JPH04356158A - バナナ熟成加工制御方法と装置 - Google Patents

バナナ熟成加工制御方法と装置

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JPH04356158A
JPH04356158A JP3129100A JP12910091A JPH04356158A JP H04356158 A JPH04356158 A JP H04356158A JP 3129100 A JP3129100 A JP 3129100A JP 12910091 A JP12910091 A JP 12910091A JP H04356158 A JPH04356158 A JP H04356158A
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humidity
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banana
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春樹 井上
Kiyoshi Takahashi
清 高橋
Hitoshi Kizawa
鬼澤 均
Masakazu Yahiro
八尋 正和
Noboru Abe
登 阿部
Yoshiyuki Sato
良幸 佐藤
Akira Hosoya
細谷 明
Yutaka Kamauchi
鎌内 豊
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MIZUHO KIDEN KK
Hitachi Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はバナナの熟成加工制御方
法及び装置に係り、特に必要な時期に所望の熟度のバナ
ナを得るのに好適なバナナ熟成加工制御方法及び装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】バナナ非生産,あるいは少量の生産量し
かない国,地域においては、一般的に海上輸送により未
成熟のバナナを一度に大量に輸入し、市場の需要に応じ
た時期に必要量を熟成させ出荷している。従来の熟成加
工は、昭和41年に光琳書院から刊行された「食品冷凍
の理論と応用」(加藤舜郎著)に記載のごとく以下の様
に行なわれていた。
【0003】図1は、熟成加工を行なう為の設備の例を
示したものである。高い遮熱性を有する壁で囲まれたバ
ナナ熟成加工室は、主に温度を下げる為のクーラー7,
主に温度を上げる為のヒーター8,主に湿度を上げる為
の加湿機9,外部の空気と内部の空気を入れ替える為の
換気機10にて空調制御される。これらの設備を総称し
以下空調機と称する。
【0004】また熟成を促進させ、かつ風味を向上させ
る為のエチレン等のガス投入機11が設置されている。 また熟成加工室内の状況を把握する為、温度センサー1
2,果肉温度センサー13,湿度センサー14,CO2
センサー15が設置されている。
【0005】これらのセンサー情報を入力とし、前述空
調機に運転指令を与える為の制御装置1が設けられてお
り、該制御装置1は、温度,湿度等を時間経過とともに
変化させるように予め設定された加工スケジュールを参
照し、空調制御を行なう。
【0006】図6に加工スケジュールの一例を示す。本
例は、192時間後に最適な熟成のバナナを得る為のも
のである。この例ではバナナを熟成加工室に格納後72
時間目までは温度設定値を13.0±0.5(℃),湿
度設定値を85.0±2.0(%)に保ち、72時間経
過後に温度設定値を20.0±0.5(℃)、湿度設定
値を93.0±2.0(%)に変更する。この状態を継
続し、バナナの果肉温度が21(℃)に達した時点(こ
れをやくと称す)で今度は徐々に温度設定値を下げてゆ
く。図6の例では、このやくが加工スケジュールと同じ
136時間目で発生している。熟成加工を開始してから
やくの発生までの経過時間は、加工スケジュールが先験
的な情報によって定められている為、保管状態,季節等
により加工スケジュールに対し、数時間の誤差が生ずる
場合もある。やくの発生タイミングがずれると全体の加
工時間がそのままずれることになる。本例ではやく後5
6時間経過した時点で、予定通り出荷可能となる。
【0007】一方、上記加工スケジュールを守るために
は高精度の空調制御が必要である。最近では、特開昭6
3−131942号公報「空調機の制御方式」に示す様
に、ファジィ理論を応用して、制御指令を決定し、制御
出力とする方法が実用化されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、次の
様な問題を有していた。
【0009】(1)熟成加工室の温度、湿度を加工スケ
ジュールに定められた一定の温度,湿度に保持する様な
制御の為、やく発生タイミングが所期の時刻に対してバ
ラつきが大きい。前述の通り、経験的な情報により、予
め設定されている温度、湿度のスケジュールに従って空
調制御しているが、やくのタイミングは同一種類のバナ
ナであっても、原産地,輸送日数,保管の度合により大
きく変動する。従って統計的データにより作成されたス
ケジュールは平均的なものになってしまい、このスケジ
ュールのみに従った制御では熟成加工時間の変動のみな
らず、品質、すなわち外観,香り,味等のバラつきが大
きくなってしまう。この為、需要に応じた時期に、高品
質なバナナを提供することが困難であった。
【0010】(2)空調機の稼動頻度(起動、停止の頻
度)に対する経済性が考慮されておらず、また温度,湿
度の同期制御が不可能であった。この為、動力エネルギ
ーの消費が大きく、また加工スケジュールの精度の良い
運用が困難であった。熟成加工室の空調用に設置される
空調機はオン/オフ制御が一般的である。所定の設定値
への追従制御は、測定値が設定値に対する許容範囲内の
場合は空調機が停止し、範囲外となった場合当該の空調
機が起動、運転される。この様子を以下説明する。
【0011】図12は、空調機が全てオフの時に自然に
温度が下降する場合の例である。図12の上図では、設
定値が13.0(℃)に対し許容幅が±0.5(℃)の
為、12.5(℃)より低くなるとヒーターがオンし、
徐々に温度が上がり設定値の13.0(℃)に達すると
再びヒーターはオフとなる。これが繰り返される。
【0012】図13は、上記と逆に、バナナの呼吸熱等
により、空調機が全てオフの時に自然に温度が上昇する
場合の例である。図13の上図では、13.5(℃)を
超えるとクーラーがオンし、13.0(℃)に戻ったタ
イミングでオフする。これが繰り返される。
【0013】図示しないが、湿度についても同様な動作
が行なわれる。例えば、湿度設定値が88.0(%)に
対し許容幅が±2.0(%)とすると、90.0(%)
に達した時換気機がオンし、88.0(%)に戻るとオ
フする。また86.0(%)より小さくなると加湿機が
オンし、88.0(%)に達するとオフする。
【0014】以上の制御方法では、外部よりの熱的影響
度合や、バナナの呼吸熱による温度変動等が考慮されて
いない為、例えば発酵が盛んになると呼吸熱が増加し、
クーラーが頻繁にオン/オフを繰り返したり、また外気
の影響で温度が自然下降する時はヒーターが頻繁にオン
/オフを繰り返す現象が定常的に発生することになる。 特にクーラー等のコンプレッサーや、モーターを内蔵し
た空調機の起動時は大きな電力を必要とし、頻繁なオン
/オフは保守上の問題のみならず、電力消費の増大を招
く。すなわち経済性の点でも改善の余地が大きい。
【0015】空調機は、それぞれ複数の項目への影響が
ある。例えば、クーラーをオンすると、温度が下降する
のみならず、露点に近づいてゆく場合は、湿度も同時に
下がることになる。この時、逆に湿度を上げる必要があ
る場合は非常に綿密な運転方法を検討する必要がある。 従来の方法ではこれらについての考慮が不十分である為
、温度を優先すると湿度の精度が低下し、逆に湿度を優
先すると温度の精度が低下するという問題がある。この
様にして、前記頻繁なオン/オフ回数の問題と重なり、
温度,湿度共,十分な精度が得られておらず、この結果
バナナの品質の劣化を招いていた。
【0016】本発明の課題は、バナナのやく発生タイミ
ングを所望の時期に得ること、空調機のオン/オフ回数
を低減し、温度,湿度を同時に精度良く制御することに
より、高品質のバナナを低エネルギーで得、かつ空調機
の保守性を向上するにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】やくは同一種類のバナナ
であっても温度,湿度の一定値保持制御では所定のタイ
ミングにならない。すなわちやくはバナナの発酵におけ
る生化学的反応により発生するものである。この生化学
的反応を外部から観察するには果肉温度とCO2発生量
を測定すればよい。また、この果肉温度とCO2発生量
の制御は高度な熟練を要するものの、加工室内の温度と
湿度を変化させることで制御可能である。
【0018】本発明はこれに着眼し、果肉温度とCO2
発生量累積値の時系列変化を所定の理想スケジュールに
近づける為の手段として、制御タイミングにおけるバナ
ナ果肉温度とCO2発生量累積値を測定し、理想スケジ
ュールとの差分を先験的な情報により定性的に評価し、
評価結果を入力とする先験的に定められた推論規則によ
り熟成加工室の温度設定値の補正量を決定して、該設定
値を補正する熟成最適化手段を設けたものである。
【0019】熟成加工室内の温度、湿度は、保管,加工
の段階を通じバナナの発酵現象(生化学的反応)、外部
よりの影響、及び空調機の運転状態の主に三つの要素で
定まる。従って本発明はまた、これを利用し、制御実行
タイミングにおいて各空調機の操作可能な全ての組合せ
に対してそれらの操作を行なった場合の温度,湿度,電
力量,切替電力量等の一定時間後の予測値を演算し、こ
れらを先験的な情報に基づきそれぞれ評価し、温度,湿
度の予測値が所定範囲内に入り、かつ消費電力が少なく
、切替電力が少ない操作案を決定し、決定された該操作
案に従った制御指令を出力とするファジィ制御手段を設
けたものである。
【0020】
【作用】熟成最適化手段は、制御タイミングにおいて測
定された果肉温度とCO2発生量累積値の、それぞれの
理想値との差分が最小となる熟成加工室温度設定値の補
正値を決定し、該温度設定値を補正する。この補正によ
り熟成の進捗が遅れている場合は熟成が促進され、進み
過ぎている場合は抑制する様に制御が行なわれる様にな
る。これにより従来熟練者が行なっていた精度の良い熟
成加工を制御装置で行なえる様になり、加工時間の精度
向上と品質の向上が得られる。
【0021】ファジィ制御手段は、制御タイミングで各
空調機の操作可能な全ての組合せに対してそれらの操作
を行なった場合の一定時間後の熟成加工室の温度と湿度
,電力量,切替電力量等の複数の制御パラメータを予測
し、予測した全てのパラメータが同時に満足できる値と
なる操作案を決定し、決定された該操作案を実施するた
めの制御指令を出力する。これにより熟成加工室の温度
,湿度の設定値に対する追従精度が向上するのみならず
、消費電力量が低減し、かつ起動停止回数も低減され、
結果的に製品の品質が向上する。
【0022】
【実施例】以下本発明の一実施例を図1以下を参照して
説明する。図1は本発明を適用した加工設備の例を示し
たもので、空調機,センサーについては既に述べた通り
であり、ここでは主として前記空調機,ガス投入機及び
センサーに接続して配置され、該センサーからの入力信
号に基づいて前記空調機,ガス投入機を制御する制御装
置1について説明する。
【0023】制御装置1は、■  オペレータにより起
動され、先験的に定められた加工スケジュールを設定す
る加工スケジュール設定手段2と、加工スケジュールを
格納する加工スケジュールメモリー3、■  タイマー
16により周期的に起動される加工監視制御手段4と、
該加工監視制御手段4に接続して配置された熟成最適化
手段5、該熟成最適化手段5に接続して配置されたファ
ジィ制御手段6、の大別して2つの手段グループにより
構成されており、加工監視制御手段4と熟成最適化手段
5とファジィ制御手段6とはいずれも前記加工スケジュ
ールメモリー3に接続されている。
【0024】加工スケジュール設定手段2は、バナナの
熟成加工室への格納に先立ち、バナナの種類、出荷時期
に従い決定された加工スケジュール情報を加工スケジュ
ールメモリー3に格納する。図6は加工スケジュールの
一例を示し、この例では8日後、すなわち192時間後
に熟成加工が完了したバナナを出荷可能とすることが要
求されている。設定データは、先験的情報に基づいて経
過時間に対応する、 〈1〉熟成加工室室温の温度設定値Tr(℃)〈2〉熟
成加工室の湿度設定値Ht(%)〈3〉理想果肉温度T
t(℃) 〈4〉理想CO2発生量累積値CO2t(mmg/kg
)〈5〉CO2許容値(%)及び、固定値である、〈6
〉エチレンガス投入果肉温度(℃)〈7〉やく発生果肉
温度(エチレンガス抜き果肉温度)(℃) 等である。これらは加工スケジュールメモリー3に格納
され、周期的に動作する第2の手段グループに参照,使
用される。
【0025】周期的に起動される第2の手段グループは
次の様に動作する。
【0026】加工監視制御手段4は、果肉温度センサー
13よりの測定値Tfを入力とし、該果肉温度センサー
13よりの入力値が加工スケジュールメモリー3に格納
されている前記エチレンガス投入果肉温度に達したなら
ば、空気中のエチレン濃度が0.01〜0.1(%)に
なる様にガス投入機11に投入指令を出力する。エチレ
ンガスの投入はバナナの成熟作用を促進する作用がある
【0027】熟成最適化手段5は図2に示すように、果
肉温度の測定値Tfが入力される果肉温度設定値差分演
算手段51と、該果肉温度設定値差分演算手段51の出
力側に接続されたΔTfファジィ評価手段54と、該Δ
Tfファジィ評価手段54の出力側に接続された温度設
定値補正量推論手段56と、該温度設定値補正量推論手
段56の出力側に接続された定量化手段57と、CO2
発生累積値が入力されるCO2発生累積値差分演算手段
53と、入力側を該CO2発生累積値差分演算手段53
の出力側に、出力側を前記温度設定値補正量推論手段5
6に、それぞれ接続されたΔCO2ファジィ評価手段5
5とを含んで構成されている。前記加工スケジュールメ
モリー3は、果肉温度設定値差分演算手段51,CO2
発生累積値差分演算手段53及び定量化手段57に接続
されている。
【0028】熟成最適化手段5の動作を図7以降を用い
て説明する。加工スケジュールメモリー3には、72時
間経過時点で本格的な加工を始める為、その時点で、熟
成加工室の温度設定値Trを20.0(℃)に、湿度を
93(%)にそれぞれ上昇させるように、また理想果肉
温度Tt、理想CO2発生累積値CO2tが図7の様に
設定されている。本例では当初果肉温度Tf、CO2発
生累積値ΣCO2が共に理想値より低い為、温度設定値
Trが少しづつ高く補正されている。その後、果肉温度
Tf、CO2発生累積値ΣCO2共に理想値Tt,CO
2tに近づいてゆき、114時間付近で果肉温度は理想
値に一致し、CO2発生累積値ΣCO2も理想値CO2
tに近づいた為、温度設定値補正量ΔTrは0.0(℃
)となり温度設定値は所期の値20.0(℃)に復帰し
ている。その後、果肉温度が理想値より高くなってしま
った為、今度は温度設定値が低目に補正されている。こ
の様にして、初期の計画通り136時間目にやくが発生
している。
【0029】ところが、従来の制御方法の様に、温度を
一定に保持したままであると、図8に示す様に、果肉温
度,CO2発生値共に理想値に近づかず、やくのタイミ
ングが大きく遅延(td時間)してしまうことになる。 この結果全体の時間も初期の計画の終了タイミングがt
d時間遅延してしまっている。これではは市場のニーズ
(要求のタイミング)を満足させることができないのみ
ならず、バナナの製品としての品質を損なうことになる
【0030】図7の様な柔軟な温度コントロールは熟練
者であれば定性的な状況判断で実現できる場合はあるが
、制御装置で定量的な処理で行なうのは困難である。 その理由は、室内空気の状態がバナナの生化学反応へ与
える影響が複雑であり、定量的な手段で温度の設定値を
補正することは現実的には不可能であるからである。本
手段は、これに対し、熟練者の柔軟な運転に着眼し、先
験的な情報を用いたファジィ推論により適正な温度設定
値補正量ΔTrを推論する様にして、解決を図ったもの
である。
【0031】熟成最適化手段5は測定された果肉温度T
fと、CO2発生累積値ΣCO2を入力とし、温度設定
値補正量△Trを決定し、加工スケジュールメモリー3
に格納されている温度設定値Trを補正する。
【0032】温度設定値差分演算手段51は果肉温度T
fを入力とし、理想果肉温度Ttとの差分△Tf=Tf
−Tt を演算する。次に△Tfファジィ評価手段54は前記△
Tfを入力とし図9に示される様な先験的に定められて
いる果肉温度差分メンバーシップ関数により△Tfを定
性評価する。メンバーシップ関数は横軸に評価項目、縦
軸に0.0〜1.0のレンジを持つ評価度合を定義した
もので、設定値よりも低い〔−〕、設定値近傍
〔0〕、
設定値よりも高い〔+〕という複合的な評価関数が定義
されている。同様にCO2発生累積値ΣCO2の理想値
CO2tに対する差分が△CO2、温度設定値補正量△
Trについても同様に先験的情報によりメンバーシップ
関数が定義されている。
【0033】本例では果肉温度Tfが理想果肉温度Tt
よりやや低い為、 〔−〕の度合  μ△Tf〔−〕=0.20
〔0〕の度
合  μ△Tf
〔0〕=0.62〔+〕の度合  μ△
Tf〔+〕=0.0となっている。
【0034】同様に、CO2発生累積値ΣCO2と理想
値CO2tとの差分を演算するCO2差分演算手段53
は、前記CO2発生累積値ΣCO2を入力とし、理想C
O2発生累積値CO2tとの差分 △CO2=ΣCO2−CO2t を演算する。次に△CO2ファジィ評価手段55は、前
記△CO2を入力とし図9に示される様な先験的に定め
られているCO2発生値差分メンバーシップ関数により
△CO2を定性評価する。本実施例ではCO2発生累積
値ΣCO2が理想値CO2tより低い為、〔−〕の度合
  μ△CO2〔−〕=0.15
〔0〕の度合  μ△
CO2
〔0〕=0.97〔+〕の度合  μ△CO2〔
+〕=0.0となっている。
【0035】温度設定値補正量推論手段56は、前記△
Tfと△CO2の定性評価値集合を入力として先験的に
定められている下記9個の推論ルールを実行し温度設定
値補正量のファジィ適合度集合μΔTrを出力する。
【0036】 (ルール1)IF △Tf is〔+〕 and △C
O2 is〔+〕 THEN ΔTr is〔−〕(ル
ール2)IF △Tf is〔+〕 and △CO2
 is
〔0〕 THEN ΔTr is〔−〕(ルール
3)IF △Tf is〔+〕 and △CO2 i
s〔−〕 THEN ΔTr is
〔0〕(ルール4)
IF △Tf is
〔0〕 and △CO2 is〔
−〕 THEN ΔTr is〔−〕(ルール5)IF
 △Tf is
〔0〕 and △CO2 is
〔0〕
 THEN ΔTr is
〔0〕(ルール6)IF △
Tf is
〔0〕 and △CO2 is〔−〕 T
HEN ΔTr is〔+〕(ルール7)IF △Tf
 is〔−〕 and △CO2 is〔+〕 THE
N ΔTr is
〔0〕(ルール8)IF △Tf i
s〔−〕 and △CO2 is
〔0〕 THEN 
ΔTr is〔+〕(ルール9)IF △Tf is〔
−〕 and △CO2 is〔−〕 THEN ΔT
r is〔+〕例えば(ルール1)を分り易く表現する
と、「もし果肉温度が理想値よりも高く、かつCO2発
生値が理想値より高いならば、温度設定値を低くせよ」
となる。本例ではMAX−MIN法によるファジィ前向
き推論を実行し、ファジィ適合度集合, 〔−〕の度合  μΔTr〔−〕=0.0
〔0〕の度合
  μΔTr
〔0〕=0.62〔+〕の度合  μΔT
r〔+〕=0.20を得ている。
【0037】定量化手段57は、上記μΔTrを入力と
して、補正値ΔTrを第9図に示す様な重心法を用いて
定める。本例では、果肉温度,CO2発生累積値共に理
想値より低い為、やや温度設定値を上げる様な結果が得
られている。
【0038】尚、上記ファジィ推論の詳細については、
昭和62年3月にオーム社から刊行された「ファジィシ
ステム入門」(寺野,外著)等に詳細が示されている。
【0039】以上の様にして熟成最適化手段5は熟成の
時期及び品質が良好になる様に、柔軟に温度設定値を補
正する様動作する。
【0040】次に、ファジィ制御手段6の構成と動作を
述べる。
【0041】図10は、従来の空調制御方法による加工
室内の温度と湿度の推移例を示したものである。それぞ
れのグラフは、横軸に経過時間を、縦軸に上図が温度と
湿度、中図がヒーターとクーラーの運転状況、下図が加
湿機と換気機の運転状況をそれぞれとってある。本例で
も明らかな様に、温度,湿度共に様々な要素に影響を受
けている為、設定値に対する追従精度が悪く、また空調
機の起動,停止の頻度が多く、不要な運転を行なってい
る様子が伺える。具体的には図中記号A,B,C,Dで
示される部分であり、未だ大きな改善の余地があること
を示している。
【0042】Aはバナナの熟成開始前の保管時にみられ
る状態で、バナナの発酵による呼吸熱が少なく、冬の外
気の影響を受けている状況である。図12は、Aの状況
を説明する為にグラフを模式的に拡大したものである。 空調機が全てオフの状態では、外気の影響を受け温度は
自然低下する。本例では温度設定値13.0(℃)に対
して許容温度幅は±0.5(℃)としている為、12.
5(℃)より低くなるとヒーターがオンし温度は上昇す
る。13.0(℃)に達するとヒーターはオフされ温度
は再び自然低下する。これが繰返される。ここでの問題
点は、■  許容幅±0.5(℃)であるからヒーター
オフの温度を13.5(℃)とすると、今度はクーラー
がオンしてしまう為、常に許容幅を全て利用するのは困
難である。この為ヒーターの起動頻度が大となり、不要
なエネルギーが浪費されており、また空調機の保守性が
低下する。
【0043】■  上記により本来13.0(℃)の維
持が必要なのに対し、実際の平均値は12.7(℃)程
度とかなり低くなってしまっており、十分な精度が得ら
れない。
【0044】Bは温度設定値の急激な変更によるオーバ
ーシュートを示している。温度設定値が13.0(℃)
から20.0(℃)に変わっている為、ヒーターが連続
運転となりヒーターの熱的慣性,及び空気の対流等によ
りオーバーシュートが発生している。これはB′のアン
ダーシュートも同様であり、設定値のきめ細かい変化に
追従できていない。
【0045】Cは外乱の影響を示している。例えば加工
室内に入る人間の安全の為、加工室内のCO2濃度が一
定値に達したならば換気が必要となる。これにより外部
の空気が流入することで影響を受ける。本例ではこの為
に湿度が大きな変動を示しており、設定値への復旧も大
きく遅延している。
【0046】Dは、バナナの熟成が盛んな時期や、夏期
の様に外気温度が加工室内の温度設定値より高い場合を
示しており、Aの逆の状態と言える。バナナの呼吸熱等
により空調機が全てオフの時温度は自然上昇する。従来
の制御方法では、■  クーラーが頻繁に動作し、■ 
 加工室の温度が設定値よりもかなり高い平均値となる
【0047】また本例では温度が優先されて制御されて
いる為、湿度の推移は不安定になっている。
【0048】本発明によるファジィ制御手段6は上記問
題点を以下の様な点に着眼し、解決を図ったものである
【0049】(1)加工室内の熱量平衡、水分平衡は、
定量的な演算モデルと、先験的に得られる生化学的反応
情報により比較的明確になっている。
【0050】(2)省エネルギーの為には空調機の動作
時間の短縮のみならず、起動頻度の減少が大きな効果を
達成する。
【0051】(3)温度,湿度という風に順に制御の質
を決定するのではなく、制御項目を同時に評価すること
が精度向上につながる。
【0052】上記着眼に基づき構成したファジィ制御手
段6の構成を図3に示す。本手段は前記定量化手段57
に接続される操作案作成手段61と、該操作案作成手段
61の出力側に接続された予測演算手段62と、該予測
演算手段62の出力側に接続された定性評価手段63と
、該定性評価手段63に接続された制御出力手段64と
、前記定性評価手段63及び制御出力手段64に接続さ
れた評価結果メモリー65とを含んで構成されており、
空調機の運転状態信号,及び加工室内外に設置されたセ
ンサーよりのプロセス信号を入力とし、それぞれの空調
機への運転指令を出力とする。以下ファジィ制御手段6
を構成する各手段の構成と動作を述べる。
【0053】(操作案作成手段61)本実施例の特徴は
、制御タイミングで各空調機をどの様に動作させると最
も優れた結果が得られるかを実時間でシミュレーション
、予測し、それぞれの運転操作案の良さを評価し、最も
良い操作案を制御指令として出力する点にある。操作案
作成手段61はこの予測,評価の繰返し処理に与える空
調機の動作の組合せを生成する。本プロセスでの制御効
果器はクーラー,ヒーター,加湿機,換気機の四種類で
あり、それぞれオン(起動)かオフ(停止)の2種類の
操作指令のみが可能とし、ヒーターとクーラーの同時運
転禁止などの制約条件が無いとすると、全ての操作案△
OPの組合せ集合S(△OP)は、 S(△OP)={(0,0,0,0),(0,0,0,
1),(0  0  1  0),(0  0  1 
 1),(0  1  0  0),(0  1  0
  1),(0  1  1  0),(0  1  
1  1),(1  0  0  0),(1  0 
 0  1),(1  0  1  0),(1  0
  1  1),(1  1  0  0),(1  
1  0  1),(1  1  1  0),(1 
 1  1  1)}である。ここで、 △OP=(0,1,0,1) はクーラーオフ,ヒーターオン,加湿機オフ,換気機オ
ンを示している。本例では現在の運転状態より操作し得
るのはこの16種類の組合せのみである。本発明ではこ
れら全ての操作案に対し、それらを実行した場合の温度
と湿度の設定値と許容幅に対する評価,また使用電力量
や切替に関する電力量の評価を行ない、最良の操作案を
制御出力とする。操作案生成手段61は、この様に操作
可能な案を生成し、以下の処理に提供する。
【0054】(予測演算手段62)図4は、予測演算手
段62の構成を示したものである。本手段は、前記操作
案生成手段61に接続されたバナナ呼吸熱量演算手段6
21と、該バナナ呼吸熱量演算手段621の出力側に接
続されかつ加工室温度と外気温度が入力される外部影響
熱量演算手段622と、該外部影響熱量演算手段622
の出力側に接続された空調機熱量演算手段623と、該
空調機熱量演算手段623の出力側に接続され温度予測
値を出力する温度予測演算手段624と、前記操作案生
成手段61に接続されたバナナ潜熱負荷演算手段625
と、該バナナ潜熱負荷演算手段625の出力側に接続さ
れた空調機潜熱演算手段626と、該空調機潜熱演算手
段626の出力側に接続され湿度予測値を出力する湿度
予測演算手段627と、前記操作案生成手段61に接続
され電力量予測値を出力する電力量予測演算手段628
と、前記操作案生成手段61に接続されかつ各空調機状
態が入力されて切替電力量予測値を出力する切替電力量
演算手段629と、前記バナナ呼吸熱量演算手段621
及びバナナ潜熱負荷演算手段625に接続して配置され
たバナナ発酵情報メモリー620とを含んで構成され、
前記操作案をそれぞれ実行した場合の温度,湿度,電力
量,切替電力量の予測値を出力とする。
【0055】〔温度予測〕室内の温度は、時間に対する
熱量平衡微分方程式(下記数1)に示される様に、主に
バナナの呼吸熱量、外部よりの熱的影響,空調機運転に
よる熱量で決定される。
【0056】
【数1】
【0057】ここでΣCd:室内の熱容量=(バナナ熱
容量)+(備品熱容量) Ca:室内空気熱容量 Qout:外気からの熱量 =(壁よりの伝熱量)+(室出入口よりの伝熱量)ΣQ
ms:空調機の顕熱負荷 =(ヒータ運転による顕熱負荷) +(クーラ運転による顕熱負荷) +(加湿機運転による顕熱負荷) +(換気機運転による顕熱負荷) Qbs:バナナの呼吸熱量 現在時刻tに対する△t時間後の温度の予測値は、数1
より導かれる下記数2に示される温度予測式で定まる。
【0058】
【数2】
【0059】ここで  T(t)は現在温度T(t+△
t)は△t時間後の温度予測値この式の中で外気からの
熱量Qout,空調機の顕熱負荷ΣQms等はセンサー
情報と、空調機の運転状態,及び操作案により演算して
求めることができる。一方バナナの呼吸熱量Qbsは生
化学反応である為、バナナ発酵情報メモリー620に格
納されている先験的統計情報より求めることができる。 図16はこのバナナ発酵情報を示したもので、上図がバ
ナナの呼吸熱,下図がバナナの潜熱負荷を示している。 共に横軸は経過時間である。バナナの呼吸熱は本格的な
熟成が始まると増加し、やく後は再び減少していること
がわかる。
【0060】バナナ呼吸熱量演算手段621は図16を
用いて呼吸熱Qbsを演算する。外部影響熱量演算手段
622は、外気温度センサーよりの外気温度,加工室内
の温度及び予め知られている壁面や出入口のドア等の熱
透過率等により外部影響熱量Qoutを演算する。空調
機熱量演算手段623は操作案毎の空調機の顕熱量を演
算する。温度予測演算手段624は、上記の結果に基づ
いて数2の演算を実行し、△t時間後の温度予測値Tr
(t+△t)を演算する。
【0061】〔湿度予測〕室内の湿度は、時間に対する
水分平衡微分方程式(下記数3)に示される様に、主に
バナナの潜熱負荷と空調機運転による潜熱負荷で定まる
【0062】
【数3】
【0063】ここで      γ:空気蒸発潜熱ρ:
空気密度 Qbl:バナナの潜熱負荷 ΣQml:空調機の潜熱負荷 =(クーラ運転による潜熱負荷) +(換気機運転による潜熱負荷) +(加湿機運転による潜熱負荷) △t時間後の湿度予測値H(t+△t)は数3より導か
れる(下記数4)に示される湿度予測式で定まる。
【0064】
【数4】
【0065】H(t)は現在湿度, H(t+△t)は△t時間後の湿度予測値バナナ潜熱負
荷演算手段625は、前記バナナ呼吸熱演算621と同
様、図16に示される潜熱推移グラフよりバナナの潜熱
負荷Qblを演算する。空調機潜熱演算手段626は、
操作案毎に定まる空調機の潜熱負荷ΣQmlを演算する
。湿度予測演算手段627は上記結果に基づいて数4の
演算をを実行し、△t時間後の湿度H(t+△t)を演
算する。
【0066】電力量と切替電力量は、空調機の運転状態
と操作案により定まるので各空調機の特性より電力量予
測演算手段628,切替電力量演算手段629によりそ
れぞれ演算される。
【0067】この様にして予測手段62は、各操作案を
実行した場合の温度,湿度,電力量,切替電力量の一定
時間後の予測値を出力とする。
【0068】〔定性評価手段63〕図5は、定性評価手
段63の構成を示したものである。本手段は、温度予測
演算手段624に接続された温度評価手段631と、湿
度予測演算手段627に接続された湿度評価手段632
と、電力量予測演算手段628に接続された電力量評価
手段633と、切替電力量演算手段629に接続された
切替電力量評価手段634と、温度評価手段631と湿
度評価手段632と電力量評価手段633と切替電力量
評価手段634の各出力側に接続された総合評価手段6
35と、温度評価手段631と湿度評価手段632と電
力量評価手段633と切替電力量評価手段634に接続
された評価関数メモリー636とを含んで構成され、前
記予測手段62の出力した予測値を入力とし、先験的情
報により予め定められている各項目毎のメンバーシップ
関数を用いて該入力を評価し、総合的な評価値としての
満足度を各操作案毎に演算する。
【0069】図14は、評価関数メモリー636に格納
されている前記各評価項目毎の定性評価用のメンバーシ
ップ関数の一例を示したものである。それぞれ縦軸に0
.0〜1.0のレンジを持つ適合度、横軸に評価対象項
目値が定義される。例えば温度はセンサーによる測定温
度Tsと加工スケジュールメモリーに格納されている経
過時間に対する温度設定値Trの差分である温度偏差△
Tが横軸に定義されている。本例では△Tが±0.3(
℃)範囲内ならば、その評価値は1.0、すなわち最も
良いことを示している。湿度も同様に測定湿度Hsと湿
度設定値Htの差分である湿度偏差△Hが横軸に定義さ
れている。電力量,切替電力量はそのままの値を横軸に
定義し、少ない程評価が高い様な関数となっている。
【0070】図5において、温度評価手段631は、温
度設定値に対する定性評価μtを、湿度評価手段632
は湿度の設定値に対する定性評価μhを、電力量評価手
段633は電力量の定性評価μpを、切替電力量評価手
段634は切替電力量の定性評価μcを、それぞれ演算
し出力する。
【0071】総合評価手段635は、前記定性評価値μ
t,μh,μp,μcを入力とし操作案iに対する満足
度Siを下式により決定する。
【0072】 Si=μt×Gt+μh×Gh+μp×Gp+μc×G
c但しGt,Gh,Gp,Gcは温度,湿度,電力量,
切替電力量の定性評価に対するゲインである。すなわち
どの項目を重視するか、という重みである。
【0073】この様にして総合評価手段635は満足度
Siを演算し評価結果メモリー65に格納する。
【0074】〔制御出力手段64〕全ての操作案に対す
る予測と定性評価が完了後、制御出力手段64は、評価
結果メモリー65に格納されている評価結果のなかから
最大の満足度を有する操作案を決定し、プロセスに対し
てクーラー,ヒーター,加湿機,換気機のオン/オフ指
令を出力する。
【0075】図15は、以上述べたファジィ制御手段6
の動作を実際の動作例を用いて説明したものである。本
例においては温度設定値Trが13.0(℃),現在の
測定温度Tsが13.2(℃),湿度設定値Htが90
.0(%),測定湿度Hsが92.0(%)であり、空
調機は全てオフの状態である。全16通りの操作案のう
ち、現状を維持するもの、すなわち全ての空調機がオフ
の操作案を記号○で、クーラーのみオンとする操作案を
◇で図示する。
【0076】○の操作案では△t時間後の時刻i+1で
温度予測値が13.4(℃)に上昇しており、温度設定
値との偏差△Tは0.4(℃)である。又湿度は90.
0(%)で設定値と同じになるので偏差△Hは0.0(
%)である。それぞれのメンバーシップ関数による定性
評価値は、温度が0.68、湿度が1.00である。空
調機は全てオフのままであるから電力量,切替電力量の
評価は共に1.00である。ゲインがGt=0.5,G
h=0.2,Gp=0.2,Gc=0.2に定められて
いるので総合的な満足度は0.84となっている。この
操作案は温度に関してはやや設定値より離れてしまって
いるが、湿度,電力量,切替電力量に温しては良好であ
ると言える。
【0077】一方◇の操作案はクーラーをオンとする為
、温度は下降し設定値に近づいている。しかし湿度は逆
に低くなり過ぎてしまい、評価が下がっている。また空
調機が全てオフの状態からクーラーがオンとなっている
ので電力量及び切替電力量の評価は操作案○に比べて低
い。結局、操作案◇の総合満足度は0.80となる。 この様にして全ての操作案に対する満足度が決定された
後、操作案○の満足度が最大であったならば操作案○が
選択され、全ての空調機がオフ状態を継続する様な制御
指令が出力される。
【0078】図11は、図10に示したものと同一環境
、同一加工スケジュールによる熟成加工を本実施例で制
御した場合の改善の様子を示したものである。図12の
下図は、図10に示した問題点Aが本実施例により改善
された様子を示し、本実施例による制御結果では温度の
許容幅が十分に利用され、かつ許容幅内に温度が維持さ
れている。またヒーターの動作回数は半減されており、
不要なクーラー運転もみられない。図13の下図は、同
様に図10に示した問題点Dの改善の様子を示している
。すなわち温度許容幅が十分に利用され、かつ許容幅内
に温度が維持されている。またクーラーの動作回数も半
分以下になっている。
【0079】また図11では、図10中のオーバーシュ
ートB,アンダーシュートB′もよく改善されており、
外乱Cも短時間で復旧している。また従来制御では大き
く変動していた湿度の推移も安定している。また空調機
の起動停止回数も半減しており動力エネルギーの低減,
及び機器寿命の長期化という効果が得られている。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、バナナの熟成加工にお
いて、果肉温度とCO2発生累積値を測定し、先験的に
得られているそれぞれの理想値との差分を演算し、算出
された差分を先験的な情報により評価し、先験的な推論
規則にて加工室内の温度の設定値を最適値に補正する様
にしたので、理想的なタイミングでやくを発生させるこ
とが可能となり、(1)高品質の製品を、(2)市場の
需要に応じた時期に提供すること、ができるという効果
が得られる。
【0081】また、設定されたバナナ熟成加工室内の温
度,湿度等の環境条件を保持する為に、空調機の運転動
作の組合せのそれぞれについて、一定時間後の熱量,水
分,動力エネルギー,空調機切替に要するエネルギー等
を先験的な情報、定量的な数式により予測し、それらの
予測値を用いて制御目的を最も満足させる様な制御指令
をファジィ理論の応用で決定する様にした為、(3)高
精度の温度,湿度等の推移が得られ、かつ(4)動力エ
ネルギーの低減及び空調機の保守性向上という効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の主要部の構成を示すブロック
図である。
【図2】図1に示す実施例の熟成最適化手段の構成例を
示すブロック図である。
【図3】図1に示す実施例のファジィ制御手段の構成例
を示すブロック図である。
【図4】図3に示す予測演算手段の構成例を示すブロッ
ク図である。
【図5】図3に示す定性評価手段の構成例を示すブロッ
ク図である。
【図6】バナナ熟成加工における熟成加工室の温度、湿
度の変化を示す加工スケジュール及び理想CO2発生累
積値の例を示すグラフである。
【図7】本発明の実施例による熟成加工室の温度設定値
の補正例及びCO2発生累積値の変動例を示すグラフで
ある。
【図8】従来技術における熟成加工室の温度設定値の補
正例及びCO2発生累積値の変動例を示すグラフである
【図9】本発明の実施例におけるメンバーシップ関数を
用いた温度設定値補正量算出手順の例を示すグラフと表
である。
【図10】従来技術における熟成加工室の温度及び湿度
の変動と空調機の起動,停止の状態の例を示すグラフで
ある。
【図11】本発明の実施例における熟成加工室の温度及
び湿度の変動と空調機の起動,停止の状態の例を示すグ
ラフである。
【図12】熟成加工室の温度が自然降下する環境状態で
温度制御した結果を、従来技術と本発明の実施例とで対
比して示すグラフである。
【図13】熟成加工室の温度が自然上昇する環境状態で
温度制御した結果を、従来技術と本発明の実施例とで対
比して示すグラフである。
【図14】本発明の実施例における操作案評価のための
メンバーシップ関数の例を示すグラフである。
【図15】本発明の実施例におけるメンバーシップ関数
を用いた最適操作案選定手順の例を示すグラフと表であ
る。
【図16】バナナの発酵情報の例を示すグラフである。
【符号の説明】
1  制御装置 2  加工スケジュール設定手段 3  加工スケジュールメモリー 4  加工監視制御手段 5  熟成最適化手段 6  ファジィ制御手段 7  クーラー 8  ヒーター 9  加湿機 10  換気機 11  ガス投入機 12  温度センサ 13  果肉温度センサ 14  湿度センサ 15  CO2センサ 16  タイマ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  バナナの熟成加工制御方法において、
    すくなくとも加工室の温度,加工室の湿度,理想果肉温
    度,理想CO2発生累積値をそれぞれ経過時間の関数と
    して表現した加工スケジュールを設定する加工スケジュ
    ール設定手段と、バナナの果肉温度測定値と加工室内の
    CO2発生累積値測定値とを入力とし、前記設定されて
    いる加工スケジュール内の理想果肉温度,理想CO2発
    生累積値との差分を先験的情報により評価し、加工室の
    設定温度を補正する熟成最適化手段とを具えたことを特
    徴とするバナナの熟成加工制御方法。
  2. 【請求項2】  熟成最適化手段が、バナナの果肉温度
    測定値と理想果肉温度の差分と、CO2発生累積値測定
    値と理想CO2発生累積値の差分とを先験的に予め定め
    られているファジィメンバーシップ関数で評価し、評価
    されたファジィの適合度集合を入力とし、先験的に定め
    られているファジィ推論ルールにより加工室の温度設定
    値補正量のファジィ適合度集合を出力とする温度設定値
    補正量推論手段と、該出力された温度設定値補正量のフ
    ァジィ適合度集合を入力とし温度設定値の補正量を出力
    とする定量化手段を具えたことを特徴とする請求項1に
    記載のバナナの熟成加工制御方法。
  3. 【請求項3】  バナナの熟成加工制御方法において、
    すくなくとも加工室の温度,加工室の湿度,理想果肉温
    度,理想CO2発生累積値をそれぞれ経過時間の関数と
    して表現した加工スケジュールを設定する加工スケジュ
    ール設定手段と、空調機の運転状態,加工室内の温度,
    湿度,CO2濃度,加工室外の温度等のセンサー情報を
    入力とし、制御実行時点で操作し得る全ての空調機の運
    転操作案を実施した場合の一定時間後の制御目的項目値
    を予測し、該予測値を前記加工スケジュール情報と先験
    的情報により評価し、各々の評価値に重み付け重畳した
    満足度を定め、該定められた満足度のうちで最大の値を
    有する操作案をプロセスに出力するファジィ制御手段と
    を具えたことを特徴とするバナナの熟成加工制御方法。
  4. 【請求項4】  ファジィ制御手段が、加工室の温度を
    バナナの呼吸熱量と外部よりの影響熱量と空調機運転に
    よる熱量とにより予測する温度予測演算手段と、湿度を
    バナナの潜熱量と空調機運転による潜熱量とにより予測
    する湿度予測演算手段とを具えていることを特徴とする
    請求項3に記載のバナナの熟成加工制御方法。
  5. 【請求項5】  加工室内の空気調和を行ってバナナを
    熟成加工するバナナ熟成加工制御装置において、すくな
    くとも加工室の温度,加工室の湿度,理想果肉温度,理
    想CO2発生累積値をそれぞれ経過時間の関数として表
    現した加工スケジュールを設定する加工スケジュール設
    定手段と、バナナの果肉温度と加工室内のCO2発生累
    積値を入力とし、前記設定されている加工スケジュール
    内の理想果肉温度,理想CO2発生累積値との差分を先
    験的情報により評価し、加工室の設定温度を補正する熟
    成最適化手段と、空調機の運転状態,加工室内の温度,
    湿度,CO2濃度,加工室外の温度等のセンサー情報を
    入力とし、制御実行時点で操作し得る全ての空調機の運
    転操作案を実施した場合の一定時間後の制御目的項目値
    を予測する予測演算手段と、該予想値を前記加工スケジ
    ュール情報と先験的情報により評価し、各々の評価値に
    重み付け重畳した満足度を定め、該定められた満足度の
    うちで最大の値を有する操作案をプロセスに出力するフ
    ァジィ制御手段とを具えたことを特徴とするバナナ熟成
    加工制御装置。
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JP2013099319A (ja) * 2011-10-18 2013-05-23 Summit Kobe Godo Bussan:Kk バナナの追熟加工方法および追熟加工用システム
JP2017108680A (ja) * 2015-12-16 2017-06-22 旭化成株式会社 青果物の保存装置及び保存方法
JP2019528047A (ja) * 2017-03-16 2019-10-10 アイネンケル / バース ジービーアールEinenkel / Wirth Gbr 熟成チャンバー及び果実熟成のための方法

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US11576392B2 (en) 2017-03-16 2023-02-14 Einenkel/Wirth Gbr Ripening chamber and method for ripening fruit

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