JPH0434912Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はエアーブラシに関し、詳しくは圧縮空
気をエアーブラシ本体先端のノズルより噴射する
時、その圧縮空気の吸引力によつて塗料を吸引し
霧状ならしめて噴霧することにより、プラモデ
ル、日曜大工、布地染色等に用いるエアーブラシ
の改良に関する。

（従来の技術） 従来この種のエアーブラシにおいて、チヤツク
筒のスプリング受座と別途用意されたスプリング
押圧筒とでスプリングをチヤツク筒外周に弾圧収
容すると共に、チヤツク筒の廻り止めにエアーブ
ラシ本体下部外方から螺合したネジの先部を嵌入
係合させて軸方向にのみスライドするように支持
されているもので更に、ニードルを嵌合定着した
チヤツク筒を前進後退させるために、該チヤツク
筒前端と操作ボタン作動杆との間に断面略Ｓ字状
のチヤツク筒押圧板を介在させているものが知ら
れている。

ところがエアーブラシは、塗料材として油性、
水性のインキ等を使用するため使用後のアフター
ケアーを怠るとニードル挿通孔の目詰り等を招く
ので定期的にエアーブラシを分解して点検、整備
しなければならないものである。

そこで上記従来技術にあつては、点検・整備後
の組立において、部品点数が多いことに加え、チ
ヤツク筒押圧板である断面略Ｓ字状の板が小型で
あるため、ブラシ本体内に挿入する際にピンセツ
ト等を用いて取り付けなければならず面倒であ
り、またチヤツク筒が回つてしまうと一定の噴出
が得られないのでその回り止めをするためにエア
ーブラシ下部外方から螺合したネジの先端にチヤ
ツク筒の下面に設けた凹溝をあわせて組立てなけ
ればならず、結果として組立作業に手間が掛り、
小学生、婦人等には無理があり実用的ではなかつ
た。

また部品点数が多いことから、コスト高になる
という不具合もあつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は上述した如き従来の欠点に鑑み、チヤ
ツク筒の回り止めを行いつつ、組立の簡略化を図
ると共に部品点数の削減を図り、結果として使用
勝手の良い実用的で有用なエアーブラシを提供す
ることにある。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するための技術的手段は、先
端にノズルを装備したブラシ本体の軸芯に挿通す
るニードルの後部にチヤツク筒を分離、定着自在
とし、そのチヤツク筒の前端をブラシ本体に装着
した操作ボタンの作動杆の後端面と係合させ、且
つチヤツク筒の外周面に形成した係合段部とブラ
シ本体の後部に螺合するキヤツプ筒の内周面に形
成した段部との間にチヤツク筒を前方へ付勢する
スプリングを弾圧装着したことである。

（作用） 上記技術的手段によれば、操作ボタンを押圧降
下せしむると共にキヤツプ側に向つて引くことに
より、該操作ボタンの作動杆と係合されるチヤツ
ク筒がスプリングの弾発力に逆つてニードルと共
に後退し、前記操作ボタンの降下により、エアー
ボンベに接続されている接続筒からの圧縮空気が
ノズル近傍より噴射されるときに、塗料カツプ内
の塗料が該圧縮空気の吸引力により引き出されて
ノズルから霧状に噴射される。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

エアーブラシＡは細長軸状で、大別するとブラ
シ本体１と該ブラシ本体１後部に螺合するキヤツ
プ筒２から構成されている。

該ブラシ本体１の前端にはノズル１ａが形成さ
れ、該ノズル１ａの先端からブラシ本体１内軸芯
中央に前後方向に渉つてニードル挿通孔１ｂが開
穿されている。

該ニードル挿通孔１ｂ内には先端を鋭利に形成
したニードル３が、前記ブラシ本体１の後端上面
に形成された切欠部４から挿入した操作ボタン５
の作動杆５ａに形成された二股開口部５ｂを介し
て挿通されている。

該二股開口部５ｂ下端には押杆６を設け、該押
杆６はエアーバルブを内蔵した接続筒７に摺動自
在に挿入されている。

前記ニードル３の後部は、軸芯中央の前後方向
に渉つてニードル挿通孔８を開穿しているチヤツ
ク筒９に挿通し該チヤツク筒９の後端を締めネジ
１２で一体的に固定されている。

該チヤツク筒９は、前端を垂直軸芯に対して後
方に傾斜したテーパ状とすると共に凹溝９ａが形
成されており、中央部外周面には係合段部９ｂが
形成されている。

該凹溝９ａは、前記ブラシ本体に装着した操作
ボタン５の作動杆５ａの後端面と係合し、それに
よりチヤツク筒９の回転が止められて軸方向にの
みスライドするように支持され、係合段部９ｂに
はコイルスプリング１０の前端が当接されてい
る。

前記キヤツプ筒２内周面には前記係合段部９ｂ
に対応する段部１１が形成され、キヤツプ筒を前
記ブラシ本体１に螺合することにより、該段部１
１にコイルスプリング１０の後端が当接されつつ
前記チヤツク筒９を前方へ付勢する。

図中１３はノズルキヤツプ、１４はニードルキ
ヤツプ、１５は塗料カツプ、１６は塗料流出口で
ある。

上記の如き構成により、操作ボタン５を下方に
押圧すると共に後方へ引くと、操作ボタン５の作
動杆５ａがチヤツク筒９の凹溝９ａに係合されて
いるので必然的にチヤツク筒９を後方へ押圧し、
チヤツク筒９と一体化されたニードル３は後退し
てノズル１ａが開孔されると共に、ブラシ本体１
の後部下面に設けてある接続筒７に接続されてい
るエアーボンベ（図示せず）からの圧縮空気がブ
ラシ本体１内を通りノズル１ａ近傍から噴射され
ることにより、圧縮空気の吸引力で前記ブラシ本
体１側面に配してある塗料カツプ１５内の塗料が
塗料流出口１６からニードル挿通孔１ｂに引き出
され、ノズル１ａから霧状に噴射される。

また、本実施例において塗料カツプ１５をブラ
シ本体１の側面に配しているものをもつて説明し
ているが、ブラシ本体１の上面あるいは下面に配
しているものであつても差しつかえないことはい
うまでもない。

（考案の効果） 本考案のエアーブラシは以上詳述した如き構成
を有するため次のような効果を発揮する。

チヤツク筒の廻り止めを、操作ボタンの作動杆
とチヤツク筒前端の凹溝とを係合することにより
行うため、長期間繰り返し使用しても一定の噴出
が得られ有用であると共に、組立時における手間
のかかる断面略Ｓ字状の押圧板を使用することな
く上記構成によりチヤツク筒の押圧を兼ねること
ができ、組立が容易となり且つ実用的である。

また従来のスプリング押圧筒、廻り止めネジ、
断面略Ｓ字状のチヤツク筒押圧板が不要となり、
部品点数の削減が図れ、コスト減につながる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案エアーブラシの一実施例の一部
切欠正面図、第２図は第１図のニードルを後方へ
引いた状態の一部切欠正面図、第３図は分解図、
第４図はＸ−線断面図である。 尚、図中Ａ……エアーブラシ、１……ブラシ本
体、２……キヤツプ筒、３……ニードル、５……
操作ボタン、５ａ……作動杆、９……チヤツク
筒、９ｂ……係合段部、１０……スプリング、１
１……段部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端にノズルを装備したブラシ本体の軸芯に挿
   通するニードルの後部にチヤツク筒を分離、定着
   自在とし、そのチヤツク筒の前端をブラシ本体に
   装着した操作ボタンの作動杆の後端面と係合さ
   せ、且つチヤツク筒の外周面に形成した係合段部
   とブラシ本体の後部に螺合するキヤツプ筒の内周
   面に形成した段部との間にチヤツク筒を前方へ付
   勢するスプリングを弾圧装着したエアーブラシ。