JPH0434934Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、主としてダイボンデイング装置のペ
ースト供給器に配設されるペースト供給器の保持
機構に関する。

〈従来の技術〉 従来から、ダイボンデイング装置の一例とし
て、第５図に平面的な概略配置を示すようなもの
が知られている。このダイボンデイング装置は、
良品チツプ３０を積載したチツプトレイ３１を移
送するXYテーブルからなるダイ供給部３２と、
チツプ３０をダイ供給部３２から位置決め部３３
に移送するピツクアツプ部３４とを備え、かつチ
ツプ３０が組み込まれるプリント基板３５を供給
テーブル３６から取出テーブル３７まで移送する
XYテーブルからなる基板テーブル部３８を備え
ている。そして、この基板テーブル部３８の移送
ライン上には、プリント基板３５にチツプマウン
ト用接着剤ペーストを付着するペースト供給部３
９と、チツプ３０を位置決め部３３から移送して
プリント基板３５に組み込むボンデイング部４０
とが配置されている。

ところで、このペースト供給部３９は、基板テ
ーブル部３８に対して昇降自在な保持アーム４１
を備えている。この保持アーム４１の先端部に
は、第６図に示すように、ペースト供給器４２を
高さ調整自在に固定するための保持機構とが設け
られている。この保持機構は、ペースト供給器４
１の挿入部としての貫通孔４３と、貫通孔４３か
ら保持アーム４１の先端に向かつて形成されたス
リツトにより分割された挟持部４４，４４と、こ
れらの挟持部４４，４４同士を締め付けるビス４
５とによつて構成されている。

一方、ペースト供給器４２は一定量のペースト
を収容する本体部４６と、その下端のノズル部４
７とから構成されている。

このようなペースト供給器４２は、つぎのよう
な手順の手作業によつて保持アーム４１に取り付
けられる。

まず、保持アーム４１の貫通孔４３にペースト
供給器４２の本体部４６を挿入したのち、保持ア
ーム４１に対するペースト供給器４２の挿入高
さ、すなわち、プリント基板３５からのペースト
供給器４２の高さを調整し、高さ調整の完了後
に、六角レンチのような工具によりビス４５を操
作して挟持部４４，４４を締め付けることによつ
て、ペースト供給器４２を保持アーム４１に固定
する。

〈考案が解決しようとする問題点〉 ところで、前記のペースト供給器４２に収容さ
れた一定容量のペーストは生産に応じて減少する
のでかなり頻繁（１日に２回程度）に交換しなけ
ればならない。この交換を行う場合、ペースト供
給器４２の保持機構が設けられたペースト供給部
３９の手前には、第５図から明らかなように、基
板テーブル部３８などの各種の装置部分が配置さ
れている。そのため、ペースト供給器４２の交換
作業においては、つぎのような問題点があつた。

すなわち、交換作業者は基板テーブル部３８を
避けるようにして腕を伸ばし、この不自然な姿勢
のままで手先のみの動作により、保持アーム４１
の貫通孔４３にペースト供給器４２を挿入したう
えで、微妙な精度が要求されるペースト供給器４
２の高さ調整を行い、かつ工具を用いてペースト
供給器４２を固定しなければならない。そのた
め、この交換作業は、手間と時間を要する作業と
なつていた。しかも、この作業を行つている間
は、生産が中断するので、交換作業に時間がかか
ると生産効率が低下するという不都合もあつた。

本考案はかかる従来の問題点に鑑み、ペースト
供給器の交換作業に要する手間を省き、その作業
時間を低減して、生産効率の向上を図ることがで
きるペースト供給器の保持機構の提供を目的とす
る。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、このような目的を達成するために、
保持アームの挿入部にペースト供給器を高さ調整
自在に挿入固定するようにしたペースト供給器の
保持機構において、前記ペースト供給器の本体部
には高さ調整用のカラーを本体部の長手方向変位
自在に取り付ける一方、前記保持アームには挿入
部に挿入された前記ペースト供給器のカラーを保
持アームもしくは該アームと一体の部材の表面に
押圧して固定する弾性部材を設けた構成に特徴を
有するものである。

〈作用〉 上記構成によると、ペースト供給器の本体に取
り付けたカラーの高さをあらかじめ調整したうえ
で、このカラー付きペースト供給器を保持アーム
の挿入部に挿入し、保持アームに設けた弾性部材
によりカラーを当該アームの表面に押圧するとペ
ースト供給器が保持アームに対して所定の高さに
固定される。

〈実施例〉 以下、本考案を図面に示す実施例に基づき詳細
に説明する。

第１図はペースト供給器の保持機構を示す斜視
図であり、第２図はペースト供給器の斜視図であ
る。これらの図において、符号１０はペースト供
給器、１１はペースト供給器の保持アームであ
る。なお、ペースト供給器を備えたダイボンデイ
ング装置全体の構成および動作は、第５図に示す
従来例と同一であるから、その説明は省略する。

ペースト供給器１０はチツプマウント用のペー
ストを供給するものであつて、円筒状に形成され
て一定容量のペーストを収容する本体部１２と、
その下端に連通接続された中空針状のノズル部１
３とから構成されている。このペースト供給器１
０の保持アーム１１への取り付け後、ペースト供
給器１０の本体部１２開放端面に高圧空気供給装
置１４と連通接続されたチユーブ１５が接続さ
れ、この高圧空気供給装置１４から送り込まれる
高圧空気の作用によりノズル部１３の先端からペ
ーストを一定量ずつ吐出するようになつている。

ペースト供給器１０の本体部１２には、矩形平
板状のカラー１６が本体部１２の長手方向に沿つ
て調整自在に取り付けられている。このカラー１
６には、これをペースト供給器１０の本体部１２
に固定する固定部材としての六角孔付きビス１７
が配置されている。なお、このカラー１６の平面
形状は矩形に限定されず、本体部１２の周部から
直角に張り出すものであれば任意の形状でよく、
また、固定部材についても、六角孔付きビス１７
に限定されるものではなく、本体部１２の周面を
締め付ける手段など、他の手段によるものであつ
てもよい。

一方、このようなペースト供給器１０を保持す
る保持アーム１１にはペースト供給器１０が挿入
される挿入部として貫通孔１８が形成され、かつ
この貫通孔１８の両側の保持アーム１１表面には
カラー１６を押圧固定する弾性部材として一対の
板バネ１９，１９が設けられている。これらの板
バネ１９，１９は、それぞれの一端側が保持アー
ム１１表面に固着された支持具２０，２０により
支持され、該支持具２０，２０廻りに回転自在と
なつている。

つぎに、このような保持アーム１１へのペース
ト供給器１０の取り付けについて、説明する。

まず、第３図に示すような高さ調整用治具２１
を、別に準備する。この治具２１の底板２２と昇
降自在に構成されたブラケツト板２３とを所定の
寸法ｔに離間させて固定する。この離間寸法ｔ
は、前述したプリント基板からのペースト供給器
１０の高さに対応したものである。そして、この
治具２１のブラケツト板２３に形成された貫通孔
２４にペースト供給器１０を挿入してノズル部１
３の先端が底板２２に当接した状態で、本体部１
２に取り付けたカラー１６の下面がブラケツト板
２３に当接するようにしてカラー１６を本体部１
２に固定する。このようにして、ペースト供給器
１０のカラー１６の高さ調整が完了する。

つぎに、保持アーム１１に設けた板バネ１９，
１９を左右に拡げた状態で、カラー１６付きペー
スト供給器１０を上方から貫通孔１８に挿入す
る。そののち、板バネ１９，１９の先端を内側へ
回動し、これらの板バネ１９，１９によりペース
ト供給器１０のカラー１６を上方から保持アーム
１１の表面側に押圧する。このことにより、カラ
ー１６が保持アーム１１に固定され、これに応じ
てペースト供給器１０が保持アーム１１に固定さ
れる。ここで、カラー１６はペースト供給器１０
の高さ調整用のストツパーとして作用するのであ
つて、このカラー１６はあらかじめペースト供給
器１０の所定位置に取り付けられているから、カ
ラー１６を介してペースト供給器１０の高さが所
定の高さに設定されることになる。

なお、以上の説明においては、保持アーム１１
に貫通孔１８を形成し、かつ保持機構として板バ
ネ１９，１９が回動可能なものとして説明した
が、これらについては、他の実施例として示す第
４図のように構成することもできる。

すなわち、保持アーム１１に貫通孔１８から保
持アーム１１の一側面に向かう切欠部２５を形成
し、かつ保持アーム１１の表面に板バネ１９，１
９を不回動状に固定する。そして、ペースト供給
器１０を切欠部２５を通じて側方から貫通孔１８
内に挿入するとともに、カラー１６を保持アーム
１１表面と板バネ１９，１９との間に差し込む。
このようにすれば、カラー１６の挿入によつて、
板バネ１９，１９が押し上げられてカラー１６を
押圧することになる。

〈考案の効果〉 以上のように本考案によれば、ペースト供給器
の交換時には、ペースト供給器に対してカラーの
高さをあらかじめ調整しておけば、このカラー付
きペースト供給器を保持アームの挿入部に挿入し
て弾性部材で固定するだけでペースト供給器を所
定の高さに装着することができ、工具を用いるこ
となく手先のみで交換作業を行うことができる。
そのため、ペースト供給器の交換作業に要する手
間と時間とを大幅に低減することができ、かつ生
産効率の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の実施例を示し、
第１図はペースト供給器の保持状態を示す斜視
図、第２図はペースト供給器の斜視図、第３図は
ペースト供給器を高さ調整用治具にセツトした状
態の斜視図、第４図はペースト供給器の他の保持
機構を示す斜視図である。また、第５図はダイボ
ンデイング装置の概略配置を示す平面図であり、
第６図は従来例のペースト供給器の保持状態を示
す斜視図である。 １０……ペースト供給器、１１……保持アー
ム、１２……ペースト供給器の本体部、１６……
カラー、１８……保持アームの貫通孔（挿入部）、
１９……板バネ（弾性部材）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 保持アームの挿入部にペースト供給器を高さ調
   整自在に挿入固定するようにしたペースト供給器
   の保持機構において、 前記ペースト供給器の本体部には高さ調整用の
   カラーを本体部の長手方向変位自在に取り付ける
   一方、前記保持アームには挿入部に挿入された前
   記ペースト供給器のカラーを保持アームもしくは
   該アームと一体の部材の表面に押圧して固定する
   弾性部材を設けたことを特徴とするペースト供給
   器の保持機構。