JPH04341592A - 洗浄用組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、機械部品等のように、
製造加工工程等において油溶性の油が付着した素材の脱
脂洗浄用或はハンダ接合時にハンダと基材との接合力を
強める為に塗布されるフラックスを洗浄する為の洗浄用
組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、機械及び自動車産業等の金属部品
加工産業では、その製造工程内に於いて、各種油、例え
ば、切削油、加工油、プレス油等、あるいはグリース等
の炭化水素系の油が数多く用いられており、これらは各
種部品（被洗物）に付着している為、適宜洗浄除去され
ている。又、電気・電子産業分野では、プリント配線板
製造工程内において、ハンダと基材とを強固に固着させ
る為に予めフラックスが塗布され、このフラックスは、
プリント回路またはプリント配線板に残存すると導電不
良或は腐食の原因となる為、通常、ハンダ付け終了後に
は有機系洗浄剤によって、洗浄除去されている。これら
の洗浄剤として、従来からフロン１１３或はメチルクロ
ロホルム等の塩素系溶剤が使用されてきている。また、
最近では、高沸有機溶剤に界面活性剤等を添加した洗浄
剤（リンス液に水を使用する為、「準水系洗浄剤」と呼
ばれる。）も提案されてきている。

【０００３】

【発明が解決しようとしている課題】しかし、社会的な
環境問題に対する意識の高まりの中で環境破壊性物質、
とりわけ、オゾン層破壊物質の大気中への排出規制の動
きが出てきている。これらの物質が正に、本発明の利用
分野で現在使用されているフロン系溶剤（ＣＦＣ１１３
等）やメチルクロロホルムである。更に、準水系洗浄剤
は、可燃性の有機溶剤を主成分とする為、引火性を示し
、このことが実機での使用を妨げる大きな問題となって
いる。

【０００４】かかる状況において、フロン１１３或はメ
チルクロロホルムを使用している産業界では、一日も早
く、これら溶剤に代わる、引火性等の危険因子のない安
全な洗浄剤が求められているのが実状である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、洗浄剤と
して用いられるフロン１１３或はメチルクロロホルムに
代わる洗浄剤の研究を重ねた結果、ジエチレングリコー
ルジエチルエーテル１０〜５０重量％、石油系溶剤３〜
２５重量％、ノニオン系界面活性剤５〜２５重量％、及
び水２０〜８０重量％を必須成分として含む組成物が、
従来の洗浄剤（フロン１１３及びメチルクロロホルム）
に匹敵する程の高い洗浄性能及び仕上がり性の良さを示
し、実用上、危険性（引火性）が著しく低い洗浄剤であ
ることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至
った。

【０００６】すなわち、本発明は、（１）ジエチレング
リコールジエチルエーテル１０〜５０重量％、（２）石
油系溶剤３〜２５重量％、（３）ノニオン系界面活性剤
５〜２５重量％、及び（４）水２０〜８０重量％を必須
成分として含むことを特徴とする洗浄用組成物である。 従来のフロン１１３或はメチルクロロホルムを用いた洗
浄の場合には、通常、３槽式洗浄方式（沸騰浸漬洗浄→
冷浴浸漬洗浄→蒸気洗浄）が用いられているのに対して
、本発明の洗浄用組成物を用いる洗浄の場合には、通常
、以下の洗浄工程を含む方式が用いられる。すなわち、
浸漬洗浄工程（室温〜７０℃前後）→被洗物からの洗浄
液の除去工程→乾燥工程被洗物からの洗浄液の除去工程
としては、被洗物を水へ浸漬して、洗浄液を除去する方
法が一般的である。

【０００７】本発明の（１）成分であるジエチレングリ
コールジエチルエーテルは、１０〜５０重量％の濃度範
囲で用いられる。この濃度が１０重量％未満では、フラ
ックス洗浄力が低下してしまい、一方５０重量％を越え
ても洗浄力は変わらず、経済的に不利である。本発明の
（２）成分である石油系溶剤としては、ミネラルスピリ
ット等の揮発性、灯油或は軽油等が用いられるが、その
中でも引火点が７０℃以上（クリーブランド開放）を示
す溶剤が好ましい。更に、石油系溶剤は、直鎖、側鎖或
は環状のいずれの構造のものでも使用することができ、
これらの混合物も本発明の効果の達成の為に有効である
。具体的には、ドデカン（試薬グレード）、０号ソルベ
ント（日本石油（株）製、商品名）等が用いられる。 石油系溶剤は３〜２５重量％の濃度範囲で用いられる。 用いられる量が３重量％未満では脱脂力及びソルダーペ
ースト中のワックス除去力が低下してしまい、一方、用
いられる量が２５重量％を超えると脱脂力は維持される
ものの、ソルダーペーストを洗浄した場合にプリント基
板上にいわゆる白色残渣が残ってしまう。

【０００８】本発明の（３）成分であるノニオン系界面
活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル
、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシ
エチレンステアリルエーテル等のエーテル型、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンオクチルフェニルエーテル等のアルキルフェノール型
、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチ
レンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエ
ート等のエステル型、ソルビタンモノラウレート、ソル
ビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート
、ソルビタンモノオレエート等のソルビタンエステル型
、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリ
オキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノステアレート等のソルビタン
エステルエーテル型等が用いられる。好ましくは、２種
類以上のノニオン系界面活性剤が用いられ、更に好まし
くは、エーテル型ノニオン系界面活性剤とアルキルフェ
ノール型ノニオン系界面活性剤の組合わせが有効である
。具体的なエーテル型ノニオン系界面活性剤として、ポ
リオキシエチレン（２モル付加物）ラウリルエーテル、
ポリオキシエチレン（９モル付加物）ラウリルエーテル
、ポリオキシエチレン（２モル付加物）セチルエーテル
、ポリオキシエチレン（５．５モル付加物）セチルエー
テル，ポリオキシエチレン（１０モル付加物）セチルエ
ーテル、ポリオキシエチレン（１５モル付加物）セチル
エーテル、ポリオキシエチレン（２モル付加物）ステア
リルエーテル、ポリオキシエチレン（１０モル付加物）
ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン（２０モル付
加物）ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン（２モ
ル付加物）オレイルエーテル、ポリオキシエチレン（７
モル付加物）オレイルエーテル、ポリオキシエチレン（
１０モル付加物）オレイルエーテル等が用いられ、好ま
しくはＨＬＢ値が９〜１３を示すものが用いられる。具
体的なアルキルフェノール型ノニオン系界面活性剤とし
て、ポリオキシエチレン（４．５モル付加物）ノニルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレン（８．５モル付加
物）ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン（１
２モル付加物）ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレン（２０モル付加物）ノニルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレン（３０モル付加物）ノニルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレン（４０モル付加物）ノニル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレン（４．５モル付
加物）オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
（８モル付加物）オクチルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレン（２０モル付加物）オクチルフェニルエーテ
ル等が用いられ、好ましくはＨＬＢ値が１０〜１４を示
すものが用いられる。

【０００９】ノニオン系界面活性剤を用いることにより
、本発明の洗浄用組成物が有する、汚れ成分、例えば、
油やフラックスの被洗物への再付着抑制効果や、油等の
乳化分散効果が得られる。更に、洗浄用組成物を均一に
保つ為の安定化効果も得られる。なお、本発明の（３）
成分の界面活性剤類は５〜２５重量％の濃度範囲で用い
られる。用いられる量が５重量％未満の時は、充分な乳
化効果が得られず、汚れ等が再付着することによって、
水リンス性が悪化する。一方、２５重量％を超えても、
水リンス性、乳化性等に顕著な変化は見られず、粘性の
増加することによって、実用性が欠けてしまう。 （なお、水による被洗物からの洗浄液の除去工程におけ
る、被洗物からの洗浄液の除去性及び汚れの再付着の様
子を表す指標を「水リンス性」と呼ぶこととする。）本
発明の組成物は、前記（１）、（２）、（３）成分の他
に（４）成分として水を含有する。水は２０〜８０重量
％の範囲で用いられる。この範囲に限り、前記（１）、
（２）、（３）が有する洗浄力が維持されるとともにこ
れらが有する危険性（引火性）を大幅に低減することが
でき実用上、非常に使用しやすい洗浄用組成物となる。

【００１０】従って、本発明の組成物である、ジエチレ
ングリコールジエチルエーテル１０〜５０重量％、石油
系溶剤３〜２５重量％、ノニオン系界面活性剤５〜２５
重量％、及び水２０〜８０重量％を必須成分として含む
組成物とすることにより、従来の洗浄剤（フロン１１３
及びメチルクロロホルム）に匹敵する程の高い洗浄性能
及び仕上がり性の良さを示し、実用上、危険性（引火性
）が著しく低い洗浄用組成物となる。

【００１１】本発明における必須成分の組み合わせは、
被洗物の材質及び形態、汚れの種類等に応じて、任意に
変えることが可能である。必須成分（１）、（２）、（
３）の内、どれか一種でも欠けると、洗浄性能或は水リ
ンス性が悪くなることによる仕上がりの悪化が起こる。 又必須成分（４）が欠けると、実用性を考慮した場合の
危険性（引火性）が増加してしまう。従って、必須成分
（１）、（２）、（３）、（４）の組み合わせによって
始めて環境に対して安全でしかも取り扱い上、労働衛生
上も問題がなく、従来のフロン系及び塩素系溶剤の洗浄
能力に匹敵する実用的な洗浄用組成物が得られるもので
ある。更に本発明の組成物に液の安定性の保持、被洗物
に対する安定性の向上、溶解力の向上或は作業性の向上
の為に種々の安定剤及び添加剤或は消泡剤を加えること
が可能である。安定剤及び添加剤としては、例えば、ア
ルコール類、エーテル類、アセタール類、エステル類、
ケトン類、脂肪酸類、ニトロアルカン類、アミン類、ア
ミド類、アミノエタノール類、ベンゾトリアゾール類等
が挙げられる。消泡剤としては、シリコン系等の一般に
市販されているものが使用できる。

【００１２】更に、本発明の組成物にアニオン系界面活
性剤やカチオン系界面活性剤を必要に応じて添加するこ
とも可能である。

【００１３】

【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって具
体的に説明する。表１に示す実施例の組成物及び表２に
示す比較例の組成物について、脱脂力の評価、フラック
ス洗浄力の評価及び引火点の測定を行った。尚、フラッ
クス洗浄力の評価には、ロジン系フラックスとソルダー
ペーストを用いた。これらの結果を表３及び表４にまと
めて示した。尚、各評価方法は以下の通りである。引火
点測定はクリーブランド開放式を用いた。

【００１４】脱脂力の評価 実施例及び比較例における洗浄方法は次の通りである。 −実施例における洗浄方法（図１）− ■本発明の組成物を仕込んだ超音波洗浄機〔ヤマト科学
（株）製、ＢＲＡＮＳＯＮＩＣ　　２２００〕２槽（第
一槽、第二槽）と水リンス槽２槽（第三槽、第四槽）用
意し、洗浄槽の温度を６０℃とした。尚、水リンス槽の
温度は室温とした。 ■被洗物（５０ｍｍ×５０ｍｍ角のＳＵＳ製の板）に各
種油〔プレス油（日本石油（株）製、商品名：ユニプレ
スＥＲ−５００）、引き抜き油（出光石油（株）製、商
品名：ダフニーマスタードロー５２２ＷＤ）〕を０．１
０ｇ均一に塗布したものを用意した。 ■被洗物を第一槽に１分間、続いて第二槽に１分間浸漬
して、超音波洗浄を行った。 ■次に被洗物を第三槽と第四槽に各１分間、順番に浸し
、それぞれ被洗物を軽く揺動させて水リンスを行った。 ■最後に１１０℃に設定された乾燥機で被洗物を乾燥さ
せた（乾燥時間５分間）。 ■被洗物の重量を計り、残留油分量を測定すると共に、
外観の仕上がり性を目視で判定した。

【００１５】（揮発性溶剤を用いた場合）■冷却管を備
えた容量１０００ｍｌの硬質ガラス製洗浄器３台（第一
槽、第二槽、第三槽）を用意し、各槽に比較溶剤３００
ｍｌを入れ、第一槽を沸騰槽（比較溶剤の沸点の温度）
、第二槽を冷浴槽（室温）、第三槽を蒸気槽（比較溶剤
の沸点の温度）とした。 ■前記の被洗物を各槽に順番に１分間浸漬した（但し、
第三槽では被洗物を蒸気槽へ入れただけ）。 ■被洗物の重量を計り、残留油分量を測定すると共に、
外観の仕上がり性を目視で判定した。尚、比較例で高沸
系溶剤を用いる場合は“実施例における洗浄方法”に準
じた。

【００１６】フラックス洗浄力の評価 実施例及び比較例における洗浄方法は次の通りである。 −実施例における洗浄方法（図１）− ■本発明の組成物を仕込んだ超音波洗浄機〔ヤマト科学
（株）製、ＢＲＡＮＳＯＮＩＣ２２００〕２槽（第一槽
、第二槽）と水リンス槽２槽（第三槽、第四槽）を用意
し、洗浄槽の温度を６０℃とした。尚、水リンス槽の温
度は室温とした。（ロジン系フラックスの場合）■−１
被洗物（ガラスエポキシ製プリント基板）に各種ロジン
系フラックス〔タムラ製作所（株）製、商品名：Ｆ−２
３０Ｖ、商品名：ＭＨ−３２０Ｖ〕を塗布し、溶融ハン
ダ槽（２６０℃）で５秒間ハンダ付け作業を行った。 （ソルダーペーストの場合） ■−２被洗物（ガラスエポキシ製プリント基板）に各種
ソルダーペースト〔千住金属（株）製、商品名：６３Ｈ
−１７７Ｆ−５０−９、タムラ製作所（株）製、商品名
：ＨＱ−１０２５　　ＣＰ〕を塗布し、２６０℃に設定
したホットプレート上で１分間程度加熱することにより
、ソルダーペーストを溶融させた。 ■被洗物を第一槽に１分間、続いて第二槽に１分間浸漬
して、超音波洗浄を行った。 ■次に被洗物を第三槽と第四槽に各１分間、順番に浸し
、それぞれ被洗物を軽く揺動させて水リンスを行った。 ■最後に１１０℃に設定された乾燥機で被洗物を乾燥さ
せた（乾燥時間５分間）。 ■オメガメーター〔アルファメタルズ（株）製、商品名
：６００Ｒ−ＳＣ〕によりプリント基板上のイオン分残
渣を測定すると共に、外観の仕上がり性を目視で判定し
た。

【００１７】−比較例における洗浄方法（図２）−（揮
発性溶剤を用いた場合） ■冷却管を備えた容量１０００ｍｌの硬質ガラス製洗浄
器３台（第一槽、第二槽、第三槽）を用意し、各槽に比
較溶剤３００ｍｌを入れ、第一槽を沸騰槽（比較溶剤の
沸点の温度）、第二槽を冷浴槽（室温）、第三槽を蒸気
槽（比較溶剤の沸点の温度）とした。 ■前記の被洗物（前記■−１、■−２）を各槽に順番に
１分間浸漬した（但し、第三槽では被洗物を蒸気層へ入
れただけ）。 ■その後、オメガメーター〔アルファメタルズ（株）製
、商品名：６００Ｒ−ＳＣ〕により、プリント基板上の
イオン分残渣を測定すると共に外観の仕上がり性を目視
で判定た。尚、比較例で高沸系溶剤を用いる場合は“実
施例における洗浄方法”に準じた。

【００１８】

【表１】

【００１９】

【表２】

【００２０】

【表３】

【００２１】

【表４】

【００２２】

【発明の効果】本発明の洗浄用組成物は、従来のフロン
系及び塩素系溶剤に匹敵する洗浄性能及び仕上がり性の
良さを有し、実用上、危険性（引火性）が著しく低い洗
浄剤である。しかも、オゾン槽を破壊する物質を大気中
へ放出することもない。従って、本発明の洗浄用組成物
は実用上、従来のフロン系及び塩素系溶剤を代替えする
優れた洗浄用組成物である。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、実施例の洗浄剤を用いた被洗物の洗浄
方法の概略図。

【図２】図２は、比較例の揮発性溶剤を用いた被洗物の
洗浄方法の概略図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　（１）ジエチレングリコールジエチル
   エーテル１０〜５０重量％、（２）石油系溶剤３〜２５
   重量％、（３）ノニオン系界面活性剤５〜２５重量％、
   及び（４）水２０〜８０重量％を必須成分として含むこ
   とを特徴とする洗浄用組成物。