JPH04357696A - 薄膜型エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

薄膜型エレクトロルミネッセンス素子

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Publication number
JPH04357696A
JPH04357696A JP3033471A JP3347191A JPH04357696A JP H04357696 A JPH04357696 A JP H04357696A JP 3033471 A JP3033471 A JP 3033471A JP 3347191 A JP3347191 A JP 3347191A JP H04357696 A JPH04357696 A JP H04357696A
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JP
Japan
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layer
superlattice
thin film
zns
electroluminescent device
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Withdrawn
Application number
JP3033471A
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English (en)
Inventor
Yoji Takeuchi
要二 竹内
Tsunemi Oiwa
大岩 恒美
Hiroshi Fujiyasu
洋 藤安
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Maxell Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜型エレクトロルミネ
ッセンス素子に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜型エレクトロルミネッセンス素子は
、自発光型のディスプレイとして有望であるが、約20
0V程度の高電圧で駆動しなければ所望とする輝度が得
られないという問題がある。
【0003】そこで、従来使用のSiO2 、Al2 
O3 、Ta2 O5 、Si3 N4 などに代えて
、PZT(Pb、Zn、Ti酸化物)、BaTiO3 
、PbTiO3 などの高誘電率の物質を絶縁層に使用
することによって駆動電圧を下げることが検討されてい
る(例えば特公昭57−41200号公報、特開昭53
−84498号公報、特開昭57−121194号公報
など)。
【0004】しかし、これらの高誘電物質を絶縁層に使
用する方法は、それぞれ特有の欠点を伴うため、満足す
べき結果が得られない。例えば、PbTiO3 を絶縁
層に用いた場合、電圧印加時にPbTiO3 が破壊し
やすく、しかも伝播型の破壊が生じやすいため、素子の
寿命が短くなるという問題がある。
【0005】また、発光層を構成する蛍光体の母体とし
てCaSやSrSを用いた場合には、絶縁層から移動し
てきた酸素が蛍光体を劣化させるため、この面からも、
素子の寿命が短くなるという問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の薄膜
型エレクトロルミネッセンス素子が持っていた高電圧で
駆動しなければならないという問題点や、それを解決す
るための高誘電物質の使用に基づくエレクトロルミネッ
センス特性の低下を解消し、低電圧でも駆動することが
でき、かつ高輝度の薄膜型エレクトロルミネッセンス素
子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、発光層の少な
くとも一方の面に、II−VI族化合物の超格子層と、
上記発光層と超格子層との間に介在するII−VI族化
合物の界面層を設けることによって、上記目的を達成し
たものである。
【0008】本発明において、II−VI族化合物の超
格子層とは、II−VI族化合物からなる超格子構造の
層を意味するが、発光層の少なくとも一方の面に上記超
格子層を設けておくと、高誘電物質の絶縁層を設けてい
なくても、低電圧でキャリアが発生しやすくなって、低
電圧での駆動が可能になる。
【0009】また、上記超格子層と発光層との間にII
−VI族化合物の界面層が介在することによって、発光
層へのエネルギーが高められ、高輝度を呈し得るのであ
る。 また、超格子層や界面層が酸素原子を含まないので、発
光層への酸素の移動がなく、したがって酸素の移動に基
づく素子の寿命低下も防止することができる。
【0010】上記超格子層を構成する超格子層構造のI
I−VI族化合物におけるII族元素としてはZn、C
d、Ca、Srなどがあり、VI族元素としてはS、S
e、Teがある。このような元素の例示からも明らかな
ように、II族とか、VI族とは、周期律表のII族や
VI族をいう。
【0011】また、上記発光層と超格子層との間に介在
するII−VI族化合物の界面層のII族元素やVI族
元素も、上記超格子層のII族元素やVI族元素の場合
と同様のものである。
【0012】本発明において、発光層と超格子層との間
に介在するII−VI族化合物の層を界面層と表現して
いるが、これはこの層を発光層と超格子層との間の界面
に設けるので、界面層と表現しているだけであって、超
格子層のような特定の構造を持つものではない。要する
に、この界面層はII−VI族化合物、すなわち、II
族元素とVI族元素との化合物で構成されていればよい
【0013】つぎに、図面を参照しつつ本発明の薄膜型
エレクトロルミネッセンス素子を説明する。
【0014】図1は本発明の薄膜型エレクトロルミネッ
センス素子の一例を示すものであり、この薄膜型エレク
トロルミネッセンス素子は、透明ガラス板などからなる
透明基板1上にITO膜、SnO2 膜などの透明導電
膜からなる透明電極2が形成され、その上にII−VI
族化合物の第1の超格子層3が設けられている。
【0015】この超格子層3については、後に詳しく説
明するが、この第1の超格子層3上にはII−VI族化
合物の界面層4が設けられ、該II−VI族化合物の界
面層4上に発光層5が形成されている。
【0016】上記発光層5は、ZnS:Mn、ZnS:
Tb,F、ZnS:Sn、GaS:Eu、SrS:Ce
、SrS:Ce,Clなどの蛍光体をスパッタ法、MO
CVD法(有機金属気相成長法)、MBE法(分子線エ
ピタキシー法)、MOMBE法(有機金属分子線エピタ
キシー法)、ホットウォール法、CVD法(ケミカルベ
ーパーディポジション法)などで成膜することによって
形成され、その厚みは、通常、30〜100,000Å
(3〜10,000nm)である。
【0017】上記発光層5上には、II−VI族化合物
の第2の超格子層3が形成され、さらに上記第2の超格
子層3上にアルミニウム蒸着膜などからなる背面電極6
が形成されている。
【0018】この背面電極6の形成は、真空蒸着法、ス
パッタ法などによって行われ、背面電極6の厚みは、通
常、500〜5,000Åである。この背面電極6の形
成にあたって、そのパターンが粗い場合にはマスク蒸着
を用いてもよいし、またパターンが密な場合にはエッチ
ングによりパターンを形成すればよい。そして、透明電
極2と背面電極6は電源7に接続され、素子が駆動でき
るようになっている。
【0019】上記超格子層3を構成する超格子構造のI
I−VI族化合物において、II族元素としてはZn、
Cd、Ca、Srなどがあり、VI族元素としてはS、
Se、Teなどがあるが、この例に示すものでは、II
−VI族化合物としてZnSとZnTeとを用いて、超
格子構造を形成させている。
【0020】この超格子層の断面構造は、図2に模式的
に示すように、ZnTe12上にZnS11が配置して
超格子を形成し、これらZnTe12とZnS11は極
薄膜状で、所望の厚みになるまで必要な周期繰り返して
成膜され、超格子層として仕上げられる。なお、本発明
における超格子層は、完全な超格子構造を持つものが適
しているが、厚みが100Å以下で、完全な超格子構造
に類似した構造の多重層であってもよい。
【0021】そして、その超格子の価電子帯と伝導帯の
エネルギー構造を示す原理図は図3および図4の通りで
ある。
【0022】図3において、Evは価電子帯のエネルギ
ー上端で、Ecは伝導帯のエネルギー下端を示すが、こ
の図3に示すものでは、Ev、Ecとも、ZnTeの方
がZnSより高い値を示している。
【0023】この図3に示すような価電子帯と伝導帯の
エネルギー状態(タイプI´と呼ばれている)をとるも
のとしては、上記ZnTeとZnSの組み合わせ(Zn
Te/ZnS)以外にも、ZnSe/ZnTe、ZnT
e/CdS、ZnSe/CdS、CdS/CdTe、S
rSe/ZnS、ZnS/SrTeなどがある。
【0024】また、上記図3に示すエネルギーバンド状
態のものとは別に、図4に示すZnS/CdSのように
、EvはCdSの方がZnSより高いが、EcはZnS
の方がCdSより高いエネルギーバンド状態(タイプI
と呼ばれる)をとるものがある。
【0025】このような図4に示すエネルギーバンド状
態をとるものとしては、上記ZnS/CdS以外にも、
ZnS/ZnSe、SrSe/CdSe、SrS/Zn
Se、ZnSe/ZnTeなどがある。
【0026】このように、図3に示すエネルギーバンド
状態をとるものと、図4に示すエネルギーバンド状態を
とるものの両方があるが、本発明では、図3に示すエネ
ルギーバンド状態(タイプI´)をとるものの方が、電
子、正孔のキャリアの空間分離を生じるため、特に低電
圧での駆動が可能になるので好ましい。ただし、図4に
示すエネルギーバンド状態(タイプI)をとるものは、
高輝度が得られやすいと考えられる。
【0027】これらの超格子層3におけるZnS、Zn
Teなどの超格子材料の厚みは3〜100Åの範囲、特
に5〜50Åの範囲が好ましく、また、超格子層3の厚
みは、30〜10,000Åの範囲、特に100〜50
,000Åの範囲が好ましい。
【0028】すなわち、ZnS、ZnTeなどの超格子
材料の厚みが3Åより薄い場合はエネルギー的に高くな
るため所望の特性が得られず、また100Åより厚くな
ると超格子構造になりにくくなる。
【0029】また、超格子層3は、超格子構造の層が1
層でもあればよいが、厚みが30Åより薄くなると、そ
のような超格子構造の層が得られにくくなり、そのため
、超格子層3による効果が得られにくくなり、超格子層
3の厚みが100,000Åより厚くなると駆動電圧が
高くなりすぎるので好ましくない。
【0030】上記第1の超格子層3と発光層5との間の
II−VI族化合物の界面層4を構成するII−VI族
化合物としては、第1の超格子層3と同様のII−VI
族化合物があるが、この例に示すものではZnSが用い
られている。
【0031】そして、このII−VI族化合物の界面層
4の厚さとしては、50〜500Åが適しており、特に
100〜300Åが好ましい。II−VI族化合物の界
面層の厚みが50Åより薄くても、また500Åより厚
くても輝度の向上が得られない。
【0032】上記図1に図示のものは発光層5の両面に
超格子層3を設けているが、超格子層3と界面層4は発
光層5の少なくとも一方の面に設ければよい。例えば、
発光層5を2層形成し、その2層の発光層5、5間に超
格子層3と界面層4とを、界面層4が超格子層3の両面
に配置するようにして設けてもよい。
【0033】超格子層3を発光層5の両面に設けるなど
、超格子層3を2層以上設ける場合においては、それら
は同一のII−VI族化合物で形成されているのが好ま
しいが、異なるII−VI族化合物で形成されていても
よい。
【0034】また、第1の超格子層3、界面層4、発光
層5を順次形層した後に、さらにその上に超格子層3、
界面層4、発光層5を再度形成してもよい。
【0035】
【実施例】つぎに実施例をあげて本発明をより具体的に
説明する。
【0036】実施例1 下記に示すようにして図1に示す構造の薄膜型エレクト
ロルミネッセンス素子を作製した。透明ガラス板からな
る透明基板1上にスパッタ法によりITOからなる透明
導電膜を膜厚2,000Åで全面に形成した後、フォト
リソグラフィのエッチングにより透明導電膜を部分的に
除去し、透明導電膜が横方向に多数帯状に平行配列する
ようにして透明電極2を形成した。
【0037】つぎに、上記透明電極2上にホットウォー
ル法でZnTe(厚み10Å)−ZnS(厚み30Å)
からなる超格子を50周期(全体の膜厚としては2,0
00Å)で成膜して、第1の超格子層3を形成した。Z
nTe、ZnSは、それぞれ、ZnTe、ZnSをソー
スとしたホットウォール炉を準備し、それぞれの薄膜を
交互に繰り返し成膜した。
【0038】上記第1の超格子層3上にZnSを電子ビ
ーム蒸着法により150Åの厚さに成膜して界面層4を
形成し、ついで、ZnS:Mnを電子ビーム蒸着法によ
り4,000Åの厚さに成膜して発光層5を形成した。
【0039】つぎに、上記発光層5上に前記と同様にホ
ットウォール法によりZnTe(厚み10Å)−ZnS
(厚み30Å)を50周期(全体の膜厚として2,00
0Å)で成膜して、第2の超格子層3を形成した。
【0040】さらに、上記第2の超格子層3上に抵抗加
熱法により厚さ2,000Åのアルミニウムの蒸着膜を
形成し、フォトリソグラフィのエッチングにより上記ア
ルミニウム蒸着膜を部分的に除去して、前記透明電極2
と相互に直交する帯状の背面電極6を形成し、透明電極
2と背面電極6とを電源7に接続して、図1に示す構造
の薄膜型エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
【0041】実施例2 実施例1の第1および第2の超格子層3におけるZnT
e/ZnSに代えて、ZnSe/ZnTe、ZnTe/
CdS、SrSe/ZnS、ZnS/ZnSe、ZnS
/CdS、SrS/CdS、CaS/CdSの組み合わ
せで、それぞれ、第1および第2の超格子層3を形成し
たほかは、実施例1と同様にして薄膜型エレクトロルミ
ネッセンス素子を作製した。
【0042】実施例3 実施例1の界面層4におけるZnSに代えて、ZnTe
、SrS、CdS、CaS、ZnSeでそれぞれ界面層
4を形成したほかは、実施例1と同様にして薄膜型エレ
クトロルミネッセンス素子を作製した。
【0043】実施例4 第2の超格子層3上に高周波スパッタ法により、SiO
2 、Al2 O3 、Si3 N4 、Ta2 O5
 をそれぞれ後記表3の実施例4−1〜4−5に示す仕
様で成膜して絶縁層を形成した後、その上にアルミニウ
ム蒸着膜からなる背面電極を形成したほかは、実施例1
と同様にして薄膜型エレクトロルミネッセンス素子を作
製した。
【0044】この実施例4の薄膜型エレクトロルミネッ
センス素子の断面構造は図5に示す通りである。
【0045】図5において、8は絶縁層であり、第2の
超格子層3上に形成されている。この実施例4の薄膜型
エレクトロルミネッセンス素子は、上記絶縁層8を除く
と、図1に示す実施例1の薄膜型エレクトロルミネッセ
ンス素子と同様の構造を有するものである。
【0046】実施例5 実施例1の発光層5におけるZnS:Mnに代えて、Z
nS:Tb,Fで発光層5を形成したほかは、実施例1
と同様にして薄膜型エレクトロルミネッセンス素子を作
製した。
【0047】実施例6 発光層5をZnS:Tb,Fで形成し、かつ第2の超格
子層3上に高周波スパッタ法によりSi3 N4 を2
00Åの厚さに成膜して絶縁層を形成したほかは、実施
例1と同様にして薄膜型エレクトロルミネッセンス素子
を作製した。
【0048】この実施例6の薄膜型エレクトロルミネッ
センス素子の断面構造は、実施例4の薄膜型エレクトロ
ルミネッセンス素子の場合と同様に、図5に示す通りで
ある。つまり、この実施例6の薄膜型エレクトロルミネ
ッセンス素子は、図5に示すように、第2の超格子層3
上に絶縁層8が形成されているが、この絶縁層8を除く
と、図1に示す実施例1の薄膜型エレクトロルミネッセ
ンス素子と同様の構造を有するものである。
【0049】比較例1 第1の超格子層3、界面層4および第2の超格子層3を
形成することなく、発光層5の上下にSi3 N4 を
それぞれ1,000Åの厚さに成膜して絶縁層8を形成
したほかは、実施例1と同様にして薄膜型エレクトロル
ミネッセンス素子を作製した。
【0050】この比較例1の薄膜型エレクトロルミネッ
センス素子は従来構造の薄膜型エレクトロルミネッセン
ス素子に相当するものであり、その断面構造は図6に示
す通りである。
【0051】この比較例1の薄膜型エレクトロルミネッ
センス素子では図6に示すように、発光層5の上下にそ
れぞれ絶縁層8、8を形成していて、第1の超格子層3
、界面層4、第2の超格子層3などは設けていない。
【0052】比較例2 発光層5をZnS:Tb,Fで形成し、第1の超格子層
3、界面層4および第2の超格子層3を形成することな
く、発光層5の上下にSi3 N4をそれぞれ1,00
0Åの厚さに成膜して絶縁層を形成したほかは、実施例
1と同様にして薄膜型エレクトロルミネッセンス素子を
作製した。
【0053】この比較例2の薄膜型エレクトロルミネッ
センス素子の断面構造は、比較例1の薄膜型エレクトロ
ルミネッセンス素子の場合と同様に、図6に示す通りで
ある。つまり、この比較例2の薄膜型エレクトロルミネ
ッセンス素子では、図6に示すように、発光層5の上下
に絶縁層8、8を形成していて、第1の超格子層3、界
面層4、第2の超格子層3などは形成していない。
【0054】比較例3 界面層4を形成しなかったほかは、実施例1と同様にし
て薄膜型エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
【0055】この比較例3の薄膜型エレクトロルミネッ
センス素子の断面構造は図7に示す通りである。
【0056】この比較例3の薄膜型エレクトロルミネッ
センス素子では、図1に示す実施例1の薄膜型エレクト
ロルミネッセンス素子におけるような界面層4を形成し
ていないので、図7に示すように、第1の超格子層3と
発光層5とが接触している。
【0057】比較例4 発光層5をZnS:Tb,Fで形成し、界面層4を形成
しなかったほかは、実施例1と同様にして薄膜型エレク
トロルミネッセンス素子を作製した。
【0058】この比較例4の薄膜型エレクトロルミネッ
センス素子の断面構造は、比較例3の薄膜型エレクトロ
ルミネッセンス素子の場合と同様に、図7に示す通りで
ある。つまり、この比較例4の薄膜型エレクトロルミネ
ッセンス素子では、図1に示す実施例1の薄膜型エレク
トロルミネッセンス素子におけるような界面層4を形成
していないので、図7に示すように、第1の超格子層3
と発光層5とが接触している。
【0059】つぎに、上記のように作製した実施例1〜
6および比較例1〜4の薄膜型エレクトロルミネッセン
ス素子に、20℃で1kHzの正弦波を印加し、発光開
始電圧および発光開始電圧より30V高い電圧での輝度
を測定した。
【0060】実施例1〜3の超格子材料(超格子層3の
構成材料)および界面層材料(界面層4の形成材料)を
表1に示す。実施例4〜6および比較例1〜4の超格子
材料および界面層材料を表2に示す。また、実施例4〜
6および比較例1〜4の絶縁層材料(絶縁層8の形成材
料)および絶縁層の厚みを表3に示す。なお、表2およ
び表3においては、超格子層3、界面層4、絶縁層8を
形成しているものについてのみ、それらの材料、厚み(
ただし、絶縁層のみ)を示している。
【0061】実施例1〜3の発光開始電圧および輝度を
表4に示す。実施例4〜6および比較例1〜4の発光開
始電圧および輝度を表5に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】表1〜表5に示す結果を要約すると、次の
通りである。
【0068】まず、発光層の上下に絶縁層8を設けた比
較例1〜2と、絶縁層8に代えて超格子層3を設けた実
施例1〜6とを比較すると、実施例1〜6の方が比較例
1〜2より発光開始電圧が低く、輝度が高い。
【0069】この結果から、絶縁層8に代えて超格子層
3を設けることにより、発光開始電圧が低くなり、低電
圧で駆動できるようになることがわかる。
【0070】つぎに、実施例1〜6と比較例3〜4とを
比較すると、実施例1〜6の方が比較例3〜4より輝度
が高い。
【0071】この結果から、超格子層3を設けた場合で
も、実施例1〜6のように発光層5と超格子層3との間
にII−VI族化合物の界面層4を設けた場合には、輝
度がより高くなることがわかる。
【0072】また、比較例1〜2と比較例3〜4とを比
較すると、比較例3〜4の方が比較例1〜2より輝度が
高いので、絶縁層8に代えて、超格子層3を設けること
が輝度の向上にも寄与していることがわかる。
【0073】なお、実施例4〜1〜4−5および実施例
6では、超格子層3および界面層4に加えて絶縁層8を
形成している。これらは比較例1〜4に比べると発光開
始電圧が低く、かつ輝度が高いものの、実施例1〜3や
実施例5に比べると発光開始電圧が若干高い。
【0074】このように、超格子層3および界面層4に
加えて絶縁層8を設けると、発光開始電圧が若干増加す
るものが、絶縁層8によって寿命が向上するものと期待
できる。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、発光
層5の少なくとも一方の面に、II−VI族化合物の超
格子層3と、上記発光層5と超格子層3との間に介在す
るII−VI族化合物の界面層4を設けることによって
、低電圧で駆動することができ、かつ高輝度の薄膜型エ
レクトロルミネッセンス素子を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄膜型エレクトロルミネッセンス
素子の一例を示す要部断面図である。
【図2】超格子層の断面構造を模式的に示す図である。
【図3】超格子の価電子帯と伝導帯のエネルギー構造を
示す原理図である。
【図4】超格子の価電子帯と伝導帯のエネルギー構造を
示す原理図である。
【図5】本発明の薄膜型エレクトロルミネッセンス素子
の他の例を示す要部断面図である。
【図6】従来の薄膜型エレクトロルミネッセンス素子の
一例を示す要部断面図である。
【図7】本発明外の薄膜型エレクトロルミネッセンス素
子の一例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
2  透明電極 3  超格子層 4  界面層 5  発光層 6  背面電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  透明電極2と背面電極6との間に、発
    光層5と、II−VI族化合物の超格子層3と、上記発
    光層5と超格子層3との間に介在するII−VI族化合
    物の界面層4を設けたことを特徴とする薄膜型エレクト
    ロルミネッセンス素子。
  2. 【請求項2】  II−VI族化合物の界面層4の厚み
    が50〜500Åである請求項1記載の薄膜型エレクト
    ロルミネッセンス素子。
JP3033471A 1991-02-01 1991-02-01 薄膜型エレクトロルミネッセンス素子 Withdrawn JPH04357696A (ja)

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