JPH04330915A - 脱臭装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、微生物を塔内に担持さ
せて悪臭ガス成分を生物学的に除去する脱臭装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】硫化水素，アンモニア，アミン類，メル
カプタン類，フェノール類等の悪臭ガス成分を除去する
方法としては、燃焼法，吸着法等が行われてきたが、燃
焼法は補助燃料を必要とするばかりでなく装置の構造，
材質等に充分な高温，腐食，安全対策を必要とし、吸着
法は吸着剤の吸着能力の早期劣化，圧力損失の急上昇，
腐食等の問題がある。また、近年、土壌脱臭，活性汚泥
脱臭，ピート脱臭等の微生物代謝を利用した生物学的脱
臭法が採用されてきているが、脱臭効果を持続させるた
めに、微生物が活発に活動できる環境づくり等の日常管
理の徹底化が必要である。そして、これらの脱臭方法は
、いずれも低濃度臭気の除去に適し、中・高濃度臭気の
中・高流量に適用した例はない。中・高濃度臭気の除去
法として、現在最も普及されているのは化学的脱臭法で
あり、硫化水素，アンモニア，アミン類等の除去に、か
性ソーダ，次亜塩素酸ソーダ又は硫酸のようなアルカリ
又は酸を用いて化学的に中和を行っている。しかしなが
ら、このような化学反応においては、薬液濃度又は臭気
濃度の変化等によって脱臭効果が極めて微妙な変化を示
し、装置上メンテナンスの複雑さが要求され、加えて大
量の薬液を使用するのでランニングコストが高く、廃液
処理の問題もある。

【０００３】また、最近研究開発が進められている、充
填材に固定化した微生物を利用した微生物脱臭法も、充
填材の種類，充填量によっては充填塔内圧力損失が大き
く、さらに微生物による分解生成物との反応による汚泥
によって充填材の閉塞が助長され、圧力損失が変動する
という欠陥をもっており、また微生物に必要なミネラル
等の元素が次第に失われてゆき脱臭効果の低下につなが
る。従って、特に高濃度悪臭ガスを対象とした場合、除
去率を上げるために、空塔速度，空間速度は極めて小さ
い数値しか得られていない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
問題点を解決し、運転中に微生物の活性化，増殖を行う
と同時に分解生成物の排除を行い、生物分解能を有する
どのような悪臭ガスでも、高効率かつ低圧力損失で安定
した運転が可能な脱臭装置を提供することを目的として
いる。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、底部にガス導
入部、頂部にガス導出部を設けた塔内に、脱臭用微生物
を固定化した充填材を充填し、該充填材の上部に散水器
を設置し、塔下部に循環水槽を連設して槽内水が前記散
水器を経て循環する循環水路を形成し、該循環水路中に
腐植質抽出塔を配備したことを特徴とする脱臭装置であ
り、また前記脱臭用微生物を固定化した充填材を繊維状
捲毛樹脂としたことを特徴としている。

【０００６】

【作用】本発明において、充填材に固定化する脱臭用微
生物としては、下水，し尿，産業廃水等の活性汚泥を馴
養しても得られ、土壌内細菌等の混種の微生物を馴養し
てもよく、また悪臭ガス成分に応じて選択された特定の
微生物を用いることができる。　　循環水路中に配備さ
れる腐植質抽出塔には、フルボ酸，腐植酸等の腐植質と
粘土鉱物を主成分としてペレット状に成形した腐植質ペ
レットを充填し、腐植質抽出塔を通過する循環水中に微
生物が必要とするミネラル，栄養分等を微量溶解させる
。 そして、悪臭ガスは塔内底部に導入され、充填材中を固
定化された微生物と接触しつつ上昇すると同時に上部か
ら散水される循環水と向流的に接触し、悪臭成分が除去
されて塔頂部から導出される。この時の脱臭のメカニズ
ムは次の通りである。 ■　　微生物分解により生成された反応生成物を循環水
で洗い流しながら、悪臭ガス成分を循環水中に溶解させ
る。 ■　　循環水中に溶解した悪臭ガス成分を固定化微生物
に吸着させ同時に反応させて無臭成分とする。 ■　　腐植質抽出塔から微生物が必要とするミネラル，
栄養分等を循環水中に溶解させる。

【０００７】このようにして、塔内で固定化微生物によ
る悪臭ガス成分の除去と同時に、微生物の活性化及び微
生物分解生成物の排除が常に行われ、効率よく低圧力損
失の下に長期にわたる安定した運転が可能になる。なお
、循環水槽中の循環水は、洗い流された微生物分解生成
物が次第に蓄積されるから、適宜系外に排出し新しい補
給水を補充する。また、悪臭ガス成分によっては循環水
のｐ　Ｈが極端に低下し、微生物の生活環境に悪影響を
及ぼすことになるから、循環水槽中にか性ソーダ等のｐ
ｈ調整剤を添加する。

【０００８】また、微生物の固定化担持体である充填材
としては、微生物を固定化する表面ができるだけ大きく
、かつ通気抵抗の小さいものが好ましく、繊維状捲毛樹
脂が好適であり、これに汚泥を付着させて培養地として
固定化微生物を増殖させるのが好ましい。この充填材は
、通気抵抗が小さく、材質的には耐酸，耐アルカリ及び
耐細菌性に優れた性質をもち、さらに優れた特徴として
、充填時の圧密に耐える強度がある。そして、繊維と微
生物とが複雑に絡み合った状態で固定化され、微生物の
棲息に適し、通気性も良好である。

【０００９】

【実施例】本発明の一実施例を図１を参照して説明すれ
ば、脱臭塔１の底部に設けられた拡散室２には悪臭ガス
導入管３が連結され、脱臭塔１の頂部には脱臭後のガス
を導出するガス導出管４が連結されている。脱臭塔１内
には、多孔板５上に脱臭用微生物を固定化した充填材６
が充填され、この充填材６は図示例のように上下多段に
分けて充填したり、１段として充填することもできる。 充填材６の上部には散水器７が配置され、また、脱臭塔
１の下部には循環水槽８が連設され、循環水槽８と散水
器７とは循環ポンプ９を配備した循環配管１０で連結さ
れている。さらに、循環配管１０中には、腐植質，粘土
鉱物を主成分として成形された腐植質ペレット１１を充
填した腐植質抽出塔１３が配備され、流過する循環水中
に充填材６に固定化された微生物の活性化，増殖化に必
要なミネラル，栄養分等を溶解させる。なお、脱臭塔１
上部のガス導出部には、充填材６と同一材料又は他の適
当なミストセパレータ１４を設けることが好ましく、循
環水槽８には補給水供給管１５及び排水管１６が連結さ
れ、さらにｐｈ調整剤注入管１７を連結することができ
る。

【００１０】本実施例において、当初、例えば活性汚泥
を充填材６に物理的に付着させる。これは、下部の循環
水槽８に活性汚泥又は濃縮活性汚泥を入れ、循環ポンプ
９によって脱臭塔１内を連続循環させると、一昼夜ない
し２日以内で活性汚泥が充填材６の表面に付着する。以
後は、臭気を脱臭塔１に連続的に通気することによって
、付着した活性汚泥中のその臭気を特に摂取する微生物
の増殖をはかる。悪臭ガスは悪臭ガス導入管３から脱臭
塔１内の拡散室２に導入され、拡散されて充填材６中を
微生物と接触しつつ上昇する間に、循環ポンプ９によっ
て循環水槽８から循環配管１０、散水器７を経て噴霧さ
れる循環水と向流接触し、悪臭ガス成分が循環水中に溶
解され、悪臭ガス成分が除去されたガスはミストセパレ
ータ１４を経てガス導出管４から導出される。一方、悪
臭ガス成分を溶解した循環水は、微生物分解生成物を洗
い流しながら、悪臭ガス成分が微生物に吸着され同時に
反応して無臭成分となる。また、この循環水は、循環配
管１０を経由する間に、腐植質抽出塔１３を流過してミ
ネラル，栄養分等を溶解しており、これによって微生物
が活性化し増殖する。

【００１１】

【表１】

【００１２】また、充填材６として、例えば合成繊維の
捲毛を結合剤で固定した板状成形品で１ｍ３　あたりの
表面積１８０〜６１０ｍ２　をもつ繊維状捲毛樹脂を使
用した場合、上昇する悪臭ガスと落下する循環水は、充
填材６と微生物とが複雑に絡みあった中を通過し、それ
らの衝突、付着が大きく、循環水はゆっくりと落下しな
がら微生物を濡らし分解生成物を洗い流す。この循環水
の散水は連続的でも間欠的でもよい。このようにして生
物学的脱臭が行われるが、悪臭物質の濃度又は成分によ
っては、脱臭塔１を直列又は並列に配したり、また各細
菌別の脱臭塔１をいくつか配することにより、高度の脱
臭をはかることができる。

【００１３】次に本発明の試験例を示す。試験条件を表
１に、試験結果を表２に示す。なお、この試験において
、微生物分解生成物である硫酸イオン（ＳＯ４２−　）
濃度が１２，０００ｍｇ／Ｌ以上になると硫化水素除去
率が下がってきた。硫酸イオン濃度が１２，０００ｍｇ
／Ｌを超えないように循環水の交換又は補充を行ったが
、硫酸イオン濃度と導電率とは明確な相関があるので、
循環水の交換又は補充は導電率で２７ｍＳ／ｃｍ以下を
目処に行うのがよい。

【００１４】

【表２】

【００１５】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、充填
材に固定化された脱臭用微生物は、散水される循環水中
に溶解された栄養分等によって運転中常に活性化され増
殖し、同時にこの循環水によって微生物分解生成物が排
除され、脱臭効率高く、低圧力損失で長期間安定した運
転が可能になるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す縦断正面図である。

【符号の説明】

１　　脱臭塔 ２　　拡散室 ３　　悪臭ガス導入管 ４　　ガス導出管 ５　　多孔板 ６　　充填材 ７　　散水器 ８　　循環水槽 ９　　循環ポンプ １０　　循環配管 １１　　腐植質ペレット １３　　腐植質抽出塔 １４　　ミストセパレータ １５　　補給水供給管 １６　　排水管 １７　　ｐＨ調整剤注入管

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　底部にガス導入部、頂部にガス導出部
   を設けた塔内に、脱臭用微生物を固定化した充填材を充
   填し、該充填材の上部に散水器を設置し、塔下部に循環
   水槽を連設して槽内水が前記散水器を経て循環する循環
   水路を形成し、該循環水路中に腐植質抽出塔を配備した
   ことを特徴とする脱臭装置。
2. 【請求項２】　　前記脱臭用微生物を固定化した充填材
   を繊維状捲毛樹脂とした請求項１記載の脱臭装置。