JPH04360759A - クランク軸の研削研磨機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、エンジンのクランク
軸における複数のピン部を一工程で研削研磨加工できる
ようにしたクランク軸の研削研磨機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の研削研磨機は、両端主軸
部間に複数のピン部を偏心的に備えたクランク軸の各々
のピン部を研削研磨するにあたり、先ず、一方の同一角
度位置にあるピン部を軸心としてクランク軸を回転させ
、該角度位置のピン部を、その１つ１つのピン部にそれ
ぞれ１個の大型回転砥石を一方向から圧接して同一角度
位置のピン部を同時に研削研磨加工せしめる。

【０００３】そして、一方の同一角度位置にある各ピン
部の研削研磨加工が終了した後、クランク軸をシフトし
て他方の同一角度位置にあるピン部を同様の手段で研削
研磨加工する構造となっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の技術にあっ
ては、次に述べる問題点があった。

【０００５】クランク軸をその同一角度位置にあるピン
部を軸心として回転させ、その各々のピン部に対し各１
枚ずつの回転砥石で同時に研削研磨加工し、一方の加工
が終了した後、クランク軸をシフトして他方の同一角度
位置にあるピン部を軸心として回転させ、同様の手段で
研削研磨加工し、それぞれ角度別に加工する必要がある
。

【０００６】したがって、その加工作業に無駄な時間と
高度の技術を要するためにクランク軸の研削研磨作業が
精度よく能率的に行えず、また、機械の構造も極めて複
雑となる。

【０００７】大型回転砥石（直径が７００ｍｍ〜１００
０ｍｍ程度のもの）を用いる必要があるため、回転砥石
の交換は人力で行うことができず、交換専用の特別の設
備を要する。

【０００８】ピン部に対し大型回転砥石を一方向から圧
接して研削研磨するものであるから、切込みを大きくす
れば研削抵抗が強く、いわゆる、逃げ現象が生じやすい
。

【０００９】したがって、強い切込みができないために
研削研磨が低能率、低精度となる。

【００１０】ビドリファイド又はレジノイド砥石等を使
用しているため、その消耗が早く、頻繁な整形ドレッシ
ングの必要性からさらに無駄な消耗を倍加させている。

【００１１】従来の技術は、以上の問題点から極めて低
能率であるため、生産を向上させるにはライン数を増設
する以外に方法がなく、そのためには膨大な設備費を要
し、かつ、ピン部に対し回転砥石を一方向から圧接して
研削研磨することと相まって精度的にも難点となってい
た。

【００１２】また、クランク軸をシフトさせて同一角度
位置にあるピン部を軸心として各別に回転させる構造、
大型回転砥石の保持及び角度別のピン部への変位構造等
が極めて複雑で、しかも、砥石交換のための設備が必要
であること等から機械そのものが著しく高価となるもの
である。

【００１３】この発明は、上記従来の技術の有する斯か
る問題点に鑑み、クランク軸の研削研磨加工が一工程で
、高精度、高能率に行いうるとともに、大幅な合理化及
びコストの低減等が図りうるクランク軸の研削研磨機の
提供を目的としている。

【００１４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明のクランク軸の研削研磨機は、両端主軸部
間に複数のピン部を偏心的に備えたクランク軸をそのピ
ン部が主軸部を中心として遊星回転するよう軸架せしめ
、該クランク軸のピン部を研削研磨する一対の回転砥石
をピン部の仕上げ寸法に相当する間隔を存してピン部と
同期的に遊星回転するよう対峙して各々のピン部に配設
し、同期的に回転する一対の回転砥石間にピン部を圧接
挟入せしめることにより複数のピン部を一工程で研削研
磨加工できる構成を主要な特徴とするものである。

【００１５】

【作用】前記構成によれば、クランク軸の複数のピン部
は一定の軌跡を公転しながら一定速度で遊量回転する。 そして、各々のピン部に配設された一対の回転砥石はピ
ン部と同一軌跡を公転しながら一定速度で自転する。

【００１６】したがって、一対の回転砥石間にピン部を
圧接挟入せしめることで回転砥石とピン部の回転差によ
り一対の回転砥石でピン部を効率的に研削研磨する。

【００１７】

【実施例】以下この発明によるクランク軸の研削研磨機
の一実施例について図面を参照して説明する。

【００１８】実施例は４気筒エンジンのクランク軸の研
削研磨機であって、Ａはクランク軸で、図４に詳示され
ているように、両側部に一方の同一角度位置の２つのピ
ン部を配し、中間部に他方の同一角度位置の２つのピン
部を配して両端主軸部１間に４個のピン部２を偏心的に
備えている。

【００１９】Ｂはクランク軸昇降装置で、シリンダー（
図示せず）によって昇降する軸４の上端に２つの支承コ
ロ５を回転自由に並設してなり、搬送コンベアー６の両
側に設置され、搬送コンベアー６の所定位置に搬送され
てきたクランク軸Ａの両端主軸部１を両側の支承コロ５
で支承して予め決められたプログラムに従って所定のス
トロークだけ水平を保って昇降させることにより研削研
磨時にクランク軸Ａを研削位置まで自動的に持上げ、研
削終了後は搬送コンベアー６まで自動的に降下して載置
するものである。

【００２０】Ｃはクランク軸回転装置で、機枠７に垂設
した固定側板８の下部にロッド９を介して保持され、発
条１０により離反する方向（図示下方）に付勢された可
動側板１１を設け、該可動側板１１に２つのプーリ付き
回転コロ１２を前記クランク軸昇降装置Ｂの支承コロ５
と相対向した位置に並設せしめ、該プーリ付き回転コロ
１２と固定側板８に設けた駆動プーリ１３に一連の回転
ベルト１４を可動側板１１とともに上下動可能に備えた
可動テンションプーリ１５を介してかけ渡し、かつ、駆
動プーリ１３に減速モータＭ１　の回転をプーリ１３ａ
→駆動ベルト１６→プーリ１３ｂ→軸１３ｃを介して伝
達するように設けて、機枠７の両側に設置している。

【００２１】しかして、減速モータＭ１　によりプーリ
付き回転コロ１２は駆動ベルト１６、駆動プーリ１３及
び一連の回転ベルト１４を介して同一方向に同速回転さ
れるものである。

【００２２】そこで、前記クランク軸昇降装置Ｂで持上
げられたクランク軸Ａの両端主軸部１がプーリ付き回転
コロ１２に圧接されると、クランク軸Ａは両端主軸部１
を中心に強制的に接触回転される。したがって、両端主
軸部１間のピン部２は遊星回転する。

【００２３】前記クランク軸回転装置Ｃにおいて、可動
側板１１の上限位置は可動側板１１の上端面１１ａが固
定側板８の下端面８ａに当ることにより規制され、下限
位置はロッド９の頭部９ａがロッドの軸受部１７の上端
面１７ａに係合されることにより規制されるようになっ
ており、可動側板１１の上下動にともない可動テンショ
ンプーリ１５も共動して回転ベルト１４のテンションに
支障がないようになっている。

【００２４】３はクランク軸Ａのピン部２を研削研磨す
るための一対の回転砥石であって、支持アーム１８の下
端に保持装置Ｄにより回転プーリ１９とともに回転が自
由に行えるよう取付けられている。

【００２５】支持アーム１８は、その上端が前記クラン
ク軸Ａのピン部２の公転軌跡ａと同一軌跡ｂを減速モー
タＭ１　により任意の偏心回転機構（図示せず）を介し
て公転するようにした偏心回転軸２０に備えた保持板２
１の上端に支軸２２により枢支され、該支持アーム１８
は支軸２２を支点として図示左右への揺動が自由となっ
ており、その下端に備えた回転砥石３の間隔調整を調整
ネジ２３によって行い、締付けボルト２４により締付け
固定して一対の回転砥石３をクランク軸Ａのピン部２の
仕上げ寸法に相当する間隔に調整保持できるようになし
ている。

【００２６】支持アーム１８の下端に備えた回転砥石３
は、偏心回転軸２０により保持板２１及び支持アーム１
８とともにクランク軸Ａのピン部２の公転軌跡ａと同一
軌跡ｂを公転し、該回転砥石３は一定速度で自転しなが
らクランク軸Ａのピン部２と同期的に遊星回転する。

【００２７】なお、前記回転砥石３には、ダイヤモンド
砥石（図４に例示されているように、砥石ホイール３ａ
の外周面にダイヤ層３ｂを設けたもの）を用いるのがよ
い。

【００２８】回転砥石３の回転駆動は、モータＭ２　の
回転をプーリ２５ｂ→駆動ベルト２５ａ→プーリ２５ｃ
を介して中間軸２５に伝え、中間軸２５に備えたプーリ
２６から伸縮自在アームＥに備えたテンションプーリ２
７，２８，２９を介して回転砥石３と保持装置Ｄを介し
て一体の回転プーリ１９に一連の回転ベルト３０により
伝達し、回転砥石３を所定の方向へ一定の速度で回転す
るようになしている。

【００２９】前記伸縮自在アームＥは固定側アーム３１
と可動側アーム３２を連結軸３３を介して伸縮自由に連
設して構成され、固定側アーム３１を中間軸２５に軸支
し、可動側アーム３２は支持アーム１８の下端部にピン
３４により枢支せしめて、回転砥石３の公転により伸縮
して回転ベルト３０のテンションに支障がないようにな
している。

【００３０】なお、研削研磨にあたっては、前記一対の
回転砥石３は反対方向に回転させて研削抵抗を相殺する
ほか、一対の回転砥石３間にピン部２を圧接挟入するに
あたり、これらの軸心ｃが横一線に至るまで研削しなが
ら圧接挟入するのがよい。また、実施例の４気筒エンジ
ンのクランク軸の場合は一方のモータで２組の回転砥石
３を回転駆動するものである。

【００３１】さらに、クランク軸Ａのピン部２は、一定
の軌跡ａを公転しながら２０〜５０回／分程度の速度で
遊量回転させ、回転砥石３は、ピン部２と同一軌跡ｂを
公転しながら１０００〜１８００ｍ／ｍｉｎ程度の速度
で自転させ、その回転差により材質に最適の条件で研削
研磨する。

【００３２】前記構成において、次にその作用を説明す
る。

【００３３】搬送コンベアー６の所定の位置にクランク
軸Ａが搬送されてくると、その直下に待機していたクラ
ンク軸昇降装置Ｂの支承コロ５がシリンダーの起動によ
って上昇し、該支承コロ５でクランク軸Ａの両端主軸部
１を支承して直上に水平を保って持上げる。

【００３４】クランク軸Ａが支承コロ５で所定のストロ
ークだけ持上げられると、クランク軸回転装置Ｃのプー
リ付き回転コロ１２にクランク軸Ａの両端主軸１の上部
が押し当てられる。

【００３５】プーリ付き回転コロ１２に両端主軸部１が
圧接された後、支承コロ５がさらにゆっくりと上昇し始
めた時点で減速モータＭ１　を起動させ、該減速モータ
Ｍ１　の回転を駆動ベルト１６→駆動プーリ１３→一連
の回転ベルト１４を介してプーリ付き回転コロ１２に伝
達し、該回転コロ１２を同一方向に同一速度で回転する
。

【００３６】しかして、クランク軸Ａの両端主軸部１は
、支承コロ５と回転コロ１２間に発条１０の弾発力によ
ってスリップしないよう挟持されるため、クランク軸Ａ
は両端主軸部１を中心として回転コロ１２により強制回
転され、クランク軸Ａが回転しながら発条１０に抗して
さらに上昇すると、可動側板１１の上端面１１ａが固定
側板８の下端面８ａに当たってその上昇が規制され、ク
ランク軸Ａを上限位置で停止する（図１の状態参照）。 この停止位置でそのピン部２が軸心となる。

【００３７】一方、前記減速モータＭ１　で偏心回転軸
２０を介して遊星回転されている回転砥石３は、モータ
Ｍ２　の起動により該モータＭ２　の回転が駆動ベルト
２５ａ→中間軸２５→一連の回転ベルト３０を介して伝
達されることにより一対の回転砥石３は反対方向に同一
速度で回転される。

【００３８】そこで、クランク軸Ａのピン部２の遊星回
転と同期して一対の回転砥石３も偏心回転軸２０によっ
てピン部２と同一軌跡ｂ上を遊星回転するので、一定の
速度で自転しながら一定の軌跡ｂ上を公転している一対
の回転砥石３間に一定の軌跡ａ上を公転しているピン部
２がその軸心ｃにまでクロス方向に平行して押接される
間に一対の回転砥石３によるピン部２の研削研磨は的確
に行われる（図５参照）。

【００３９】ピン部２の研削研磨加工が終了すると、シ
リンダーの圧力解除等によりクランク軸昇降装置Ｂの支
承コロ５は降下し該支承コロ５に支承されているクラン
ク軸Ａを回転コロ１２から離して下降せしめ支承コロ５
が所定のストロークだけ降下すると、クランク軸Ａは搬
送コンベアー６上に載って転送される。そして、支承コ
ロ５は下限位置で次のクランク軸の研削研磨に備え待機
する（図１の鎖線位置参照）。

【００４０】支承コロ５の降下により可動側板１１は発
条１０の弾発力でロッド９の頭部９ａがロッドの軸受部
１７の上端面１７ａに係合されるまで自動的に下降し、
次のクランク軸の研削研磨に備え待機する。

【００４１】

【発明の効果】この発明によるクランク軸の研削研磨機
は、次に述べる特有の効果を奏する。

【００４２】両端主軸部を中心に遊星回転するピン部を
同期的に遊星回転する一対の回転砥石間に圧接挟入する
ことにより複数のピン部を一工程で研削研磨できるから
、従来の技術に比べ略３分の１以下の時間で加工できる
から略３倍の能率向上が図りうる。

【００４３】また、従来の技術では不可能とされていた
クランク軸のすべてのピン部を一工程で研削研磨加工で
きるため、設備費の節減は勿論のこと、作業能率も倍加
する。

【００４４】ダイヤモンド砥石のような高性能砥石を用
いることができるので、回転砥石を小型化及び軽量化で
きる。したがって、従来のように交換専用の特別の設備
を要することなく人力で簡易に交換できる。

【００４５】また、ピン部を一対の回転砥石で両側から
押接加工するため、いわゆる、逃げ現象が生ずることは
なく、しかも、２つの回転砥石で切込むために強度の切
込みが可能となって高精度、高能率の研削研磨加工が可
能となる。

【００４６】一対の回転砥石を反対方向に回転させると
、ピン部が両側において反対方向に研削されるので、そ
の研削抵抗が相殺され、軽快、かつ、高精度の研削研磨
加工ができる。

【００４７】一対の回転砥石で加工することから、前記
研削抵抗の相殺作用と相まって研削負荷は半減し、砥石
寿命をも長くする。故にドレスインターバルも驚異的な
格差となる。

【００４８】一対の回転砥石間にピン部をこれらの軸心
が横一線に至るまで研削しながら圧接挟入するだけで、
精度のよい研削研磨加工が完了できるので、作業能率は
飛躍的に向上する。

【００４９】以上の各々の効果を総合すれば、ライン数
の増設等を要する従来の技術に比し大幅な合理化となり
、構造の簡略化、設備費の低減等と相まって格段のコス
トダウンが可能となる。

【００５０】なお、この発明のクランク軸の研削研磨機
は、クランク軸のほかに、コンプレッサー用その他の偏
心軸のピン部の研削研磨にも応用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明によるクランク軸の研削研磨機の一実
施例を示した全体正面図である。

【図２】同側面図である。

【図３】回転砥石部分の正面図である。

【図４】クランク軸と回転砥石の関係位置を示した一部
切断平面図である。

【図５】研削研磨時のピン部と一対の回転砥石との作動
関係を示した正面図である。

【符号の説明】 Ａ　　　　クランク軸 １　　　　主軸部 ２　　　　ピン部 ３　　　　回転砥石

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　両端主軸部（１）間に複数のピン部（
   ２）を偏心的に備えたクランク軸（Ａ）をピン部（２）
   が主軸部（１）を中心に遊星回転するよう軸架し、該ピ
   ン部（２）を研削研磨する一対の回転砥石（３）をピン
   部（２）の仕上げ寸法に相当する間隔を存してピン部（
   ２）と同期的に遊星回転するよう対峙して各々のピン部
   （２）に配設せしめ、同期的に遊星回転する一対の回転
   砥石（３）間にピン部（２）を圧接挟入することにより
   複数のピン部（２）を一工程で研削研磨加工できる構成
   としたことを特徴とするクランク軸の研削研磨機。
2. 【請求項２】　　一対の回転砥石（３）を反対方向に回
   転させて研削抵抗を相殺した請求項１記載のクランク軸
   の研削研磨機。
3. 【請求項３】　　一対の回転砥石（３）間にピン部（２
   ）をこれらの軸心が横一線に至るまで研削しながら圧接
   挟入する請求項１記載のクランク軸の研削研磨機。