JPH0435606Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、空気圧、油圧等の流体圧によつて作
動する流体圧シリンダに関し、特に、ストローク
の終端における衝撃を吸収するシヨツクアブソー
バを装備した流体圧シリンダに関する。

従来の技術及び考案が解決しようとする問題点 例えば、産業用ロボツトのアームに使用される
流体圧シリンダとして、互いに平行な２本の貫通
孔を透設したシリンダ本体の各貫通孔に摺動自由
に嵌合したピストンにピストンロツドを固定し、
各ピストンロツドの両端を貫通孔の両端に被着し
たロツドカバーから突出させ、両ピストンロツド
の一端同士と他端同士を連結板で連結した流体圧
シリンダが知られている。

そして、このような流体圧シリンダにおいて、
その作動の高速化を実現するために、ピストンロ
ツドの端部同士を連結した連結板に、ストローク
の終端においてシリンダ本体に突き当つて衝撃を
吸収するように機能するシヨツクアブソーバを装
着したものが提案されたが、このように、連結板
にシヨツクアブソーバを装着した場合は、連結板
の外側にシヨツクアブソーバのシリンダを突出す
る構造となるため、１本の流体圧シリンダのみを
使用する場合は問題とならないが、例えば、多次
元方向に運動するアームを形成するために、一の
流体圧シリンダの連結板に他の流体圧シリンダの
シリンダ本体を順次に結合して使用することがで
きない不具合があつた。

問題点を解決するための手段 上記の問題点を解決するための手段として、本
考案の流体圧シリンダは、ロツドカバーの両貫通
孔の間に、連結板が突き当たるシヨツクアブソー
バを装着した構成としたものである。

作用及び効果 本考案は、上記の構成になり、ストロークの終
端において、連結板がシヨツクアブソーバに突き
当たることによつて、衝撃がシヨツクアブソーバ
で吸収されるから、高速作動を実現することが可
能であるばかりでなく、シヨツクアブソーバをシ
リンダ本体側に装着したことにより、連結板の外
面を障害物となる突出部の無い平面状に維持で
き、一の流体圧シリンダの連結板に他の流体圧シ
リンダのシリンダ本体を順次に結合して使用する
ことが可能であり、しかも、シヨツクアブソーバ
は両貫通孔の間に位置しているから、連結板の両
ピストンロツドに結合された部分の間の部分が突
き当たることになつて連結板が傾くおそれがな
く、ピストンが貫通孔内でこじられるのを防止し
得る効果がある。

実施例 以下、本考案の一実施例を第１図に基づいて説
明する。

シリンダ本体１には、互いに平行な２本の貫通
孔２，２が透設され、各貫通孔２内に緊密にかつ
摺動自由に嵌装されたピストン３の中心孔４に、
パイプ状のピストンロツド５が挿通されて、その
長さ方向の中心が固定されているとともに、各貫
通孔２の両端に夫々軸受筒６、６が嵌着されてカ
バー７，７で固定され、上記のピストンロツド
５，５の両端が夫々軸受筒６を通つて外部に突出
しており、一方のピストンロツド５のピストン３
のすぐ左側と、他方のピストンロツド５のピスト
ン３のすぐ右側に、夫々内周面から外周面に達す
る通孔８，９が形成されているとともに、両ピス
トンロツド５の両端の内周面に切つた雌ねじに
夫々盲栓１０が螺着され、この両ピストンロツド
５，５の左端部同士と右端部同士が、両ピストン
ロツド５の間に差し渡された連結板１１，１１の
取付孔１２，１２に嵌着されて連結されており、
また、シリンダ本体１の両端部の外面に、一方の
貫通孔２のピストン３の左側と右側に夫々達する
雌ねじ付のポート１４，１５が形成されていると
ともに、シリンダ本体１内の両端部に、両貫通孔
２，２の夫々のピストン３の左側同士と右側同士
を連通する通路１６，１７が形成されている。

シリンダ本体１の前記した貫通孔２，２の中間
の位置には、さらに別の取付孔１９が透設され、
この取付孔１９の両端に夫々シヨツクアブソーバ
２１，２１が装着されており、このシヨツクアブ
ソーバ２１は単動型であつて、プランジヤ２２が
シリンダ２４内に押し込まれる方向において減衰
作用を生じ、突出方向には弾力により自動復帰す
るようになつており、このシヨツクアブソーバ２
１がプランジヤ２２を外側に向けた姿勢で、シリ
ンダ２４の外周の雄ねじ２５を、カバー７の挿通
孔を通して取付孔１９の内周の雌ねじ２０に螺合
し、その螺入量によつて位置調節され、シリンダ
本体１の外面から取付孔１９に達するねじ孔に止
めねじ２６を螺着することによつて固定されてお
り、一方、連結板１１，１１のシヨツクアブソー
バ２１と対応する位置にねじ孔２８が形成され、
このねじ孔２８に、シリンダ本体１との対応面に
シヨツクアブソーバ２１のプランジヤ２２の頭部
２３が嵌まつて突き当たる凹部３１を形成した突
当部材３０が螺着されている。

本実施例は上記の構造になり、シリンダ本体１
を固定した状態で、右側のポート１５に流体を供
給し、左側のポート１４から排出すると、通路１
７を介して両ピストン３の右側が高圧に、通路１
６を介して両ピストン３の左側が低圧となつて、
その圧力差によりピストン３が貫通孔２内を左方
向に摺動してピストンロツド５が左方向に移動
し、そのストロークの終端において、右側の連結
板１１に固定した突当部材３０の凹部３１の底面
がシヨツクアブソーバ２１のプランジヤ２２の頭
部２３に突き当つてその反力に抗して押し込むこ
とにより減速し、図に示すようにプランジヤ２２
がその行程の終端に達した位置で停止し、ポート
１４と１５に対する流体の供給と排出を切換える
と、ピストン３並びにピストンロツド５が逆に右
方向に移動して、左側の連結板１１の突当部材３
０がシヨツクアブソーバ２１に突き当つて停止
し、この繰り返しにより、ピストンロツド５が所
定の距離を往復運動する。

このように、本実施例では、ピストンロツド５
のストロークの終端における衝撃がシヨツクアブ
ソーバ２１で吸収されることから、ピストンロツ
ド５を高速作動させることが可能であり、とりわ
け、シヨツクアブソーバ２１がシリンダ本体１側
に装着されているから、連結板１１の外面を突出
部の無い平面状に形成できて、この連結板１１に
他の流体圧シリンダのシリンダ本体を結合するこ
とができ、しかも、シヨツクアブソーバ２１が両
貫通孔２，２の中間に装着されていて、連結板１
１の中央部に固定した突当部材３０が突き当たる
から、突き当つたときに連結板１１が傾くおそれ
がない。

なお、本実施例の流体圧シリンダは、両連結板
１１を固定した状態において、シリンダ本体１の
両ポート１４，１５を盲栓で閉塞し、両ピストン
ロツド５，５の盲栓１０を開けて、一方のピスト
ンロツド５に流体を供給し、他方のピストンロツ
ド５から排出するのを交互にくり返すと、ピスト
ンロツド５の通孔８，９を介してピストン３の両
側で流体の供給と排出が交互にくり返されて圧力
差ができることにより、シリンダ本体１をピスト
ンロツド５，５に沿つて左右に往復運動させるこ
とができ、この場合も、シリンダ本体１のストロ
ークの終端でシヨツクアブソーバ２１が連結板１
１の突当部材３０に突き当つて、衝撃力が吸収さ
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図である。 １……シリンダ本体、２……貫通孔、３……ピ
ストン、５……ピストンロツド、６……軸受筒、
７……カバー、１１……連結板、２１…シヨツク
アブソーバ、３０……突当部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 互いに平行な２本の貫通孔を透設したシリンダ
   本体の前記各貫通孔に摺動自由に嵌合したピスト
   ンにピストンロツドを固定し、該各ピストンロツ
   ドの両端を前記貫通孔の両端に被着したロツドカ
   バーから突出させ、前記両ピストンロツドの端部
   同士を連結板で連結した流体圧シリンダにおい
   て、前記ロツドカバーの前記両貫通孔の間に、前
   記連結板が突き当たるシヨツクアブソーバを装着
   したことを特徴とする流体圧シリンダ。