JPH0432902Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、エンジンを駆動源とする刈払機等
の手持ち作業機の改良に関するものである。

〔従来技術およびその問題点〕

一般に、刈払機等の手持ち作業機は、ドライブ
シヤフトパイプの先端部にカツター刃等の作業手
段を回動自在に設けてこの作業手段を、例えば、
エンジンなどの駆動機構に連結したドライブシヤ
フトを介して作動させる構成となつているが、ド
ライブシヤフトの長さは使用者が楽な姿勢で作業
を行えるように寸法設定してあることから運搬あ
るいは格納時に広いスペースを必要とするだけで
なく作業を行う場所、地形などによつては全長が
長すぎて作業性が低下することがあつた。

そこで、出願人はドライブシヤフトパイプおよ
びドライブシヤフトを軸方向に対して夫々伸縮自
在に形成するとともにドライブシヤフトパイプに
伸縮固定具を付設して全長を調整し得るようにす
ることにより、コンパクト化と使用場所、地形な
どによる作業性の低下を阻止することのできる手
持ち作業機を開発し、例えば、実願昭61−183704
号（昭和61年12月１日）として実用新案登録出願
を行つた。

しかるに、この先願に係る手持ち作業機は、カ
ツター刃などの作業手段と作業者の手元とを極め
て近接させた状態で使用できることから危険であ
るだけでなく、作業中に伸縮固定具が緩んだりす
ると作業手段が捻られて事故が発生するなどの惧
れがあるため安全対策を講じる必要があることが
判つた。

〔問題点の解決手段〕

そこで、この考案では前述の手持ち作業機にお
けるドライブシヤフトパイプを作業手段側の細径
ドライブシヤフトパイプとこの細径パイプを挿入
する若干大径の駆動機構側ドライブシヤフトパイ
プとで形成し、大径ドライブシヤフトパイプの端
部に伸縮固定具と駆動機構停止スイツチとを配設
し、さらに前記停止スイツチの操作レバーを細径
ドライブシヤフトパイプの周面においてその長手
方向に沿いかつ周方向に所定の角度で延在するレ
バー操作部に臨ませることにより、作業機の全長
がある程度以上短くなつたり作業手段が捻られた
際における安全性を確保するようにしたものであ
る。

この場合、レバー操作部としは細径ドライブシ
ヤフトパイプに形成した凹部、スリツトなどが好
適に使用でき、また磁気操作スイツチを使用する
場合はレバー操作手段としての磁石を細径ドライ
ブシヤフトパイプの内側に配設する。

〔作用〕

この考案に係る手持ち作業機では駆動機構停止
スイツチの操作レバーが細径ドライブシヤフトパ
イプのレバー操作部に臨んでいる状態では駆動機
構の回転力はドライブシヤフトを介して作業手段
に伝達され作業を行えるが、操作レバーがレバー
操作部から外れると駆動機構が停止して作業不能
になるものである。

〔実施例〕

次に、本考案に係る手持ち作業機の好適な実施
例として刈払機を例示し、添付図面を参照しなが
ら以下詳細に説明する。

第１図〜第３図において、本実施例はドライブ
シヤフトパイプ１０の先端部に、例えば、ナイロ
ンコードカツター等の刈払手段１２を回転自在の
設けてこの作業手段１２をエンジン１４に連結し
たドライブシヤフト１６を介して高速回転させる
刈払機からなり、ドライブシヤフトパイプ１０を
刈払手段側の細径ドライブシヤフトパイプ１０ａ
とこのパイプ１０ａに対し軸方向に摺動し得るよ
うに形成した若干大径のエンジン側ドライブシヤ
フトパイプ１０ｂとで形成し、大径ドライブシヤ
フトパイプ１０ｂの端部に伸縮固定具１８を配設
するとともにこの伸縮固定具１８に駆動機構停止
スイツチ２０を付設し、前記停止スイツチ２０の
操作レバー２２を細径ドライブシヤフトパイプ１
０ａの周面に設けたレバー操作部２４に臨ませる
ことにより構成されている。

なお、この場合、ドライブシヤフト１６はエン
ジン側の円形断面シヤフト１６ａとこの円形断面
シヤフト１６ａを挿入する作業側シヤフトパイプ
１６ｂとで構成するとともに前記作業側シヤフト
パイプ１６ｂの端部に正転方向の回転により作動
するワンウエイクラツチ２６を配設し、さらに前
記ドライブシヤフトパイプ１０ｂ内には円形断面
シヤフト１６ａの軸受２８を移動自在に配設し、
この軸受２８をコイルバネ３０によりドライブシ
ヤフトパイプ１０ｂを介してエンジン１４を含む
駆動機構本体に取着する（第２図参照）。

また、前記レバー操作部２４としては細径ドラ
イブシヤフトパイプ１０ａの周面においてその長
手方向に沿つて所定に長さで延在しかつ周方向
に、例えば、90度の角度で設けた凹部３２が好適
に使用され、この凹部３２に操作レバー２２を臨
ませたスイツチ２０は前記操作レバー２２が凹部
３２から外れるとエンジン１４を停止させるよう
構成されている。（第３図参照）。

このように構成される刈払機においては、通常
エンジン１４の回転力は円形断面シヤフト１６ａ
→ワンウエイクラツチ２６→作業側シヤフトパイ
プ１６ｂを介して刈払手段１２に伝達されるので
手持ち作業を行えるが、シヤフトの全長を短かく
しすぎたり、あるいは刈払手段１２が捻れたりし
てドライブシヤフトパイプ１０ａの凹部３２から
スイツチ２０の操作レバー２２が外れるとエンジ
ン１４は作動せず、従つて、作業者が被る可能性
のある種々の危険を防止することができるもので
ある。

第４図は、停止スイツチ２０の操作レバー２２
を大径ドライブシヤフトパイプ１０ｂの孔部３４
を介して細径ドライブシヤフトパイプ１０ａの周
面に設けたスリツト３６からなるレバー操作部２
４に臨ませた別の実施例であり、また、第５図は
停止スイツチ２０をリードスツチなどの磁気操作
スイツチで構成するとともにレバー操作手段とし
ての磁石３８を細径ドライブシヤフトパイプ１０
ａの内側に配設したさらに別の実施例があるが、
いずれの実施例も前述と同様に作業者の被る可能
性のある種々に危険を防止することができるもの
である。

〔考案の効果〕

先に述べたように、本考案に係る手持ち作業機
によれば、シヤフトの全長を短かくしすぎたり、
あるいは作業手段が捻れたりした際の作業者の安
全を確保できるだけでなく、運搬、格納時などに
おけるコンパクト化と作業性の向上の図ることが
できる等種々の利点を有しその実用的効果は極め
て大きい。

以上、本考案に係る手持ち作業機の好適な実施
例について説明したが、本考案はこの実施例に限
定されるものではなく、例えば、作業側シヤフト
パイプの端部に正転および逆転方向に夫々作用す
るワンウエイクラツチを配設して、略無負荷に近
い鋼製刃などの作業手段がその慣性力によりエン
ジンより高速回転した際に発生する振動あるいは
騒音などを防止するようにする構成する等、本考
案の精神を逸脱しない範囲内において種々の改変
をなし得ることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る手持ち作業機の好適な実
施例である刈払機の斜視図、第２図は第１図に示
す刈払機の要部断面一部省略説明図、第３図は第
１図の要部斜視図、第４図および第５図は本考案
に係る手持ち作業機の夫々別の実施例の要部断面
説明図である。 １０……ドライブシヤフトパイプ、１２……刈
払手段、１４……エンジン、１６……ドライブシ
ヤフト、１８……固定具、２０……停止スイツ
チ、２２……操作レバー、２４……レバー操作
部、２６……ワンウエイクラツチ、２８……軸
受、３０……コイルバネ、３２……凹部、３４…
…孔部、３６……スリツト、３８……磁石。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドライブシヤフトパイプの先端部に作業手段を
   設けこの作業手段を駆動機構に連結したドライブ
   シヤフトを介して作動させる手持ち作業機におい
   て、ドライブシヤフトパイプおよびドライブシヤ
   フトを軸方向に対して夫々伸縮自在に形成すると
   ともにドライブシヤフトパイプを作業手段側の細
   径ドライブシヤフトパイプとこの細径パイプを挿
   入する若干大径の駆動機構側ドライブシヤフトパ
   イプとで形成し、前記大径ドライブシヤフトパイ
   プの端部に伸縮固定具と駆動機構停止スイツチを
   配設し、さらに停止スイツチの操作レバーを細径
   ドライブシヤフトパイプの周面においてその長手
   方向に沿いかつ周方向に所定の角度で延在するレ
   バー操作部に臨ませることを特徴とする手持ち作
   業機。