JPH0434996Y2

JPH0434996Y2 -

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Publication number: JPH0434996Y2
Application number: JP1988059377U
Authority: JP
Priority date: 1988-05-06
Filing date: 1988-05-06
Publication date: 1992-08-19
Also published as: JPH01165149U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、水冷ドラムのプロフイルを制御する
ことにより薄手から厚手までの鋳片のプロフイル
の制御を可能にしたツインドラム式連続鋳造装置
に関する。

〔従来の技術〕

一対のドラム間に溶湯を注ぎ板状の鋳片を連続
鋳造するツインドラム式連続鋳造装置では、鋳造
する鋳片の板厚によつて鋳片の凝固時間が異なる
ために、薄手材では高速、厚手材では低速の鋳造
速度となる。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記従来のツインドラム式連続鋳造装置では、
第３図Ａに示すように鋳造開始前に円筒形をなす
ドラム外筒１の熱変形量は、第３図Ｂに示すよう
に薄手材を鋳造しているときは、符号１ａのよう
に小さく、厚手材を鋳造しているときは、符号１
ｂのように大きくなる。その結果鋳片プロフイル
は第３図Ｃのように厚手材１０ｂは薄手材１０ａ
より大きな凹クラウンとなる。

このため、プロフイル制御装置のないツインド
ラム式連続鋳造装置においては、第４図Ａに符号
１ｃで示すように、初期のドラム外筒プロフイル
を凹クラウン状に加工しておき、鋳造中の熱変形
で第４図Ｂに示すように、薄手材で符号１ｄ、厚
手材で符号１ｅで示す形状になるようにしてい
る。すなわち、第４図Ｃに示すように、厚手材、
例えば板厚６mmの鋳片を鋳造するときに、フラツ
トなクラウン１０ｅを持つように、初期のドラム
外筒プロフイルを第４図Ａで符号１ｃで示すよう
に凹クラウン加工している。このような初期のド
ラム外筒プロフイルを使用する場合には、薄手
材、例えば板厚1.6mmの鋳片を鋳造する場合には、
ドラム外筒の熱変形量は厚手材鋳造の場合より小
さくなり、第４図Ｂで符号１ｄに示すように凹ク
ラウンが残り、薄手材鋳片は第４図Ｃに示すよう
に凸クラウン１０ｄとなる。

ところが、厚手材鋳造時と薄手材鋳造時の熱変
形量の差が大きい場合、薄手材鋳片の凸クラウン
量は例えば100μm以上となり、冷間圧延後の最終
製品を板厚公差内で製造することが困難となる。

一方、薄手材を許容凸クラウン内とするように
初期のドラム外筒プロフイルを第５図Ａで符号１
ｆで示すように、第４図Ａの１ｃより少なめに凹
クラウン加工すると、第５図Ｂに示すように、薄
手材では符号１ｇで示すような変形となり、鋳片
は適切な凸クラウン１０ｇとなるが、厚手材では
第５図Ｂで符号１ｈに示すような変形となり、鋳
片は第５図Ｃに示すように凹クラウン１０ｈとな
り、冷間圧延できないプロフイルとなつてしま
う。

従つて従来のようにドラムのプロフイル制御を
行なわないツインドラム式連続鋳造装置で鋳片を
鋳造する場合、薄手材では過大凸クラウン、厚手
材では凹クラウンとなるなど、鋳造板厚全サイズ
に亘つて適正なクラウンを得ることはできなかつ
た。

本考案は、以上の問題を解決したツインドラム
式連続鋳造装置を提供しようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、互に回転方向を異にする一対の水冷
ドラムを有するツインドラム式連続鋳造装置にお
いて、水冷ドラム外筒を支持し水冷ドラムの側面
を構成する側板、同側板の加熱手段、及び同加熱
手段による上記側板の加熱温度を制御する手段を
設けた。

また、本考案は、上記ツインドラム式連続鋳造
装置において、水冷ドラムの鋳片移動方向後流側
に設けられた鋳片プロフイル測定装置、及び同鋳
片プロフイル測定装置からの信号を受け側板の加
熱温度を制御する手段を設けた。

〔作用〕

本考案においては、側板の加熱手段によつて側
板を加熱することによつて、水冷ドラム外筒の両
端を支持し水冷ドラムの側面を形成する側板が熱
膨張し、水冷ドラム外筒の両端が側板によつて突
き上げられ水冷ドラム外筒は弾性変形してそのク
ラウン量が変化する。側板の加熱温度を制御する
手段によつて、上記側板の加熱手段による加熱温
度を制御することによつて、水冷ドラム外筒の所
望のクラウン量を与えることができ、鋳片の板厚
の全サイズにわたつて水冷ドラム外筒に適正なク
ラウンを与えることができる。

また、本考案は水冷ドラムの鋳片移動方向後流
側に鋳片プロフイル測定装置を設け、この信号を
側板の加熱温度を制御する手段へ出力し、同信号
に基づいて側板の加熱手段を制御するようにした
ために、同一のチヤージ内において鋳片のプロフ
イルを測定して側板の加熱手段による側板の加熱
温度が制御され、これによつて水冷ドラム外筒の
クラウン量を制御して所定の形状の鋳片を製造す
ることができる。

〔実施例〕

第１図に本考案の一実施例を示す。

第１図は、水冷ドラムの断面図で、その外周付
近に外周に沿つた冷却溝２を有するドラム外筒１
は、冷し嵌め等の手段により回転軸４の対をなす
側板３によつてその両端部が支持されていて、側
板３は水冷ドラムの側面を形成している。上記両
側の各側板３の側部には、抵抗ヒータ等よりなる
加熱源５ａを備えた温度コントロールユニツト５
が設けられている。側板３の内部にはサーモカツ
プル等の温度検出端６が設けられている。７は上
記温度コントロールユニツト５への電源供給及び
上記温度検出端６から温度コントロールユニツト
５への信号の授受を行うスリツプリング又はテレ
メータ等の接続部である。上記外筒１と両側の側
板３で囲まれた部分には、上下方向に延びる一対
の隔壁１３で囲まれた閉鎖部１６が形成され、同
閉鎖部１６は軸４の一側の中心部に設けられた冷
却水供給通路１２に連通しており、また、同閉鎖
部１６には上記冷却溝２の一端が開口している。
上記一対の隔壁１３，１３を貫いて管１４が設け
られ、同管１４の両端部は上記隔壁１３と側板３
の間に形成された通路部１７，１７′に開口して
いる。一方の通路部１７には上記冷却溝２の他端
が開口し、また他方の通路部１７′は軸４の他側
の中心部に設けられた冷却水排出通路１５に連通
している。このようにして、冷却水は、第１図矢
印に示すように、その供給通路１２、閉鎖部１
６、を経て冷却溝２に入り、同冷却溝２から通路
部１７、管１４及び通路部１７′を経てその排出
通路１５に排出されるようになつている。

本実施例では、該側板３に取付けられた加熱源
５ａをもつ温度コントロールユニツト５を制御し
て操作することにより水冷ドラム外筒１の両端を
支持し水冷ドラムの側面を構成する両側板３の熱
膨張量を変えることができる。また、側板３の熱
膨張量は、温度検出端６によつて、その温度が所
定値に保たれるようにコントロールされ、温度コ
ントロールユニツト５による側板の熱膨張量を一
定値に保持している。

本実施例では、温度コントロールユニツト５に
よつて水冷ドラム外筒１の両端を支持し水冷ドラ
ムの側面を構成する両側板３を加熱して熱膨張さ
せることによつて、水冷ドラム外筒１の両端部が
側板３によつて突き上げられて弾性変形し、これ
によつて水冷ドラム外筒１のクラウン量が変化す
る。このように温度コントロールユニツト５によ
つて、水冷ドラム外筒１のクラウン量を任意に設
定することができ、鋳片の板厚に応じた適正のク
ラウンを水冷ドラム外筒１に与えることができ
る。従つて鋳片の板厚の全サイズにわりつて鋳片
の板厚に応じたクラウンを設定することができ、
所望の形状の鋳片をうることができる。

第２図に本考案の他の実施例を示す。本実施例
は、上記の実施例と同様の水冷ドラム及び温度コ
ントロールユニツトを備えたものにおいて、一対
の水冷ドラム外筒１，１の鋳片１０の移動方向後
流側に鋳片プロフイル測定装置８を設け、また、
同測定装置８からの信号を入力し接続部７を経て
温度コントロールユニツト５を制御する制御装置
９を備えている。

なお、符号１１は一対の水冷ドラム外筒１，１
によつて形成される溶湯面である。

本実施例では、上記鋳片プロフイル測定装置８
は、鋳造された鋳片１０の形状を検出して、これ
に基づいて温度コントロールユニツト５を制御す
ることによつて、水冷ドラム外筒１，１のクラウ
ン量が制御される。

このように、本実施例は、鋳片のプロフイルに
基づいて水冷ドラムのクラウン量を制御すること
によつて、同一チヤージ内において鋳片プロフイ
ルを適正なものに制御することができる。

〔考案の効果〕

本考案では、水冷ドラム外筒の両端を支持し水
冷ドラムの側面を構成する側板の温度を制御して
側板の熱膨張を制御し水冷ドラムのクラウン量を
制御することによつて、板厚に応じた適正なクラ
ウン量を水冷ドラム外筒に与えることができ、薄
手から厚手までの全板厚にわたつて所望の形状の
鋳片を得ることができる。

また、本考案は、鋳片プロフイル測定装置によ
つて一対のドラムから後流側で鋳片のプロフイル
を検出し、これに基づいて温度コントロールユニ
ツトを制御して水冷ドラム外筒のクラウン量を変
化させることによつて、同一チヤージ内において
適正な所定形状の鋳片を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例としての水冷ドラム
の断面図、第２図は本考案の他の実施例の説明
図、第３図、第４図及び第５図は水冷ドラム外筒
の熱変形と鋳造される鋳片の関係を示す説明図
で、これら図面のＡは初期の水冷ドラム外筒プロ
フイル、Ｂは鋳造中の水冷ドラム外筒プロフイ
ル、Ｃは鋳造される鋳片のプロフイルをそれぞれ
示す説明図である。１……水冷ドラム外筒、２……冷却溝、３……
側板、４……軸、５……温度コントロールユニツ
ト、５ａ……加熱源、６……温度検出端、８……
鋳片プロフイル測定装置、９……制御装置、１０
……鋳片。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 互に回転方向を異にする一対の水冷ドラムを
有するツインドラム式連続鋳造装置において、
水冷ドラム外筒の両端を支持し水冷ドラムの側
面を構成する側板、同側板の加熱手段、及び同
加熱手段による上記側板の加熱温度を制御する
手段を設けたことを特徴とするツインドラム式
連続鋳造装置。 (2) 水冷ドラムの鋳片移動方向後流側に設けられ
たプロフイル測定装置、及び同鋳片プロフイル
測定装置からの信号を受け側板の加熱温度を制
御する手段を設けたことを特徴とする請求項(1)
に記載のツインドラム式連続鋳造装置。