JPH0433196Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はゴムボートに関し、詳しくはジエツ
ト推進のゴムボートに関する。

（従来の技術） ジエツト推進船はエンジンによつて駆動するポ
ンプで、水面下に配置させた吸水口から多量の水
を吸入し、それを船底に設けられた吹出し口から
後方へ噴射させて走行するものであり、スクリユ
ーを使用しないのでスクリユーに関する事故がな
く浅瀬でも走行できる利点がある。

上記のジエツト推進機構をゴムボートに用いれ
ばかなりの浅瀬を軽快に且つ安全に走行すること
が可能であるが、ジエツト推進機構を剛性が不足
がちであるゴムボート本体に装着することが困難
であることや、水面下に設ける吹出し口が浅瀬を
走行する際に障害物に接触して破損してしまうこ
とが多い等の問題が有る為に実用化が非常に難し
い。

（技術的課題） 上述した問題はゴムボート本体の剛性が不足し
ていることと吹出し口の防護が成されていない為
に生じる問題である。

本考案は上述した問題を解決したジエツト推進
用のゴムボートを提供することであり、その技術
的課題は、ゴムボート本体の剛性をジエツト推進
機構を装備できるまで高めると共に、吹出し口の
保護を行なうことであり、且つこれらの課題をジ
エツト推進用ゴムボートとして合理的な構成にて
満たすことである。

（問題点を解決する為の手段） 前述した問題を解決する為に本考案が講ずる技
術的手段は、ゴムボート本体の船底部を硬質合成
樹脂にて形成し、この船底部を気胴の最下面より
下向へ突出せしめると共に、該船底部の全長にわ
たつて噴射流路を設け、この噴射流路内にジエツ
ト推進エンジンの吹出し口を設けるようにしたも
のである。

（作用） 合成樹脂にて形成される船底部はゴムボート本
体の剛性を高めてジエツト推進機構の装備を可能
に成す。

また、船底全長にわたつて凹設形成される噴射
流路内に吹出し口及び吸入口を設けることによ
り、両者は上記流路に対して相対的に突出する船
底部によつて保護される。

なお、走行中において上記流路の前方からは吸
入口へ吸入される水が導入されると共に吹出し口
からの噴射流は同流路内に沿つて流れて後方へ噴
射される。

（効果） 本考案は以上の如くゴムボート本体の船底部気
胴の最下面より下向へ突出せしめると共に、該船
底部の全長にわたつてジエツト推進エンジンの吹
出し口が設けられる噴射流路を凹設したものであ
るから、上記噴射流路内に設けられる吹出し口は
同流路に対して相対的に突出する船底部分によつ
て保護され、例えば浅瀬に乗上げた場合にも噴射
流路内に設けられる吹出し口は破損することがな
い。また、船底面から吹出し口が突出しないので
その分水位の低い場所でも走行することができ、
そして噴射流路の立面の作用によりゴムボートの
直進性が向上するものである。

さらに、ゴムボート本体の船底部を合成樹脂を
用いて形成したので、ジエツト推進エンジンを装
着する為に必要な剛性を容易に確保出来る。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

図中Ａはゴムボート本体であり、このゴムボー
ト本体Ａは船底１ａの周縁部に周壁１ｂを立上げ
られて形成した船殻１の周壁１ｂ外周に輪形状の
気胴４を嵌装せしめて成るものである。

船殻１はFRPを用いて形成されるものであり、
所定の船底形状に形成された船底１ａの周縁部に
気胴４の内周側を係止する為の周壁１ｂを立設し
てゴムボートに必要な剛性と後述するジエツト推
進エンジン５を装着するのに必要な強度を確保し
ている。

上記した船殻１の船底１ａ部は第４図に示す如
く、船首から船尾へ向けて傾斜させて突出させ同
船底１ａが気胴４の最下面より下向へ突出する様
に形成すると共に同船底１ａの幅方向中央部には
船底全長にわたる噴射流路２を凹設せしめ、且つ
船殻１内部の底部分には床板９を着設する。

そして、噴射流路２内の中間部の上面２ａには
挾持板６，６を介してジエツト推進エンジン５を
取付固定すると共に、同エンジン５のポンプ（図
示せず）に連通する吸入口７と吹出し口３とを噴
射流路２内に突出させて設け、同流路２の前方か
ら導入される水を吸入口７より吸入した水を噴射
口３より噴射し、この噴射流が噴射流路２内を通
り且つ同流路２の最後部に設けた舵８を通過して
後方へ流出する様に成す。

上述したゴムボートは走行し始めると傾斜させ
て突出せしめた船底１ａに働く動的浮力によつて
幾分浮上しながら走行して走行中における船体の
抵抗を減少させるものであり、且つ噴射流路２の
立面２ｂによつて良好な直進性が確保される。

また、吹出し口３は噴射流路２内に設けられて
いるので、仮にゴムボートが浅瀬に乗り上げたと
しても同流路２両側部の船底１ａに保護されるの
で破損することがない。

さらに、第５図に示す如く舵８を噴射流路２内
の吹出し口３の直後に設ければ船底１ａ部から突
出する物が一切なくなるのでジエツト推進用ゴム
ボートとしての安全性はさらに高まり、レジヤー
用として、また釣り用として安心して利用出来る
ものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施したゴムボートを示す縦
断面図、第２図は第１図の平面図、第３図は第１
図の−線断面図、第４図は同ボートの底面を
示す斜視図、第５図は舵を吹出し口の直後に設け
た実施例ボートを示す縦断面図である。 図中、Ａ……ゴムボート本体、１……船殻、１
ａ……船底、１ｂ……周壁、２……噴射流路、３
……吹出し口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ゴムボート本体の船底部を硬質合成樹脂にて形
   成し、この船底部を気胴の最下面より下向へ突出
   せしめると共に、該船底部の全長にわたつて噴射
   流路を設け、この噴射流路内にジエツト推進エン
   ジンの吹出し口を設けるようにしたゴムボート。