JPH04335619A - 光ソリトン伝送方法 - Google Patents

光ソリトン伝送方法

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JPH04335619A
JPH04335619A JP3107616A JP10761691A JPH04335619A JP H04335619 A JPH04335619 A JP H04335619A JP 3107616 A JP3107616 A JP 3107616A JP 10761691 A JP10761691 A JP 10761691A JP H04335619 A JPH04335619 A JP H04335619A
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soliton
dispersion
pulse
transmission
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Hirokazu Kubota
寛和 久保田
Masataka Nakazawa
正隆 中沢
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ソリトンの伝送方法
に係り、特に光ソリトン伝送路中の光伝送損失による光
ソリトンパルスの周波数変調を補償することにより、長
距離、超高速大容量光通信を経済的に行うことができる
光ソリトン伝送方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】大容量の光通信を行なう場合には、通信
に用いる光パルスのパルス幅を狭くして伝送容量をアッ
プする必要があるが、通常のシリカ(石英)系単一モー
ド光ファイバは、1.32μmの波長帯域付近に零分散
領域が存在する群速度分散特性と光損失波長特性を有す
るために、線形的な光パルスを用いると光ファイバ中に
存在する群速度分散の効果により前記光パルスのパルス
幅が広がり、その広がりの度合いはパルス幅が狭いほど
顕著となる。現状の技術では、伝送容量をこれ以上アッ
プすることが難しく光通信の大容量化には限界がある。
【0003】光パルスの伝送容量をアップするには、群
速度分散の効果による波形の広がりや高次分散による波
形ひずみを克服しなければならないが、Hasegaw
aとTappertは、1973年に光ファイバ中での
群速度分散と自己位相変調効果とを釣り合わせることに
より光ソリトン伝送が可能になることを理論的に示した
(参考文献1:A.Hasegawa and F.T
appert,Appl.Phys.Lett.23(
1973) 142.)。
【0004】光ファイバの異常分散波長域において形成
される光ソリトンは、群速度分散による広がりと非線形
光学効果(光カー効果)による圧縮が釣り合うことによ
り、光ファイバによる伝送損失(光損失)がない場合に
は、この光ファイバ中を波形を変えずに伝搬するという
特徴がある。このため、光ソリトンを用いた伝送方法は
、長距離、大容量の光通信を実現するうえで非常に有望
視されている方法である。
【0005】しかしながら、実用化されている光ファイ
バには、わずかな光損失(波長1.55μm帯で0.2
2dB/km、1km先で約5%光が弱まる)が存在す
るために、光ソリトンといえども光パルスの振幅が減少
し、それにつれてパルス幅の広がりを生じ、波形が変化
することとなる。
【0006】従来、この光損失による光ソリトンの波形
の変化を補償するために、誘導ラマン散乱を用いて光伝
送路中に分布定数的に増幅作用を持たせ、等価的に無損
失の光伝送路を作り、光ソリトンを伝搬させる方法が既
に提案されている(参考文献2:A.Hasegawa
,Appl.Opt.23,P.3302 (1984
).  参考文献3:L.F.Mollenauer,
J.P.Gordon,and M.N.Islam,
IEEE J.Quantum Electron.Q
E22,p.157 (1986).)。
【0007】この方法は、理想的な光ソリトン伝送路を
提供することができるため、特に長距離の伝搬に適して
いる光伝送方法である。
【0008】また、光伝送路には増幅作用を持たせず、
この光伝送路中に、ある間隔をおいて光増幅器を挿入し
、集中定数的に光ファイバの損失を補償する方法により
長距離にわたって光ソリトンを伝搬させる方法が提案さ
れている(参考文献4:久保田、中沢、鈴木,特願平1
−68619号公報、参考文献5:H.Kubota 
andM.Nakazawa,IEEE J.Quan
tum Electron.QE26,p.692 (
1990).)。
【0009】この方法は、増幅作用を持つ領域を局在化
でき、また構成が簡単であるために、実現性が極めて高
い光伝送方法である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の誘導
ラマン散乱を用いる光ソリトン伝送方法は、理想的な光
ソリトン伝送路を提供することができるため長距離の光
ソリトンパルスの伝搬に適しているものの、システム全
体の構成が複雑になることと、さらに、光伝送路全体に
わたって一様な増幅利得を持たせることが困難であるこ
とから、任意の場所において無損失の光ソリトン伝送路
を得ることができないという欠点があった。また、誘導
ラマン散乱の利得が比較的小さいことも欠点となる。
【0011】また、光増幅器を用いる光ソリトン伝送方
法は、増幅作用を持つ領域を局在化でき、システム全体
の構成が簡単になるために実現性が極めて高いものの、
高強度の光ソリトンの非線形パルスとしての波形の変化
を積極的に利用しているために光ファイバの光損失によ
り光ソリトンパルスの強度が減少することから、光伝送
路の中継距離に制限があり、該光伝送路中の光増幅器の
間隔を50km程度までしか採ることが出来ず、光増幅
器の設置間隔をさらに延長することが極めて困難であっ
た。
【0012】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、従来では光ソリトンパルスの強度の低下を補
償する点にのみ着目していたものを、周波数変調(位相
変化)を補償する点にも着目し、単一モード光ファイバ
と逆の符号の群速度分散を有する光分散補償器を用いて
光ソリトン伝送路中の光伝送損失による光ソリトンパル
スの周波数変調を補償することにより、光ソリトンの伝
送距離もしくは光ソリトン伝送における光中継増幅器の
設置間隔を延長し、長距離、超高速大容量光通信を経済
的に行うことができる光ソリトン伝送方法を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次の様な光ソリトン伝送方法を採用した。
【0014】すなわち、本発明の請求項1記載の光ソリ
トン伝送方法としては、単一モード光ファイバの負の群
速度分散の波長領域で形成される光ソリトンを用いる光
ソリトン伝送方法において、光ソリトン伝送用光ファイ
バに光伝送損失がある場合に、前記単一モード光ファイ
バと逆の符号の群速度分散を有する光分散補償器を用い
て、前記光伝送損失による光ソリトンパルスの周波数変
調を補償することに特徴がある。
【0015】また、請求項2記載の光ソリトン伝送方法
としては、請求項1記載の光ソリトン伝送方法において
、前記光分散補償器により周波数変調を補償した後の光
ソリトンパルスを光増幅器を用いて増幅し、該光ソリト
ンパルスの受光感度を改善することに特徴がある。
【0016】また、請求項3記載の光ソリトン伝送方法
としては、単一モード光ファイバの負の群速度分散の波
長領域で形成される光ソリトンを用いる光ソリトン伝送
方法において、光ソリトン伝送用光ファイバに光伝送損
失がある場合に、前記単一モード光ファイバと逆の符号
の群速度分散を有する光分散補償手段と、光増幅手段と
を具備する光中継器を1段以上用いて、前記光伝送損失
による光ソリトンパルスの周波数変調を補償するととも
に該光ソリトンパルスを増幅し、該光ソリトンパルスの
強度を回復させることに特徴がある。
【0017】
【作用】本発明の請求項1記載の光ソリトン伝送方法で
は、伝搬の初めの部分では光ソリトンの効果を利用し、
さらに、伝送用光ファイバの光伝送損失により光ソリト
ンパルスの強度が減少した後は線形的なパルスとして伝
搬させる。そして、光ソリトン伝送中にその線形的な部
分で生じた群速度分散による光ソリトンパルスの周波数
変調及びパルス幅の広がりを、前記単一モード光ファイ
バと逆の符号の群速度分散を有する光分散補償器を用い
て補償することにより、伝搬中の光ソリトンパルスのパ
ルス幅の広がりを許容して該光ソリトンパルスの無中継
伝送可能な距離(光信号を電気信号に戻すことなく伝送
できる距離)を延長し、光ソリトン伝送における光中継
増幅器の設置間隔を延長する。
【0018】また、請求項2記載の光ソリトン伝送方法
では、請求項1記載の光ソリトン伝送方法において、前
記光分散補償器により周波数変調を補償した後の光ソリ
トンパルスを光増幅器を用いて増幅することにより、該
光ソリトンパルスの受光感度を改善し、該光ソリトンパ
ルスの無中継伝送可能な距離を更に延長し、光ソリトン
伝送における光中継増幅器の設置間隔を延長する。
【0019】また、請求項3記載の光ソリトン伝送方法
では、前記単一モード光ファイバと逆の符号の群速度分
散を有する光分散補償手段と、光増幅手段とを具備する
光中継器を1段以上用いて、前記光伝送損失による光ソ
リトンパルスの周波数変調を補償するとともに該光ソリ
トンパルスを増幅することにより、該光ソリトンパルス
の強度を回復させ、該光ソリトンパルスの無中継伝送可
能な距離を更に延長し、長距離の多中継光ソリトン伝送
を可能にする。
【0020】
【実施例】以下、本発明の各実施態様について図を参照
して説明する。
【0021】図1は、本発明の請求項1記載の光ソリト
ン伝送方法の一実施例である光ソリトン伝送システムS
の構成を示す概略図であり、図2(a)〜(c)は、図
1中の光伝送路のA〜Cの各部分における光ソリトンパ
ルスの波形の概略を示す図である。
【0022】図1において、1は光ソリトン発生器、2
は光ソリトン伝送用光ファイバ(光ファイバ)、3は光
分散補償器、4は受光器である。
【0023】光ソリトン発生器1は、1.55μmの波
長帯域の光ソリトンパルスを発生させるもので、例えば
、モード同期Fセンタレーザと偏波保持単一モードファ
イバとから構成されるソリトンレーザが好適に用いられ
る。
【0024】光ファイバ2は、例えば、1.32μmの
波長帯域付近に零分散領域が存在する群速度分散特性と
光損失波長特性を有するシリカ系単一モード光ファイバ
である。
【0025】光分散補償器3は、前記光ファイバ2と逆
の符号の群速度分散を有し、光ソリトン伝送中にその線
形的な部分で生じた群速度分散による光ソリトンパルス
の周波数変調及びパルス幅の広がりを補償するものであ
る。
【0026】この光分散補償器3としては、例えば、使
用される光ソリトンパルスの波長帯域が1.5μmの場
合では零分散波長を1.5μmよりも長波長側にずらし
たシリカ系の分散シフトファイバ(正の群速度分散を有
する)、GT干渉計、ファブリ・ペロー共振器、または
、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)やルチル型二酸化
チタン(TiO2;別名「チタニア」)、二酸化テルル
(TeO2)等の結晶、あるいはそれらを用いた光ファ
イバや光導波路等が好適に用いられる。
【0027】受光器4は、光分散補償器3により補償さ
れた光ソリトンパルスを受光しこれを電気信号に変換す
るもので、例えば、アバランシェホトダイオード(AP
D)等が好適に用いられる。
【0028】次に、この光ソリトン伝送システムSの動
作について説明する。
【0029】まず、電気信号を光ソリトン発生器1によ
り光ソリトンパルスに変換し、該光ソリトンパルスを光
ファイバ2中に入射し該光ファイバ2中を伝搬させる。
【0030】光ソリトンパルスは、光ファイバ2に入射
した当初は高強度かつ狭小な波形を示している(図2(
a))が、該光ファイバ2中を伝搬する間に該光ファイ
バ2の光損失により強度が減少しかつ非線形性が弱まり
、また、光ファイバ2の有する負の群速度分散によりパ
ルス幅が広がるとともに、周波数変調(チャーピング)
を有するようになる(図2(b))。
【0031】この状態では、隣接する光ソリトンパルス
同士が互いに重なり合うようになるために、個々の信号
を検出することが不可能になる。
【0032】これらの変形した光ソリトンパルスは、光
分散補償器3を通過することによりパルス幅が回復され
周波数変調も補償される(図2(c))。この光ソリト
ンパルスは、強度こそ低下(本例では1/100以下)
しているものの、波形は入射当初と同一(相似形)であ
る。これより、互いに重なり合っていた光ソリトンパル
スは明瞭に分離され、再び信号を検出することが可能に
なる。
【0033】パルス幅が回復した光ソリトンパルスは、
受光器4により再び電気信号に変換され、信号として取
り出される。
【0034】図3は、上記実施例の光ソリトン伝送シス
テムSにおける光ソリトンパルスの分散補償の効果を確
認するために、計算機を用いてシミュレーシュン解析を
行った結果の一例を示すものである。
【0035】この図では、光分散補償器の分散補償量(
ps/nm)をパラメーターとした場合の光ソリトンパ
ルスの波形の変化の様子を示している。
【0036】ここでは、光ソリトンパルスの半値幅τF
WHMを10ps、波長を1.55μm、光ファイバの
長さを100km、光伝送損失を0.24dB/km、
群速度分散を−2.0ps/km/nmと仮定した。
【0037】また、図中の破線は、参考のために、入力
する無歪の光ソリトンパルスの波形を示したものである
。上述したとおり伝搬の前後でパルス強度が100倍以
上異なるために縮小して示してある。
【0038】この結果から、分散補償しない光パルス(
分散補償量が0ps/nmの場合)ではパルス幅が広が
り波高も低くなっているが、分散補償量を増大させるに
したがってパルス幅が狭小になり、分散補償量が160
ps/nmでは入力光ソリトンパルスとほぼ同一形状の
波形にまで回復していることがわかる。また、分散補償
量を180ps/nm以上とした場合では逆に波形が崩
れてしまっており、分散補償量がある値を越えると分散
補償ができなくなることがわかる。
【0039】図4は、本発明の効果を確認するために行
った計算機によるシミュレーシュン解析の結果の他の一
例を示すものであって、光ソリトンパルスのパルス幅と
分散補償量との関係を示す図である。
【0040】図中、横軸は分散補償量(ps/nm)、
縦軸はパルス幅(ps)である。
【0041】ここでは、光ソリトンパルスの半値幅τF
WHMを10ps、波長を1.55μm、光ファイバの
光伝送損失を0.24dB/km、群速度分散を−2.
0ps/km/nmとし、光ファイバの長さ(Z)につ
いては、60、80、100kmの3種類の場合を仮定
した。
【0042】この結果から、光ファイバの長さ(伝送距
離)が異なる場合でも、分散補償量を調整することによ
りパルス幅が変化した光ソリトンパルスを入力光ソリト
ンパルスとほぼ同一のパルス幅にまで回復できることが
わかる。
【0043】図5は、光ソリトンパルス対を光ファイバ
中に入射し伝搬させた場合の本発明の効果確認のための
シミュレーシュン解析の結果を示す図であって、図2に
相当するものである。
【0044】ここでは、光ソリトンパルス対のパルス間
隔を50psとし、各パルスの半値幅τFWHMを10
ps、波長を1.55μm、光ファイバの長さを100
km、光伝送損失を0.24dB/km、群速度分散を
−2.0ps/km/nmと仮定した。
【0045】この結果から、分散補償しない場合では、
光パルス同士が互いに重なり合い個々の信号を検出する
ことが不可能であるが、分散補償量が160ps/nm
では光ソリトンパルス対がきれいに分離されて個々の信
号を明瞭に識別することが可能となる。また、分散補償
量を180ps/nm以上に増加させると波形が崩れて
しまい分散補償ができなくなることがわかる。
【0046】以上説明したように、この実施例の光ソリ
トン伝送システムSによれば、光ファイバ2と逆の符号
の群速度分散を有する光分散補償器3を用いて、光伝送
損失による光ソリトンパルスの周波数変調を補償するこ
ととしたので、光ソリトンパルスが伝送中にその線形的
な部分で生じた群速度分散による光ソリトンパルスの周
波数変調及びパルス幅の広がりを補償し、伝搬中の光ソ
リトンパルスのパルス幅の広がりを許容して該光ソリト
ンパルスの無中継伝送可能な距離を延長することができ
る。したがって、光ファイバーの長さは100km以上
とすることが可能になる。
【0047】また、この光ソリトン伝送システムSでは
、光ソリトンパルスは線形なパルスと比べて高強度であ
るために伝搬後の信号対雑音比(S/N比)が優れてお
り、また、同じS/N比をとればより長距離にわたって
伝搬させることができる。さらに、部分的にでもソリト
ンの効果を保持している間は、波形の変化・周波数変調
(チャーピング)の発生量ともに線形なパルスに比べて
少ないため(理想的な光ソリトンでは波形は変化せず、
また、周波数変調の発生もない)、同じ距離伝搬した後
において必要となる光分散補償量は線形なパルスを用い
る伝搬に比べて少なくてよい。
【0048】また、この光ソリトン伝送システムSと集
中定数的な光増幅器とを組み合わせることもでき、この
組合せを用いた多中継光ソリトン伝送においては、光増
幅器の設置間隔を延長することができ、かつ、本方法を
用いない場合に比べて無中継伝送できる距離を延長する
ことが可能となる。この場合、光増幅器としては、半導
体レーザ増幅器、エルビウム(Er)ドープ光ファイバ
増幅器等が好適である。
【0049】この様に、光ソリトンの伝送距離を延長す
ることができ、長距離、超高速大容量光通信を経済的に
行うことができる光ソリトン伝送方法を提供することが
可能になる。
【0050】図6は、本発明の請求項3記載の光ソリト
ン伝送方法の一実施例である多中継光ソリトン伝送シス
テムMの構成を示す概略図である。
【0051】この多中継光ソリトン伝送システムMは、
光ファイバ2の後に光中継器5を接続し、この光中継器
5を用いて、光伝送損失による光ソリトンパルスの周波
数変調を補償するとともに光強度を増幅するという一連
の動作を複数段(N1段からNn段まで)繰り返すこと
としたものである。
【0052】この多中継光ソリトン伝送システムMにお
いては、光ソリトン発生器1、光ファイバ2、受光器4
は前記光ソリトン伝送システムSの構成要素と全く同一
であるからこれらの構成要素については説明を省略する
こととし、前記構成要素と異なる光中継器5についての
み説明する。
【0053】光中継器5は、光分散補償手段6と、光増
幅手段7とを具備するものである。
【0054】光分散補償手段6は、前記光ファイバ2と
逆の符号の群速度分散を有し、光ソリトン伝送中にその
線形的な部分で生じた群速度分散による光ソリトンパル
スの周波数変調及びパルス幅の広がりを補償するもので
ある。
【0055】この光分散補償手段6としては、前記実施
例の光分散補償器3と同様に、例えば、使用される光ソ
リトンパルスの波長帯域が1.5μmの場合では零分散
波長を1.5μmよりも長波長側にずらしたシリカ系の
分散シフトファイバ(正の群速度分散を有する)、GT
干渉計、ファブリ・ペロー共振器、または、ニオブ酸リ
チウム(LiNbO3)やルチル型二酸化チタン(Ti
O2;別名「チタニア」)、二酸化テルル(TeO2)
等の結晶、あるいはそれらを用いた光ファイバや光導波
路等が好適に用いられる。
【0056】光増幅手段7は、光ファイバ2の光伝送損
失により強度が減少した光ソリトンパルスの光強度を増
幅するもので、例えば、1.5μmの波長帯域のパルス
では、半導体レーザ増幅器、エルビウム(Er)ドープ
光ファイバ増幅器等が好適に用いられる。
【0057】前記光増幅手段7は、高度の機能が要求さ
れない場合には光増幅器の種類を限定する必要はないが
、特に、限界を追及する様な場合においては、受光感度
を改善するために受光器4の前に設ける光増幅器として
は、プリアンプ型のものが好ましく、また、大きな光ソ
リトンパルスを得るために光ファイバ2の前に設ける光
増幅器としては、メインアンプ型のものが好ましい。
【0058】次に、この多中継光ソリトン伝送システム
Mの動作について説明する。
【0059】光ソリトン発生器1により初段(N1)の
光ファイバ2中に入射された光ソリトンパルスは、光中
継器5の光分散補償手段5によりパルス幅が回復され周
波数変調も補償され、光増幅手段6により光強度が増幅
され、光ファイバ2の光損失により減少した光ソリトン
パルスの強度を回復する。
【0060】強度を回復した光ソリトンパルスは、その
後、2段目(N2)の光ファイバ2に入射し、前記と同
様に光中継器5の光分散補償手段5によりパルス幅が回
復され周波数変調も補償され、光増幅手段6により光強
度が増幅され、減少した光ソリトンパルスの強度を回復
する。
【0061】以下、各段の光中継器5により光分散補償
と光増幅が繰り返し行われ、最終段(Nn)の光ファイ
バ2に入射した後は、前記と同様にパルス幅が回復され
て周波数変調も補償され、また光強度も回復され、受光
器4により再び電気信号に変換され、信号として取り出
される。
【0062】図7は、上記実施例の多中継光ソリトン伝
送システムMにおける光ソリトンパルスの光分散補償及
び光増幅の効果を確認するために、計算機を用いてシミ
ュレーシュン解析を行った結果の一例を示すものである
【0063】図7では、入力に光ソリトンパルス対を用
い、図6の各段の光中継器5の出力側におけるパルスの
波形の変化の様子を示している。
【0064】ここでは、各光ソリトンパルスの半値幅τ
FWHMを10ps、波長を1.55μm、パルス間隔
を50ps、また、各光ファイバの長さを100km、
各々の光伝送損失を0.24dB/km、群速度分散を
−2.0ps/km/nm、分散補償量を160ps/
nmと仮定した。この分散補償量は図3の最適値と同一
である。
【0065】また、図8は、比較のために図7と同一条
件の光ソリトンパルス対を用い、従来の方法により多中
継伝送したパルスの波形を図7と同様の方法により示し
たものである。ただし、各光ファイバの長さは25km
である。
【0066】この結果から、従来の方法では伝送距離が
短く波形も著しく省化しているのに対して、本実施例の
方法では、光ソリトンパルス対がきれいに分離されて個
々の信号を明瞭に識別することが可能となり、全体とし
て2000km以上にわたって高情報伝送速度(高ビッ
トレート)できれいな光ソリトンパルス対を伝搬させる
ことが可能であることがわかる。
【0067】また、各々の光ファイバの距離(光増幅器
の設置間隔)は、本方法を用いることにより2倍以上と
なり(本例では4倍)、少ない光増幅器数で長距離の伝
送が可能な経済的な光ソリトン通信が可能である。
【0068】以上説明したように、この実施例の多中継
光ソリトン伝送システムMによれば、光ファイバ2と逆
の符号の群速度分散を有する光分散補償手段6と、光増
幅手段7とを具備する光中継器5を複数段用いて、光伝
送損失による光ソリトンパルスの周波数変調を補償する
とともに該光ソリトンパルスを増幅し、減少した光ソリ
トンパルスの強度を回復することとしたので、この光ソ
リトンパルスの無中継伝送可能な距離を更に延長するこ
とができ、光ソリトン伝送における光中継器5の設置間
隔を延長することができ、したがって、2000km以
上にわたって高情報伝送速度(高ビットレート)で多中
継光ソリトン伝送をすることが可能になる。
【0069】この様に、光ソリトン伝送における光増幅
器の設置間隔を延長することができ、長距離、超高速大
容量光通信を経済的に行うことができる光ソリトン伝送
方法を提供することが可能になる。
【0070】なお、多中継光ソリトン伝送システムMに
おいては、光分散補償器を挿入する位置は(1)光ファ
イバの出力端、(2)光増幅器の出力端のいずれでもよ
く、いずれにおいても全く同一の効果を示すことができ
る。
【0071】また、光分散補償器は独立した機器である
必要はなく、例えば、光増幅器に分散特性を持たせ光分
散補償器を兼ねる構成としてもよい。
【0072】なお、上記実施例のすべての場合において
は、入力する光ソリトンパルスの振幅を通常の場合1.
5倍程度にとり、伝送距離を延長する前記参考文献4,
5の方法を併用している。
【0073】また、光ソリトン発生器もしくは光中継器
からの出力光ソリトンパルスの強度を振幅A=1とする
ことも振幅A>1とすること(上記文献4,5)も可能
であり、振幅A>1の場合にはさらなる中継距離の延長
効果が期待できる。
【0074】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の請
求項1記載の光ソリトン伝送方法によれば、単一モード
光ファイバの負の群速度分散の波長領域で形成される光
ソリトンを用いる光ソリトン伝送方法において、光ソリ
トン伝送用光ファイバに光伝送損失がある場合に、前記
単一モード光ファイバと逆の符号の群速度分散を有する
光分散補償器を用いて、前記光伝送損失による光ソリト
ンパルスの周波数変調を補償することとしたので、この
光ソリトンパルスが伝送中にその線形的な部分で生じた
群速度分散による光ソリトンパルスの周波数変調及びパ
ルス幅の広がりを補償し、伝搬中の光ソリトンパルスの
パルス幅の広がりを許容して該光ソリトンパルスの無中
継伝送可能な距離を延長することができる。
【0075】したがって、長距離、超高速大容量光通信
を経済的に行うことができる光ソリトン伝送方法を提供
することが可能になる。
【0076】また、請求項2記載の光ソリトン伝送方法
によれば、請求項1記載の光ソリトン伝送方法において
、前記光分散補償器により周波数変調を補償した後の光
ソリトンパルスを光増幅器を用いて増幅することとした
ので、前記光ソリトンパルスの受光感度を改善すること
ができ、該光ソリトンパルスの無中継伝送可能な距離を
更に延長することができる。
【0077】したがって、光ソリトン伝送における光増
幅器の設置間隔を延長することができ、長距離、超高速
大容量光通信を経済的に行うことができる光ソリトン伝
送方法を提供することが可能になる。
【0078】また、請求項3記載の光ソリトン伝送方法
によれば、単一モード光ファイバの負の群速度分散の波
長領域で形成される光ソリトンを用いる光ソリトン伝送
方法において、光ソリトン伝送用光ファイバに光伝送損
失がある場合に、前記単一モード光ファイバと逆の符号
の群速度分散を有する光分散補償手段と、光増幅手段と
を具備する光中継器を1段以上用いて、前記光伝送損失
による光ソリトンパルスの周波数変調を補償するととも
に該光ソリトンパルスを増幅し、該光ソリトンパルスの
強度を回復させることとしたので、該光ソリトンパルス
の強度を回復させることができ、該光ソリトンパルスの
無中継伝送可能な距離を更に延長することができ、高情
報伝送速度(高ビットレート)で多中継光ソリトン伝送
をすることが可能になる。
【0079】したがって、光ソリトン伝送における光中
継器の設置間隔を延長することができ、長距離、超高速
大容量光通信を多中継で経済的に行うことができる光ソ
リトン伝送方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1記載の光ソリトン伝送方法の
一実施例の光ソリトン伝送システムSの構成を示す概略
図である。
【図2】図1中の光伝送路のA〜Cの各部分における光
ソリトンパルスの波形の概略を示す図である。
【図3】本発明の一実施例の光ソリトン伝送システムS
の分散補償量と光ソリトンパルス波形との関係を示す図
である。
【図4】本発明の一実施例の光ソリトン伝送システムS
の光ソリトンパルスのパルス幅と分散補償量との関係を
示す図である。
【図5】本発明の一実施例の光ソリトン伝送システムS
の分散補償量と光ソリトンパルス対の波形との関係を示
す図である。
【図6】本発明の請求項3記載の光ソリトン伝送方法の
一実施例の多中継光ソリトン伝送システムMの構成を示
す概略図である。
【図7】本発明の一実施例の多中継光ソリトン伝送シス
テムMの各段の光増幅器の出力側におけるパルスの波形
の変化の様子を示す図である。
【図8】従来の多中継光ソリトン伝送システムの各段の
光増幅器の出力側におけるパルスの波形の変化の様子を
示す図である。
【符号の説明】
S  光ソリトン伝送システム 1  光ソリトン発生器 2  光ソリトン伝送用光ファイバ(光ファイバ)3 
 光分散補償器 4  受光器 M  多中継光ソリトン伝送システム 5  光中継器 6  光分散補償手段 7  光増幅手段 N1〜Nn  段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  単一モード光ファイバの負の群速度分
    散の波長領域で形成される光ソリトンを用いる光ソリト
    ン伝送方法において、光ソリトン伝送用光ファイバに光
    伝送損失がある場合に、前記単一モード光ファイバと逆
    の符号の群速度分散を有する光分散補償器を用いて、前
    記光伝送損失による光ソリトンパルスの周波数変調を補
    償することを特徴とする光ソリトン伝送方法。
  2. 【請求項2】  請求項1記載の光ソリトン伝送方法に
    おいて、前記光分散補償器により周波数変調を補償した
    後の光ソリトンパルスを光増幅器を用いて増幅すること
    を特徴とする光ソリトン伝送方法。
  3. 【請求項3】  単一モード光ファイバの負の群速度分
    散の波長領域で形成される光ソリトンを用いる光ソリト
    ン伝送方法において、光ソリトン伝送用光ファイバに光
    伝送損失がある場合に、前記単一モード光ファイバと逆
    の符号の群速度分散を有する光分散補償手段と、光増幅
    手段とを具備する光中継器を1段以上用いて、前記光伝
    送損失による光ソリトンパルスの周波数変調を補償する
    とともに該光ソリトンパルスを増幅することを特徴とす
    る光ソリトン伝送方法。
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