JPH04349422A - 光学的ローパスフィルタおよびそれを備えた撮像装置 - Google Patents

光学的ローパスフィルタおよびそれを備えた撮像装置

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JPH04349422A
JPH04349422A JP3152485A JP15248591A JPH04349422A JP H04349422 A JPH04349422 A JP H04349422A JP 3152485 A JP3152485 A JP 3152485A JP 15248591 A JP15248591 A JP 15248591A JP H04349422 A JPH04349422 A JP H04349422A
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JP
Japan
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optical low
pass filter
solid
period
diffraction grating
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JP3152485A
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English (en)
Inventor
Katsuya Fujisawa
藤沢 克也
Yasuaki Nishida
泰章 西田
Yoshihiro Fujita
藤田 欣裕
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Kuraray Co Ltd
Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学的ローパスフィルタ
およびそれを備えた撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体撮像素子を用いたカラー撮像装置は
、固体撮像素子の表面に色フィルタアレイを備え、これ
により色信号を得ており、色フィルタアレイのピッチに
対応する高周波数成分が含まれている被写体からは偽色
信号が発生する。また、固体撮像素子は不連続に、かつ
規則正しく配置された画素を有しており、画素のピッチ
に対応する高周波数成分が含まれている被写体からは偽
色信号が発生する。そのため、このようなカラー撮像装
置の光学系には偽色信号および色信号の発生を防止する
ために光学的ローパスフィルタが配置されている。光学
的ローパスフィルタとしては、通常、3枚以上の水晶板
と1枚の赤外線遮断フィルタとが貼り合わされてなるも
のが用いられているが、積層構造を有する光学的ローパ
スフィルタは、量産性に劣り、高価であるという問題点
を有している。
【0003】上記の問題点を解消するために、回折格子
からなる光学的ローパスフィルタが開発されている(特
公昭49−20105号公報、特開昭48−53741
号公報および特公昭57−42849号公報参照)。
【0004】このような回折格子の一例を図16に示す
。図16の回折格子30は、縦方向に延びる直線状に形
成されており、その横方向の断面形状は矩形波状である
。この回折格子30からなる光学的ローパスフィルタの
MTF(Modulation Trans−fer 
Function)特性を図17に示す。
【0005】回折格子の周期をdで表し、格子の凸部の
幅をaで表し、回析格子と撮像面(固体撮像素子面また
は色フィルタアレイ面)との間隔をbで表し、入射光の
波長をλで表わすとき、dとaとがa<d/2 の関係
を有する場合には、遮断周波数faおよびfbはそれぞ
れ下記の数式1および数式2で表される。 fa=a/bλ                (1
)fb=(d−a)/bλ        (2)また
、dとaとがd/2 ≦aの関係を有する場合には、遮
断周波数faおよびfbはそれぞれ下記の数式3および
数式4で表される。 fa=(d−a)/bλ        (3)fb=
a/bλ                (4)
【0
006】偽信号を発生させる被写体が有する空間周波数
は固体撮像素子の画素周期によって決まり、また偽色信
号を発生させる被写体が有する空間周波数は色フィルタ
アレイの1組の周期によって決まる。これらの空間周波
数が遮断されるように遮断周波数faおよびfbを設定
し、その値に応じて数式1および数式2、または数式3
および数式4を用いて上記のd,aおよびbを求める。 このようにして得られた回折格子を用いれば、偽信号お
よび偽色信号の発生が防げる。
【0007】ところで、図18に示すような市松模様の
色フィルタアレイを有する固体撮像素子を用いたカラー
撮像装置の場合は、水平方向と垂直方向の両方向に偽色
信号と偽信号が発生する。この場合は、直角に交差する
2方向の格子を有する回折格子からなる光学的ローパス
フィルタを用い、2方向の格子がそれぞれ色フィルタア
レイにおける水平方向及び垂直方向と同一方向となるよ
うに配置し、2方向の格子によるカットオフ周波数がそ
れぞれ水平方向及び垂直方向の偽色信号と偽信号の空間
周波数になるように回折格子の形状を構成すれば、偽色
信号および偽信号の発生を防止することが出来る。
【0008】上記の回折格子からなる光学的ローパスフ
ィルタを備えた従来のカラー撮像装置の概略断面図を図
19に示す。このカラー撮像装置において、撮像レンズ
32と、表面に色フィルタアレイ36を有する固体撮像
素子31の保護ガラス34との間に、回折格子35が設
けられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の光学的ローパス
フィルタを備えたカラー撮像装置では、偽色信号および
偽信号の発生が防げるものの、カラー撮像装置の絞りを
絞り込んだときに回折格子像が画面上に発生するという
問題点が存在する。回折格子像が発生する原因について
、図20を用いて説明する。従来のカラー撮像装置にお
いては、光学的ローパスフィルタと色フィルタアレイと
の間隔bが大きく、必要な遮断周波数faおよびfbを
得るためには、回折格子の周期dを大きくする必要があ
る。したがって、色フィルタアレイに投影される回折格
子像の周期(以下、これを「実効的な周期」と称する)
が、図20に示すように、例えば、色フィルタアレイの
1組(R,G,Bの3つで1組)の周期の3倍になって
いた。そのため、出力信号が回折格子により強度変調さ
れ、画面に明暗が現われ、回折格子像が画面上に映ると
いう現象が発生する。実効的な周期が3倍よりも大きい
場合にも、同様の理由から回折格子像が画面上に映る。
【0010】ところで、回折格子からなる光学的ローパ
スフィルタが有するMTF特性は、数式1ないし数式4
から明らかなように、格子と撮像面との間隔bの値によ
って変化する。遮断周波数fa,fbが、予め設定され
た上記の値からずれた場合には、偽信号および偽色信号
が発生することがある。したがって、光学的ローパスフ
ィルタと色フィルタアレイ面(画像面)との間隔が正確
な値になるように、これらを配置する必要がある。
【0011】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、直角に交差する2方向の格子を有する回折格子から
なり、回折格子の像が画面上に発生するという現象を抑
制できる光学的ローパスフィルタを提供することを第1
の目的とする。さらに、この発明は回折格子からなる光
学的ローパスフィルタを備えた撮像装置において、回折
格子像が発生するという現象を抑制することを第2の目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するために、この出願の請求項1または2の発明は、撮
像レンズと、必要に応じて表面に色フィルタアレイを有
する固体撮像素子との間に配置される光学的ローパスフ
ィルタであって、表面に凸部または凹部が互いに直交す
る2つの方向に沿ってドット状に形成されており、上記
2つの方向がそれぞれ上記固体撮像素子または色フィル
タアレイにおける水平方向および垂直方向と同一の方向
であり、上記撮像レンズにより上記固体撮像素子または
色フィルタアレイの水平方向および垂直方向に投影され
る上記凸部または凹部の像周期が、それぞれ上記固体撮
像素子における水平方向および垂直方向の画素周期、ま
たは色フィルタアレイにおける水平方向および垂直方向
の1組の周期の1倍以下もしくは2倍に設定されている
ことを特徴とする。
【0013】また、上記第2の目的を達成するために、
請求項3の発明では、上記回折格子と必要に応じて表面
に色フィルタアレイを有する固体撮像素子とが、これら
の間に介挿したスペーサとともに積層されて一体化され
ている。
【0014】
【作用】この出願の請求項1および2の発明によれば、
実効的な周期が、水平方向および垂直方向において、固
体撮像素子の画素周期または色フィルタアレイの1組の
周期の1倍以下である場合は、モアレ縞が発生しても、
回折格子像の周期が小さくなるので、モアレ縞の濃淡の
コントラストが低くなるから、回折格子像が目立たない
。特に、実効的な周期が、水平方向および垂直方向にお
いて、固体撮像素子の画素周期または色フィルタアレイ
の1組の周期の整数分の1倍に設定されている場合は、
輝度の出力信号が各格子により強度変調されないので、
回折格子像が画面に映る現象が生じない。
【0015】また、実効的な周期が、水平方向および垂
直方向において、固体撮像素子の画素周期または色フィ
ルタアレイの1組の周期の2倍である場合は、輝度ムラ
が生じても、輝度ムラのピッチが小さいので、回折格子
像が目立たない画面になる。
【0016】また、請求項3の発明によれば、回折格子
、スペーサおよび固体撮像素子は、積層されて一体化さ
れているから、回折格子と撮像面との距離を製造時に正
確に設定でき、しかも、回折格子と撮像面とが互いに傾
くこともない。そのため、上記実効的な周期の精度が向
上するので、回折格子像が画面上に発生せず、しかも、
製造性が向上する。
【0017】
【実施例】以下、この発明の光学的ローパスフィルタの
実施例を具体的に説明する。 実施例1 光学的ローパスフィルタを備えたカラー撮像装置の概略
構成図を図1に示す。このカラー撮像装置においては、
光の入射側から、撮像レンズ2、赤外線遮断フィルタ3
、光学的ローパスフィルタ4、保護ガラス5および固体
撮像素子1の順に配置されている。固体撮像素子1は、
その表面に色フィルタアレイ6を有し、ケース8内に収
納されて、ケース8の前面に取り付けられた上記保護ガ
ラス5により保護されている。
【0018】上記光学的ローパスフィルタ4の概略斜視
図を図2に示す。図2において、光学的ローパスフィル
タ4は、図16に示したような直線状ではなく、ドット
状に形成された多数の凸部41を有しており、これら凸
部41により、周期d1 、凸部の幅a1 を有する矩
形波状の第1の格子10と、周期d2 、凸部の幅a2
 を有する矩形波状の第2の格子20とが、透明基板7
の1つの主表面7a上に、直角に交差する方向に形成さ
れている。すなわち凸部41が互いに直交する方向に沿
ってドット状に形成されている。
【0019】図3において、第1の格子10の方向は、
色フィルタアレイ6の水平方向Hの配列に対して同一の
方向に設定されている。また、第2の格子20の方向は
、色フィルタアレイ6の垂直方向Vの配列に対して同一
の方向に設定されている。
【0020】図1において、撮像レンズ2により色フィ
ルタアレイ6に投影される回折格子像の水平方向Hおよ
び垂直方向Vの周期D1 , D2(実効的な周期)は
、図4のように、それぞれ、色フィルタアレイ6におけ
る1組の水平方向Hおよび垂直方向Vの周期ph 、p
v の例えば1倍に設定されている。ここで、実効的な
周期とは、前述のように、撮像面に投影された回折格子
像の周期を意味するので、必ずしも図2の格子10、2
0自体の周期d1 、d2 と一致するとは限らない。
【0021】第1の格子10の水平方向Hの実効的な周
期D1 および第2の格子20の垂直方向Vの実効的な
周期D2 は、それぞれ数式5および数式6で表される
。 D1 ≒f・d1 /(f−b)          
  (5)D2 ≒f・d2 /(f−b)     
       (6)したがって、上記焦点距離f、撮
像面と格子10、20との距離bを考慮して、格子10
、20の周期d1 、d2 が設定されている。
【0022】つぎに、上記構成の作用を説明する。第1
および第2の格子10、20のMTF特性を、それぞれ
図5(a)および図5の(b)に示す。入射光の波長を
λ、格子面と撮像面の距離をbとすると、水平方向にお
けるMTF特性のカットオフ周波数fh1およびfh2
は、それぞれ、下記の数式7および数式8で表わすこと
ができる。 fh1=a1 /b・λ              
    (7)fh2=(d1 −a1 )/b・λ 
       (8)また、垂直方向におけるMTF特
性のカットオフ周波数fv1およびfv2は、それぞれ
、下記の数式9および数式10で表わすことができる。 fv1=a2 /b・λ              
    (9)fv2=(d2 −a2 )/b・λ 
       (10)
【0023】また、上記構成に
よれば、図4のように、実効的な周期D1 、D2 が
、色フィルタアレイ6における1組の周期ph 、pv
 の1倍であるから、輝度信号(R,G,Bの信号の合
計に相当)は、格子10,20により強度変調されない
ので、回折格子像が画面に映る現象が生じない。
【0024】上記実効的な周期D1 、D2 は、色フ
ィルタアレイ6の1組の周期ph 、pv の1/1倍
よりも小さい、整数分の1倍であることが好ましく、た
とえば1/2倍、1/3倍などであっても、輝度信号が
格子10、20により変調されないので、同様の効果が
得られる。
【0025】また、図6のように、上記実効的な周期D
1 ,D2は、色フィルタアレイ6の1組の周期ph 
,pv の2倍であってもよい。この図に示す場合と異
なり、回折格子像の凸部の中央の位置Mと画素の境界の
位置Nとが一致していないときは、回折格子像による明
暗が平均化されない。しかし、色ムラの生じるピッチが
小さいので、実用上問題がない。
【0026】さらに、図示していないが、上記実効的な
周期は、色フィルタアレイ6における1組の周期の整数
分の1(1/1,1/2,1/3・・・)倍でなくても
、1倍以下であればよい。この場合は、モアレ縞が発生
するものの、回折格子像の周期が小さいので、モアレ縞
の濃淡のコントラストが低くなるから、実用上問題がな
い。特に、実効的な周期が色フィルタアレイ6の1組の
周期の1/2倍よりも小さければ、上記コントラストが
極めて小さくなる。
【0027】以上、カラー撮像装置について説明したが
、色フィルタアレイ6を有していない白黒用の撮像装置
の場合は、図3の第1および第2の格子10,20の方
向をそれぞれ、固体撮像素子1の水平方向Hおよび垂直
方向Vと同一に設定し、さらに、実効的な周期D1 ,
D1 を固体撮像素子1における画素の周期の整数分の
1倍または2倍にすればよい。この場合、輝度の出力信
号は、格子10、20により強度変調されないので、や
はり、回折格子像が画面に映る現象を生じない。上記1
倍および2倍の場合の出力信号を図7の(a),(b)
 にそれぞれ示す。さらに、実効的な周期を、画素の周
期の整数分の1倍を除く、1倍以下にしても、輝度ムラ
の生じるピッチが小さくなるので、実用上問題がない。
【0028】次に、上記について数値を用いて説明する
。図1の固体撮像素子1の色フィルタアレイ6の1組の
周期を水平方向で30μm、垂直方向で20μmとした
場合には、水平方向においては33.3本/mmおよび
66.7本/mmに、また垂直方向においては50本/
mmおよび100本/mmに偽信号が発生する。一方、
レンズ2の焦点距離fが15mmである場合、光学的ロ
ーパスフィルタ4における図2の第1の格子10の周期
d1 を14.7μm、凸部幅a1 を4.9μmに設
定し、第2の格子20の周期d2 を9.8μm、凸部
幅a2 を3.3μmに設定し、光学的ローパスフィル
タ4の格子面と色フィルタアレイ6の撮像面の距離bを
300μmに設定して、光学的ローパスフィルタ4およ
び固体撮像素子1を配置する。この場合、撮像面におけ
る第1の格子10の回折格子像の周期D1 は、色フィ
ルタアレイ6の水平方向Hにおける1組の周期の1/2
であり、第2の格子20の回折格子像の周期D2 は、
色フィルタアレイ6の垂直方向Vにおける1組の周期の
1/2である。したがって、輝度の出力信号は各格子1
0、20により強度変調されないので、絞りを絞り込ん
だときに回折格子像が映るという現象も生じない。
【0029】ところで、上記実施例では、ドット状に形
成された凸部41の断面形状が矩形波状であるが、台形
波状や正弦波状などの他の形状でもよい。また、凸部4
1の平面形状は正方形、長方形、円形などである。
【0030】また、本発明の光学的ローパスフィルタは
上記の凸部41にかえて凹部が互いに直交する2つの方
向に形成されていてもよい。
【0031】つぎに、この発明の撮像装置の実施例を図
面にしたがって説明する。図8は撮像装置の第1の実施
例を示す。図8において、撮像レンズ2と固体撮像素子
1との間には、この発明の光学的ローパスフィルタ21
としての回折格子が配設されている。上記光学的ローパ
スフィルタ21は、赤外線を遮断する基板21aの主表
面に、断面が矩形波状の格子21bが、固体撮像素子1
の水平方向Hおよび垂直方向Vに沿ってドット状に形成
されている。光学的ローパスフィルタ21と固体撮像素
子1との間には、スペーサ22が介挿されている。上記
光学的ローパスフィルタ21、スペーサ22および固体
撮像素子1は、パッケージ23内に収納されており、パ
ッケージ23の保護ガラス5で保護されている。
【0032】上記スペーサ22は、たとえば、ホリエチ
レンテレフタレート製の平板状のフイルムからなる。上
記スペーサ22と固体撮像素子1とは、互いに押し付け
られた状態で、図9の平面断面図に示すように、これら
の周縁部の一部において、たとえばエポキシ系の接着剤
24で接着されている。また、上記スペーサ22と光学
的ローパスフィルタ21とは、互いに押し付けられた状
態でこれらの周縁部の一部において、接着剤24で接着
されている。つまり、光学的ローパスフィルタ21と固
体撮像素子1とは、これらの間に介挿されたスペーサ2
2とともに、積層されて一体化されている。なお、接着
剤24は、スペーサ22の材質に応じてウレタン系など
の他の接着剤を使うことができる。また、スペーサ22
はガラス板などで構成してもよい。
【0033】前述の数式7〜数式10における光学的ロ
ーパスフィルタ21と撮像面(固体撮像素子面または色
フィルタアレイ面)との距離bは、スペーサ22の厚さ
をtとし、その屈折率をnとすると、下記の数式11で
表わされる。 b=t/n                    
      (11)たとえば、光学的ローパスフィル
タ21と撮像面との距離bが、上述のように300μm
である場合、スペーサ22が有する屈折率が1.6であ
れば、スペーサ22の厚さtは480μmにすればよい
【0034】また、上述構成によれば、図8の光学的ロ
ーパスフィルタ21、スペーサ22および固体撮像素子
1は、積層されて一体化されているから、光学的ローパ
スフィルタ21と固体撮像素子1との互いの位置決めが
容易である。そのため、光学的ローパスフィルタ21か
ら固体撮像素子1までの距離bの精度が向上するととも
に、格子面と撮像面とが互いに傾くこともない。したが
って、数式5および数式6の実効的な周期D1 ,D2
 の精度が向上するので、光学的ローパスフィルタ21
の回折格子像が画面上に発生せず、しかも、製造性が向
上する。
【0035】また、この実施例と異なり、上記光学的ロ
ーパスフィルタ21、スペーサ22および固体撮像素子
1の主表面の全面に接着剤24を塗布した場合は、硬化
した接着剤24に気泡が生じたり、接着剤24の厚さが
各製品ごとにばらついて距離bの調整が難しいなどの問
題を生じる。ここで、この実施例では、光学的ローパス
フィルタ21、スペーサ22および固体撮像素子1を、
これらの周縁部で互いに接着している。したがって、接
着剤24に気泡が生じたり、接着剤24の量が不均一に
なっても何ら支障がない。なお、上記実施例の場合、ス
ペーサ22と固体撮像素子1とを互いに押し付けた状態
で接着すれば、これらの間に接着剤24が侵入するおそ
れがない。
【0036】図10および図11は、撮像装置の第2の
実施例を示す。図10において、スペーサ22は、フィ
ルム22aと、このフィルム22aの両主表面に密着さ
れた反射防止膜22b,22cとで構成されている。そ
の他の構成は第1の実施例と同様であり、同一部分また
は相当部分に同一符号を付して、その詳しい説明を省略
する。図8の実施例では、スペーサ22と光学的ローパ
スフィルタ21および固体撮像素子1との間に、極めて
微小な隙間が生じ、両側の隙間の寸法が異なっている場
合には、画面上に色ムラが生じる。これに対し、図10
の実施例では、スペーサ22がその両主表面に反射防止
膜22b,22cを有しているので、上記色ムラの発生
を防止することができる。
【0037】図12および図13は、撮像装置の第3の
実施例を示す。図12において、スペーサ22はロの字
形のリング状に形成されて、光の入射部が開口している
。上記スペーサ22は、ガラス、金属またはフイルムで
構成されている。固体撮像素子1は、その表面に色フィ
ルタアレイ6を有している。図12の撮像レンズ2はズ
ーム機能を備えている。撮像レンズ2と保護ガラス5と
の間には、たとえば水晶や方解石からなる複屈折板25
が配置されている。その他の構成は、上記第1の実施例
と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付
して、その詳しい説明を省略する。
【0038】上記構造の撮像装置が有するMTF値は、
上記光学的ローパスフィルタ21と複屈折板25のMT
F値を合成した値になり、偽信号および偽色信号の発生
を防止することができる。しかも、撮像装置は、デフオ
ーカス状態であっても、複屈折板25のMTF特性が変
化しないことから、偽色信号が発生する周波数を複屈折
板25により遮断することができる。したがって、デフ
オーカス状態における偽色信号の発生を防止することが
できる。また、この実施例では、図12のスペーサ22
における光の入射部を開口させているので、スペーサ2
2と、光学的ローパスフィルタ21および色フィルタア
レイ6との間に生じる隙間が、互いに異なっていても、
画面上に色ムラが生じない。
【0039】図14は撮像装置の第4の実施例を示す。 この図において、光学的ローパスフィルタ21の基板2
1aは、保護ガラス5を構成している。光学的ローパス
フィルタ21は、その基板21aがパッケージ23に嵌
合され、その格子21bがスペーサ22に当接した状態
で、基板21aの全周の周縁がパッケージ23に接着剤
24で接着されている。その他の構成は、上記第3の実
施例と同様であり、その図示および詳しい説明を省略す
る。この第4の実施例によれば、光学的ローパスフィル
タ21の基板21aが保護ガラス5を構成しているので
、撮像装置の構成が一層簡易になる。
【0040】上記各実施例では、光学的ローパスフィル
タ21の格子21bは固体撮像素子1側に配置されてい
たが、図15の第5の実施例のように、保護ガラス5側
、つまり光の入射側に配置されていてもよい。この実施
例では光学的ローパスフィルタ21の基板21aがスペ
ーサ22を構成している。そのため、この実施例によれ
ば、スペーサ22を別途設ける必要がなく、しかも、別
体のスペーサを接着する必要もないので、撮像装置の構
成がより一層簡易になるとともに、製造性が向上する。
【0041】なお、上記各実施例では、スペーサ22を
光学的ローパスフィルタ21および固体撮像素子1に接
着したが、必ずしも接着する必要はない。また、上記実
施例では、赤外線を遮断する性質を有する基板21a上
に光学的ローパスフィルタ21の格子21bを形成した
が、赤外線を遮断するように積層して形成された薄膜を
有する任意の透明基板上に、光学的ローパスフィルタの
格子を形成してもよい。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、この出願の請求項
1および2の発明によれば、光学的ローパスフィルタを
構成する回折格子の各格子の像が撮像面に生じるのを抑
制できる。また、請求項3の発明によれば、回折格子、
スペーサおよび固体撮像素子を積層して一体にしたから
、回折格子を撮像面に対して容易に精度良く位置決めで
きるとともに、位置決め精度が向上することによって実
効的な周期の精度が向上する。したがって、製造性が向
上するとともに、回折格子像が画面上に生じるのを一層
有効に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光学的ローパスフィルタを備えたカ
ラー撮像装置の概略構成図である。
【図2】この発明の光学的ローパスフィルタの一実施例
を示す斜視図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】回折格子の実効的な周期が色フィルタアレイの
1組の周期の1倍である場合の出力信号を示す特性図で
ある。
【図5】光学的ローパスフィルタのMTF値を示す特性
図である。
【図6】実効的な周期が色フィルタアレイの1組の周期
の2倍である場合の出力信号を示す特性図である。
【図7】実効的な周期が固体撮像素子の画素の周期の1
倍または2倍である場合の出力信号の特性図である。
【図8】この発明の撮像装置の第1の実施例を示す概略
構成図である。
【図9】図8のIX−IX線断面図である。
【図10】この発明の撮像装置の第2の実施例を示す概
略構成図である。
【図11】図10のXI−XI線断面図である。
【図12】この発明の撮像装置の第3の実施例を示す概
略構成図である。
【図13】図12のXIII−XIII線断面図である
【図14】この発明の撮像装置の第4の実施例を示す断
面図である。
【図15】この発明の撮像装置の第5の実施例を示す断
面図である。
【図16】矩形波状の断面形状を有する従来の回折格子
の斜視図である。
【図17】図16の回折格子からなる光学的ローパスフ
ィルタのMTF値を示す特性図である。
【図18】色フィルタアレイの平面図である。
【図19】従来の撮像装置の概略構成図である。
【図20】実効的な周期が画素周期の3倍である場合の
出力信号の特性図である。
【符号の説明】
1…固体撮像素子、2…撮像レンズ、4,21…光学的
ローパスフィルタ、6…色フィルタアレイ、10…第1
の格子、20…第2の格子、22…スペーサ、41…凸
部、D1 ,D2 …回折格子像の周期、H…水平方向
、V…垂直方向、Ph ,Pv …色フィルタアレイの
1組の周期。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  撮像レンズと固体撮像素子との間に配
    置される光学的ローパスフィルタであって、表面に、凸
    部または凹部が互いに直交する2つの方向に沿ってドッ
    ト状に形成されており、上記2つの方向がそれぞれ上記
    固体撮像素子における水平方向および垂直方向と同一の
    方向であり、上記撮像レンズにより上記固体撮像素子の
    水平方向および垂直方向に投影される上記凸部または凹
    部の像周期が、それぞれ上記固体撮像素子における水平
    方向および垂直方向の画素周期の1倍以下もしくは2倍
    に設定されていることを特徴とする光学的ローパスフィ
    ルタ。
  2. 【請求項2】  撮像レンズと表面に色フィルタアレイ
    を有する固体撮像素子との間に配置される光学的ローパ
    スフィルタであって、表面に凸部または凹部が互いに直
    交する2つの方向に沿ってドット状に形成されており、
    上記2つの方向がそれぞれ上記色フィルタアレイにおけ
    る水平方向および垂直方向と同一の方向であり、上記撮
    像レンズにより上記色フィルタアレイの水平方向および
    垂直方向に投影される上記凸部または凹部の像周期が、
    それぞれ上記色フィルタアレイにおける水平方向および
    垂直方向の1組の周期の1倍以下もしくは2倍に設定さ
    れていることを特徴とする光学的ローパスフィルタ。
  3. 【請求項3】  請求項1または2に記載の光学的ロー
    パスフィルタを備え、上記光学的ローパスフィルタと固
    体撮像素子とが、これらの間に介挿したスペーサととも
    に一体化されてなることを特徴とする光学的ローパスフ
    ィルタを備えた撮像装置。
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Cited By (3)

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