JPH0435709Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜技術分野＞ 本考案は、液体燃料を気化して燃焼させる液体
燃料燃焼器に関する。

＜従来技術＞ 従来の、ブンゼン式バーナーなどを具え、燃料
を気化して燃焼させる液体燃料燃焼器において
は、燃焼に必要な空気を得るためにフアン等でバ
ーナー中へ一次空気を供給する方式のものや、エ
ジエクター効果（気化燃料の噴出速度を利用する
もの）を利用して一次空気をフアン等を用いずに
取り込むようにしたものなどがある。この場合一
次空気に綿ぼこり等が混じつていると、これがバ
ーナーの炎孔網等に付着して炎孔の開口面積を小
さくするため気化燃料が燃焼する際に抵抗とな
り、炎が赤火傾向となる。また、綿ぼこり等の付
着の度合によつては異常燃焼にまでなつてしまう
ことがある。

この綿ぼこりを取るためには、空気取り入れ口
や対流送風機のフアンガードにフイルターを取り
付ければ良いのであるが、コストが高くつくと共
に、このフイルターの掃除が長期間されない場合
にはフイルターが目ずまりを起し、取り入れ空気
量が減るために炎が火傾向になつたり、燃焼器内
の器具が異常に高温になるなど障害が発生する。

次に燃焼器内に取付けられたブンゼン式バーナ
ーの構成について説明すると、気化器で気化され
た燃料がノズルより噴出され、エジエクター効果
により一次空気を取込みながら、バーナー内へ送
り込まれる。この場合、バーナー内には逆火を防
止する下炎孔網が取り付けられている。しかし、
一次空気に含まれた綿ぼこり等が下炎孔網に付着
し、前述の様な燃料の燃焼が不完全になる等の障
害が発生していた。

＜目的＞ 本考案は、フアンガードに取り付けるフイルタ
ー等の部品が不要になり、コストの低減を計り得
る液体燃料燃焼器の提供を目的とする。

＜実施例＞ 以下、本考案の実施例を第１図ないし第５図に
基づいて説明すると、本考案に係る液体燃料燃焼
器は、燃料流体１を噴出するノズル２と、該ノズ
ル２より噴出した燃料流体１を燃焼させるブンゼ
ン式バーナ３と、該バーナ３の炎孔４に張設され
た炎孔網５とを具え、前記バーナ３へ噴出する燃
料流体１の流れによつて燃焼に必要な一次空気を
前記バーナ３内に取り入れるよう構成された液体
燃料燃焼器において、前記炎孔網５に付着した綿
ぼこり６等を除去するためのほこり除去手段Ａが
設けられ、該除去手段Ａは前記一次空気量を通常
燃焼時よりも増加するよう構成され、該除去手段
Ａを制御する制御装置Ｂが設けられたものであ
る。

前記除去手段Ａは、気化器７に取付けられたヒ
ータ７Ａから構成される。また前記制御装置Ｂ
は、前記バーナー３の上方に配された炎検知セン
サー８と、前記気化器７の温度を検知する温度検
知センサー９と、燃焼開始や室内温度を設定する
設定器１０と、これらの出力信号により前記除去
手段Ａを制御する制御回路１１（マイクロコンピ
ユータ）とから構成される。なお、第１図中１２
はバーナー底、１３，１４は空気を整流する整流
板、１５はその下面に綿ぼこり６が付着する下炎
孔網１６は前記炎孔網５を押さえる押さえ板１７
は炎である。

上記構成においては、ほこりを除去するには、
通常の燃焼時よりも気化器７のヒータ７Ａの温度
を上げる。即ち第４図に示すように、着火してか
らt2時間までは通常の温度で燃焼させ、t2〜t3間
で気化器７の制御温度を通常燃焼時のT1（炎孔網
５の温度はT3）からほこり焼却時のT2まで上昇
させる。そうすると、気化器７の内圧が上がり、
これにより気化器７から噴出される気化燃料の噴
出速度が増加され、燃料流体の速度が大きくなる
ため負圧が大きくなり一次空気の摂取量が増加
し、燃焼速度が大となつてバーナ３内の温度が上
昇する。そのため炎孔網の温度（図中破線）も
T4まで上昇し、ほこりを焼却する。こうすれば
ほこり６の付着量が少ないうちに焼却できるた
め、バーナークリーニングの時間を短くできる。

この気化器温度は制御回路１１に制御されもの
で、一回の使用中にバーナークリーニングモード
として一定時間温度を例えば350°Cまで上昇させ
てもよいし、クリーニングモードを別に設けても
よい。

なお、除去手段Ａは、上記実施例の如くヒータ
７Ａを利用する以外に装置本体との後壁に配され
た対流フアン２０と、該フアン２０によつて取り
入れた空気を一次空気として利用するためにバー
ナー３の入口に導く導入路２１とから構成され、
前記制御回路１１は対流フアン２０の回転数を、
ほこり焼却時（バーナークリーニング時）に通常
燃焼時よりも増加させるよう構成される。これに
よつて一次空気量が増加され、バーナー３内の温
度が上昇する。

また、燃焼量にかかわらず対流フアン２０から
送られる風量が同じものについては、前記除去手
段Ａは、気化器７への燃料吐出量を調整可能なポ
ンプ２２（第３図参照）から構成し、制御装置Ｂ
は、発熱量、つまりポンプ２２からの燃料吐出量
を少なくするよう制御すればよい。

つまり、バーナー３のエジエクター効果で吹込む
Q2の風量に加えて、対流フアンの風おとし等に
よる強制的な風量Q1を、バーナー３に供給する
様にし、通常燃焼時に必要な一次空気量QxをQx
＝Q1＋Q2とした場合を考える。

いま、ポンプ２２からの吐出量を少なくする
と、気化器７から噴出する気化燃料も少なくな
り、バーナー３での燃焼に必要な一次空気量Qy
が少なくてすむ。すなわち、バーナー３のエジク
ター効果で吹込む風量Q′2も減る。しかし、対流
フアン２０から送られる風量Q1が一定で大きい
ため、結果的に、燃焼に必要な一次空気量Qyよ
りも大なる一次空気を吸い込むことになる。つま
り、Qy＜Q1＋Q′2となる。このため一次空気
（Q1＋Q′2）が燃焼に必要な一次空気量Qyよりも
増加して燃焼速度が大きくなる。なお、この場合
の空気量増減の調整も全て制御回路１１に依る。

以上のことをまとめると、通常燃焼時よりも一
次空気の吹込量が増える様にすれば、燃焼速度が
増大し、炎孔網５の温度が上昇し、付着した綿ぼ
こり６等を焼き切つてしまうため、バーナー３の
クリーニングが出来る。

なお、本考案は、上記実施例に限定されるもの
ではなく、本考案の範囲内で上記実施例に多くの
修正および変更を加え得ることは勿論である。

＜効果＞ 以上の説明から明らかな通り、本考案は、液体
燃料を気化してノズルより噴出させる気化器と、
該ノズルより噴出した気化燃料を燃焼させるバー
ナと、該バーナの炎孔に張設された炎孔網とを具
え、前記バーナへ噴出する気化燃料の流れによつ
て燃焼に必要な一次空気を前記バーナ内に取り入
れるよう構成された液体燃料燃焼器において、前
記炎孔網に付着した綿ぼこり等を除去するための
ほこり除去手段が設けられ、該除去手段は前記一
次空気量を通常燃焼時よりも相対的に増加し通常
燃焼時よりも燃焼速度を大ならしめるよう構成さ
れ、該除去手段を制御する制御装置が設けられた
ものである。

したがつて、本考案によると、バーナクリーニ
ング時には、通常燃焼時よりも燃焼速度が増大
し、炎孔網の温度が通常燃焼時よりも上昇するた
め、炎孔網に付着した綿ぼこり等を焼き切つてし
まい、バーナのクリーニングができ、従来の如く
フアンガードに取り付けるフイルター等の部品が
不要になり、コストの低減を計ることができると
いつた優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す制御回路図、第
２図は石油ストーブの側面断面図、第３図は同要
部正面図、第４図は同制御タイムチヤート、第５
図は同炎孔網部の平面図、第６図は同側面図、第
７図は同分解斜視図である。 Ａ……ほこり除去手段、Ｂ……制御装置、１…
…燃料流体、２……ノズル、３……バーナ、４…
…炎孔、５……炎孔網、６……綿ぼこり、７……
気化器、７Ａ……ヒータ、８……炎検知センサ
ー、９……温度検知センサー、１０……設定器、
１１……制御回路、２０……対流フアン、２１…
…導入路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液体燃料を気化してノズルより噴出させる気化
   器と、該ノズルより噴出した気化燃料を燃焼させ
   るバーナと、該バーナの炎孔に張設された炎孔網
   とを具え、前記バーナへ噴出する気化燃料の流れ
   によつて燃焼に必要な一次空気を前記バーナ内に
   取り入れるよう構成された液体燃料燃焼器におい
   て、前記炎孔網に付着した綿ぼこり等を除去する
   ためのほこり除去手段が設けられ、該除去手段は
   前記一次空気量を通常燃焼時よりも相対的に増加
   し通常燃焼時よりも燃焼速度を大ならしめるよう
   構成され、該除去手段を制御する制御装置が設け
   られたことを特徴とする液体燃料燃焼器。