JPH0432934Y2 - - Google Patents

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JPH0432934Y2
JPH0432934Y2 JP1987131072U JP13107287U JPH0432934Y2 JP H0432934 Y2 JPH0432934 Y2 JP H0432934Y2 JP 1987131072 U JP1987131072 U JP 1987131072U JP 13107287 U JP13107287 U JP 13107287U JP H0432934 Y2 JPH0432934 Y2 JP H0432934Y2
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film
slits
slit
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、農作物等の栽培に用いる農業用マル
チフイルムに関する。
(従来の技術) マルチ栽培では、畝部分を合成樹脂製マルチフ
イルムで被覆することによつて、植付けられた作
物の生育促進が図られている。マルチフイルム
は、畝からの水分の蒸発、及び肥料の流出を防止
し、夜間における地温低下を抑え、これは発芽後
若しくは苗の植付け後の生育初期の段階での生育
促進に効果がある。さらに、着色マルチフイルム
は雑草の生育抑制、病害虫の発生防止にも効果が
ある。
ところが、作物の種類或いは栽培時期によつて
は、追肥、培土、灌水等を行うために、生育途中
でマルチフイルムを除去する必要がでてくる。ま
た、春播きの作物は、生育途中で夏期が訪れ、マ
ルチフイルムで畝を被覆したままの状態では、地
温上昇や地表の蒸れによつて根腐れを起こす恐れ
があるため、この場合にもマルチフイルムを除去
する必要があつた。
除去に適したマルチフイルムの内、株孔を除い
た部分でフイルムの切り裂きができるものとし
て、例えば実開昭61−100968号の如く、所定巾を
有する長尺の合成樹脂製フイルムに、植付け用の
孔を長尺方向に適宜間隔毎に形成し、その孔から
任意寸法振分けられた両側位置に長尺方向に延び
たミシン目を形成したもの、株孔部分でフイルム
の切り裂きができるものとして、例えば実開昭57
−167663号の如く、植付け用の孔を長尺方向及び
巾方向に結んでミシン目を形成したもの等が公知
にされている。
(考案が解決しようとする問題点) しかし、前者の構成ではフイルムを完全に除去
したい時にそれができず、後者の構成では部分的
なフイルムの除去に適しているとしても、長尺方
向に向かつて安定的に除去しにくい問題がある。
そこで本考案は、フイルム全体が容易に除去可
能であるとともに、除去作業を人力だけでなく機
械的に行うことが可能な農業用マルチフイルムを
提供せんとするものである。
(問題を解決するための手段) 上記目的を達成するため本考案は、長尺の合成
樹脂フイルムに、長尺方向と交叉しかつ長尺方向
に対して傾斜する所定長さのスリツトを、株間以
下の間隔をおいて長尺方向に並設すると共に、該
スリツト列を巾方向に一列以上形成し、該スリツ
ト列の一端位置の各スリツト間に長尺方向に延び
るミシン目を、各スリツト間のミシン目の切れ目
の長さの合計が各スリツト間隔の約10〜40%の範
囲となるように刻設し、複数列のスリツトは全て
ミシン目交叉端から反対端への傾斜をフイルム長
尺方向の一方向に向いて形成して農業用マルチフ
イルムを構成したことを特徴としている。
上記ミシン目はスリツト列の一端部の該スリツ
トに対して交叉状に形成されており、かつミシン
目の切れ目はスリツトと接触していないことが好
ましい。
(作用) 上記マルチフイルムは、先に畝に敷設して両側
部を畝間に埋込んだ上でスリツトを開いて種を播
いたり苗を植えるか、またはスリツト間隔に合わ
せて予め種を播いた後にフイルムを敷設する等し
て使用する。
敷設されたフイルムの除去にあたつては、例え
ばスリツト列が2列形成され、ミシン目が各スリ
ツト列の内側端部に形成されているフイルムの場
合は、フイルム端部のミシン目間を持つてフイル
ム長尺方向に引張れば、ミシン目に沿つてフイル
ム中央部を引き裂くことができ、次いで、残つた
フイルム両側部を、作物からスリツトを抜くよう
にして側方または上方に引張れば、全フイルムを
容易に除去することができる。他の数のスリツト
列の場合も同様である。
(実施例) 次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。
第1,3図はスリツト列を二列形成したフイル
ムを例示してある。ここにおいて、1は畝Aを被
覆する適宜巾を有した長尺の合成樹脂製のマルチ
フイルムであり、長尺方向に切り裂き方向性を有
しており、材質としては、例えば高圧法・低密度
ポリエチレン(LDPE)、中低圧法高密度ポリエ
チレン(HDPE)、或いは低圧法・直鎖状低密度
ポリエチレン(L−LDPE)を用いることができ
るが、切り裂き方向性に優れ、切り裂きの容易な
後二者のうちいずれかを用いることが好ましい。
マルチフイルム1は、巾方向の中心から両側に
適宜振分けられた位置に、長尺方向に並設された
スリツト2の列が二列形成され、各列のスリツト
2は、種乃至苗の植付けが可能な適宜長さ例えば
5〜15cmの長さを有すると共に、好ましくは長尺
方向に4cm前後の間隔で形成され、二列のスリツ
ト2は、フイルムの巾方向に対して適度の傾斜例
えば3/10〜5/10勾配程度の傾斜を持つて、かつ二
列のスリツト2は長尺方向の中心線に対して対称
的に形成されている。
二列のスリツト列のそれぞれのフイルム内側方
向端には、フイルム長尺方向に延びたミシン目3
が形成されている。ミシン目3の長さは、フイル
ムが不用意に切裂することのないように、スリツ
ト2,2間に形成されたミシン目の合計の長さが
スリツト2,2間の距離の10〜40%、好ましくは
20〜35%程度となるように形成する。35%以上、
特に40%以上となると、風圧その他の外圧によつ
てミシン目が千切れ易く、マルチフイルムの機能
性を損なう。10%以下であるとフイルムの切り裂
きに無理圧が加わり、作物への影響が生じるか、
切り裂きがスムーズに行えない。該ミシン目3は
スリツト2に重なることのないように形成するの
が、スリツト端部においてスリツト間のフイルム
部分が千切れ、或いは捲れてマルチフイルムの機
能を低下させてしまうおそれを防止できて好まし
い。
ここで、スリツト2,2間に対するミシン目3
の合計長さの割合を約25%として形成した3種類
のフイルムの例を第2図に示す。第2図のA,
B,Cのフイルムはいずれもスリツト2,2の間
隔aが同長(約40mm)となつており、一つのミシ
ン目3の長さがそれぞれ異なつている。
Aの場合は、1個の長さbを約10mmとしたミシ
ン目3がスリツト2,2間の中央部に一個形成さ
れており、Bの場合は、1個の長さb1を約5mm
としたミシン目3がスリツト2,2間に等間隔に
二個形成され、また、Cの場合は、1個の長さb
2を約3mmとしたミシン目3がスリツト2,2間
に等間隔に3個形成されている。上記の三例のフ
イルムの機能による引き千切り試験の結果、一点
鎖線に沿つて容易に引き千切りが行え、かつ畑面
に敷設しても必要時以外にスリツト間のミシン目
が千切れてしまうことのないフイルムはBであつ
た。Aの場合は、スリツト2とミシン目3との間
隔が長いため、Bに比較して若干引き裂きの容易
性が劣つた。Cの場合は、スリツト2とミシン目
3の間隔が短いため、畝部分への敷設時や種播き
乃至苗植え時等における人の踏み荷重の影響等を
受けてミシン目に裂け目が生じることがあつた。
このことから、ミシン目を形成する場合は、前記
ミシン目の長さ割合内において、1個のミシン目
の長さがミシン目間の長さの約1/2程度とするの
が最も好ましい。
上記構成のフイルム1は、第3図に示すよう
に、畝Aに敷設して両側部を畝間に埋込み、その
後スリツト2を開いて種を播いたり苗を植える
か、またはスリツト間隔に合わせて予め種を播い
てからフイルム1を敷設して使用する。上記フイ
ルム1によれば、地面が保温されると同時に、水
分の蒸発及び肥料の流出が防止され、生育促進が
図られると共に、着色マルチフイルムをすれば雑
草や病害虫の発生も防止される。
作物の生育途中において、追肥、培土、灌水等
を行つたり、夏期の地温上昇や地表の蒸れによる
根腐れを防いだりする必要のある場合は、スリツ
ト2の拡開方向にあるフイルム端部のミシン目
3,3の線上に切り目を入れ、その切り目間を持
つてフイルムを長尺方向(第1,3図の矢印S方
向)に強制的に引けば、スリツト2に逆らうこと
なくかつスリツト方向に裂けることなく、フイル
ム1はミシン目3に沿つて滑らかに簡単に引き裂
かれる。この引き裂きは植付け作物列の株間を通
して行われ、作物の植付け部分を通ることがない
ので、作物を傷めることがない。
この引き裂きは、スリツト2の一端を交叉して
行われるので、これによつてスリツト2の一端が
開放され、該スリツトと作物との拘束関係がなく
なる。残されたフイルム部分は畝の両外側方に向
かつてそれぞれ簡単に引き抜くことができ、こう
してフイルム全体が除去される。この引き抜きは
作物に何の抵抗、傷も与えることがない。
なお、上記のフイルム1両側部を除去せずにそ
のまま残した状態とすれば、畝間の雑草繁殖、病
害虫の発生を防止することもできる。
上記例において、スリツト列は一列或いは三列
以上形成することも本考案に含まれるものであ
り、一列の場合、ミシン目はスリツトのいずれか
一端に形成し、三列以上の場合は、隣接スリツト
列の内端にミシン目を形成し、残された単列があ
る場合はその外側端にミシン目を形成するのが好
ましい。
上記マルチフイルムは、人力によらず機械によ
つて除去作業を行うことも可能である。機械的に
除去する場合は、フイルム端部の中央部を切り裂
いて巻き取りながら、その巻き取りよりもやや遅
れて両側部を畝の側方または上方に引張りながら
巻き取れば、フイルム全体がスムーズに除去され
る。
(考案の効果) 以上のように、本考案の農業用マルチフイルム
によれば、作物の生育途中において、追肥、培
土、灌水等を行つたり、夏期の地温上昇や地表の
蒸れによる根腐れを防いだりするために、敷設さ
れたフイルムを除去する必要のある場合には、ス
リツト列の一端位置に形成されたフイルムの長尺
方向のミシン目に沿つて、作物に無理圧その他の
損傷を与えることなくフイルムを引き裂くことが
でき、かつ引き裂きが容易であると共に引き裂か
れたフイルムの回収作業性もよい。特に、上記ス
リツトは芽が安全に成長する効果を奏し、スリツ
ト列を同一方向に傾斜して形成したことによつ
て、敷設及びスリツト間のフイルム全体の引き裂
き作業性が容易かる効率化すると共に、スリツト
によつて切り裂き方向が乱される等のおそれが生
ぜず切り裂き作用が安定化し、ミシン目の切れ目
の割合を一定化することによつて、未切り裂き状
態におけるフイルムの敷設状態の安定性と切り裂
きの容易性を同時に実現する効果を奏する。ミシ
ン目の切れ目がスリツトと接触していなければ、
敷設中のフイルムが部分的に裂け開いてしまうお
それも確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る農業用マルチフイルムの
一例平面図、第2図A,B,Cは同じ間隔のスリ
ツト間にそれぞれ長さの異なる3種類のミシン目
を形成した場合のフイルムの要部平面図、第3図
は畝に敷設した第1図のマルチフイルムを除去す
る過程を示す斜視図である。 1……マルチフイルム、2……スリツト、3…
…ミシン目、a……スリツト間隔、b,b1,b
2……ミシン目の長さ。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 長尺の合成樹脂フイルムに、長尺方向と交叉
    しかつ長尺方向に対して傾斜する所定長さのス
    リツトを、株間以下の間隔をおいて長尺方向に
    並設すると共に、該スリツト列を巾方向に一列
    以上形成し、該スリツト列の一端位置の各スリ
    ツト間に長尺方向に延びるミシン目を、各スリ
    ツト間のミシン目の切れ目の長さの合計が各ス
    リツト間隔の約10〜40%の範囲となるように刻
    設し、複数列のスリツトは全てミシン目交叉端
    から反対端への傾斜をフイルム長尺方向の一方
    向に向いて形成したことを特徴とする農業用マ
    ルチフイルム。 (2) ミシン目はスリツト列の一端部の該スリツト
    に対して交叉状に形成されており、かつミシン
    目の切れ目はスリツトと接触していないもので
    ある第1項記載の農業用マルチフイルム。
JP1987131072U 1987-08-28 1987-08-28 Expired JPH0432934Y2 (ja)

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