JPH04351834A - マグネトロン - Google Patents
マグネトロンInfo
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- JPH04351834A JPH04351834A JP12435291A JP12435291A JPH04351834A JP H04351834 A JPH04351834 A JP H04351834A JP 12435291 A JP12435291 A JP 12435291A JP 12435291 A JP12435291 A JP 12435291A JP H04351834 A JPH04351834 A JP H04351834A
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Landscapes
- Microwave Tubes (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空外囲器内に装着す
るゲッタ量を多くして過酷な環境下での長期間の使用に
耐えるようにした電子レンジその他マイクロ波電力利用
機器に好適なマグネトロンに関する。
るゲッタ量を多くして過酷な環境下での長期間の使用に
耐えるようにした電子レンジその他マイクロ波電力利用
機器に好適なマグネトロンに関する。
【0002】
【従来の技術】マグネトロンの管球内の真空度を良好な
状態に維持するために、管内のガスを吸着させるゲッタ
を、陰極のフィラメントを上端部(陰極ステムの反対側
)で支承し、かつフィラメントから放出された熱電子が
作用空間の外部へ出るのを抑制するための上エンドシー
ルドの外側(フィラメントの反対側)表面に焼結固着さ
せる方法が採られている。この方法に関して、例えば特
開昭57−36752号公報には、管軸の周囲に管軸方
向に延在するフィラメントと、その管軸方向両端に設け
た1対のエンドシールドよりなるマグネトロンの陰極の
、1対のエンドシールドの相対向する面の双方または一
方に、粉末状Zr又はTiを有機質バインダに混合した
ペーストを層状に塗布し、このペーストを、製造工程中
におけるエンドシールドの昇温、特に排気中の高真空下
高温上昇により粉末金属焼結体に焼成することが開示さ
れている。この場合、高純度Zr単体粉末は空気中での
取扱中、僅かな摩擦で発火してしまうので水素化合物Z
rH2粉末(高真空中800℃以上で水素を放出して純
金属Zrになる)を用いる。こうして図2に示すように
上エンドシールドの表面に形成させたバルクゲッタの層
は、それ以前のようにゲッタ金属の板材からワッシャ状
に打抜いたものをエンドシールドに溶接して用いるのと
異なり、エンドシールドに良く固着しており、しかも表
面に微小な凹凸が存在し、内部にも多くの空間が残存す
る多孔質の純金属粉末焼結体となっている。以前の展延
性のある緻密な板材から打抜いたワッシャゲッタよりも
表面積が遥かに大きいからゲッタ作用は良好である。
状態に維持するために、管内のガスを吸着させるゲッタ
を、陰極のフィラメントを上端部(陰極ステムの反対側
)で支承し、かつフィラメントから放出された熱電子が
作用空間の外部へ出るのを抑制するための上エンドシー
ルドの外側(フィラメントの反対側)表面に焼結固着さ
せる方法が採られている。この方法に関して、例えば特
開昭57−36752号公報には、管軸の周囲に管軸方
向に延在するフィラメントと、その管軸方向両端に設け
た1対のエンドシールドよりなるマグネトロンの陰極の
、1対のエンドシールドの相対向する面の双方または一
方に、粉末状Zr又はTiを有機質バインダに混合した
ペーストを層状に塗布し、このペーストを、製造工程中
におけるエンドシールドの昇温、特に排気中の高真空下
高温上昇により粉末金属焼結体に焼成することが開示さ
れている。この場合、高純度Zr単体粉末は空気中での
取扱中、僅かな摩擦で発火してしまうので水素化合物Z
rH2粉末(高真空中800℃以上で水素を放出して純
金属Zrになる)を用いる。こうして図2に示すように
上エンドシールドの表面に形成させたバルクゲッタの層
は、それ以前のようにゲッタ金属の板材からワッシャ状
に打抜いたものをエンドシールドに溶接して用いるのと
異なり、エンドシールドに良く固着しており、しかも表
面に微小な凹凸が存在し、内部にも多くの空間が残存す
る多孔質の純金属粉末焼結体となっている。以前の展延
性のある緻密な板材から打抜いたワッシャゲッタよりも
表面積が遥かに大きいからゲッタ作用は良好である。
【0003】上エンドシールドの外表面の面積は少なく
十分なゲッタ量を固着できない場合には、上エンドシー
ルドの内表面やらせん状フィラメントの中央を通るセン
タロッドの表面にゲッタ材料を焼結させることもある。 このようにフィラメントを除く陰極構成部品の表面にゲ
ッタ層を形成させる目的は、ゲッタ材料のガス吸着能力
を高めるためであって、マグネトロンの動作時に、Zr
などのバルクゲッタ材にゲッタ作用を十分発揮させるこ
とができるほどの高温になるのはこれらの部分だけであ
るからである。
十分なゲッタ量を固着できない場合には、上エンドシー
ルドの内表面やらせん状フィラメントの中央を通るセン
タロッドの表面にゲッタ材料を焼結させることもある。 このようにフィラメントを除く陰極構成部品の表面にゲ
ッタ層を形成させる目的は、ゲッタ材料のガス吸着能力
を高めるためであって、マグネトロンの動作時に、Zr
などのバルクゲッタ材にゲッタ作用を十分発揮させるこ
とができるほどの高温になるのはこれらの部分だけであ
るからである。
【0004】近年、電子レンジの小型化、省資源化、低
原価化などが急速に進み、これらの要求はマグネトロン
の小型化、軽量化を促進させている。具体的にはマグネ
トロンの冷却フィンの小型化や冷却ファンの小型化につ
ながり、マグネトロンとしては使用時の温度が高くなる
傾向にあり厳しい条件に耐えなければならない。高温下
における動作ではマグネトロン管内のガス放出量も多く
なり、ゲッタのガス吸着限界に到達するまでの時間も短
くなり、結果的に寿命が短くなる方向に行く。加えて、
電子レンジにインバータ電源が採用され出力可変機能も
付与されるようになったが、インバータ電源による動作
では、フィラメント電流の変化が大きく、低出力状態で
は従来より低いフィラメント温度で動作することもある
。従って従来にもまして高真空を維持する必要があり、
ガスの吸着速度およびガス吸着量の多いゲッタを装着す
ることを迫られている。
原価化などが急速に進み、これらの要求はマグネトロン
の小型化、軽量化を促進させている。具体的にはマグネ
トロンの冷却フィンの小型化や冷却ファンの小型化につ
ながり、マグネトロンとしては使用時の温度が高くなる
傾向にあり厳しい条件に耐えなければならない。高温下
における動作ではマグネトロン管内のガス放出量も多く
なり、ゲッタのガス吸着限界に到達するまでの時間も短
くなり、結果的に寿命が短くなる方向に行く。加えて、
電子レンジにインバータ電源が採用され出力可変機能も
付与されるようになったが、インバータ電源による動作
では、フィラメント電流の変化が大きく、低出力状態で
は従来より低いフィラメント温度で動作することもある
。従って従来にもまして高真空を維持する必要があり、
ガスの吸着速度およびガス吸着量の多いゲッタを装着す
ることを迫られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来からの技術では、
上記のように従来よりも過酷な環境で動作させてしかも
寿命の長いマグネトロンを製作することは困難である。 従来の技術で既にゲッタ材料を塗布できる部分は使用済
みであり、残っている部分は上、下エンドシールドの外
周面であるが、この部分は陽極の近くに位置し耐電圧特
性の低下を招く恐れがあってゲッタ材料を塗布できない
。また、陰極構体以外の箇所では動作時の温度が低く、
ゲッタのガス吸着能力を有効に発揮させることができな
い。そのため、ガス吸着能力を増すために上エンドシー
ルドに塗布するゲッタ量を多くすることを検討したが、
限られた面積にあまり多くのゲッタ材料を塗布すると厚
くなって剥がれ易くなり、管内の異物源となって電極間
短絡の原因となるので実用化できない。
上記のように従来よりも過酷な環境で動作させてしかも
寿命の長いマグネトロンを製作することは困難である。 従来の技術で既にゲッタ材料を塗布できる部分は使用済
みであり、残っている部分は上、下エンドシールドの外
周面であるが、この部分は陽極の近くに位置し耐電圧特
性の低下を招く恐れがあってゲッタ材料を塗布できない
。また、陰極構体以外の箇所では動作時の温度が低く、
ゲッタのガス吸着能力を有効に発揮させることができな
い。そのため、ガス吸着能力を増すために上エンドシー
ルドに塗布するゲッタ量を多くすることを検討したが、
限られた面積にあまり多くのゲッタ材料を塗布すると厚
くなって剥がれ易くなり、管内の異物源となって電極間
短絡の原因となるので実用化できない。
【0006】本発明は、高温動作時に発生するガスに対
して十分なガス吸着速度と十分なガス吸着量が得られる
ゲッタを装着できるようにしたマグネトロン陰極構体を
提供することを目的とする。
して十分なガス吸着速度と十分なガス吸着量が得られる
ゲッタを装着できるようにしたマグネトロン陰極構体を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明においては、熱電子を放出するらせん状のフィ
ラメントを、その上端部を上エンドシールドを介してセ
ンタロッドに、その下端部を下エンドシールドを介して
サイドロッドに支持させ、更に、上エンドシールドの外
表面に、ゲッタ金属の粉末を焼結固着させてゲッタ作用
を行なわせるようにしたマグネトロン陰極構体において
、上記上エンドシールドの外側表面に、外径より小さい
径で放熱フィンのように凹凸を大きくした部分を設けて
実効表面積を拡げ、そこに上記ゲッタを焼結固着させる
ことにした。
に本発明においては、熱電子を放出するらせん状のフィ
ラメントを、その上端部を上エンドシールドを介してセ
ンタロッドに、その下端部を下エンドシールドを介して
サイドロッドに支持させ、更に、上エンドシールドの外
表面に、ゲッタ金属の粉末を焼結固着させてゲッタ作用
を行なわせるようにしたマグネトロン陰極構体において
、上記上エンドシールドの外側表面に、外径より小さい
径で放熱フィンのように凹凸を大きくした部分を設けて
実効表面積を拡げ、そこに上記ゲッタを焼結固着させる
ことにした。
【0008】
【作用】上記のようにすれば、上エンドシールドの表面
積を従来よりも大幅に大きく出来るので、ゲッタ材料と
塗布厚を過度に大きくすることなく、塗布量を大きくで
きる。ゲッタの塗布面積も広くなるためにガス分子の捕
捉面が広くなりガス吸着速度も早くなる。同じ塗布厚で
も塗布面積が大きいためゲッタ量が増し、ガス吸着量限
界も大きくなり、寿命の延長が可能になる。
積を従来よりも大幅に大きく出来るので、ゲッタ材料と
塗布厚を過度に大きくすることなく、塗布量を大きくで
きる。ゲッタの塗布面積も広くなるためにガス分子の捕
捉面が広くなりガス吸着速度も早くなる。同じ塗布厚で
も塗布面積が大きいためゲッタ量が増し、ガス吸着量限
界も大きくなり、寿命の延長が可能になる。
【0009】
【実施例】従来の陰極構体の一例を図2に示すが、電子
を発生させる陰極フィラメント5には、一般に酸化トリ
ウム(ThO2)を微量含むタングステンが用いられる
。電子放出特性を向上させるため、陰極フィラメント表
面には、炭化層(W2C)が形成されている。陰極フィ
ラメント5の両端は、夫々、上エンドシールド2、下エ
ンドシールド3に、高融点ろう材、例えばルテニウム・
モリブデン共晶合金等によって接合されている。上エン
ドシールド2はセンタロッド4により、下エンドシール
ド3はサイドロッド6により支持されており、センタロ
ッド、サイドロッド夫々の端部の間にフィラメント電圧
が印加される。マグネトロンの動作時にはフィラメント
の温度は約2000Kになり、ゲッタを形成してある上
エンドシールドの部分は1500K前後になる。ガスの
良吸着体であるTi又はZrなどをこの高温部分に設け
ることにより良好なゲッタ作用を行なわせている。Ti
又はZr共に板材のままでは表面積が少なく、ガスの吸
着速度が遅い。従って表面積の大きくとれる粉末材を用
いて焼結粉末ゲッタ層1を形成させ、ガス吸着速度を高
めている。従来の使用条件では図2に示した従来例陰極
構体のように、上エンドシールドのみにゲッタ材が焼結
された構造でも、ゲッタ能力は十分であったが、近年の
過酷な使用条件に対してはゲッタ能力が不足になって来
た。陽極温度が高温になるとガス放出も急になりゲッタ
の吸着速度が不足すると一時的な電子放出不足を起こす
。この場合はゲッタが働いているので、エージング効果
により電子放出特性は回復することが多い。しかし、高
温の動作の積み重ねによりゲッタのガス吸着量の限界を
超えると管内の真空度の低下が始まりフィラメントの電
子放出特性を劣化させ寿命となる。以上の関係により過
酷な条件で使うと従来よりも寿命が短くなる傾向にあり
、この対策として本発明がなされるに至ったのである。
を発生させる陰極フィラメント5には、一般に酸化トリ
ウム(ThO2)を微量含むタングステンが用いられる
。電子放出特性を向上させるため、陰極フィラメント表
面には、炭化層(W2C)が形成されている。陰極フィ
ラメント5の両端は、夫々、上エンドシールド2、下エ
ンドシールド3に、高融点ろう材、例えばルテニウム・
モリブデン共晶合金等によって接合されている。上エン
ドシールド2はセンタロッド4により、下エンドシール
ド3はサイドロッド6により支持されており、センタロ
ッド、サイドロッド夫々の端部の間にフィラメント電圧
が印加される。マグネトロンの動作時にはフィラメント
の温度は約2000Kになり、ゲッタを形成してある上
エンドシールドの部分は1500K前後になる。ガスの
良吸着体であるTi又はZrなどをこの高温部分に設け
ることにより良好なゲッタ作用を行なわせている。Ti
又はZr共に板材のままでは表面積が少なく、ガスの吸
着速度が遅い。従って表面積の大きくとれる粉末材を用
いて焼結粉末ゲッタ層1を形成させ、ガス吸着速度を高
めている。従来の使用条件では図2に示した従来例陰極
構体のように、上エンドシールドのみにゲッタ材が焼結
された構造でも、ゲッタ能力は十分であったが、近年の
過酷な使用条件に対してはゲッタ能力が不足になって来
た。陽極温度が高温になるとガス放出も急になりゲッタ
の吸着速度が不足すると一時的な電子放出不足を起こす
。この場合はゲッタが働いているので、エージング効果
により電子放出特性は回復することが多い。しかし、高
温の動作の積み重ねによりゲッタのガス吸着量の限界を
超えると管内の真空度の低下が始まりフィラメントの電
子放出特性を劣化させ寿命となる。以上の関係により過
酷な条件で使うと従来よりも寿命が短くなる傾向にあり
、この対策として本発明がなされるに至ったのである。
【0010】上記短寿命問題はマグネトロン管球内に放
出されるガスの量とゲッタのガス吸着能力の均衡問題で
あり対策の方法は二つある。一つは管球内に放出される
ガスの量を少なくする方法、他の一つはゲッタのガス吸
着能力を大きくする方法である。本発明は後者の方法を
採るものである。図3は本発明の一実施例図で、図1は
本発明に係る陰極構体の部分を拡大して示す図である。 これらの図中、1は焼結粉末ゲッタ層、2aは本発明に
係る上エンドシールド、3は下エンドシールド、4はセ
ンタロッド、5はフィラメント、6はサイドロッド、7
は陽極円筒、7aは陽極円筒内側から管軸に同心配置さ
れた陰極に向けて放射状に突出する複数枚のベイン、8
はフィラメント5とベイン端部の間の作用空間に管軸方
向静磁界を形成させるための磁極、9は作用空間の磁界
を形成させる起磁力源となる永久磁石、10は上記磁界
を形成する磁束の磁気帰路となる外部継鉄、11はマイ
クロ波ための空洞共振器を形成するベインからアンテナ
と通称される取り出し線により導かれたマイクロ波電力
を導波管などに放射するマイクロ波電力取り出し部、1
2は陰極フィラメント5を加熱する電力を供給する商用
交流電源へマイクロ波が漏洩するのを抑制するためのフ
ィルタを収納したフィルタケースである。ゲッタのガス
吸着能力はガスを如何に速く吸着するかという速度能力
と、どれだけ多くのガスを吸着することができるかとい
う吸着量(限界)能力である。吸着するガスの種類の問
題もあるが、ここでは関係がないので省略する。吸着速
度はゲッタの表面積が関係し、吸着量はゲッタの量が関
係する。マグネトロンの高温下における厳しい動作条件
では、陽極を構成している銅などの金属からガス放出が
起きる。ガスの放出は動作の開始時に高温に達する過程
で多く発生し、以後は量は少なくなるものの長時間発生
し続ける。多量のガス放出が生じているときはゲッタの
ガス吸着速度の大きいことが重要になり、長時間放出し
続けるガスを長期にわたって吸着するためにはゲッタの
吸着能力が良く(吸着量限界が大きく)なければならな
い。このことから図2に示す従来の構造では、ゲッタ材
料と塗布できる部分に余裕がなく、仮りに上エンドシー
ルドの外表面に塗布するゲッタの量を多くすると塗布厚
が厚くなる。この場合、表面積は増さないので吸着速度
は殆ど大きくならないが、吸着量限界を大きくすること
はできる。しかし、塗布厚が厚くなるため使用中の熱サ
イクルでヒビ割れや部分的な剥がれが生じ、電極間の短
絡などの問題を起こすことがある。本発明では、上エン
ドシールド2aの外表面に図示のように放熱フィン状の
凹凸を設けゲッタの塗布面積の増大を図っている。した
がって、ゲッタ材を従来と同じ厚さに塗布しても全体の
量は塗布面積が増大した分だけ増加する。このように、
ゲッタの表面積、総量とも大きくなっており、ガスの吸
着速度および吸着量ともに増加し問題を解決することが
出来た。上エンドシールドの外表面を図示のように大き
くするとフィラメント温度が僅かに低下するが、実用上
問題にならない範囲に収まっている。なお、フィラメン
ト温度を一般的に上昇させる手段は別途考慮すれば良い
。また、マイクロ波出力や効率についても副作用は認め
られなかった。
出されるガスの量とゲッタのガス吸着能力の均衡問題で
あり対策の方法は二つある。一つは管球内に放出される
ガスの量を少なくする方法、他の一つはゲッタのガス吸
着能力を大きくする方法である。本発明は後者の方法を
採るものである。図3は本発明の一実施例図で、図1は
本発明に係る陰極構体の部分を拡大して示す図である。 これらの図中、1は焼結粉末ゲッタ層、2aは本発明に
係る上エンドシールド、3は下エンドシールド、4はセ
ンタロッド、5はフィラメント、6はサイドロッド、7
は陽極円筒、7aは陽極円筒内側から管軸に同心配置さ
れた陰極に向けて放射状に突出する複数枚のベイン、8
はフィラメント5とベイン端部の間の作用空間に管軸方
向静磁界を形成させるための磁極、9は作用空間の磁界
を形成させる起磁力源となる永久磁石、10は上記磁界
を形成する磁束の磁気帰路となる外部継鉄、11はマイ
クロ波ための空洞共振器を形成するベインからアンテナ
と通称される取り出し線により導かれたマイクロ波電力
を導波管などに放射するマイクロ波電力取り出し部、1
2は陰極フィラメント5を加熱する電力を供給する商用
交流電源へマイクロ波が漏洩するのを抑制するためのフ
ィルタを収納したフィルタケースである。ゲッタのガス
吸着能力はガスを如何に速く吸着するかという速度能力
と、どれだけ多くのガスを吸着することができるかとい
う吸着量(限界)能力である。吸着するガスの種類の問
題もあるが、ここでは関係がないので省略する。吸着速
度はゲッタの表面積が関係し、吸着量はゲッタの量が関
係する。マグネトロンの高温下における厳しい動作条件
では、陽極を構成している銅などの金属からガス放出が
起きる。ガスの放出は動作の開始時に高温に達する過程
で多く発生し、以後は量は少なくなるものの長時間発生
し続ける。多量のガス放出が生じているときはゲッタの
ガス吸着速度の大きいことが重要になり、長時間放出し
続けるガスを長期にわたって吸着するためにはゲッタの
吸着能力が良く(吸着量限界が大きく)なければならな
い。このことから図2に示す従来の構造では、ゲッタ材
料と塗布できる部分に余裕がなく、仮りに上エンドシー
ルドの外表面に塗布するゲッタの量を多くすると塗布厚
が厚くなる。この場合、表面積は増さないので吸着速度
は殆ど大きくならないが、吸着量限界を大きくすること
はできる。しかし、塗布厚が厚くなるため使用中の熱サ
イクルでヒビ割れや部分的な剥がれが生じ、電極間の短
絡などの問題を起こすことがある。本発明では、上エン
ドシールド2aの外表面に図示のように放熱フィン状の
凹凸を設けゲッタの塗布面積の増大を図っている。した
がって、ゲッタ材を従来と同じ厚さに塗布しても全体の
量は塗布面積が増大した分だけ増加する。このように、
ゲッタの表面積、総量とも大きくなっており、ガスの吸
着速度および吸着量ともに増加し問題を解決することが
出来た。上エンドシールドの外表面を図示のように大き
くするとフィラメント温度が僅かに低下するが、実用上
問題にならない範囲に収まっている。なお、フィラメン
ト温度を一般的に上昇させる手段は別途考慮すれば良い
。また、マイクロ波出力や効率についても副作用は認め
られなかった。
【0011】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、本
発明に係る陰極構体を用いたマグネトロンを電子レンジ
に用いた場合、特に陽極温度が高くなり易い使用条件い
わゆる空炊き(オーブン内に加熱すべきものが入れてな
い状態)に於いても従来品よりも耐久力で勝り、高温下
での寿命も改善されるという効果が認められた。
発明に係る陰極構体を用いたマグネトロンを電子レンジ
に用いた場合、特に陽極温度が高くなり易い使用条件い
わゆる空炊き(オーブン内に加熱すべきものが入れてな
い状態)に於いても従来品よりも耐久力で勝り、高温下
での寿命も改善されるという効果が認められた。
【図1】本発明一実施例の陰極構体部分の拡大図である
。
。
【図2】従来のマグネトロンの陰極構体の例を示す図で
ある。
ある。
【図3】本発明の一実施例図である。
1…焼結粉末ゲッタ層
2、2a…上エンドシールド
3…下エンドシールド
4…センタロッド
5…フィラメント
6…サイドロッド
7…陽極構体
7a…ベイン
8…磁極
9…永久磁石
10…外部継鉄
11…マイクロ波電力取り出し部
12…フィルタケース
Claims (1)
- 【請求項1】熱電子を放出するらせん状のフィラメント
を、その上端部を上エンドシールドを介してセンタロッ
ドに、その下端部を下エンドシールドを介してサイドロ
ッドに支持させ、更に、上エンドシールドの外側表面に
、ゲッタ金属の粉末を焼結固着させてゲッタ作用を行な
わせるようにした陰極構体を用いるマグネトロンにおい
て、上記陰極構体の上エンドシールドの外側表面に凹凸
を設けて、そこに上記ゲッタを焼結固着させるようにし
たことを特徴とするマグネトロン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12435291A JPH04351834A (ja) | 1991-05-29 | 1991-05-29 | マグネトロン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12435291A JPH04351834A (ja) | 1991-05-29 | 1991-05-29 | マグネトロン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04351834A true JPH04351834A (ja) | 1992-12-07 |
Family
ID=14883261
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12435291A Pending JPH04351834A (ja) | 1991-05-29 | 1991-05-29 | マグネトロン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04351834A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006278103A (ja) * | 2005-03-29 | 2006-10-12 | Toshiba Hokuto Electronics Corp | 電子管用コーティングゲッター膜の製造方法 |
JP2008108540A (ja) * | 2006-10-25 | 2008-05-08 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | マグネトロン |
WO2013094185A1 (ja) * | 2011-12-20 | 2013-06-27 | パナソニック株式会社 | マグネトロン及びマイクロ波加熱装置 |
-
1991
- 1991-05-29 JP JP12435291A patent/JPH04351834A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006278103A (ja) * | 2005-03-29 | 2006-10-12 | Toshiba Hokuto Electronics Corp | 電子管用コーティングゲッター膜の製造方法 |
JP2008108540A (ja) * | 2006-10-25 | 2008-05-08 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | マグネトロン |
WO2013094185A1 (ja) * | 2011-12-20 | 2013-06-27 | パナソニック株式会社 | マグネトロン及びマイクロ波加熱装置 |
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