JPH0435038Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、冷間静水圧加圧成形装置の成形モー
ルドに関し、粉末材料の等方圧加圧成形に利用さ
れる。

（従来の技術） 粉末材料を成形モールドに収容（充填）し、該
材料を水その他の液体による圧媒によつて等方的
に加圧し、圧縮成形する技術は、CIP装置として
既知であり、セラミツクス、粉末冶金の成形に利
用されている。

このCIP装置は、圧力容器内に、粉体を収容し
た成形モールドを装入するものであり、第６図か
ら第８図に示す成形モールドが従来から知られて
いる。

第６図は従来例の１であり、下プラグ６にマン
ドレル５をねじ込み、円筒状の成形ゴム型４を下
プラグ６に立設してシールテープ７で密封させ、
粉体Ａを成形ゴム型４内に充填してから上プラグ
１を嵌合してシールテープ７で密封させ、軸方向
支持するため、２つ割のサポート３を上下プラグ
１，６間にセツトさせ、セツトテープ８を巻付け
てなり、この成形モールドは搬送用バケツト２に
収められて吊り具９等により、圧力容器へと搬送
可能とされている。

第７図は従来例の２で、第６図は筒体を成形す
るのに対し、この従来例の２は中実材を成形する
もので、マンドレルを用いない点以外は、従来例
の１と同じである。

第８図は従来例の３であり、マンドレル５を上
プラ１にボルト１０で取付けるとともに、シール
１１と吊り部１２を有するものである。

なお、第６図〜第８図において、１３は圧媒用
通孔である。

（考案が解決しようとする問題点） 従来例の１および２はいずれもバケツト２を必
要とし、このため、CIP装置の有効処理室径が小
さくなるという問題がある。

従来例の３は、バケツト２を必要としないけれ
ども、中空成形品にしか適用できないばかりかシ
ール部分が増加し、このため、作業性と信頼性が
悪くなるし、消耗品が多くなるという問題があ
る。

更に、従来例の１〜３のいずれにはおいても、
ゴム型の長さが径に比べ長くなつた場合、粉体の
重量で第６図にて代表して示すように、ゴム型４
が符号４Ａの如く外方に膨れるという問題があ
る。

本考案は、従来例の１〜３の問題点を解消した
成形モールドを提供するのが目的である。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、叙述の目的を達成する手段として、
以下の技術的手段を講じたものである。

すなわち、本考案は、下プラグ２１上に、粉体
３１を収容可能な成形ゴム型２５を立設し、吊下
げ部２８を有するとともに粉体３１の収容で成形
ゴム型２５の外方変形を阻止すべく該成形ゴム型
２５に被せられる下部サポート２７を下プラグ２
１に係脱自在として備え、成形ゴム型２５の粉体
供給口２５Ａを密封する上部プラグ３２を備え、
該上部プラグ３２と下部サポート２７の上部側と
の間で軸方向に関して係合する上部サポート３６
を、径方向から係脱自在として備え、下部サポー
ト２７および上部サポート３６のそれぞれに、圧
媒用の通孔２９，３７を形成していることを特徴
とするものである。

（作用） 成形ゴム型２５に粉体３１を充填しても、下部
サポート２７により、ゴム型２５が膨むのは防止
される。

成形ゴム型２５に粉体３１を充填した後、上部
プラグ３２を成型ゴム型２５の粉体供給口２５Ａ
に嵌挿し、成型ゴム型２５と上部プラグ３２とを
シールテープ３５でシールした後に、上部サポー
ト３６で粉体供給口２５Ａを密封する。

圧力容器内に成形モールドを装入するには、吊
下げ部２８にクレーン等のフツクを掛けて行なわ
れる。

成形および搬送中の軸方向支持は、上下サポー
ト３６，２７によつて保持される。

（実施例） 以下、図面を参照して本考案の実施例を詳述す
る。

第１図は成形モールド２０を示しており、２１
は下部プラグで、サポート嵌合部２２、ゴム型嵌
合部２３を有し、サポート嵌合部２２にはサポー
ト取付け用ピン２４を有している。

２５は円筒形のゴム型で、その下端がゴム型嵌
合部２３に嵌挿されてシールテープ２６にて密封
されて立設されている。

２７は下部サポートで、上部フランジに吊下げ
部２８を有し、筒部には圧媒用通孔２９が形成さ
れている。

下部サポート２７は第２図で示す如く下部プラ
グ２１に立設されたゴム型２５の外周に接して第
３図で示す如く被せられ、その下端がサポート嵌
合部２２に挿嵌され、更に、ピン２４に第４図で
示す如く鈎形部３０を引掛けることにより係脱自
在とされている。

なお、ピン２４と鈎形部３０に代えてボルト止
め等であつてもよい。

また、吊下げ部２８はフツク形でもよく、径外
方向に突出したものでもよい。

従つて、第３図に示す如く組立てた状態にて、
供給口２５Ａから粉体３１を充填するが、この充
填中において、ゴム型２５が変形したり膨れたり
するのは、下部サポート２７にて阻止される。

３２は上部プラグであり、供給口２５Ａを密封
する嵌挿部３３と、上部サポート３６の保持部３
４を有し、嵌挿部３３が供給口２５Ａに挿入され
て、シールテープ３５でシールされている。

上部サポート３６は第５図に示す如く割型とさ
れており、圧媒用通孔３７を有しており、径方向
外方から、上部プラグ３２と下サポート２７との
間に係脱自在とされ、更に、外周はテープ３８で
保持され、係合状態で、下部サポート２７と協働
して搬送中および成形中の軸方向支持をしてい
る。

ここで、サポートを下部サポート２７と上部サ
ポート３６とに分けたのは、下部プラグ２１との
真円度を高くしつつシールテープ３５等による密
封性を確保するためである。すなわち、サポート
を従来例の如く全体を２つ割とすれば、シールテ
ープでのシール後の組立ができるが、プラグとの
真円度が狂うおそれがあり、このため、サポート
を全体として周方向一体（非割型）とすれば、シ
ールテープ３５の装着ができない。そこで、下部
サポート２７は所謂非割型として真円度を確保
し、上部サポート３６を径方向に係脱する割型と
してシールテープ３５装着後の組立てを可能にし
ているのである。

なお、中空成形品を得るときは、マンドレルを
用いることは明らかであろう。また、吊り部２８
は最後に付けられる。

（考案の効果） 本考案は、下プラグ上に、粉体を収容可能な成
形ゴム型を立設し、吊下げ部を有するとともに粉
体の収容で成形ゴム型の外方変形を阻止すべく該
成形ゴム型に被せられる下部サポートを下プラグ
に係脱自在として備え、成形ゴム型の粉体供給口
を密封する上部プラグを備え、該上部プラグと下
部サポートの上部側との間で軸方向に関して係合
する上部サポートを、径方向から係脱自在として
備え、下部サポートおよび上部サポートのそれぞ
れに、圧媒用の通孔を形成していることを特徴と
するものであるから、次の利点がある。

成形ゴム型に下部サポートが被せられて、粉体
を充填しても膨み及び変形が阻止され、ここに、
充填密度がよくなり、成形品の品質を向上するこ
とができる。

サポートは下プラグ２１に係脱自在な下部サポ
ート２７と径方向から係脱自在な上部サポート３
６からなるので、下部サポート２７はこれを径方
向に分割する必要がなく、下部サポート２７と下
部プラグ２１との真円度が高くなり、延いては曲
がりの小さな製品を得ることができるし、一方、
上部サポート３６はこれを径方向から係脱自在に
していることから、成形ゴム型２５の粉体供給口
２５Ａを上部プラグ３２にシールテープ３５でシ
ールしてからの組立てができ、粉体供給口２５Ａ
の密封性を良好にできる。

下部サポートに吊り部を有し、この下部サポー
トと上部プラグとの間に、軸方向に関して係合す
る上部サポートを係脱自在に備えているから、搬
送中及び成形中のモールドの崩れはないし、中実
品、中空品のいずれにおいても適用可能である
し、シール部分も増えることがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例と従来例を示しており、
第１図は本考案実施例の立面断面図、第２図から
第５図は組立て順序を半分だけ断面して示し、第
２図は下部プラグとゴム型との組立て状態の断面
図、第３図はゴム型と下部サポートを組立て状態
の断面図、第４図は第３図Ｂ矢示正面図、第５図
は最終組立状態の断面図、第６図は従来例の１の
断面図、第７図は従来例の２の断面図、第８図は
従来例の３の断面図である。 ２１……下部プラグ、２５……ゴム型、２７…
…下部サポート、２９，３７……通孔、２８……
吊下げ部、３２……上部プラグ、３６……上部サ
ポート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下プラグ２１上に、粉体３１を収容可能な成形
   ゴム型２５を立設し、吊下げ部２８を有するとと
   もに粉体３１の収容で成形ゴム型２５の外方変形
   を阻止すべく該成形ゴム型２５に被せられる下部
   サポート２７を下プラグ２１に係脱自在として備
   え、成形ゴム型２５の粉体供給口２５Ａを密封す
   る上部プラグ３２を備え、該上部プラグ３２と下
   部サポート２７の上部側との間で軸方向に関して
   係合する上部サポート３６を、径方向から係脱自
   在として備え、下部サポート２７および上部サポ
   ート３６のそれぞれに、圧媒用の通孔２９，３７
   を形成していることを特徴とする冷間静水圧加圧
   成形装置の成形モールド。