JP2536214Y2 - 光学的ローパスフィルタおよびそれを備えた撮像素子 - Google Patents

光学的ローパスフィルタおよびそれを備えた撮像素子

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JP2536214Y2
JP2536214Y2 JP1991006848U JP684891U JP2536214Y2 JP 2536214 Y2 JP2536214 Y2 JP 2536214Y2 JP 1991006848 U JP1991006848 U JP 1991006848U JP 684891 U JP684891 U JP 684891U JP 2536214 Y2 JP2536214 Y2 JP 2536214Y2
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pass filter
optical low
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solid
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茂樹 中務
克也 藤沢
陸司 渡辺
英治郎 市村
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は光学的ローパスフィルタ
およびそれを備えた撮像素子に関する。
【0002】
【従来の技術】ビデオムービー、電子スチルカメラなど
の単板式固体撮像装置は色フィルタアレイを備え、これ
により色信号を得ており、色フィルタアレイのピッチに
対応する高周波数成分が含まれている被写体からは偽色
信号が発生する。また、単板式固体撮像装置は不連続
に、かつ規則正しく配置された画素を有する固体撮像素
子を備えており、画素のピッチに対応する高周波数成分
が含まれている被写体からは偽信号が発生する。そのた
め、単板式固体撮像装置の光学系には、偽信号および偽
色信号の発生を防ぐために光学的ローパスフィルタが設
置されている。
【0003】光学的ローパスフィルタとしては、通常、
3枚以上の水晶板と1枚の赤外線遮断フィルタとが積層
されてなるものが用いられているが、この積層構造を有
する光学的ローパスフィルタは、量産性に劣り、高価で
あるという問題点を有している。
【0004】上記の問題点を解決するために、回折格子
からなる光学的ローパスフィルタが開発されている(特
公昭49−20105号公報、特開昭48−53741
号公報および特公昭57−42849号公報参照)。矩
形波状の断面形状を有する回折格子からなる光学的ロー
パスフィルタのMTF(Modulation Tra
nsfer Function)特性を図4に示す。回
折格子の周期をdで表し、回折格子の凸部の幅をaで表
し、回折格子と固体撮像素子面またはこの面上に形成さ
れた色フィルタアレイ面(以下、これらを撮像面と総称
する)との距離をbで表し、入射光の波長をλで表すと
き、図4のMTF特性に示される遮断周波数faおよび
fbは下記の数式で表される。
【0005】
【0006】偽信号を発生させる被写体が有する空間周
波数は固体撮像素子の画素周期によって決まり、また偽
色信号を発生させる被写体が有する空間周波数は色フィ
ルタアレイの一組の周期によって決まる。これらの空間
周波数が遮断されるように遮断周波数faおよびfbを
設定し、その値に応じて数式(1)および数式(2)
と、または数式(3)および数式(4)とを用いて上記
d、aおよびbを求める。このようにして得られた回折
格子を用いれば、偽信号および偽色信号の発生が防げ
る。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】上記の回折格子からな
る光学的ローパスフィルタが有する遮断周波数は、上記
の数式(1)ないし数式(4)により明らかなように、
光学的ローパスフィルタと撮像面との距離bの値によっ
て変化する。遮断周波数が予め設定された上記の値から
ずれた場合には、偽信号および/または偽色信号が発生
することがあり、光学的ローパスフィルタと撮像面との
距離bが正確な値によるように光学的ローパスフィルタ
と固体撮像素子とを設置する必要がある。
【0008】上記の距離bが正確な値になるように固体
撮像素子と光学的ローパスフィルタとをスペーサを介し
て一体化させてなる撮像素子が知られている。このよう
な撮像素子においては、光学的ローパスフィルタおよび
スペーサで光が反射し、この反射光の一部が固体撮像素
子に侵入してフレアが発生し、画質が低下することがあ
る。
【0009】本考案の1つの目的は、フレアの発生を防
ぎ、良好な画質を与える光学的ローパスフィルタを提供
することにある。また、本考案の他の1つの目的は、フ
レアの発生を防ぎ、良好な画質を与える撮像素子を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本考案によれば、上記の
1つの目的は、格子が形成された面に対して垂直な面が
可視光を吸収する性質を有する回折格子からなることを
特徴とする光学的ローパスフィルタを提供することによ
り達成される。回折格子からなる本願考案の光学的ロー
パスフィルタに光が入射した場合に発生する高次回折光
の回折角は大きく、高次回折光は入射光の方向から大き
くはずれた方向に生じる。本願考案の光学的ローパスフ
ィルタでは、格子が形成された面に対して垂直な面、す
なわち側面が可視光を吸収する性質を有していることか
ら、このような高次回折光が固体撮像素子の表面で反射
されて光学的ローパスフィルタに戻ってきたとき、側面
に到達した光が吸収される。これによって、光学的ロー
パスフィルタの側面で反射を繰り返した後に光学的ロー
パスフィルタを出射して固体撮像素子に入射するような
迷光が防止される。
【0011】また、本考案によれば、上記の他の1つの
目的は、上記の光学的ローパスフィルタと固体撮像素子
とが、可視光を吸収する性質を有するスペーサを介して
一体化されてなることを特徴とする撮像素子を提供する
ことにより達成される。
【0012】
【実施例】以下、実施例により本考案を具体的に説明す
る。
【0013】実施例1 本考案の光学的ローパスフィルタの一例の概略斜視図を
図1に示す。光学的ローパスフィルタ1の格子が形成さ
れた面に対して垂直な面2a〜2dに黒色の顔料を含む
樹脂が塗布されている。ここで、図1において、黒色の
顔料を含む樹脂が塗布されている面に斜線を施した。
【0014】この光学的ローパスフィルタを固体撮像素
子の光入射側に配置してなる撮像素子の概略構成図を図
2に示す。開口部を保護板3で封止されたパッケージ4
の中に固体撮像素子5が設置されており、保護板3の外
に光学的ローパスフィルタ1が設置されている。
【0015】図2に示す撮像素子の光学的ローパスフィ
ルタ1に入射した光は格子が形成された面に対して垂直
な面で反射されることがないので迷光が生じず、この撮
像素子を用いた場合にはフレアは発生しない。
【0016】実施例2 本考案の撮像素子の一例の概略構成図を図3に示す。開
口部を保護板8で封止されたパッケージ9の中に固体撮
像素子10が設置されており、固体撮像素子10と格子
が形成された面に対して垂直な面に黒色の顔料を含む樹
脂が塗布された回折格子からなる光学的ローパスフィル
タ6とが、これらが平行に配置され、かつその間隔が予
め設定された値になるように黒色の顔料を含む樹脂から
なるスペーサ7を介して一体化されている。
【0017】図3に示す撮像素子の光学的ローパスフィ
ルタ6に入射した光は格子が形成された面に対して垂直
な面で反射されることがなく、またスペーサ7に入射し
た光が反射されることもないので迷光が生じず、この撮
像素子を用いた場合にはフレアは発生しない。
【0018】本考案の光学的ローパスフィルタは、透明
材料からなる回折格子の格子が形成された面に対して垂
直な面に黒色の染料または顔料などの可視光を吸収する
性質を有する材料を塗布することにより得られることが
できる。また、本考案の光学的ローパスフィルタは、1
方向の格子または互いに交差する2方向の格子を有す
る。該格子は矩形波状、台形波状、正弦波状などの断面
形状を有し、通常、0.1〜1ミクロンの範囲の深さを
有する。
【0019】可視光を吸収する性質を有するスペーサ
は、可視光を吸収する性質を有する材料を含む樹脂を用
いて成形するか、透明材料からなるスペーサの表面に可
視光を吸収する材料を塗布することにより得られる。ス
ペーサは、通常、ニの字状、ロの字状などの平面形状を
有する。
【0020】また、上記の固体撮像素子の表面には色フ
ィルタアレイまたはマイクロレンズアレイが形成されて
いてもよい。パッケージとしては、セラミック、プラス
チックなどからなるものが用いられ、保護板としては、
ガラス、プラスチックなどからなるものが用いられる。
【0021】なお、本考案の光学的ローパスフィルタに
おける格子が形成された面に対して垂直な面は、格子が
形成された面に対して概ね90°にある面を含む。
【0022】
【考案の効果】本考案によれば、フレアの発生を防ぎ、
良好な画質を与える光学的ローパスフィルタおよび該光
学的ローパスフィルタと固体撮像素子とがスペーサを介
して一体化されてなり、フレアの発生を防ぎ、良好な画
質を与える撮像素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の光学的ローパスフィルタの一例の概略
斜視図である。
【図2】図1の光学的ローパスフィルタを備えた撮像素
子の概略構成図である。
【図3】本考案の撮像素子の一例の概略構成図である。
【図4】矩形波状の断面形状を有する回折格子からなる
光学的ローパスフィルタのMTF特性図である。
【符号の説明】
1, 6 光学的ローパスフィルタ 5,10 固体撮像素子 7 スペーサ
フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭63−70530(JP,U)

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 格子が形成された面に対して垂直な面が
    可視光を吸収する性質を有する回折格子からなることを
    特徴とする光学的ローパスフィルタ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光学的ローパスフィルタ
    と固体撮像素子とが、可視光を吸収する性質を有するス
    ペーサを介して一体化されてなることを特徴とする撮像
    素子。
JP1991006848U 1991-01-23 1991-01-23 光学的ローパスフィルタおよびそれを備えた撮像素子 Expired - Lifetime JP2536214Y2 (ja)

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JPH0496709U JPH0496709U (ja) 1992-08-21
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