでにリングが電
線に取り付いてなくなつており、テープの凸部に
送り装置の爪を引つかけて引つ張ることができ、
テープの凸部をリングの仮固定と送出の両方に利
用できる。

また送り爪によつて送られたテープは、テープ
切断装置に入つて切断され、テープが送り出され
るままに長く伸びて邪魔になることがなく、且つ
送り装置と切断装置は一つのロツドシリンダで駆
動するようにしたのでかさばらず小型軽量に構成
できる。

＜実施例＞ １は本考案に用いる難着雪リングで、切れ目を
有する厚みａの可撓性リングである。

切れ目の一端に突起２、他端にこの突起の押し
込み及び把持可能な切込み３を各々有する。

４は巾ｂのリング外周に設けた凹部、５はヒン
ジ部で肉薄に形成してある。

６はヒンジ部に設けた切欠溝で、巾ｃ、厚み
ｄ、開口巾ｅの一方開の空隙を形成する。７は傾
斜面。

８は前記切欠溝の厚みｄよりり多少薄い暑さｆ
のテープで、切欠溝で形成される空隙のｃより多
少小さく開口巾ｅより多少大きい巾ｇの巾狭部９
と、リング外周の凹部の巾ｂより多少小さい巾ｈ
の凸部１０とよりなる。

巾ｈの凸部は、リングの厚みａより多少大きい
ピツチｉでくり返し形成する。

以上のように構成したリング及びテープを組み
合わせるにはまず、リング外周に設けた、凹部４
にテープの凸部１０を挿入し、位置合わせする。

次に、リングの一方の切欠溝６と、テープの巾
狭部９を合わせ、テープをリングに押しつけれ
ば、テープは傾斜面７に沿つて変形し、他方の切
欠溝内に挿入される。

これを繰り返せばテープ上に、整然とリングが
固定される。

このようにして、リングを多数取り付けたテー
プは、リング側には可撓性を有しないが、テープ
側には可撓性を有するので、リールなどに巻き付
けることにより、収納スペースを取ることなくリ
ングを多数収納することができる。

１１はベースで、第一のテープガイド１２と、
リングカシメ装置１３、リング送り装置１４、テ
ープ切断装置１５をリング収納装置側からこの順
に取り付けてある。

１６はリング１をテープ８に連続的に取り付け
たもので、第５図下方にて、リング収納装置内に
てリール等に巻き付けられ収納されている。

１２は第１のテープガイドで、略円弧状をな
し、リングをテープに取り付けたもの１６がなめ
らかに送られるようにしている。

１３はリングカシメ装置でベース１１が別の手
段（図示せず）によつて電線に当接されたときエ
アシリンダ１７を動力源にリング１を電線にカシ
メ固着するものである。この時同時に、リングは
テープより外れる。

１４は、リング送り装置で、両ロツドシリンダ
１８の一方のロツド１９に取り付けられた送り爪
支持台２０と、軸２１により、送り爪支持台２０
に図の状態より半時計方向に回動自在に軸支さ
れ、ばね２２により時計方向に付勢された送り爪
２３とよりなる。

２４は、第２のテープガイドで、ベース１１上
に、固定される逆Ｌ字状の一対の金具でベース１
１上に、テープ走行部２５を形成する。

２６は、ベース１１上に明けた１対の穴で、送
り爪２３の二又に分かれた先端部２７が、この穴
よりテープ走行部に突出する。

両ロツドシリンダの可動量ｊは、リング取付ピ
ツチｉよりも大きく先端部２７の移動終了位置は
数ピツチ後のリングが、リングカシメ装置の中心
位置にくるよう正確に調整されている。

１５は、テープ切断装置で、両ロツドシリンダ
の他方に取り付けられる。

２８は、ベース１１に固定されたリンク支持
台、２９はリンクで、一端を軸３０によりリンク
支持台２８に回動自在に軸支され、他端に長穴３
１を有する。３２はローラ、３３は軸で、両ロツ
ドシリンダ１８の他方のロツドにローラ３２を回
動自在に、リンク２９の長穴を通して固着され
る。

３４は切断用切刃のガイドでベース１１に固着
されている。

３５は切断用切刃で、ガイド３４上に上下に摺
動自在に取り付けられる。

３６は、ばねで切断用切刃を図上の下方に付勢
する。

３７は切断用切り刃の下端に設けたカム部でロ
ーラ３２が当接する。

３８は切断用切刃の上部に設けた刃部で、ベー
ス１１上にあけた穴よりテープ走行側に突出す
る。

３９は、ベース１１上に固定した切刃用のダイ
で、ガイド部４０と、切断用切刃３８と対向する
刃部４１とよりなる。

以上のように構成した本願の装置を使用するに
は、リング１を多数取り付けたテープ８の先端を
収納部より取り出し、先端のリング数個を取り外
す。しかる後に第１のテープガイド１２に沿つ
て、リングカシメ装置１３に、最初のリングが位
置するまで挿入する。

リングを外したテープの先端は、第２のテープ
ガイド２４で形成されたテープ走行部２５内に入
り、送り爪２３をばね２２に抗して押しのけ、テ
ープ８の凸部１０が送り爪２３の先端部２７に引
つかかる。

以上のように準備した本装置を電線に当接さ
せ、エアシリンダ１７を付勢すると、リングカシ
メ装置１３によりリングは電線に取り付けられ、
同時に、リング１の切欠溝６の間隔が広がり、リ
ングはテープより外れる。

ここでエアシリンダ１７の付勢を解けば、リン
グを電線に残し、本装置は電線より取り外せる。

しかる後に、両ロツドシリンダ１８を図の左に
付勢すると、送り爪支持台２０と送り爪２３は図
上左に移動する。この時送り爪の先端部２７は、
テープの凸部１０に引つかかつているので、テー
プを送り爪の移動とともに移動させる。

送り爪の移動終了位置は、数ピツチ後のリング
が、リングカシメ装置に１３の中心に来るように
調整されているので上記動作によりリングは正確
に、リングカシメ装置に供給される。

しかる後に、両ロツドシリンダ１８を逆方向に
付勢すると送り爪は右に移動し、図の位置に復帰
するが、この時リングが外れたテープの凸部１個
をばね２２の力に抗し反時計方向に回動して乗り
越える。

以上の動作を繰り返すことにより、リングを電
線に連続し取り付けることができる。

一方、カシメ装置１３によりリングが外され、
リング送り装置１４にて送り出されたテープ８
は、第２のテープガイド２４で形成されたテープ
走行部２５に沿つて、切刃用ダイ３９のガイド部
４０に案内される。

リングを送るために両ロツドシリンダ１８を付
勢すると、さきに述べたような動作で、両ロツド
シリンダのロツドの一端の送り爪２３がテープを
図上の左側に送ると同時に、両ロツドの他端に固
着した軸３３がリンク２９内の長穴３１内を摺動
しながら図の左に移動する。軸３３に回動自在に
軸支されたローラ３２は、軸３３と共に、切断用
切刃３５の下端の、カム部３７を転がりながら左
に移動する。切断用切刃３５はカム部３７がロー
ラから外れることにより、バネ３６の力で図の下
方に移動し、上端の刃部３８も下方に移動し、切
刃用ダイ３９との間にテープが通る間隔ができ
る。

この間隔に、先の送り装置１４にて送り出され
たテープ８が、ガイド部４０に案内され貫通す
る。

しかる後に、両ロツドシリンダ１８を逆方向に
付勢すると、軸３３、リンク２９は図上の右に移
動し、図の位置に復帰する。

このときローラ３２は切断用切刃３５の下端カ
ム部３７を転がりながら移動し。切断用切刃３５
を上端切刃３８と共に図の上方にバネ３６の力に
抗して押し上げる。

このときテープは、切刃３８と切刃用台３９の
切断用切刃４１とにより切断される。

このとき図の上下方向の力は、リンク２９の長
穴３１の下端に軸３３が当節支、軸３０にて吸収
し、両ロツドシリンダの軸に上下方向の力が加わ
るのを防止している。

＜考案の効果＞ 以上のように構成した本願によればリング収納
装置側からリングカシメ装置、リング送り装置、
テープ切断装置の順に同一ベース上に取り付け、
且つテープの凸部は正確に同一ピツチで連続的に
形成したので、リング送り装置の爪はリングが電
線にカシメられて、テープから外れた後のテープ
凸部に引つかけることが可能になり、しかも爪の
送りピツチをテープの凸部の形成ピツチにそろえ
て調整することで正確に連続的にリングを収納装
置から送り出し可能となり、しかもリング送り出
し装置とテープ切断装置は、同一の両ロツドシリ
ンダで駆動したのでリング送りと、テープ切断を
完全に同期して作動することができ、且つ小型軽
量にリング送り出し装置を構成できるという効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の難着雪リング送出装置に使用
する難着雪リング、第２図は、同じくテープ、第
３図は、リングをテープに２個取り付けた状態を
示す、第４図は、実施例の装置正面図、第５図
は、同じく正面図、第６図は、リング送り装置の
要部立体図。 １……難着雪リング、８……テープ、１１……
ベース、１３……リングカシメ装置、１４……リ
ング送り装置、１５……テープ切断装置、１８…
…両ロツドシリンダ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 略中央をヒンジ部とし開口端の各々の端部に
   は、突起と切込を有し、端部を嵌着カシメさせ
   て電線に固着される難着雪リングの、前記ヒン
   ジ部に切欠溝、外周に凹部を設け該切欠溝に嵌
   合する巾挟部と、リング外周の凹部に嵌合する
   凸部とを交互に等しいピツチで形成したテープ
   と、 テープ送行用ガイドを備えガイド方向に添つ
   てリングカシメ装置と、前記テープの凸部送り
   爪を引つかけてテープを駆動するリング送り装
   置と、テープ切断装置とをリング収納装置側か
   ら上記順序で取り付けたベースユニツトから成
   ることを特徴とする難着雪リング送出装置。 (2) 前記リング送り装置とテープ切断装置は、べ
   ースに取り付けられた両ロツドシリンダのロツ
   ドの両端にロツドシリンダを共有して取り付け
   られ、 リング送り装置は、ロツドの片側の端部に、
   送り爪支持台と、送り爪支持台に軸支される送
   り爪と、送り爪支持台と送り爪間に装着され送
   り爪の先端が常にテープの凸部に引つかかる方
   向に付勢するバネにより構成され、 テープ切断装置は、ロツドの他方の端部にロ
   ーラが軸支され、該ローラはベースに取り付け
   られた切り刃ガイドに摺動自在に且つガイドと
   の間にバネによりテープを切断しない方向に付
   勢された切断用切り刃のカム部に当接させて成
   り、カム部のカム形状は、ロツドが前記送り装
   置がテープを送出する方向とは反対方向に駆動
   された時、ローラが切り刃をバネ力に抗してテ
   ープを切断する方向に押圧するよう選定したこ
   とを特徴とする、実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の難着雪リング送出装置。