JPH04345751A - リチウム電池 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は有機電解質を含むリチウ
ム電池に関し、特に、耐漏液性に優れたリチウム電池に
関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にリチウム電池は、高エネルギー密
度を有し長期保存性に優れているところから、電子機器
をはじめとするあらゆる分野で使用されるようになって
きた。そのため、高温での長期間使用や温度変化の激し
い環境下での用途が増え、電池の性能に対する要求が厳
しくなってきている。水酸化カリウムや水酸化ナトリウ
ムなどのクリープ性を有する腐食性の強い電解液を用い
たアルカリ電池に比べ、従来の有機電解液を用いたリチ
ウム電池は耐漏液性が比較的良く、漏液による機器の損
傷も発生しにくいため、特に耐漏液性は重視されていな
かった。しかし、最近ではリチウム電池に対しても外観
の損傷や電池の保存性が厳しく要求されるようになり、
リチウム電池の耐漏液性を向上させることが電池の信頼
性を向上させる上で重要になっている。

【０００３】従来、リチウム電池の漏液を防止するため
に封口部の構造や封口方法、ガスケット材質などの改良
が行なわれてきた。また、封口部におけるシール剤とし
て、アスファルト，エポキシ系樹脂，ポリアミド系樹脂
，ポリイソブチレン，合成ゴム系接着剤などの検討が行
なわれてきたが、今日でも、まだ十分な耐漏液性が得ら
れていない。

【０００４】以下に従来のボタン型リチウム電池の構成
を図面を参照しながら説明する。図１に示すように負極
端子を兼ねた封口板１の内側に円形のリチウム２が圧着
されている。正極合剤３はペレット状に成型され、皿状
に絞ってあるセパレータ４の内側に載置され、リチウム
２と直接に接触しないように構成してある。正極合剤３
は正極活物質と導電剤とバインダーから構成されている
。正極活物質としてはフッ化黒鉛，二酸化マンガン，酸
化銅などが使われ、導電剤としては黒鉛が、バインダー
にはフッ素樹脂が用いられている。電池ケース５は正極
端子を兼ね、封口板１と組み合わされた断面がＬ字状の
ガスケット６の上部を内側にカールして電池内部を密閉
してある。シール剤層７は、封口板１とガスケット６の
接するシール部および電池ケース５とガスケット６の接
するシール部に設けられている。集電体８は、正極合剤
３と電池ケース５の接触状態をより良好に保つために、
ステンレスやチタンのシートを打ち抜いたものを電池ケ
ース５の内面にスポット溶接して電気的に連結されてい
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このような従来のリチ
ウム電池の封口には、過去からいろいろな電池でアスフ
ァルトがシール剤としてよく使われていたように、リチ
ウム電池においてもアスファルトを有機溶剤で溶かし、
鉱物油を混合したシール剤を用いていた。このシール剤
は、アスファルトが石油を蒸留した後の残留物であるた
め、安価でしかも適度な粘着性，弾性，電気絶縁性を備
えているためである。しかし、リチウム電池においては
γ−ブチロラクトン，プロピレンカーボネート、１，２
−ジメトキシエタンなどを主成分とする有機溶媒を電解
液に使用しているため、電池の保存中にアスファルトの
一部が電解液に溶け、シール性能が劣化して漏液が生じ
るという問題があった。また、圧力や熱を加えたときに
アスファルトが軟化しやすい性質を持っているため、電
池を封口した際や高温で保存したときに、アスファルト
がシール部から電池表面に押し出され、外観上の不良を
多く発生しやすいという欠点も持っていた。

【０００６】また、耐有機電解液性が良いシール剤とし
てポリイソブチレンがあるが、粘着性が非常に高くて軟
らかいため、電池を封口した際に、シール部から電池の
外に押し出され、外観不良が発生したり、シール性の低
下に伴い漏液が生じるという欠点も持っていた。特に、
平均分子量が１０，０００以下のポリイソブチレンはそ
の傾向が強く、外部に押し出されたポリイソブチレンの
粘着性により、生産時にライン中で粘着が起り、工程ト
ラブルが発生し、逆に電池組み立て時の作業性の低下の
原因にもなっていた。

【０００７】本発明は、上記のような従来の課題を解決
するもので、耐漏液性に優れたリチウム電池を提供する
ことを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、ガスケットと封口板とのシール部
およびガスケットと電池ケースとのシール部にスチレン
変性ポリオレフィンを主成分とするシール剤層を形成し
たものである。

【０００９】

【作用】この構成において、シール剤層が成膜性と粘着
性を合わせもつという特徴を持っていて、耐有機電解液
性に優れているため、電解液と長期間接触しても電解中
に溶けたり膨潤することがない。したがって、封口板，
電池ケース，ガスケットと液密的に密着した状態を長期
間保つことができる。さらに、このシール剤層は被膜を
形成するため、電池を封口するときに、電池の外部にシ
ール剤が押し出されることがなくなる。

【００１０】

【実施例】以下に本発明の一実施例のリチウム電池を図
面を参照しながら説明する。本実施例の電池の構成は図
１に示す従来の構成と同じであり、説明を省略する。た
だし、シール層７はスチレン変性ポリオレフィンの溶液
を塗布して形成する。電解液は、プロピレンカーボネー
トと１，２−ジメトキシエタンの混合溶媒に過塩素酸リ
チウム１モル／ｌを溶解させたものである。

【００１１】シール剤層の形成は、電池ケース５側のシ
ール部については、あらかじめ電池ケース５の内壁面に
シール剤を塗布，乾燥し、シール剤層を形成しておいた
。また、封口板１側のシール部についても同様にガスケ
ット６の内壁にシール剤を塗布したのち乾燥し、シール
剤層を形成させてから封口板１と組み合わせた。

【００１２】上記の実施例の電池と、従来のアスファル
トに鉱物油を加えたシール剤を用いた電池の漏液試験結
果を（表１）に示す。

【００１３】

【表１】

【００１４】漏液試験は０〜７０℃のヒートショック雰
囲気（４０分／サイクル）に電池を放置し、１週間毎に
顕微鏡で漏液発生数の測定を行なった。本実施例の電池
と従来の電池はシール剤以外はすべて同じ構成の電池で
ある。漏液発生数は前記の試験条件において４週目迄の
漏液発生数で示した。

【００１５】また、本実施例では二酸化マンガンリチウ
ム電池について説明したが、電解液にγ−ブチロラクト
ンと１，２−ジメトキシエタンを用いるフッ化黒鉛リチ
ウム電池や、同じような電解液を用いる酸化銅リチウム
電池，カーボンリチウム二次電池，バナジウムリチウム
二次電池，円筒形リチウム電池などについても同様の効
果が得られる。

【００１６】

【発明の効果】以上の実施例の説明からも明らかなよう
に本発明のリチウム電池によれば、電池のシール部にシ
ール剤層を形成した本発明の電池は、厳しい条件下にお
いても耐漏液性に優れるとともに、塗布したシール剤が
電池の外に押し出されることがないため、外観不良の減
少にも非常に大きな効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】リチウム電池の構成を示す断面図

【符号の説明】

１　　封口板 ２　　リチウム ３　　正極合剤 ５　　電池ケース ６　　ガスケット ７　　シール剤層

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】負極活物質であるリチウムと正極活物質と
   有機電解液とを含む発電要素を内蔵し、電池ケースと封
   口板をガスケットを介して密閉した電池であって、前記
   ガスケットと前記封口板とのシール部および前記ガスケ
   ットと前記電池ケースとのシール部にスチレン変性ポリ
   オレフィンを主成分とするシール剤層を形成してなるリ
   チウム電池。