JPH04350146A - 2ピース缶用鋼板 - Google Patents

2ピース缶用鋼板

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JPH04350146A
JPH04350146A JP12135991A JP12135991A JPH04350146A JP H04350146 A JPH04350146 A JP H04350146A JP 12135991 A JP12135991 A JP 12135991A JP 12135991 A JP12135991 A JP 12135991A JP H04350146 A JPH04350146 A JP H04350146A
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dwi
steel
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JP12135991A
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Hideo Kukuminato
久々湊 英 雄
Hisakatsu Kato
加 藤 寿 勝
Akio Tosaka
登 坂 章 男
Chikako Fujinaga
藤 長 千香子
Toshihiro Sekine
関 根 稔 弘
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、飲料充填に使用される
DWI缶(Drawing & Wall Ironi
ng Can) 用ぶりき原板となる2ピース缶用鋼板
に関する。
【0002】
【従来の技術】(1)最近、DWI缶用ぶりきは、缶コ
スト低減を目的に板厚を薄く、材質は硬く、錫目付を低
減させる傾向が進んでいる。ただし、板厚を薄くすると
缶強度が低下するので、材質の硬い原板を使って缶強度
を維持していた。 (2)DWI缶はビールや炭酸飲料など食品からガスが
発生し内圧が増加するため缶強度が維持できる飲料に用
いられていた。しかし、DWI缶の拡大にともなって、
ジュースや健康飲料、お茶等食品からガスが発生しない
無炭酸飲料にも使用されだし、缶強度不足が問題にされ
ていた。 (3)無炭酸飲料には熱間充填されるものがあり、充填
直後、蓋を巻き締めると、巻き締め胴部に割れが発生す
る問題があった。 (4)また、熱間充填後、レトルト殺菌処理を施される
飲料があり、そのレトルト殺菌工程において、缶底の耐
圧強度が弱くなるものもあった。 (5)また、板厚を薄くすると缶強度が弱くなるので、
缶頭部のネックイン加工が多段ネック化し、缶強度維持
に役立っている。しかし、板厚が薄くて、多段ネック加
工を行うと、円周座屈によるしわ発生の問題があった。
【0003】以上のように、DWI缶の用途が拡大し、
板厚が薄くなるに従って、2ピース缶用鋼板の材質を見
直す必要が生じた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】(1)しかし、缶強度
を維持するために、単に硬質にした鋼板を使うと、製缶
加工性が悪くなって、生産性が悪くなった。さらに、錫
目付を少なくした場合、錫はDWI加工に際して固体潤
滑剤としての作用も有しているので、やはり製缶の生産
性を悪化させる。 (2)また、板厚を薄くするに従って、熱間充填直後の
蓋巻き締め加工時に胴部に割れが生じるとか、レトルト
殺菌工程での缶底部の耐圧強度不足によるバックリング
が生じていた。
【0005】すなわち、従来はこのような状況下に置か
れていたため、板厚の低減、薄い板厚での缶強度の維持
、錫目付の低減化は意図したようには成果が得られなか
った。したがって、本発明は、DWI加工時に加工性に
優れ、多段ネックインを行っても“しわ”が発生せず、
蓋巻き締め時にも割れが発生せず、レトルト殺菌を行っ
ても底の耐圧強度の低下しない2ピース缶用鋼板(ぶり
き)を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明らは上記のような
従来の問題点にかんがみて、発明に至る過程において、
以下のような思考と実験を行った。
【0007】すなわち、ぶりきの材質は結晶粒径と侵入
型固溶成分(C,N)及び調質圧延の圧下率(加工度)
によってほとんど決まる。結晶粒径は小さくすると鋼板
は硬質となるが、その製造工程において冷間圧延性や調
質圧延性が悪くなるので粒径を小さくするには限度があ
る。しかし、固溶成分はある特定範囲を除いて圧延性は
低下せず、熱処理によって硬くなる。したがって、製缶
工程においてDWI加工後の洗浄工程や塗装、印刷工程
で硬質化するため、この終末工程において所要缶強度に
到達せしめればよいとの知見を得た。
【0008】すなわち、本発明は、化学組成がC:0.
02〜0.08重量%、Si:0.02重量%以下、M
n:0.05〜0.30重量%、P:0.025重量%
以下、S:0.025重量%以下、N:0.003〜0
.02重量%、Al:0.02〜0.15重量%の成分
と、残部は鉄および不可避的不純物とから成る連鋳スラ
ブを常法で熱間圧延を行い、570〜670℃で巻き取
り、且つ(Ntotal−NasAlN) 量が0.0
03〜0.010重量%以下としたことを特徴とする2
ピース缶用鋼板を提供するものである。
【0009】
【作用】以下に本発明に至った経過、限定理由、作用機
序などにつきさらに詳細に説明する。
【0010】DWI缶が炭酸飲料等の内圧缶に使用され
ていた当初のぶりきは板厚も厚く一般の低炭素Alキル
ド鋼を使い、箱焼鈍法で仕上げた非時効性の調質度T2
.5あるいはT3の軟質材であった。軟質であるがため
、深絞り加工性、しごき加工性、抜け性、しごき加工後
の伸びフランジ性に優れていたが、板厚を薄くするに従
って、缶強度が維持できなくなった。特に、お茶類等の
熱間充填した後、レトルト殺菌(110〜130℃×2
0〜30分)処理を施すと、予想以上に缶底の耐圧強度
が小くなることがわかった。
【0011】そこで、調質度をT4に上げ、焼鈍法も従
来の箱焼鈍法から連続焼鈍法に替えたT4CA材で板厚
も薄く仕上げて、ぶりきとし、DWI加工を行った。そ
の結果、深絞り加工性、しごき加工性、抜け性、しごき
加工後の伸びフランジ性に劣るものであった。また、熱
間充填後の蓋巻き締め時の胴割れは多くなったが、缶底
の耐圧強度は予想以上に大きくなることがわかった。
【0012】この原因を調べた結果次のことがわかった
。一般の低炭素Alキルド鋼を箱型焼鈍法で仕上げた非
時効性鋼板は、室温から約150℃程度の範囲で鋼板温
度が高くなるに従って降伏点、硬さが低下する。しかし
、低炭素Alキルド鋼を連続焼鈍法で仕上げた時効性鋼
板は逆に温度の上昇とともに降伏点、硬さとも低下傾向
はなく、若干は増大することがわかった。すなわち、缶
底の耐圧強度を大きくするためには時効性鋼板が適して
いることを知見した。従って、板厚を薄くするためには
、時効性鋼板が必要であり、問題解決あるいは欠陥を解
決するためにはその際の鋼板温度を設定して、検討する
ことが必要であることがわかった。
【0013】次に、製缶加工性に優れた時効性鋼板の研
究を行った。その結果、深絞り加工性、しごき加工性、
抜け性、しごき加工後の伸びフランジ加工性を改善する
ためにランクフォード値(r)を大きくして、r値の面
内異方性が大きい鋼板が適していることがわかった。一
般に連続焼鈍材は箱型焼鈍材に比べてr値、Δrとも悪
いことは常識的に知られていた。
【0014】そこで、本発明者らは種々実験を行った結
果、熱間圧延後の巻取り温度を中温程度に従来より高温
側で巻取りを行い、炭化物の凝集を図り、自己焼鈍も十
分図ることによって結晶粒径を大きくするとともに、r
値が大きく、Δrが小さくなる鋼板が連続焼鈍法でもつ
くれることがわかった。従来はr値が大きくして、Δr
が小さい鋼板は箱型焼鈍法でしか得られないと言われて
いたが、巻取り温度の最適化により連続焼鈍法でもつく
れるようになった。
【0015】このようにして製造したぶりきを使ってD
WI加工を行った。結果、前述のような問題を解決でき
た。しかし、多段ネックイン加工を行った処、例えば、
2段ネックイン加工までは問題なかったが、3段ネック
イン加工を行うと円周座屈による“ネックイン加工部に
しわ”が発生し、蓋との巻き締め精度が悪くなった。 又、熱間充填後の蓋巻き締め時に発生する胴割れも多く
なった。
【0016】円周座屈が生じる理由としては、使うぶり
きの板厚が薄くなったために、ネックイン加工部の板厚
も薄くなって、座屈が生じやすくなったこと及び連続焼
鈍法によって降伏点、硬さが大きくなったためである。 従って、板厚は厚くすることができないので、板厚が薄
くて、缶強度も維持できて、座屈が生じない缶の開発が
考えられた。色々研究を重ねた結果、鋼中C量を低減し
た低炭素Alキルド鋼を熱間圧延巻取温度を中温で行っ
たものが適していることがわかった。C量を少なくする
と結晶粒径が大きくなるので、ネックイン加工時及び蓋
巻き締め時の降伏点が下がることによって座屈の発生及
び胴割れを防止できることがわかった。
【0017】しかし、結晶粒径を大きくして低温側での
降伏点を下げると高温側での缶強度の増加率が小さくな
り、特に缶底の耐圧強度不足が生じる傾向が見られた。 その改善として、上記条件に加えて製鋼時に、鋼中に窒
素を多く添加した連鋳製Alキルド鋼を使い、固溶窒素
を多く残存させると、室温及び熱間充填温度範囲での降
伏点は小さいが、高温側では降伏点が大きくなり、DW
I缶に非常に適している鋼板の発明に至った。
【0018】以上の結果が得られた原因については、十
分に説明できないが、室温以上の温度で加工(塑性変形
)した場合、溶質原子(固溶N、固溶C)と加工中に生
ずる運動転位との相互作用は顕著になり、特定の温度範
囲で鋼板の材質におよぼす影響が大きくなると考えられ
る。
【0019】ぶりきの溶質原子としては炭素と窒素があ
り、鉄中の炭素および窒素原子は転位に対し強い固着作
用を有しているので、加工によって増殖される転位と溶
質原子との相互作用は加工強度の重要な支配因子となる
と考えられる。
【0020】溶質原子の多い鋼板では加工過程で特定の
温度範囲で転位固着作用が強くなり、転位の増殖する割
合は加工量の増加とともに一層顕著になり加工硬化率も
上昇し、運動転位や転位源の活動が抑制され、強化され
る。本発明鋼板は約100℃以上の温度で加工を行った
場合、ひずみの時効温度に相当するので、ひずみ時効は
直ちにあらわれ、降伏点がより大きく上昇したと考えら
れる。それは固溶窒素量の効果が大きいためであり、そ
の結果DWI缶に適したぶりきが得られたのである。
【0021】溶質原子の非常に少ない(従来の非時効性
鋼板)鋼板では、転位を十分固着し得ないため、強化現
象が生じず、逆に軟化すると考えられる。
【0022】次に本発明の2ピース缶用鋼板の組成につ
いて述べる。本発明において、C量は少なすぎても多す
ぎても仕上がったぶりきは極端に硬くなる領域と、その
間に軟質材の得られる領域がある。連続焼鈍法において
、再結晶温度以上で焼鈍を行うと、C量が少なくなるに
従って結晶粒径は大きくなるが、ある量より少なくなり
過ぎると結晶粒径とは関係なく極端に硬質になる。この
原因は、CALのように高温短時間焼鈍では固溶C量が
多く残存することにより、ぶりきは硬質化するとともに
固溶C量のバラツキが大きく、従って材質のバラツキも
大きくなる不安定領域である。
【0023】一方、C量が特定量を超えると結晶粒径が
細かくなり、その結果、鋼板が硬くなって現存する冷間
圧延機、調質圧延機で圧延するに際し、圧延性は極端に
悪くなる。そして、DWI加工性に必要なr値、Δrも
悪くなる。C量が特定の範囲内でぶりきが軟質になるの
は、固溶C量が少なく、結晶粒径も大きい領域で可能に
なる。この固溶C量が少なくなるのは、セメンタイトが
細かく均一に分散しているので、CALの冷却工程で固
溶Cが効率よく析出するためである。
【0024】以上の検討の結果、C量が0.02〜0.
08重量%の範囲であれば製缶後の材質のバラツキも安
定することがわかった。これはC量をこの領域で規制し
たものは固溶C量も安定して少なくなるためと考えられ
た。従ってC量は0.02〜0.08重量%が適量であ
る。
【0025】SiはSnやCr,Ni,Al等のめっき
を施して表面処理鋼板に仕上げる際、めっき密着性を悪
くして耐食性にも悪影響を及ぼすために0.02重量%
以下とした。
【0026】Mnの含有量を0.05〜0.30重量%
の範囲に限定した理由は、Mn量が0.05重量%より
少ないと硬さが不十分となり、また0.30重量%を超
えると圧延性が悪くなる。また、熱間圧延の際に現れる
青熱脆性を防ぐ意味からも0.05重量%以上が必要と
なる。
【0027】P,Sはそれぞれ、ぶりきの延性を減少し
、脆化や耐食性の劣下をもたらす元素なので0.025
重量%を上限とした。
【0028】次に、本発明においてN成分を0.003
〜0.02重量%の範囲に限定する点は重要な構成要件
の一つとするものである。すなわち、本発明は基本的に
は圧延性に悪影響を与えない固溶窒素量をCAL法で調
整することにより、ぶりき及びこのぶりきを使ってのD
WI加工を行うまでは軟質であるが、DWI加工後、缶
に塗装印刷の焼付けを行ったときの加熱により硬質とな
る缶を得ることを目的の一つとするものであり、その目
的を可能にする手段の一つがこのAlとN量を調整して
得られる。
【0029】鋼板中の固溶N量(Ntotal−Nas
AlN)が多くなるとぶりきの硬さが増加する。従来は
固溶N量が少なかったため、ぶりきでは軟質で時効させ
ても、あるいはDWI加工後でも硬質化の程度が小さい
ため、必要な缶強度を維持するには板厚を減少する余地
は小さかった。しかし、固溶N量を0.002重量%以
上にした時、DI缶の塗装、印刷の焼付け条件(約21
0℃×20分)相当の時効処理を施すと時効硬化率が大
きくなって、空缶全体の強度が向上できた。従って板厚
もこの厚さに比例して薄くすることが可能となった。
【0030】しかし、飲料を充填後に、レトルト殺菌を
行う缶にもDWI缶が使用されるようになり、前記のよ
うに缶底の耐圧強度がより強いものが要求される。この
条件も満足させる方法としてはレトルト殺菌温度(約1
00℃〜150℃)でひずみ時効硬化率が高く、降伏点
が大きくなるぶりきが必要であり、そのためには固溶N
量を0.003〜0.010重量%と多く残存させるこ
とが必要である。
【0031】固溶N量を多く残存させるには、鋼中に窒
素を多く添加すること、加熱炉では高温加熱してAlと
Nを分解固溶させて、低温で巻取ることで可能である。 しかし、本発明は中温巻取りも重要な構成要件の一つと
しており、中温巻取りによって固溶N量が少なくなるの
でその補正として鋼中N量を多くしていることが特長の
一つでもある。
【0032】Al量は少ないと、溶鋼中でAl2 O3
 がクラスター状になりにくいので、その浮上分離が促
進されず、鋼中にAl2O3 等非金属介在物が多く残
り、DWI加工においてフランジ割れ発生の原因になる
ので好ましくない。従ってAl:0.02〜0.15重
量%、N:0.003〜0.02重量%が適切である。
【0033】このように成分調整を行った連鋳スラブを
熱間圧延を行うに際し、巻取り温度を中温にすることも
本発明の重要な構成要件の一つである。
【0034】前述のように板厚の薄いぶりきを使って、
缶強度を維持するために固溶N量を多く残存させること
を説明したが、その結果、硬質化して加工性が若干悪く
なった。しかし、本発明において時効性鋼板で加工性を
改善する方法としては、結晶粒径を大きくすることが重
要であることを知見した。その方法として、巻取り温度
を中温にして自己焼鈍で結晶粒径の粗大化を図ることが
有効な方法である。従来法の低温巻取材は、結晶粒径が
粗大化しないので好ましくない。
【0035】しかし、高温巻取り材は現存する設備では
巻取った後、空冷されるため、コイル内の温度が不均一
で、高温を維持できたコイル内位置では結晶粒径は非常
に粗大化するが、急冷された位置では細粒化する。従っ
て、コイル内の結晶粒径のばらつきが大きくなり好まし
くない。しかし、中温で巻取ったものはコイル内で安定
しており、ぶりきとして均一な材質を有するものが得ら
れる。
【0036】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0037】(実施例1)本発明による実施例を表1の
数値によって示す。これは表1に示した条件で作成した
21種類のぶりきを用いて、DWI加工法による実製缶
試験、熱間充填後の巻き締め時の胴部割れ評価及びレト
ルト殺菌処理時の缶底耐圧強度試験を実施したものであ
る。
【0038】(1)DWI加工性評価は、製缶後、塗装
印刷前に缶外壁面を目視観察して、傷付状況で評価した
。傷付きが大きいと製缶加工中及び製品缶での耐錆性が
悪く、好ましくない。また傷付きが大きいことは、ダイ
スも傷めていることになり、ダイス寿命が短かくなるこ
とは明らかである。
【0039】(2)ネックイン部の円周座屈によるしわ
発生については、3段ネック加工後目視観察して、“し
わ”の発生程度を評価した。しわは外観的には程度の悪
い欠陥ではないが、その後蓋を巻き締める際巻き締め精
度が悪くなり、真空度が落ちて、缶詰の寿命を短かくす
るので食品容器としては好ましくない。
【0040】(3)フランジ割れは、3段ネックイン加
工後、ダイフランジャーでフランジ加工後の割れ発生率
で評価した。ここで、割れ等の欠陥発生率はPPM単位
と少なくその上実製缶工程は超高生産性ラインなので1
00%発見できるとは限らず、発生率の多い従来例であ
る比較鋼で作ったぶりきを使うと、割れ缶が消費者まで
届く公算が大きく、食品衛生上好ましくないばかりでな
く、社会的問題をも惹起する危険を伴う。
【0041】(4)熱間充填後の蓋巻き締め時の胴部割
れは、充填後の打検(真空度検査)で落ちたものを解体
して割れているものを分類して評価した。
【0042】(5)レトルト殺菌処理(130℃×20
分)時の缶底耐圧強度は130℃に昇温した空缶を使い
缶の外から圧力をかけ底部がバックリングするまでの圧
力で評価した。実用上は6.3kg/cm2 以上の耐
圧強度が必要であり、これより強度の小さい缶は、炭酸
飲料のような内圧のかかるものを充填しても缶の変形が
甚しく、商品価値を著しく損う。
【0043】表1に示す結果から以下のことが明白であ
る。板厚の薄いぶりきを使ってDWI缶をつくり、飲料
を充填して、レトルト殺菌処理を施して仕上がる飲料缶
において、その機能を確実に発揮するためには、薄くし
た分を単にぶりきの硬さで補正しようとしても難しく、
全工程で問題、欠陥の生じないぶりきを使う必要がある
ことがわかる。
【0044】C量を規制し、結晶粒径の粗大化を図り、
さらに熱間圧延巻取温度を中温にしてr値を改善するこ
とによりDWI加工性が改善され、熱間充填時の割れも
解決できる。さらに、固溶N量を適切な量にすることに
よりDWI加工性及び熱間充填時の割れ性を改善しなが
ら、レトルト殺菌温度範囲で缶底の耐圧強度が図れると
いう特性が十分に発揮されている。
【0045】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ぶりきの板厚を薄くしても従来の割れ発生、DWI加工
性不良、缶底の耐圧強度の問題を解決するとともに最近
、市場に出まわり始めているアルミDI缶よりも鉄の強
靭性を活かして大幅にコストダウンを図ることができ、
ブリキDWI缶の生産量を増大できるようになった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  化学組成がC:0.02〜0.08重
    量%、Si:0.02重量%以下、Mn:0.05〜0
    .30重量%、P:0.025重量%以下、S:0.0
    25重量%以下、N:0.003〜0.02重量%、A
    l:0.02〜0.15重量%の成分と、残部は鉄およ
    び不可避的不純物とから成る連鋳スラブを常法で熱間圧
    延を行い、570〜670℃で巻き取り、且つ(Nto
    tal−NasAlN) 量が0.003〜0.010
    重量%以下としたことを特徴とする2ピース缶用鋼板。
JP12135991A 1991-05-27 1991-05-27 2ピース缶用鋼板 Withdrawn JPH04350146A (ja)

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