JPH0433692Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、一輪式移動農機の旋回時等におい
ては、一輪式移動農機に連結されたロータリ作業
機の回転を簡単に停止させうる一輪式移動農機の
ロータリ停止装置に関するものである。

従来の技術 従来、歩行型の一輪式移動農機においては作業
条件や作業の種類に応じてハンドル高さを上下調
節するものがある。このような一輪式移動農機に
ロータリ作業機を連結して作業を行なう場合、圃
場端部における旋回時において、棒状ハンドルを
最下位置に回動し、ついて棒状ハンドルを上方に
持ち上げてロータリ作業機を地面から浮かし、旋
回を行なつている。この旋回時において、ロータ
リ作業機の回転を停止することなく旋回を行なう
ものと、クラツチレバーを切り換え操作し、ロー
タリ作業機の回転を停止させるものとがある。

考案が解決しようとする問題点 ロータリ作業機の回転を停止することなく一輪
式移動農機の旋回を行なう場合には、土や石が作
業者側に飛散する。また、回転している爪に巻込
まれる危険性がある。このため、作業者は飛散す
る土や石をかわし、かつ、回転する爪に対して十
分な注意を払いつつ作業をしなければならず、作
業能率を低下させている。

また、旋回の都度クラツチレバーを切り換え操
作する場合には、クラツチレバーの切り換え操作
が煩雑であり、作業能率を低下させている。

この考案はこのような点に鑑みなされたもの
で、一輪式移動農機の旋回時において、ロータリ
作業機の回転を簡単に停止させうる一輪式移動農
機のロータリ停止装置を得ることを目的とする。

前又は後にロータリ作業機が連結された一輪式
移動農機において、この一輪式移動農機に棒状ハ
ンドルを上下方向回動自在及び任意位置固定自在
に設け、前記棒状ハンドルにこの棒状ハンドルと
一体に上下回動する作動体を連結し、前記ロータ
リ作業機への動力伝達を断続するクラツチ部を設
け、ワイヤを介して前記クラツチ部に連結される
とともに前記棒状ハンドルを最上位置または最下
位置に位置させた際に前記作動体に押圧されて前
記クラツチ部を動力伝達中断状態に切り換える位
置に移動させるクラツチ断続部材を設けた。

作 用 ロータリ作業機を一輪式移動農機の前に連結し
た場合には、棒状ハンドルを最上位置に位置させ
ることによりロータリ作業機を地面から浮かすこ
とが簡単にでき、また、ロータリ作業機を一輪式
移動農機の後に連結した場合には、棒状ハンドル
を最下位置に位置させることによりロータリ作業
機を地面から浮かすことが簡単にできるものであ
るが、このようなロータリ作業機を地面から浮か
せるために棒状ハンドルの位置を変えた時に、棒
状ハンドルと一体に設けられた作動体がクラツチ
断続部材を押圧してクラツチ部の動力伝達を中断
状態にすることができ、これにより、特別な操作
を伴うことなくロータリ作業機を停止させて安全
に一輪式移動農機の旋回を行なうことができるも
のである。

実施例 この考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。一輪式移動農機１の後部にはロータリ作業機
２が着脱自在に連結され、ロータリ作業機２及び
走行部３に動力を伝達する前記一輪式移動農機１
のミツシヨンケース４の上部にはハンドルベース
５が固定されている。ハンドルベース５の上部に
はホルダ６が、このホルダ６に固定されたボス部
７、ロツクワツシヤ８、ロツクナツト９により固
定的に連結されている。

前記ホルダ６の前部には左右方向の軸心をもつ
パイプ１０が固定され、このパイプ１０の軸心回
りに上下方向回動自在に棒状ハンドル１１が連結
されている。前記ホルダ６の後部にはプレート１
２が固定され、このプレート１２には後方上がり
の軸心を有するパイプ１３と略上下方向の軸心を
有するパイプ１４とが固定されている。前記パイ
プ１３内には第２図に示すように、ピン１５とこ
のピン１５を後方に向けて付勢するスプリング１
６とストツパー１７とが収納されている。ピン１
６にはワイヤ１８の一端が連結され、ワイヤ１８
の他端は前記棒状ハンドル１１上のレバー１９に
連結されている。なお、前記棒状ハンドル１１に
はこの棒状ハンドル１１と一体的に上下回動する
作動体である円弧状プレート２０が連結されてお
り、この円弧状プレート２０には前記ピン１５が
選択的に係合する複数個の穴２１が上下方向に配
列して形成されている。前記パイプ１４内には第
１図に示すように、ガイドボス２２とこのガイド
ボス２２にスライド自在に保持されたクラツチ断
続部材であるＬ字状のピン２３とストツパ２４と
が収納されている。ピン２３にはワイヤ２５の一
端が連結され、ワイヤ２５の他端は後述するクラ
ツチ部に連結されている。

つぎに、前記ロータリ作業機２には動力伝達ケ
ース２６が設けられ、この動力伝達ケース２６の
上部には前記ミツシヨンケース４からの動力を入
力する入力軸２７の一端が突出され、動力伝達ケ
ース２６の下部にはロータリ軸２８の一端が突出
されている。さらに、動力伝達ケース２６内に
は、入力軸２７と同一軸心上に位置するスプロケ
ツト２９とロータリ軸２８に外嵌されたスプロケ
ツト３０とが収納され、スプロケツト２９，３０
間にはチエーン３１が巻回されている。また、入
力軸２７には軸心方向スライド自在にスライドギ
ヤ３２がスプライン嵌合され、前記スプロケツト
２９にはこのスライドギヤ３２が選択的に噛み合
う内歯３３が形成されている。前記動力伝達ケー
ス２０の内周面には板ばね状のアーム３４の一端
が固定され、アーム３５の他端は前記スライドギ
ヤ３３の溝部３６に係合してスライドギヤ３３を
スプロケツト２９方向に付勢している。これらの
スプロケツト２９，スライドギヤ３２、アーム３
４によつてロータリ作業機２への動力伝達を断続
するクラツチ部３６が構成され、前記ワイヤ２５
の他端がクラツチ部３６の一部であるアーム３４
の自由端に連結されている。

このような構成において、ロータリ作業機２を
連結した一輪式移動農機１を圃場の端部において
旋回させる場合には、レバー１９を握ることによ
りワイヤ１８を介してピン１５を引つ張り、ピン
１５と穴２１との係合状態を解除する。これによ
り棒状ハンドル１１はパイプ１０の軸心回りに上
下方向回動自在となる。そこで、棒状ハンドル１
１を下方に最下位置まで回動させ、レバー１９か
ら手を離してピン１５を突出させ、ピン１５を対
向する穴２１に係合させて棒状ハンドル１１を固
定する。このようにして、棒状ハンドル１１を低
い位置に固定した後に棒状ハンドル１１を上方に
持ち上げ、一輪式移動農機１を走行部３を支点と
して前傾させ、ロータリ作業機２を地面から離反
させて一輪式移動農機１を旋回させる。

つぎに、棒状ハンドル１１を最下位置まで回動
させた際に、円弧状プレート２０も一体的に下方
に回動してその下端部がピン２３に干渉し、ピン
２３を下方にスライドさせる。ピン２３のスライ
ドに伴いワイヤ２５を介してアーム３４が矢印Ａ
方向引つ張られ、スライドギヤ３２も矢印Ａ方向
にスライドしてスライドギヤ３２と内歯３３との
噛み合いが解除される。これにより、ロータリ作
業機２への動力伝達が遮断され、旋回時において
はロータリ作業機２の回転が停止される。したが
つて、一輪式移動農機１の旋回時においてロータ
リ作業機２の回転を特別な操作を行なうことなく
停止させることができ、操作上の煩雑さが解除さ
れる。また、土や石が作業者側に飛散することも
なく、さらに、旋回時における安全性が確保され
る。

旋回後においては、棒状ハンドル１１を通常の
ハンドル高さに戻すべく上方に回動させる。この
上方への回動操作により、円弧状プレート２０も
一体的に上方に回動し、円弧状プレート２０の下
端部がピン２３から離反する。このため、アーム
３４を矢印Ａ方向に引つ張つていた付勢力が解除
され、アーム３４の付勢力によつてスライドギヤ
３２がスプロケツト２９方向にスライドし、スラ
イドギヤ３２が内歯３３に噛み合つてロータリ作
業機２への動力伝達が再開される。

なお、本実施例においては、棒状ハンドル１１
を最下位置に回動操作したときにロータリ作業機
２への動力伝達が中断されるものについて説明し
たが、棒状ハンドル１１を最上位置に回動操作し
たときにロータリ作業機２への動力伝達が中断さ
れる構造としてもよいものである。すなわち、棒
状ハンドル１１を一輪式移動農機１前方にターン
させて作業を行なう場合における旋回時には、棒
状ハンドル１１を最上位置に回動させ、ついで、
棒状ハンドル１１を下方に押し下げてロータリ作
業機２を地面から離反させるものである。したが
つて、ピン２３等の配置を本実施例に対して上下
逆向きとすることにより、棒状ハンドル１１を最
上位置に回動操作したときに円弧上プレート２０
の上端部がピン２３に干渉してクラツチ部３６を
動力伝達中断状態に切り換え、旋回時におけるロ
ータリ作業機２の回転を停止させる。

考案の効果 この考案は上述のように、前又は後にロータリ
作業機が連結された一輪式移動農機において、こ
の一輪式移動農機に棒状ハンドルを上下方向回動
自在及び任意位置固定自在に設け、前記棒状ハン
ドルにこの棒状ハンドルと一体に上下回動する作
動体を連結し、前記ロータリ作業機への動力伝達
を断続するクラツチ部を設け、ワイヤを介して前
記クラツチ部に連結されるとともに前記棒状ハン
ドルを最上位置または最下位置に位置させた際に
前記作動体に押圧されて前記クラツチ部を動力伝
達中断状態に切り換える位置に移動させるクラツ
チ断続部材を設けたので、ロータリ作業機を一輪
式移動農機の前に連結した場合には、棒状ハンド
ルを最上位置に位置させることによりロータリ作
業機を地面から浮かすことが簡単にでき、また、
ロータリ作業機を一輪式移動農機の後に連結した
場合には、棒状ハンドルを最下位置に位置させる
ことによりロータリ作業機を地面から浮かすこと
が簡単にできるものであるが、このようにロータ
リ作業機を地面から浮かせるために棒状ハンドル
の位置を変えた時に、棒状ハンドルと一体に設け
られた作動体がクラツチ断続部材を押圧してクラ
ツチ部の動力伝達を中断状態にすることができ、
これにより、特別な操作を伴うことなくロータリ
作業機を停止させて安全に一輪式移動農機の旋回
を行なうことができると云う効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は縦断側面図、第２図はその一部を示す縦断側
面図、第３図はロータリ作業機のクラツチ部を示
す断面図、第４図はその一部を示す側面図、第５
図は一輪式移動農機とロータリ作業機との全体を
示す側面図である。 １……一輪式移動農機、２……ロータリ作業
機、１１……棒状ハンドル、２０……円弧状プレ
ート（作動体）、２３……ピン（クラツチ断続部
材）、２５……ワイヤ、３６……クラツチ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前又は後にロータリ作業機が連結された一輪式
   移動農機において、この一輪式移動農機に棒状ハ
   ンドルを上下方向回動自在及び任意位置固定自在
   に設け、前記棒状ハンドルにこの棒状ハンドルと
   一体に上下回動する作動体を連結し、前記ロータ
   リ作業機への動力伝達を断続するクラツチ部を設
   け、ワイヤを介して前記クラツチ部に連結される
   とともに前記棒状ハンドルを最上位置または最下
   位置に位置させた際に前記作動体に押圧されて前
   記クラツチ部を動力伝達中断状態に切り換える位
   置に移動させるクラツチ断続部材を設けたことを
   特徴とする一輪式移動農機のロータリ停止装置。