JPH04333835A - 波長変換素子 - Google Patents

波長変換素子

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JPH04333835A
JPH04333835A JP13361691A JP13361691A JPH04333835A JP H04333835 A JPH04333835 A JP H04333835A JP 13361691 A JP13361691 A JP 13361691A JP 13361691 A JP13361691 A JP 13361691A JP H04333835 A JPH04333835 A JP H04333835A
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JP
Japan
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light
waveguide
wavelength
short
waveguides
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JP13361691A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Fukuda
浩章 福田
Hiroyoshi Funato
広義 船戸
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非線形光学媒質を用い
て光ビームの波長をより短波長のものに変換する波長変
換素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザ光の波長を非線形光学媒質
を用いてより短波長のものに波長変換する波長変換素子
として第2高調波発生(SHG)素子が知られており、
例えば特開昭63−44781号には、薄膜導波路型の
SHG素子が開示されている。
【0003】図8はこの種の薄膜導波路型のSHG素子
の構成図であり、このSHG素子では、例えばLiNb
O3の非線形光学結晶材料からなる基板101上にTi
を拡散して導波路102が形成され、さらにこの導波路
102の上面には所定のピッチで回折格子103が形成
されている。このような構成のSHG素子では、レーザ
光源からの波長λのレーザ光を基本波光BMとして導波
路102の一方の側から入射させると、導波路102の
他方の側から基本波光の半分の波長(λ/2)の第2高
調波光(SHG光)を出射させることができる。この際
、導波路102の上面に設けられている回折格子103
は、導波路102中での基本波光の屈折率とSHG光の
屈折率との差を相殺する機能を有し、回折格子103に
よって基本波光とSHG光との位相を整合させ、SHG
光の変換効率を高めることができる。なお、このために
は、回折格子103のピッチを導波路102に入射する
基本波光の波長と同じに設定し、ブラック条件を満足さ
せておく必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、SHG素子
等の波長変換素子は、短波長光を出射可能であるので、
光ディスク等の大容量化に適しており、このため光ディ
スク装置やレーザプリンタ装置などへの適用が要望され
ているが、光ディスク装置等に波長変換素子を適用する
場合には、光ディスク装置等の小型化に支障がないこと
と、短波長光を変調できること,すなわちON/OFF
できることとが不可欠となる。光ディスク装置等の小型
化は、波長変換素子のレーザ光源にガスレーザではなく
、小型化に適した半導体レーザを使用し、またガスレー
ザに比べて低出力の半導体レーザをレーザ光源として用
いたときにも高い変換効率を期待できる上述のような導
波路型のものとして波長変換素子を構成することにより
、ある程度達成できる。
【0005】しかしながら、従来では、短波長光を変調
して出力することは難かしく、このため、短波長光を効
率良く出射できると同時に光変調をも行なうことの可能
な光ディスク装置等に適した波長変換素子を実現するこ
とは極めて困難であった。すなわち、短波長光を変調す
るのに、例えば、半導体レーザ自体を変調しようとする
と、基本波光の波長が安定せず、この場合には、短波長
光を効率良く出射できなくなる場合があった。
【0006】本発明は、短波長光を効率良く出射できる
と同時に光変調をも行なうことの可能な光ディスク装置
等に適した波長変換素子を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、非線形光学媒質からなる複数本の導波路を
基板に有し、前記複数本の導波路において少なくとも1
本の導波路には基本波光を入射させ、また複数本の導波
路間の光結合領域となるべき部分には可変電位差が印加
されるように構成されており、複数本の導波路のうちの
少なくとも1本の導波路には、該基本波光に基づき短波
長光を生成する短波長光生成部または発生した短波長光
を消滅させる短波長光消滅部が設けられていることを特
徴としている。
【0008】前記複数本の導波路は、LiTaO3の非
線形光学媒質により形成されていることを特徴としてい
る。
【0009】また、前記短波長光生成部は、基本波光と
これに基づき発生する短波長光との位相を整合させる位
相整合部により構成されていることを特徴としている。
【0010】また、前記複数本の導波路は、LiNbO
3の非線形光学媒質により、またはMgOがドープされ
たLiNbO3の非線形光学媒質により形成されている
ことを特徴としている。
【0011】また、前記短波長光消滅部は、基本波光に
基づき発生した短波長光を吸収するクラッディング金属
層から構成されていることを特徴としている。
【0012】また、前記複数本の導波路には、プロトン
交換光導波路が用いられており、この場合に、複数本の
導波路のうちの少なくとも1本の導波路には、短波長光
消滅部が設けられていることを特徴としている。
【0013】
【作用】複数本の導波路において、基本波光が光結合領
域に達する時点で短波長光が効率良く生成されない場合
には、少なくとも1本の導波路に短波長光生成部を形成
しておく。この場合には、少なくとも1本の導波路を伝
搬する基本波光は、光結合部分の電位差が例えば“0”
のときにはこの導波路に近接して配置された他の導波路
に移行し、電位差が所定値以外のときには移行せず、元
の導波路を伝搬する。従って、元の導波路または他の導
波路の光出射側に短波長光生成部を形成しておけば、電
位差を変化させることで、短波長光を変調することがで
きる。すなわち、例えば、他の導波路の光出射側に短波
長光生成部が形成されている場合、電位差が“0”のと
きには基本波光を他の導波路に移行させ、それに形成さ
れている短波長光生成部から短波長光を出射させること
ができ、電位差が所定値以外のときには基本波光の移行
が起きないので短波長光は出射されない。従って、電位
差を変化させて、素子からの短波長光の出射をON/O
FF制御することができる。
【0014】また、複数本の導波路において、基本波光
が光結合領域に達する時点で短波長光が効率良く生成さ
れる場合には、少なくとも1本の導波路に短波長光消滅
部を形成しておく。この場合には、少なくとも1本の導
波路を伝搬する短波長光は、光結合部分の電位差が例え
ば“0”のときに他の導波路に移行し、電位差が所定値
以上のときには移行せず、元の導波路を伝搬する。従っ
て、元の導波路または他の導波路の光出射側に短波長光
消滅部を形成しておけば、電位差を変化させることで、
短波長光生成部を形成する場合と反対の原理で短波長光
を変調することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明に係る波長変換素子の第1の実施例
の構成図である。図1の波長変換素子では、LiTaO
3の非線形光学結晶材料(方位が−C板の単結晶)から
なる基板1上に、基板1よりも高い屈折率をもつ導波路
2,3が形成されており、導波路2,3の一部は結合領
域として互いに近接して配置されている。また、導波路
2,3上の所定位置には、これらの導波路2,3の結合
領域に可変電位差を与えるための電極4,5がそれぞれ
設けられている。
【0016】すなわち、導波路2上の電極4は例えば接
地電位に保持され、導波路3上の電極5には可変電圧V
が印加されるようになっており、電極5,4間の可変電
位差Vによって、導波路3から入射した基本波光BMが
矢印Aのように導波路3上で伝搬する割合と矢印Bのよ
うに導波路2上に移行する割合とを可変に制御するよう
に構成されている。
【0017】より具体的には、2本の導波路2,3の形
状と屈折率が一致している場合、電位差Vがある一定値
以上のときには、結合領域のところで一方の導波路3か
ら他方の導波路2への移行はないが、電位差Vが“0”
のときには、エバネッセント結合により一方の導波路3
から他方の導波路2へ導波光を100%移行させること
ができる。移行に要する長さは完全結合長と呼ばれ、こ
の完全結合長lは、次式により与えられる。
【0018】
【数1】
【0019】ここで、κは結合定数、βe,βoはそれ
ぞれ結合導波路に立つ偶モードと奇モードの伝搬定数で
ある。なお、導波路3から導波路2に移行した導波光が
導波路2から再び導波路3に戻らないよう、電極4,5
の光伝搬方向の長さL1を次式を満たすように設定する
必要がある。
【0020】
【数2】
【0021】なお、数2において、mは正の整数であり
、lは完全結合長である。
【0022】また、導波路3上には、導波路3を伝搬し
た基本波光をこれよりも短波長の光,例えばSHG光に
効率良く変換するための位相整合部6が設けられている
。図1の例では、位相整合部6は、プロトン交換後、熱
処理することによって形成された分極反転層からなって
おり、この分極反転層6によって基本波光及びこれに基
づき発生するSHG光に対し、等価屈折率の周期的変化
を与えるようになっている。なお、導波路2中での基本
波光,SHG光の周波数をそれぞれω,2ωとし、また
導波路2における基本波光,SHG光の伝搬定数をそれ
ぞれβ(ω),β(2ω)とすると、基本波光とSHG
光との位相を整合させるためには、屈折率変化の周期F
は、次式の関係を満たす必要がある。
【0023】
【数3】
【0024】導波路2において基本波光に対する等価屈
折率をN(ω)、SHG光に対する等価屈折率をN(2
ω)とすると、等価屈折率Nと伝搬定数βとはβ=2π
N/λの関係があるので、上記数3はさらに、次式のよ
うに置き換えられる。
【0025】
【数4】
【0026】上記数4の関係を満たす周期Fの屈折率変
化があれば、SHG光を効率良く得ることができるので
、分極反転層6は、この周期Fのピッチで分極ドメイン
が作成されているのが良い。
【0027】例えば、基本波光が0.78μmの波長λ
のものであり、さらその電界方向がx軸方向のExoo
モードのもの(常光)を用いると、この基本波光の導波
路2(LiTaO3)における等価屈折率の波長分散は
2.1538となる。また、この基本波光に基づき非線
形光学結晶材料の非線形定数d31により発生する0.
39μmの波長(λ/2)のEzooモードのSHG光
の導波路2における等価屈折率の波長分散は2.281
4となる。従って、この場合の屈折率変化の周期Fは、
数4により約3.1μmとなり、この場合、約3.1μ
mのピッチで分極反転層6の分極ドメインを作成すれば
、分極反転層6において基本波光とSHG光との位相を
整合させることができる。
【0028】また、例えば、基本波光が0.78μmの
波長λのものであり、さらにその電界方向がz軸方向の
Ezooモードのもの(異常光)を用いると、この基本
波光の導波路2(LiTaO3)における等価屈折率の
波長分散は2.1578となる。また、この基本波光に
基づき非線形光学結晶材料の非線形定数d33により発
生する0.39μmの波長(λ/2)のEzooモード
のSHG光の導波路2における等価屈折率の波長分散は
2.2814となる。従って、この場合の屈折率変化の
周期Fは、数4により約3.2μmとなり、この場合、
約3.2μmのピッチで分極反転層6の分極ドメインを
作成すれば、分極反転層6において基本波光とSHG光
との位相を整合させることができる。
【0029】また、例えば、基本波光が1.2μmの波
長λのものであり、さらにその電界方向がx軸方向のE
xooモードのもの(常光)を用いると、この基本波光
の導波路2(LiTaO3)における等価屈折率の波長
分散は2.1305となる。また、この基本波光に基づ
き非線形光学結晶材料の非線形定数d31により発生す
る0.6μmの波長(λ/2)のEzooモードのSH
G光の導波路2における等価屈折率の波長分散は2.1
878となる。従って、この場合の屈折率変化の周期F
は、数4により約10.5μmとなり、この場合、約1
0.5μmのピッチで分極反転層6の分極ドメインを作
成すれば、分極反転層6において基本波光とSHG光と
の位相を整合させることができる。
【0030】また、例えば、基本波光が1.2μmの波
長λのものであり、さらにその電界方向がz軸方向のE
zooモードのもの(異常光)を用いると、この基本波
光の導波路2(LiTaO3)における等価屈折率の波
長分散は2.1341となる。また、この基本波光に基
づき非線形光学結晶材料の非線形定数d33により発生
する0.6μmの波長(λ/2)のEzooモードのS
HG光の導波路2における等価屈折率の波長分散は2.
1878となる。従って、この場合の屈折率変化の周期
Fは、数4により約11.2μmとなり、この場合、約
11.2μmのピッチで分極反転層6の分極ドメインを
作成すれば、分極反転層6において基本波光とSHG光
との位相を整合させることができる。
【0031】なお、図1のような波長変換素子は以下の
ような仕方で作成することができる。すなわち、例えば
LiTaO3の非線形光学結晶材料からなる基板1表面
にTi,Cu等を約1000℃程度の温度で拡散して導
波路2,3を形成する。導波路2,3としては、単一モ
ードのものに作成されるのが望ましい。その後、切出し
たチップのC軸方向にキュリー点近くの温度で電場を印
加し、ポーリングを行ない分極方向をそろえる。さらに
、基板1上面の斜線部(図1参照)以外をマスクした後
、安息香酸溶液中において約250℃程度の温度でプロ
トン交換し、これをLiTaO3のキュリー点(Tc〜
600℃)直下の温度で熱処理することにより、マスク
されていない部分に位相整合部,すなわち分極反転層6
を形成することができる。分極反転層6の厚さは、昇温
速度を変化させることにより調整でき、また、分極反転
層6の導波路2の幅方向の長さL2は、導波路2の幅と
必ずとも一致していなくても良い。
【0032】また、電極4,5は、プラズマCVD法を
使って形成したシリコン酸化膜のバッファ層上に電解め
っき法を用いて形成することができる。すなわち、バッ
ファ層上に接着層としてNiCr−Auを蒸着した後、
厚膜レジストをパターニングし、そのパターンをガイド
にしてAuを電解めっきで成長させ、しかる後、レジス
トを除去し、Auめっき部分以外をエッチング除去する
ことにより、電極4,5を作成できる。
【0033】上記のような作成の仕方以外にも、Ti,
CU等のかわりに、Rb,Cs,Ag等の約300〜4
00℃付近で拡散できる金属を用いるときには、最初に
分極反転層6を上記と同様の手順で形成し、しかる後、
金属イオンをイオン拡散することにより、導波路2,3
を形成することができる。また、電極4,5の材料とし
てAuのかわりにAuやNiを用いることもできて、こ
の場合、電極4,5は、リフトオフ法やフォトリソグラ
フィー,電解めっき法等で形成される。
【0034】次に図1のような構成の波長変換素子の動
作について説明する。導波路3から基本波光BMを入射
させると、この基本波光は導波路3を電極5の位置まで
,すなわち結合領域まで伝搬する。いま、電極5へ一定
値(例えば約3V)の電圧Vが印加されているときには
、2本の導波路2,3を伝搬する基本波光に伝搬定数差
Δβが生じ、Δβの位相不整合が起こって、導波路3か
ら導波路2への基本波光の移行は生じない。すなわち、
このときには、導波路3の結合領域のところまで伝搬し
た基本波光は、全て、矢印Aに示すように同じ導波路3
を伝搬し、導波路3から出射される。なお、この際に、
導波路3中を伝搬する基本波光に基づいて導波路3中に
はSHG光も発生するが、導波路3においては基本波光
とSHG光との位相整合がなされていないので、SHG
光への変換効率は極めて悪く、従って、導波路3からは
実質上、基本波光のみが出射され、SHG光は出射され
ない。また、導波路2への基本波光の移行がないので、
導波路2からもSHG光は出射されない。
【0035】このような状態において、電極5への電圧
Vを低下させると、2本の導波路2,3を伝搬する基本
波光の伝搬定数差Δβが小さくなり、導波路3から導波
路2への基本波光の移行が生じ、電極5への電圧Vを“
0”にすると、伝搬定数差Δβが“0”になるので、導
波路3の電極5の位置まで伝搬した基本波光は、結合領
域のところで矢印Bに示すように導波路2に移行する。 導波路2に移行した基本波光は、導波路2を伝搬し、位
相整合部,すなわち分極反転層6のところで実質的にS
HG光を生成する。すなわち、分極反転層6のところで
は、基本波光とこれに基づき発生するSHG光との位相
が整合し、基本波光をSHG光に効率良く変換できる。 これにより、導波路2からはSHG光が出射される。
【0036】このように図1の例では、電極5への電圧
Vを変化させることにより、導波路3から導波路2への
基本波光の移行を制御し、SHG光を実質的に変調させ
ることができる。すなわち、電圧VをON/OFFさせ
ることにより、SHG光の出射をOFF/ONさせるこ
とが可能となる。
【0037】この際、波長λが例えば0.78μmでE
xooモードの基本波光を導波路3に入射させて、Ez
ooモードのSHG光を導波路2から出射させたいとき
には、上述したように、分極反転層6の分極ドメインの
ピッチFを約3.1μmに作成しておく。また、波長λ
が例えば0.78μmで、Ezooモードの基本波光を
導波路3に入射させて、EzooモードのSHG光を導
波路2から出射させたいときには、分極反転層6の分極
ドメインのピッチFを約3.2μmに作成しておく。
【0038】図2乃至図4は図1に示した波長変換素子
の変形例を示す図である。なお図2乃至図4において、
図1と同様の箇所には同じ符号を付している。
【0039】図2に示す波長変換素子では、図1の波長
変換素子に形成されている位相整合部6と同様の位相整
合部11が導波路3に形成されている。この場合にも、
図1の例と同様に、電極5への電圧Vを変化させること
により、導波路3から導波路2への基本波光の移行を制
御し、SHG光を実質的に変調させることができるが、
図2の波長変換素子では図1の波長変換素子とは反対に
、電圧Vが“0”のときには、SHG光は出射されず、
電圧Vが所定値以外のときに導波路3からSHG光を出
射させることができる。すなわち、電圧をON/OFF
させることにより、SHG光の出射をON/OFFさせ
ることができる。
【0040】また図3に示す波長変換素子では、導波路
2,3上の電極を2分割し、それぞれ、電極15,16
,電極17,18として設け、電極15,17にそれぞ
れ極性の異なる電圧(+V),(−V)を印加するよう
になっている。例えば図1の例では、電極4,5の長さ
L1が完全結合長の奇数倍で、電圧Vが“0”のときに
のみ、導波路3から導波路2への光パワーの移行が可能
であるが、図3のように、電極15,17にそれぞれ極
性の異なる電圧(+V),(−V)を印加し、一方の電
極15,16の部分では(+Δβ)の位相不整合を生じ
させ、他方の電極17,18の部分では(−Δβ)の位
相不整合を生じさせるようにすると、電圧(+V),(
−V)を調整することにより、図1に示したような動作
モードに加えて、導波路3から導波路2に移行した光パ
ワーを導波路2から導波路3に移行させるよう制御する
ことも可能となる。この場合に、電極15,16,電極
17,18を合わせた電極部分の長さL1は、完全結合
長をlとして、l<L1<3lの範囲になければならな
い。図3では、電極を2分割にした場合を示したが、電
極を多分割する場合にも同様の効果を得ることができる
【0041】また、図4に示す波長変換素子では、2つ
の導波路2,3の結合領域に対して基本波光の入射側に
位相整合部,すなわち分極反転層20が設けられている
。この場合には、導波路3において基本波光が電極5に
達する前に、分極反転層20のところでSHG光を効率
良く発生させ、電極5の電圧VによりSHG光自体の経
路を制御することができて、SHG光を導波路2,3の
いずれか一方から常に出射させることができる。すなわ
ち電圧Vが“0”のときにはSHG素子光を導波路2か
ら出射させ、また電圧Vが所定値以上のときにはSHG
光を導波路3から出射させることができる。
【0042】図1乃至図4に示した実施例では、基板1
にLiTaO3を用いており、LiTaO3は光損傷閾
値が一般に高いので、光損傷の度合が小さく、従って、
基板1にLiTaO3を用いることにより長期間使用し
たとしても、素子の性能を差程劣化させずに済む。また
、LiTaO3のキュリー点Tcは、600℃程度と低
いので、波長変換素子を比較的低い温度で作成すること
ができる。
【0043】これに対し、従来非線形光学結晶として良
く用いられているLiNbO3,またはMgOドープの
LiNbO3は、LiTaO3よりも光損傷閾値が低い
ので、光損傷を受け易く、また、これらのキュリー点T
cは、1000℃と高いので、波長変換素子の作成にL
iTaO3に比べて高温の処理を必要とする。しかしな
がら、LiNbO3,MgOドープのLiNbO3を基
板に用いて図1乃至図4の波長変換素子と同様の機能を
もつ波長変換素子を作成することはもちろん可能である
【0044】図5は本発明に係る波長変換素子の第2の
実施例の構成図であって、この第2の実施例では、Li
NbO3,またはMgOドープのLiNbO3の非線形
光学結晶材料(方位がC板の単結晶)を基板21として
用いている。図5の波長変換素子は図1に対応した構成
となっており、上記基板21上には、2つの導波路22
,23が形成され、また導波路22,23上の所定位置
には、これらの導波路22,23の結合領域に可変電位
差を与えるための電極24,25がそれぞれ設けられ、
また、導波路23上には位相整合部としての分極反転層
26が形成されている。
【0045】分極反転層26の分極ドメインのピッチは
、分極反転層6におけるのと同様に、数4によって定ま
る周期Fで作成されている。但し、いまの場合、基板1
にLiTaO3ではなく、LiNbO3,またはMgO
ドープのLiNbO3を用いているので、周期Fは図1
の場合と異なっている。
【0046】すなわち、例えば、基本波光が0.83μ
mの波長λのものであり、さらその電界方向がx軸方向
のExooモードのもの(常光)を用いると、この基本
波光の導波路22(LiNbO3)における等価屈折率
の波長分散は2.22となる。また、この基本波光に基
づき非線形光学結晶材料の非線形定数d31により発生
する0.415μmの波長(λ/2)のEzooモード
のSHG光の導波路22における等価屈折率の波長分散
は2.28となる。従って、この場合の屈折率変化の周
期Fは、数4により約6.9μmとなり、この場合、約
6.9μmのピッチで分極反転層26の分極ドメインを
作成すれば、分極反転層26において基本波光とSHG
光との位相を整合させることができる。
【0047】また、例えば、基本波光が0.83μmの
波長λのものであり、さらその電界方向がz軸方向のE
zooモードのもの(異常光)を用いると、この基本波
光の導波路22(LiNbO3)における等価屈折率の
波長分散は2.17となる。また、この基本波光に基づ
き非線形光学結晶材料の非線形定数d31により発生す
る0.415μmの波長(λ/2)のEzooモードの
SHG光の導波路22における等価屈折率の波長分散は
2.28となる。従って、この場合の屈折率変化の周期
Fは、数4により約3.8μmとなり、この場合、約3
.8μmのピッチで分極反転層26の分極ドメインを作
成すれば、分極反転層26において基本波光とSHG光
との位相を整合させることができる。
【0048】図5のような構成の波長変換素子も図1の
波長変換素子と同様に動作し、電極25への電圧Vを変
化させることにより、導波路23から導波路22への基
本波光の移行を制御してSHG光を実質的に変調させる
ことができる。また、図5の波長変換素子を図2乃至図
4のような構成のものに変形することもできる。
【0049】図6は本発明に係る波長変換素子の第3の
実施例の構成図である。なお図6において図5と同様の
箇所には同じ符号を付している。この第3の実施例では
、第2の実施例と同様に、LiNbO3またはMgOド
ープのLiNbO3の基板21上に2本の導波路22,
23が形成され、導波路22,23上の所定位置には、
これらの導波路22,23の結合領域に可変電位差を与
えるための電極24,25がそれぞれ設けられているが
、導波路22,23上には、分極反転層が形成されてい
ない。すなわち、この構成においては、基本波光として
約1μm以上の波長λのExooのものが使用されるこ
とを前提としており、基本波光が約1μm以上の波長λ
のExooモードのものである場合には、LiNbO3
の複屈折性を用いて位相整合をとることができるため分
極反転層を必要とせずとも、導波路22,23のいずれ
においてもSHG光を効率良く発生させることができる
。 但し、この場合には、電極25への電圧Vを変化させて
も導波路22,23のいずれか一方から常にSHG光が
出射されてしまうので、SHG光の変調を行なうため、
導波路23の一部の表面にはクラッディングされた金属
層27を形成している。金属層27としては、Alを用
いることができ、またAlのかわりにNb2O5スパッ
タ膜を用いることができる。
【0050】このような構成では、基本波光として、波
長が約1μm以上でExooモードのものを導波路23
に入射させると、導波路23にはSHG光が効率良く発
生し、このSHG光は電極25,すなわち結合領域のと
ころまで達する。ここで、電極25への電圧Vが“0”
のときには、結合領域に達したSHG光は、導波路22
に移行し、導波路22から出射される。これに対し、電
極25への電圧Vが所定値以外のときには、結合領域に
達したSHG光は導波路22に移行せず、導波路23を
さらに伝搬するが、このときにクラッディングされた金
属層27により吸収され、導波路23からはSHG光は
出射されない。これにより、電圧VのON/OFFによ
りSHG光の出射をOFF/ONさせることができる。
【0051】図7は本発明に係る波長変換素子の第4の
実施例の構成図である。この第4の実施例では、非線形
光学結晶材料からなる基板31上にプロトン交換のなさ
れた導波路32,33が形成され、導波路32,33上
にはそれぞれ電極34,35が設けられており、また導
波路32の一部の表面には、クラッディングされた金属
層37が形成されている。
【0052】このような構成では、導波路32,33に
プロトン交換光導波路が用いられているので、分極反転
層が別途設けられておらずとも、導波路32,33にお
いてチェレンコフ放射を利用してSHG光を発生させる
ことができる。この場合も、第3の実施例と同様に、導
波路33上にクラッディングされた金属層37が形成さ
れるので、導波路33から出射されようとするSHG光
をこの金属層37により吸収し、電圧VのON/OFF
によりSHG光の出射をOFF/ONさせることができ
る。
【0053】以上のように、上述の各実施例では、短波
長光を生成する機能とこの短波長光を変調する機能とを
同一の基板上に簡単な構成でコンパクトに実現できるの
で、波長変換素子の小型化を維持することができる。ま
た、短波長光を容易に変調できるので、光ディスク装置
に適した波長変換素子を提供することができる。
【0054】なお、上述の各実施例では、導波路の本数
を2本としたが、さらにそれ以上の本数の導波路を用い
て、より複雑な光変調制御を行なうことも可能である。
【0055】
【発明の効果】以上に説明したように本発明の波長変換
素子によれば、非線形光学媒質からなる複数本の導波路
において少なくとも1本の導波路には基本波光を入射さ
せ、また複数本の導波路間の光結合領域となるべき部分
には可変電位差が印加されるように構成されており、複
数本の導波路のうちの少なくとも1本の導波路には、該
基本波光に基づき短波長光を効率良く生成させる短波長
光生成部または発生した短波長光を消滅させる短波長光
消滅部が設けられているので、電位差を変化させること
により、この波長変換素子から変調された短波長光を効
率良く出射させることができる。
【0056】上記複数本の導波路をLiTaO3の非線
形光学媒質により形成することによって、長時間使用に
よる素子の性能劣化を抑え、また素子を比較的低い温度
で作成することができる。
【0057】上記短波長光生成部は、基本波光とこれに
基づき発生する短波長光との位相を整合させる位相整合
部により構成されているので、これにより、短波長光を
効率良く生成することができる。
【0058】また、複数本の導波路をLiNbO3の非
線形光学媒質により、またはMgOがドープされたLi
NbO3の非線形光学媒質により形成することによって
、導波路においてLiNbO3の複屈折性を用いて位相
整合をとることができ、この場合には、短波長光生成部
を別途設けずとも短波長光を効率良く生成できて、これ
を変調するには短波長光消滅部を設ければ良い。
【0059】上記短波長光消滅部は、基本波光に基づき
発生した短波長光を吸収するクラッディング金属層から
構成されているので、これにより、短波長光を確実に吸
収し消滅させることができる。
【0060】また、前記複数本の導波路にプロトン交換
光導波路を用いているときには、チェレンコフ放射を利
用して短波長光を生成でき、この場合に、複数本の導波
路のうちの少なくとも1本の導波路に短波長光消滅部を
設けることにより、短波長光を変調することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る波長変換素子の第1の実施例の構
成図である。
【図2】図1に示す波長変換素子の変形例を示す図であ
る。
【図3】図1に示す波長変換素子の変形例を示す図であ
る。
【図4】図1に示す波長変換素子の変形例を示す図であ
る。
【図5】本発明に係る波長変換素子の第2の実施例の構
成図である。
【図6】本発明に係る波長変換素子の第3の実施例の構
成図である。
【図7】本発明に係る波長変換素子の第4の実施例の構
成図である。
【図8】従来の導波路型のSHG素子の構成図である。
【符号の説明】
1,21,31                  
  基板2,3,22,23,32,33    導波
路4,5,24,25,34,35    電極6,1
1,20,26              位相整合
部(分極反転層) 15,16,17,18            電極
27,37                    
    クラッディングされた金属層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  非線形光学媒質からなる複数本の導波
    路を基板に有し、前記複数本の導波路において少なくと
    も1本の導波路には基本波光を入射させ、また複数本の
    導波路間の光結合領域となるべき部分には可変電位差が
    印加されるように構成されており、複数本の導波路のう
    ちの少なくとも1本の導波路には、前記基本波光に基づ
    き短波長光を生成する短波長光生成部または発生した短
    波長光を消滅させる短波長光消滅部が設けられているこ
    とを特徴とする波長変換素子。
  2. 【請求項2】  前記複数本の導波路は、LiTaO3
    の非線形光学媒質により形成されていることを特徴とす
    る請求項1記載の波長変換素子。
  3. 【請求項3】  前記短波長光生成部は、基本波光とこ
    れに基づき発生する短波長光との位相を整合させる位相
    整合部により構成されていることを特徴とする請求項1
    記載の波長変換素子。
  4. 【請求項4】  前記複数本の導波路は、LiNbO3
    の非線形光学媒質により、またはMgOがドープされた
    LiNbO3の非線形光学媒質により形成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の波長変換素子。
  5. 【請求項5】  前記短波長光消滅部は、基本波光に基
    づき発生した短波長光を吸収するクラッディング金属層
    から構成されていることを特徴とする請求項1記載の波
    長変換素子。
  6. 【請求項6】  前記複数本の導波路には、プロトン交
    換光導波路が用いられており、この場合に、複数本の導
    波路のうちの少なくとも1本の導波路には、短波長光消
    滅部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の
    波長変換素子。
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