JPS5927696Y2 - トラクタ−における動力取出軸自動停止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、トラクターにおいて、作業機が上昇した際、
動力取出軸への動力伝達を断つことにより、作業機のロ
ータリ刃の回転による危険を防止すると共に、動力の無
駄を省いた動力取出軸自動停止装置に関する。

従来、リフトアームをリンク及びアームにより動力取出
クラッチのレリーズフォークに連結した動力取出軸自動
停止装置は提案されている。

しかし、この自動停止装置は、手動及び自動の切換えが
不可能であり、このため油圧作動装置で昇降する作業機
のみにしか使用できず、ヘイベーラ等の手動による動力
取出軸の断続を必要とする作業機には使用できなかった
。

そこで、本考案は、リフトアームに連動して回動するカ
ムを設け、また該カムに隣接して手動により操作される
カムを設け、リフトアームに連動しているカムにより作
業機の上昇に伴なって動力取出クラッチを自動停止し得
るようにすると共に、手動操作用のカムにより該自動停
止を解除し、手動により動力取出クラッチを操作し得る
ように構成し、もって前述欠点を解消したトラクターに
おける動力取出軸自動停止装置を提供することを目的と
するものである。

以下、図面に示す実施例に基づき、本考案を詳細に説明
する。

トラクター１は、第１図に示すように、機体２の前部に
エンジン３が搭載され、中程から後部にかけてステアリ
ング５及びシート６等よりなる運転席７が配設されてい
る。

運転席７の下方にはミッション８が配設されて釦り、エ
ンジン３の動力を後輪１０に変速して伝達すると共に、
動力取出クラッチ１１を介して動力取出軸１２にも伝達
している。

ミッション８の上部にはピストン及びシリンダーよりな
る油圧作動装置１３が配置されており、該油圧作動装置
１３はその両端が油圧ケースより突出しているリフトフ
ォーク軸１５を有している。

フォーク軸１５にはスプラインによりリフトアーム１６
が固定されて訃り、アーム１６先端はリフトロッド１７
を介して牽引リンク１８に連結している。

また、リフトアーム１６のボス部は、第２図に詳示する
ように、突起部Ａを有するカム２０となっている。

一方、カム２０に隣接して支点ピン２１ｃにより回動自
在にアーム２１が設けられており、アーム２１の一端２
１ａはカム２０に接触している。

捷た、アーム２１の他端２１ｂにはロッド２２が連結し
ており、更にロッド２２は自動停止用のカム２３に固定
されているレバー２５に連結している。

カム２３は軸２６に回動自在に、かつボルト２７により
抜止めされており、その外形は円筒形の２箇所を切欠い
て扇状になっている。

即ち、該カム２３の外形は頂部ｅを挾んで低位部ａ、ｂ
が形成されてなる。

また、軸２６には同様に扇状の外形を有するカム２８が
遊嵌されており、カム２８には手動用の操作レバー２９
が固定されている。

即ち、該手動操作用カム２８の外形は頂部ｆを挾んで低
位部ｃｔｄが形成されてなる。

更に、自動停止用カム２３の一側面には扇形の切欠凹部
２３ａが形成されており、また手動操作用カム２８の一
側面には切欠凹部２３ａに係合するように突起２８ａが
設けられている。

カム２３．２８はレリーズフォーク軸３０に固定されて
いるレバー３１に接触しており、フォーク軸３０は□ツ
ション８内に延びている。

フォーク軸３０はミッションＢ内でレリーズフォーク３
２が固定されており、フォーク３２は動力取出クラッチ
１１を操作し得る６ 本考案は以上のような構成を有するので、トラクター１
の回向時等には、油圧作動装置１３を操作レバーにより
操作し、リフトフォーク軸１５を介してリフトアーム１
６を回動し、作業機を上昇させる。

同時に、カム２０もリフトアーム１６と一体に回動し、
リフトアーム１６が所定高さまで上昇すると、その突起
部Ａがアーム２１の一端２１ａを押動し、アーム２８は
反時計方向に回動する。

これにより、ロッド２２及びレバー２５をしてカム２３
が回動し、更にカム２３がその一方の低位部ａをレバー
３１に臨ませている状態から頂部ｅをレバー３１に当接
してレバー３１を押動することにより、レリーズフォー
ク軸３０が回動する。

フォーク軸３０はそれと一体のレリーズフォーク３２を
回動して動力取出クラッチ１１を切方向に操作し、動力
取出軸１２への動力伝達は遮断される。

また反対に、油圧作動装置１３によりリフトアーム１６
を介して作業機を下降させると、カム２０，２３により
前述とは逆方向にレリーズフォーク軸３０が回動し得、
動力取出クラッチ１１を入方向に操作し、従って動力取
出軸１２への動力伝達は接続される。

な釦この際、操作レバー２９は自動位置にあるため、手
動操作用カム２８はレリーズフォーク軸３０のレバー３
１にその一方の低位部Ｃが臨むような位置にあり、かつ
切欠凹部２３ａは突起２８ａに当接することなく、カム
２３は自由に回動し得る。

今、操作レバー２９を矢印Ｅ方向に回動してカム２８を
切位置に操作すると、該手動操作用カム２８がその一方
の低位部Ｃをレバー３１に臨ませている状態から頂部ｆ
をレバー３１に当接して該レバー３１を押動し、前述同
様に動力取出クラッチ１１を切方向に操作する。

この際、作業機が下降してカム２３の一方の低位部ａが
レバー３１に面しても、カム２８によりレバー３１の動
きは制限されているので、動力取出クラッチ１１が接続
することはなく、動力取出軸１２に回転は伝わらない。

更に、操作レバー２９を矢印Ｅ方向に犬きく回動して接
続位置に操作すると、カム２８の他方の低位部ｄがレバ
ー３１に接し、レバー３１は時計方向に回動して、レリ
ーズフォーク軸３０及びレリーズフォーク３２を介して
動力取出クラッチ１１は入方向に操作され、従って動力
取出軸１２は回転する。

この際、カム２８の突起２８ａがカム２３の切欠凹部２
３ａの端に接触するのでカム２３もカム２８と一体に回
動し、他方の低位部すがレバー３１に面することにより
、レバー３１の時計方向の回動を阻害しない。

なお、このカム２３０回動により、レバー２５及びロッ
ド２２を介してアーム２１は反時計方向に回動し、リフ
トアーム１６の上昇回動によっても、カム２０の突起Ａ
がアーム２１に接することはない。

また、操作レバー２９を矢印Ｅ方向とは反対に回動し、
元の位置に戻すと、カム２８は一方の低位部Ｃがレバー
３１に而し、手動は解除され、自動に切換わる。

以上説明したように、本考案によれば、手動及び自動の
切換えが可能であるので、ロータリ作業機のように動力
取出軸１２を動力源として油圧作動装置で昇降する作業
機ばかりでなく、油圧作動装置を用いないヘイベーラ、
フオーレージノ・−ベスタ或いはマニアスプレツタ等の
作業機にも使用することができ、作業機の使用範囲を拡
大することができる。

また、一本の手動用の操作レバー２９により、自動停止
の解除及び手動による操作ができるので、操作が簡単で
あり、誤操作の虞れがない。

更に、同形状からなる自動停止用カム２３及び手動操作
用カム２８からなるので、作動が確実で誤作動を生じる
ことがなく、かつ構造が簡単で保守が極めて容易となる
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が適用されているトラクターの側面図、
第２図は本考案による動力取出軸自動停止装置の分解斜
視図である。 １・・・・・・トラクター、１１・・・・・・動力取出
クラッチ、１３・・・・・・油圧作動装置、１６・・・
・・・リフトアーム、２３・・・・・・自動停止用のカ
ム、２８・・・・・・手動操作用のカム、ａ、ｂ、ｃ、
ｄ・・・・・・低位部、ｅ、ｆ・・・・・・頂部、３１
・・・・・・レバー、３２・・・・・・レリーズフォー
ク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 油圧作動装置によるリフトアームの回動により作業機を
   昇降すると共に、動力取出クラッチを介して作業機に動
   力伝達するトラクターに釦いて、リフトアームに連動し
   て回動し得る自動停止用のカムを設け、また該カムに隣
   接してかつ該カムと所定量の遊びを有して一体に回動し
   得る手動操作用のカムを設け、更にこれら両カムを、そ
   れぞれ頂部を挾んで２個の低位部を有する同形状にて形
   成すると共に、動力取出クラッチのレリーズフォークに
   連動しているレバーに当接し得るように臨んで配置し、
   手動操作用カムの一方の低位部がレバーに臨む自動位置
   にある場合、前記所定量の遊びに基づき自動停止用ガム
   の回動を許容して該カムの頂部によりレバーを回動して
   作業機の上昇に伴なって動力取出クラッチを自動停止し
   、また手動操作用カムの頂部がレバーに当接・回動する
   切位置にある場合、自動停止用カムにかかわりなく動力
   取出クラッチを切断し、更に手動操作用カムの他方の低
   位部がレバーに臨む接続位置にある場合、自動停止用カ
   ムを連動して回動し、自動停止用カムとリフトアームの
   連動を解除すると共に該自動停止用カムの他方の低位部
   をレバーに臨ませて動力取出クラッチを接続位置に保持
   するように構成した動力取出軸自動停止装置。