JPH04328715A - 光走査装置およびその製造方法 - Google Patents

光走査装置およびその製造方法

Info

Publication number
JPH04328715A
JPH04328715A JP3124527A JP12452791A JPH04328715A JP H04328715 A JPH04328715 A JP H04328715A JP 3124527 A JP3124527 A JP 3124527A JP 12452791 A JP12452791 A JP 12452791A JP H04328715 A JPH04328715 A JP H04328715A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
sacrificial layer
optical scanning
scanning device
rotating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3124527A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3086003B2 (ja
Inventor
Yoshinori Ota
好紀 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP03124527A priority Critical patent/JP3086003B2/ja
Publication of JPH04328715A publication Critical patent/JPH04328715A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3086003B2 publication Critical patent/JP3086003B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)
  • Exposure Or Original Feeding In Electrophotography (AREA)
  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)
  • Dot-Matrix Printers And Others (AREA)
  • Laser Beam Printer (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロマシンを応用
して製作される静電マイクロモータを使用した光走査装
置およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11は、IEEE Trans on
 Electron Devices, vol. 3
5, No.6, 724〜730,1988に掲載さ
れたMullerらによるマイクロ機械の一製法であり
、機械的可動部分に当たるロータの製作に関する基本的
な製作工程を示している。この機械構造物は、ロータ3
、ジョイント6ともCVD (化学気相堆積:Chem
ical Vapor Deposition)法で堆
積したポリシリコンで製作される。基板上に堆積された
薄膜をフォトリソグラフィーによりエッチング加工して
、機械的構造物を製作する方法をサーフェスマイクロマ
シンと言う。
【0003】図11(a) において、1は基板であり
、シリコン基板あるいは石英等のガラス基板でも良い。 シリコン基板の場合、その結晶面方位はいかなるもので
も良い。2は第1SiO2(二酸化シリコン)あるいは
PSG (リン珪酸ガラス:Phospho−Sili
cate Glass) であり、工程の最後に静電マ
イクロモータのロータ等の機械的可動部をリフトオフす
る時の第1犠牲層である。3は第1ポリシリコンであり
、機械的可動部となる。実際の製作では、フォトレジス
トマスク(図示せず)で第1ポリシリコン3、下地の第
1犠牲層2をRIE (反応性イオンエッチング:Re
active Ion Etching) で加工し、
基板1の表面が露出までエッチングする。図11(b)
 において、4は第2SiO2あるいはPSG からな
る第2犠牲層であり、可動部3をピン止めするジョイン
ト部にレジストマスク(図示せず)で、RIE 等によ
りエッチングし、窓開けする。 さらに、図11(c) において、6は第2ポリシリコ
ンであり、可動部3をピン止めするベアリングを構成す
る。加工には、同様にフォトレジストとRIE を用い
る。
【0004】図12はLangらの提案(Transd
ucer’89講演番号B5.3, June 198
9)による静電マイクロモータの外観図(a) 及び断
面構造(b) である。ロータ21、ベアリング22、
ステータ23は、減圧CVD 法で堆積されたポリシリ
コンで形成されている。CVD 法は、下地によらず簡
単に膜堆積が可能であり、シリコンICの電極材料ある
いは浅い拡散層形成の為の拡散源として広く用いられて
いるので、シリコンベースの薄膜マイクロマシンの構造
体用材料として便利な材料である。
【0005】しかし、機械材料としてポリシリコンを用
いた場合、ポリシリコンが粒径数μm 〜数10μm 
の単結晶の集合体であり、粒径が熱処理で変わり、これ
に対応して内部応力も熱処理の影響を受けることや、機
械的耐摩耗性が単結晶に比べて低いなどの点が、長寿命
化を考えた場合に問題となる。一方、現在のシリコン単
結晶引き上げ技術では、ICのデバイスやプロセス上有
害となる転位の抑制が達成できる。さらに、最近では、
点欠陥の制御に関する研究が行われつつあり、熱処理に
よるバルク欠陥と溶存酸素、溶存炭素濃度との関係も明
らかにされつつある。これに伴い、機械材料としての単
結晶シリコンの重要性が益々増加しつつあり、その為、
マイクロマシンの分野でも、可動部分を単結晶で構成す
ることが必要とされる。
【0006】図13は大阪大学西原教授らの提案(IE
EE Journal of Quantum Ele
ctronics, vol. QE−22, No.
 6, 845〜867)による、強誘電体基板を伝播
する表面弾性波で形成される回折格子での光偏向を利用
した光走査装置である。図13に示す例において、31
はニオブ酸リチウム(LiNbO3)であり、表面層に
光導波路を形成する為にTiドープ層32が形成されて
いる。レーザダイオード(LD)33から光導波路32
へ端面結合で入力された光34は、フレネルレンズ35
で平行光となった後、くし形電極36で発生した表面弾
性波(SAW:Surface Acoustic W
ave)37で強誘電体基板31の表面38に形成され
る回折格子により偏向された後、集光グレーティングカ
プラー(FGC:Focusing Grating 
Coupler)39 へ入射し、光感応紙40上へ集
光される。 SAW 電極36へ加える印加電圧の周波数を掃引する
ことで、光ビーム41は水平方向へ走査される。この光
の水平走査と光感応紙40の送りを同期させることで、
光感応紙40上での光の二次元走査を行うことができる
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来から公知
の技術では、表面マイクロマシンで用いられるポリシリ
コンは、その機械特性がプロセスの熱処理条件等で変わ
る点やポリシリコン自身が粒径数μm 〜数10μm 
の多結晶体である為、粒界での機械的はく離の問題で、
耐摩耗性が単結晶シリコンに比べて劣る欠点があった。 また、静電マイクロモータはポリシリコン膜(数μm 
厚)を反応性イオンエッチングなどの方法で垂直に近い
形状に加工して製作される。この時のエッチング端面は
、ドライエッチング中の反応生成物の端面側壁への付着
や斜目入射イオンによる衝撃などにより、縦縞状の凹凸
が入るため光学的鏡面を得るまでには至っていない問題
があった。
【0008】一方で、SAW 回折格子を用いる光偏向
器が提案されその実用化が検討されているが、これによ
る偏向角が小さい為、光プリンタ等の広範囲の光走査を
行う用途には適していない問題があった。さらに、西原
型の光走査装置は、従来のポリゴンミラーを利用した機
械的回転鏡での光偏向、光走査装置に比べ、小型軽量、
精密な光走査が可能である反面、光偏向角が数度程度に
限られる為、広範囲での光走査を行う用途には、SAW
 デバイスを直列に接続し、総合的な偏向角を大きくす
る工夫などが必要となる。しかし、SAW デバイスを
直列接続する方法は、素子の大型化につながる他、各S
AW デバイスの駆動に同期をとる必要がある為駆動回
路系が複雑になる欠点があった。
【0009】本発明の目的は上述した課題を解消して、
静電マイクロモータの機械的強度の確保および耐摩耗性
の向上ができるとともに、静電マイクロモータのロータ
端面の光学的鏡面の確保ができる光走査装置およびその
製造方法を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の光走査装置は、
基板と、この基板上に浮遊状態で回転可能に支持され端
面が光学的に平坦である回転体と、この回転体を回転駆
動させる静電マイクロモーターとからなることを特徴と
するものである。
【0011】また、本発明の光走査装置の製造方法の第
1発明は、基板上に第1犠牲層絶縁膜を形成する工程と
、この第1犠牲層絶縁膜上に半導体単結晶層を形成する
工程と、この半導体単結晶層をフォトリソグラフィーに
よりエッチングし、前記第1犠牲層絶縁膜を除去するこ
とにより前記回転体及び、静電マイクロモータを作成す
る工程とを有することを特徴とするものである。
【0012】さらに、本発明の光走査装置の製造方法の
第2発明は、半導体単結晶からなる第1の基板をフォト
リソグラフィーによりエッチングする工程と、第2の基
板上に第1犠牲層絶縁膜を形成する工程と、前記第1の
基板のエッチングされた表面と前記第2の基板を陽極接
合する工程と、前記第1の基板をエッチングされた表面
層を残して研磨により除去する工程と、前記第1犠牲層
絶縁膜を除去して前記回転体及び静電マイクロモータを
作成する工程とを有することを特徴とする。
【0013】
【作用】上述した構成において、静電マイクロモータと
回転体好ましくは回転反射鏡とを同一基板上に一体また
は別体に設けたため、微小な光偏向装置を備えた光走査
装置を構成することができる。従って、本発明の光走査
装置を使用した画像形成装置も、小型化を達成すること
ができる。また、本発明の光走査装置は、上述した本発
明の製造方法の第1発明および第2発明の構成のように
、同一基板上に犠牲層絶縁膜の使用およびエッチング工
程により静電マイクロモータと回転体を同時に形成する
ことにより、簡単に得ることができる。
【0014】
【実施例】本発明では、例えば静電マイクロモータのロ
ータ端面等に光学的鏡面を形成する必要がある。そのた
めの技術として有効な結晶面依存性のある異方性エッチ
ングについて、まず最初に説明する。図1はシリコン異
方性エッチングの概略を説明するための図である(佐藤
、計測と制御 vol. 28, No. 6, 48
1〜484, 1989)。図1(a) は結晶面が(
110) 面のシリコン基板を異方性エッチングした場
合のエッチング形状、図1(b) は同(100) 面
のシリコン基板のエッチング形状をそれぞれ示す。図1
(c) は(100) シリコン基板を異方性エッチン
グで穴状に加工(図ではダイヤフラムを形成)した時の
基板断面形状である。図1(c) で、エッチングマス
クとしてSiO2 201を用いマスク端部の方位を<
110> 方向に合わせた時、エッチング速度が(10
0)>>(111)となる結晶面依存性を持つ為、(1
11) 面202 が見掛け上エッチング停止面として
働き、この面は(100)面203 に対して54.7
°に正確に決まる。又、この時のエッチング面202 
は鏡面となる。図1(a) で、結晶面(110)を持
つシリコン基板を用い、<110> 方向にマスク方位
を合わせると(110) 面と(111) 面が直交す
る為、この時のエッチング端面204 は基板に対して
垂直になり、かつ鏡面である。シリコン異方性エッチン
グで作られる図1(a), (b)の(111) 面は
、光の反射面として優れた平坦性を持つ為、マイクロマ
シンで製作する回転ミラー面として理想的である。
【0015】光学的鏡面のロータを持つ静電マイクロモ
ータで構成される光偏向器光走査装置の概念図を図2に
示す。図2(a) は、異方性エッチングにより端面を
(111) 面で鏡面仕上げとし、かつ、端面が垂直に
なっている回転反射鏡301 と、これに接続されてい
るポリシリコンロータ302 、駆動ポリシリコン電極
(ステータ)303、Si3N4 からなるガイド層3
04 、回転鏡301 とロータ302 との連結部3
05 からなる静電モータ系と、回転鏡301 に光軸
合わせされている光導波路306 の第1クラッド層3
07 、コア308 、第2クラッド層309 を、基
板315 上に構成した反射鏡付静電モータと導波路と
が一体化されたシステムの断面である。図2(b)は図
2(a) に示すシステムを上面から見た一例である。 ポリシリコンロータ302 の下には、反射鏡301 
を連絡する為の連結部305 、Si3N4 ガイド層
304 の端315 、駆動用電極(ステータ)303
 、光導波路306 の端316 をそれぞれ示す。図
2(c) は、異方性エッチングで形成した(111)
端面309 を持つ回転反射鏡301 で、矢印310
 の方向に回転しているとする。この時、回転中心31
1 へ向かうレーザ光312 の最大偏向角は、回転反
射鏡301 の回転に伴い、端面309−1 で反射し
た光313 と端面309−2 で反射した光314と
のなす角度と考えて良いから、一点鎖線に示した角度と
なる。 実際には、(110) 面上での<110> 方向のな
す角度は、α=70.5°、β=110.5 °である
から、最大偏向角は2×(180 °−α)か2×(1
80 °−β)のいずれか大きい方で与えられ、2×(
180 °−70.5°) =219 °となる。
【0016】図3(a) 〜(k) に本発明による第
1実施例の各工程を示す。同実施例では、回転鏡413
 は結晶面(110) の単結晶シリコンで形成し、静
電マイクロモータのロータ420 とステータ421 
をポリシリコンで形成しているところに特徴がある。単
結晶回転鏡413 とポリシリコンロータ420 は、
結晶学的に部分的にエピタキシャル成長あるいは薄い自
然酸化膜を介して接続されている。
【0017】以下に、第1実施例の製作工程の概略を説
明する。図3(a) では、結晶面(110) を有す
る単結晶シリコン基板401 にマスク(レジスト等)
402 を用いて、酸素あるいは酸素とリン403 を
イオン注入し、基板401 の表面から所定の深さx:
404に所定のピーク濃度c:405−1を得る。この
時、マスク領域406−1 の下のシリコン基板401
 には、酸素あるいはリン403 のイオンは注入され
ず、本プロセスで製作されて静電モータ駆動、制御系I
Cを同一シリコン基板401 上に製作することができ
る。図3(b) では、マスク402 を除去し、熱処
理により注入イオン(酸素・リン)とシリコンとの反応
によりシリコン基板401 の所定の深さx:404に
SiO2層あるいはPSG 層からなる第1犠牲層40
5 を形成し、同時にシリコン基板401 の表面層4
06 の結晶性の回復を行い単結晶化する。SiO2層
あるいはPSG 層405 は、以後の製作工程で単結
晶シリコン406 の回転反射鏡をシリコン基板401
 から浮遊させる為の犠牲層となる。
【0018】図3(c) では、回転反射鏡413 の
厚みは、酸素あるいはリン403 のイオン注入深さ4
04 等(実際にはイオン射影飛程、標準偏差、熱処理
での酸素、リン元素の拡散等)で決まる。しかし、イオ
ンの注入深さ404 が浅く、回転鏡413 の厚みと
して不十分な場合には、図3(b) の工程で単結晶化
したシリコン表面407 上に、エピタキシャル成長法
で単結晶層408 を追加することもできる(この追加
層408と再結晶層406 を含めて結晶層409 と
呼ぶことにする) 。図3(d) では、図3(c) 
に示した埋込み絶縁層(第1犠牲層)405 の領域の
一部を拡大して示す。熱酸化により結晶層409 表面
にSiO2(第2犠牲層)410 を形成する。熱酸化
膜410 は次のシリコン異方性エッチングのマスクと
なるものである。又、熱酸化膜410 以外の例えばC
VD SiO2, Si3N4 等の絶縁膜、Au/C
r 等の金属膜等、異方性エッチングのマスクとして適
当な材料であれば如何なるものでも良い。
【0019】図3(e) では、マスク410 の少な
くとも四方を<110> 方向に合わせた形状に例えば
図3(l) に示すひし形にフォトリソグラフィーで加
工し、レジスト除去後にマスク410 を用いて単結晶
層409 をエッチングする。単結晶層409 の表面
411 は(110) 面に選んであるので、異方性エ
ッチング後の単結晶層409 の端面412 は(11
1) 面になる為、基板401 に対して垂直である。 異方性エッチング後の単結晶層409 は回転反射鏡と
なるので、特に回転反射鏡413 と呼称する。又、異
方性エッチングは埋込み絶縁層405 で停止し、基板
シリコン401 まで達することはない。図3(f) 
では、第3の犠牲層414 例えばPSG を堆積し、
図3(g) に示すように回転反射鏡413 の中心4
15 と同心の円で、かつ反射鏡413 を含む形状(
例えば図3(m) でD>L)に、PSG 414 及
び埋込みの絶縁層405 をフォトリソグラフィーで除
去する。
【0020】図3(h) では、CVD Si3N4 
膜416 を堆積し、反射鏡413 の中央部に反射鏡
413内に納まる第1開口部417 をフォトリソグラ
フィーで形成する。この開口部417は円形とし直径を
aとする。図3(i) では、第4犠牲層418 例え
ばPSG を堆積し、第1開口部417 より小さい(
直径をbとしb<a)第2開口部419 をフォトリソ
グラフィーで形成する。この時第2開口部419 は回
転反射鏡413 に達するようにエッチングする。図3
(j) では、ポリシリコンをCVD 法により堆積し
、フォトリソグラフィーにより、ロータ420 とステ
ータ421 を形成する。図3(k) では、第1〜第
4犠牲層405, 410, 414, 418をHF
系溶液で除去し、反射鏡413 、ポリシリコンロータ
420 、ステータ421 の一部422 及びSi3
N4 416 の一部417−1 をシリコン基板40
1 から浮遊させる。
【0021】上述した第1実施例では、ロータ420 
と反射鏡413 の回転中の固定は、ロータ413 と
わずかに離れて設置されているSi3N4 416 で
行われる。回転鏡413 の形状は図3(l) に示す
ような矩形をなしているが、回転に際し図3(m) に
示すようにD>Lで円形に第1犠牲層405 、第3犠
牲層414 をパターン形成することで問題はない。ま
た、単結晶反射鏡413 の加工に異方性エッチングと
RIE 等のドライエッチングを併用し、より鏡面に近
い異方性エッチングで形成した端面を光の反射面として
用い、回転運動する時にバランスをとるのに都合の良い
形状にRIE (任意の形状に加工が可能)で加工する
こともできる。この時のエッチングの手順は、SiO2
等のマスクで単結晶シリコンを異方性エッチングし、然
る後に、レジストマスクで単結晶シリコンをRIE で
加工する。
【0022】図4に示す本発明の第2実施例は、第1実
施例の回転鏡付静電マイクロモータに光入力の為の導波
路を同一基板上に形成するものであり、入射光の光軸と
回転鏡の反射面との位置合わせが容易に行える。製作工
程を以下に示す。第2実施例の製作工程において、図3
(a) 〜(g) の回転反射鏡412 を形成するま
では同一なので省略する。その後、以下の工程を実施す
る。
【0023】第4(a) では、501 は(110)
 シリコン基板、505 は埋込み絶縁膜(第1犠牲層
)、513 は端面垂直となる異方性エッチングで形成
した回転反射鏡、510 は熱酸化膜(第2犠牲層)、
414 は第3犠牲層である。 この上にCVD によりSi3N4 515を堆積する
。このSi3N4 515 は、次の光導波路を形成す
る際に犠牲層を保護する為のものである。図4(b) 
では、光導波路の第1クラッド層516 、コア層51
7 、第2クラッド層518 を順次堆積し、レジスト
マスクで回転反射鏡513を取り囲む形にRIE ある
いはRIBE(反応性イオンビームエッチング:Rea
ctive Ion Beam Etching)、I
BE (イオンビームエッチング:Ion Beam 
Etching) 等でCVD Si3N4 515 
が露出するまでエッチングする。図4(c) では、S
i3N4 515 をRIE 等で選択的にエッチング
し、再度第2のSi3N4 519 を堆積する。第2
のSi3N4 519 は、次の犠牲層除去の際、エッ
チング液(HF系溶液) から光導波路520 を保護
する為のものである。尚、第2のSi3N4 515 
は工程上支障がなければ、第1のSi3N4 519 
をエッチングせずに、重ねて堆積しても良い。図4(d
) では、レジストマスクで光導波路520 領域以外
の(第1Si3N4 515)、第2Si3N4 51
9 を除去する。
【0024】第4(e) では、第4の犠牲層521 
を堆積し、回転反射鏡513 と、光導波路520の端
部を含む領域を残すように、フォトリソグラフィーによ
り、第4犠牲層521をエッチングする。第4犠牲層5
21 堆積の目的は、光導波路520 のコア層517
 から回転反射鏡513 へ入射する光522 に対し
て光学的界面(反射屈折面)を作らないことである。ま
た、第4犠牲層521 は光導波路端面523 と回転
反射鏡513 の間を充填すれば良いので、第4犠牲層
521 を堆積後にRIE 等でエッチバックし、回転
反射鏡513 上の第4犠牲層の厚みを薄くしても良い
。こうすることでポリシリコンで形成する静電マイクロ
モータのロータ529 と回転反射鏡513 の接続孔
のエッチングを最小にすることができる。図4(f) 
では、第3のSi3N4 524 を堆積し、回転反射
鏡513 の中央部をフォトリソグラフィーによりエッ
チングし、回転反射鏡513 に達する第1の開口部5
25 を開ける。図4(g) では、第5の犠牲層52
6を堆積し、回転反射鏡513 の中央部をフォトリソ
グラフィーによりエッチングし、第2の開口部527 
を開け、同時に静電マイクロモータのロータとステータ
の一部を形成する領域以外の第5犠牲層526 を除去
する。図4(h) では、ポリシリコン528 を堆積
し、フォトリソグラフィーにより静電マイクロモータの
ロータ529及びステータ530 を形成する。図4(
i) では、第1〜第5犠牲層505, 510, 5
14,521, 526 をHF系エッチング液で除去
し、静電マイクロモータのロータ529 及び回転反射
鏡513 を浮遊状態にする。
【0025】上述した第2実施例において、第2Si3
N4 519は光導波路の端面に当り、コア517 、
第2Si3N4 519 の屈折率を適当に選び、反射
による回転反射鏡への入射光の損失を最少にする必要が
ある。例えばコア517 の屈折率と第2 Si3N4
の屈折率(実際にはSiOx Ny とし、酸素と窒素
の組成化によりnSiO2=1.460 〜nSi3N
4 =2.00まで屈折率は可変となる) を同一とし
、光導波路の出射端面にn=(nsiOxNy×1)1
/2 の屈折率を有し、かつλ/4n 層の光学薄膜を
堆積すれば、原理的には反射損失はなくなる。一方、回
転反射鏡513 の反射率Rはシリコンの屈折率がn=
3.85であるので、RはR={(n−1)/(n+1
)}2 ={(3.85−1)/(3.85+1)}2
 =0.345 となる。回転反射鏡513 の高反射
率化を行うには、反射鏡513 にAl, Au/Cr
, Ag/Crなどの高反射率金属を用いるか、高屈折
率層と低屈折率層の多層膜からなり、各膜厚がλ/4n
 となるように設定することで、90%以上の反射率を
容易に得ることができる。静電マイクロモータはステー
タ530 に印加する電圧をパルス的に切り換えること
により、ロータ529 に連続回転するトルクを与えた
り、ある特定の位置で静止させたりすることができる。 ロータ529 が連続回転する時は光偏向、光走査を連
続的に行うことができ、ロータ529が静止している時
は光を特定の方向へ出射することができる。また、ロー
タ529の静止位置をステップ状に変えることで、光の
出射方向をステップ状に変えることができ、光のディジ
タル偏向も可能となる。
【0026】第3の実施例は静電マイクロ回転鏡と光導
波路と光源とがハイブリッドあるいはモノリシックに一
体化された光走査システム構成に関するものである。図
5は上記の一体化走査システムの概略である。図5(a
) は、静電マイクロモータと回転反射鏡を一体にした
本発明による光走査系をレーザプリンタへ応用した例の
模式図である。図5(b) は同光走査系の断面である
。図5(a),(b) において、LD(レーザダイオ
ード:Laser Diode) 601の活性層60
2 から出射される光603 は光学系604 で集光
され、光導波路605 のコア層606 へ入射し回転
反射鏡607 へ向けて出射される。光導波路の出射端
面には反射防止膜608 がコーティングされており、
回転反射鏡端面には高反射膜609 がコーティングさ
れている。回転反射鏡607へ入射する光610 は、
反射鏡端面609 で反射され、静電マイクロモータの
ロータ611 の回転に伴い、角度θの方向へ反射され
光走査が行われる(出射光612)。実際には、反射鏡
で反射された光は、再度光導波路605 へ入射し、光
導波路の他の端面から出射されることになる。上記光走
査系は、光の水平方向の走査を行うことができ、走査光
(出射光)612 を感光紙613 に集光し、感光紙
613 をローラ614 により垂直走査することで光
の二次元走査を行うことができる。この光のx−y走査
とLDのON−OFFを同期させることで、特定のキャ
ラクターの印字ができ、レーザプリンタへの応用が可能
となる。
【0027】第4実施例は、静電マイクロモータと回転
反射鏡ともポリシリコンで製作する例である。図6(a
) 〜(g) にその製作工程を示す。図6(a) で
は、単結晶シリコン基板701 上にCVD 法にてS
i3N4 702 を堆積し、続いて第1犠牲層703
 、第1ポリシリコン704 を堆積する。Si3N4
 702 は、次のエッチング工程の基板保護層、70
4 は回転反射鏡となる。図6(b) では、フォトリ
ソグラフィーにて第1ポリシリコン704 、続いて第
1犠牲層703 を連続的にエッチングする。第1ポリ
シリコン704 の端面705 は垂直かつ光学的に平
滑である必要があり、その為第1ポリシリコン704 
のエッチング加工には、RIE, RIBE, IBE
などのドライエッチング法の中で上記の条件を満足する
エッチング方法とエッチング条件を用いる。第1ポリシ
リコン704 の平面形状は、マスク形状を変えること
で、正方形、八角形など任意の形状とすることができる
【0028】図6(c) では、第2の犠牲層706 
を堆積し、回転反射鏡704 を同心で、該反射鏡70
4 を含む円形にフォトリソグラフィーでパターン形成
する。図6(d) では、第2のSi3N4 707 
を堆積し、回転反射鏡704 の中央部に第1開口部7
08 を窓開けする。図6(e) では、第3犠牲層7
09 を堆積し、回転反射鏡704 の中央部に第2開
口部710 を第1開口部708 の内側に窓開けする
。この時、同時にロータ712 とステータ713 の
一部を含む領域以外の第3犠牲層709 も除去する。 図6(f) では、第2ポリシリコン711 を堆積し
、フォトリソグラフィーによりロータ712 とステー
タ713 を形成する。図6(g) では、HF系溶液
に浸漬し、第1犠牲層703 、第2犠牲層706 、
第3犠牲層709 を除去し、回転反射鏡704 と静
電マイクロモータのロータ712 を浮遊状態にする。
【0029】第5実施例を図7に示す。本実施例では、
回転反射鏡に用いる(110) 単結晶シリコン801
 と第1犠牲層803 を堆積したガラス基板802 
、あるいはシリコン基板804 とを陽極接合した後、
単結晶シリコン801 を研磨することで、所定の厚み
の単結晶シリコン層805 を得るものである。まず、
図7(a) では、(110) 結晶面を有する単結晶
基板801 と、PSG 等の犠牲層803 を被着し
たガラス基板802 、あるいは同犠牲層803 を被
着したシリコン基板804 を用意する。以下、ガラス
基板、シリコン基板上での製作も同一なので以下では基
板802, 804を区別せず804 と呼称する。図
7(b) では、(100) 単結晶基板801 と基
板804 を接触させ、400 〜500 ℃程度の温
度で犠牲層804 が被着してある基板804 側に負
電位を印加し、単結晶基板801 と基板804 とを
陽極接合にて張り合わせる。図7(c) では、単結晶
基板801 側を機械的あるいは化学・機械的に研磨し
、第1犠牲層803 上に数μm の単結晶層805 
を残す。この単結晶層805 が回転反射鏡の厚みとな
る。
【0030】図7(d) では、熱酸化により、単結晶
層805 上にSiO2(第2犠牲層)806 を形成
し、フォトリソグラフィーによりシリコン異方性エッチ
ングのマスクを形成し、単結晶層805 を異方性エッ
チングにより回転反射鏡807 を形成する。図7(e
)では、第3犠牲層808 を全面に堆積し、図7(f
) に示すように、フォトリソグラフィーにより第3犠
牲層808 と第1犠牲層803 をエッチングし、回
転反射鏡807の中心と同心で回転反射鏡807 を含
む円形に残す。図7(g) では、Si3N4 809
 を堆積した後、フォトリソグラフィーで回転反射鏡8
07 の中央部に第1開口部810を窓開けする。図7
(h) では、第4犠牲層811 を堆積し、フォトリ
ソグラフィーで回転反射鏡807 の中央部に第2開口
部812 を、第1開口部810 の内側に窓開けする
。図7(i)では、ポリシリコン813 を堆積し、フ
ォトリソグラフィーで静電マイクロモータのロータ81
4 及びステータ815 を形成する。図7(j) で
は、HF系溶液で第1〜第4犠牲層803, 806,
 808, 811を除去し、回転反射鏡807 及び
静電マイクロモータのロータ814 を浮遊状態にする
【0031】上述した第5実施例では、陽極接合にて、
シリコン基板と、ガラス基板あるいはガラス付きシリコ
ン基板を接着する為、両基板とも平滑な表面を有するこ
とが重要である。また、接合したシリコン基板を図7(
c) の工程で研磨により数μmの厚さに薄くする加工
があるが、ガラス基板上に接着したシリコン基板の厚み
の測定法としてガラス基板側から光を入射させ、シリコ
ン基板側での透過光強度から求める方法が簡便である。
【0032】第6実施例は、図8(a) の構造図に示
すように、回転反射鏡902 の反射端面903 に逆
テーパをつけ、光導波路904 から透明基板901 
に平行に回転反射鏡902 へ入射する光905 を、
透明基板901 側へ反射させるものである(908 
は反射光) 。906 は静電マイクロモータのロータ
907 は同ステータである。以下に、製法を示す。ま
ず、図8(b) では、(100) 結晶面を持つ単結
晶シリコン910 に熱酸化膜911 を形成し、フォ
トリソグラフィーにより四辺が<110> 方向に一致
する回転反射鏡902 の形状にパターン形成後、異方
性エッチングによりシリコン基板910 にメサ形状9
12 を堀り込む。このメサ形状は順メサであり、斜面
が(111) 面となることより、(100) シリコ
ン基板910 とは54.7°の角度913 で交わる
。 図8(c)では、マスク酸化膜911 を除去し、第1
犠牲層(PSG 等)914を堆積したガラス基板(石
英、パイレックスガラス等)915 上に順メサ912
 を形成した面を合わせて乗せる。
【0033】図8(d) では、シリコン基板910 
とガラス基板915 間にシリコン基板910 側が正
となるように数100 Vの電圧を印加しながら400
 〜500 ℃に加熱し、両基板を接合する(陽極接合
)。図8(e) では、シリコン基板910 を機械的
あるいは機械・化学的に研磨し、メサ部912 の一部
916 を残し、すべて除去する。916 は回転反射
鏡902 となる。その後、第2犠牲層917 を堆積
する。 図8(f) では、フォトリソグラフィーにより、第2
犠牲層917 、第1犠牲層914 を、回転反射鏡9
16 を含む円形にパターン形成する。その後、全面に
第1Si3N4 918 を堆積し、続いて第1クラッ
ド層919 、IP層920 、第2クラッド層921
 から成る光導波路層922 を堆積する。フォトリソ
グラフィーにより光導波路層922 をパターン形成し
、回転反射鏡916 を含む第1,第2犠牲層914,
 917の外側に光導波路端923 が位置するように
する。第1Si3N4 918 は、光導波路層922
 のパターン形成を行う時に、第2犠牲層917 と第
1犠牲層914 を保護する為のものである。図8(g
) では、第2Si3N4 924 を堆積し、フォト
リソグラフィーにて、第1,第2犠牲層914, 91
7上の第1,第2Si3N4 918, 924を除去
する。
【0034】図8(h) では、第3犠牲層925 を
堆積し、光導波路922 と第1,第2犠牲層914,
 917の間を充填し、必要に応じてエッチバックによ
り第3犠牲層925 を薄くした後、フォトリソグラフ
ィーにより第3犠牲層925 の端部が光導波路層92
2 上に位置するようにパターン形成する。図8(i)
 では、第3Si3N4 927 を堆積し、フォトリ
ソグラフィーにより第3Si3N4 927 、第3犠
牲層925 、第2犠牲層917 をエッチングし、回
転反射鏡916 の中央部に第1開口部を形成する。次
に、第4犠牲層928 を堆積し、フォトリソグラフィ
ーにより第4犠牲層928をエッチングし、回転反射鏡
916 の中央部に回転反射鏡916 に達し第1開口
部より小さい第2開口部929 を形成する。図8(j
)では、ポリシリコン930 を堆積し、フォトリソグ
ラフィーによりポリシリコン930 をエッチングし、
第4犠牲層928 の内側に静電マイクロモータのロー
タ931 を形成し、第4犠牲層928 に一部かかり
、その外側にステータ932 を形成する。図8(k)
 では、HF系溶液にて第4,3,2,1犠牲層928
, 925, 917, 914をエッチングし、回転
反射鏡916 、静電マイクロモータのロータ931 
を浮遊状態にする。図8(l) に示すように、回転反
射鏡916 となるメサ912 端面933 に反射率
を上げる為に金属のコーティング、Al2O3/a−S
i等の低屈折率層と高屈折率層のλ/4n 膜厚からな
る誘電体多層膜や半導体多層膜934 のコーティング
を施しても良い。
【0035】第7実施例を図9に示す。第7実施例は、
回転反射鏡1002の反射面が、光導波路1005から
入射する光1024を基板1001と反対方向(上方)
へ反射するように傾斜をつけたものである。光を上方へ
出射するので、基板1001が光に対して透明である必
要がないので、基板選択の自由度が高い。また、上方へ
光を出射できるので実装が容易などの利点もある。図9
(a) は、本実施例の断面構造である。1001は基
板、1002は回転反射鏡、1003は静電マイクロモ
ータのロータ、1004は同ステータ、1005は光導
波路で、第1クラッド1006、コア1007、第2ク
ラッド1008からなる。1009は静電マイクロモー
タのロータ1003と回転反射鏡1002からなる機械
的可動物の支持体(ガイド層) である。
【0036】図9(b)−1 では、結晶面(100)
 を有するシリコン基板1001−1に、酸素あるいは
酸素とリンのイオン注入と、その後のアニールで形成さ
れる第1犠牲層1010と、同アニールで回復する結晶
層あるいは必要に応じて形成されるエピタキシャル成長
層を含む結晶層1011とからなる。図9(c)−1 
では、熱酸化により結晶層1011表面に熱酸化膜(S
iO2)1012を形成し、フォトリソグラフィーによ
り四辺を<110> 方向に合わせた長方形あるいは正
方形の回転反射鏡1002のパターンを形成する。シリ
コン異方性エッチングにて、結晶層1011を第1犠牲
層1010に達するまでエッチングする。
【0037】図9(b)−2 では、結晶面(100)
 のシリコン基板1001−2の全面あるいは一部に、
化合物半導体、例えばGaAs等をヘテロエピタキシャ
ル成長する。マスクエッジの方向を<110> 方向に
合わせたフォトレジストマスクにて、化合物半導体層1
013を選択エッチング(例えばH2SO4/H2O2
系、NH4OH/H2O2系) すると、順メサ方向に
は順メサが、逆メサ方向には逆メサが形成される。図9
(c)−2 には、化合物半導体の逆メサ1014を示
してある。図9(d)−2 では、全面に第1犠牲層(
PSG等)1015 を堆積する。図9(e)−2 で
は、任意の結晶面を有するシリコン基板1016と図9
(d)−2 に示す基板の第1犠牲層1015が接触す
るように載せ、陽極接合法によって両基板を張り合わせ
る。
【0038】図9(b)−3 では、(100) 面を
有する化合物半導体基板1001−3に、図9(c)−
3 に示すようにマスク四辺を<110> 方向に合わ
せたフォトレジストマスクでエッチングし、順メサ方向
に順メサを、逆メサ方向に逆メサを形成する。図には逆
メサ1018を示している。図9(d)−3 では、第
1犠牲層(PSG等)1019 を堆積する。図9(e
)−3 では、任意の結晶面を有するシリコン基板10
20と、図9(d)−3 の基板の第1犠牲層1019
側を接触させ、陽極接合により両基板を接着する。
【0039】図9(f) では、図9(e)−2 に示
すシリコン基板1001−2、図9(e)−3 に示す
化合物半導体基板を機械あるいは機械・化学研磨し、メ
サ部1014あるいは1018を残す。メサ部1014
, 1018以外の基板1001−2, 1001−3
はすべて研磨で除去される。残されたメサ部1014,
 1018をマスクに、第1犠牲層1015, 101
9の回転反射鏡1014, 1018の下の第1犠牲層
1015, 1019以外の第1犠牲層1015, 1
019を除去する。以降の製作工程は、図8(e) 以
降と全く同様であるので、ここでは省略する。なお、図
9(g) は図9(a) に示した回転反射鏡(四端面
とも順メサ形状の場合)1002付き静電マイクロモー
タのロータ1003の平面図の一例である。正方形回転
反射鏡1002の順メサ端面1021に入射する光10
24は四極ロータ1003(4枚の翼1022の中線1
023が反射鏡1002の対角線と一致する方向に選ん
である) のすき間を通過して上方へ出射される。
【0040】図10に本発明の第8実施例を示す。図1
0に示す第8実施例において、静電マイクロモータの可
動部であるロータの機械的強度を確保する為に、SIM
OX(Separation by Implante
d Oxygen) を用いて、単結晶シリコン基板表
面下にSiO2あるいはPSG の構成元素となる酸素
並びにリンから成る層をイオン注入で形成し、これを浮
遊構造体を形成する為の犠牲層として熱処理によりシリ
コン基板表面層の再結晶化とし、イオン注入層のガラス
化を図り図10のプロセスで単結晶シリコンから成るロ
ータを形成する。図10(a) は、本発明で製作され
る静電モータの概念図である。101 は(110) 
面シリコン基板、102 は同101 基板の表面層を
使って形成されるロータ、103 はステータ、104
 はポリシリコンで形成されるベアリング、105 は
間隙である。
【0041】以下に単結晶ロータ102 、ポリシリコ
ンベアリング104 の部分の製作工程を示す。まず図
10(b) では、(110) シリコン基板に例えば
数10KeV 〜数MeV の加速エネルギーで酸素イ
オン106 、リンイオン107 をイオン注入し、基
板101 表面から所定の深さに高濃度に酸素, リン
から成る注入層108 を形成する。これが第1犠牲層
となる。図10(c) では、熱処理によりイオン注入
層108 をガラス化し、SiO2あるいはPSG 層
109 を形成し、同一熱処理あるいは追加熱処理によ
り、イオン106, 107が通過したシリコン基板1
01 の表面層を再結晶化し、結晶層110 に戻す。 図10(d) では、PSG 等の第2犠牲層111 
を堆積し、図10(e) に示すようにロータ112 
の形状にフォトリソグラフィーにより犠牲層111 の
パターン形成を行い、続いて結晶面異方性エッチング液
で再結晶シリコン層110 を第1犠牲層109 が露
出するまでエッチングする。この時、第2犠牲層111
 はシリコン異方性エッチングのマスクとなり、このマ
スクの端部113 の方位の少なくとも四方向を<11
0> 方向に一致させることで、垂直端面が得られる。
【0042】図10(f) では、フォトリソグラフィ
ーにより、ロータ102 の中央部にベアリング104
 を形成するための開口114 を形成する。図10(
g) では、第3犠牲層115 を堆積し、ベアリング
104 を形成するための窓口117 を開ける。これ
に続き図10(h) に示すベアリング104 となる
ポリシリコン116を堆積し、フォトリソグラフィーに
よりベアリング形状に加工する。図10(i) では、
第1,第2,第3犠牲層109, 111, 115 
をHF系溶液で除去し、ロータ102 を浮遊状態にす
る。尚、図10で用いるシリコン基板101 は、端面
113 が垂直なロータ102 を得る為に(110)
 基板を用いているが、(100) 基板を用いている
ことで図10(e) の異方性エッチングによりロータ
102 を形成する工程で順メサ形状を得ることもでき
る。
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、静電マイクロモータと回転体とを同一基板上
に設けているため、微小な光偏向装置を備えた光走査装
置を得ることができるとともに、これを使用した画像形
成装置の小型化を達成することができる。また、本発明
の光走査装置は、犠牲層絶縁膜の使用およびエッチング
工程により同時に形成することにより、簡単に得ること
ができる。
【0044】また、単結晶シリコンで静電マイクロモー
タの可動部であるロータを形成するので、機械的強度、
耐摩耗性の高い静電マイクロモータが実現できる為、高
速回転に耐え、長寿命化が達成できる。さらに異方性エ
ッチングにより可動部端面を形成すると、この面は結晶
学的に(111) 面に定まり、光学的に平坦(光学的
鏡面)な端面となる。この端面を光走査用反射鏡として
用いると理想的な反射鏡となる。
【0045】さらにまた、反射鏡を形成する結晶の面方
位を(110) とすることで垂直端面が得られ(10
0) とすることで順メサ状端面あるいは逆メサ状端面
が得られる。 反射鏡端面の傾斜方向に応じて反射光の光軸を入射光の
光軸方向と同一(垂直端面の場合)、上方(順メサ端面
の場合)、下方(逆メサ端面の場合)と変えることがで
きる。反射鏡として機能する構造体(回転反射鏡)と静
電マイクロモータのロータとして機能する構造体を分離
することで、両者の機能を向上させることができる。具
体的には単結晶からなる反射鏡(異方性エッチングによ
り鏡面の端面)、静電モータとして最適形状のロータが
作製でき、両者とも独立に設計の自由度が向上する。静
電マイクロモータと、反射鏡を上下方向に分離するので
、下の反射鏡の高さに位置合わせして光導波路を同一基
板上に集積できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリコン異方性エッチングを説明するための図
である。
【図2】本発明の光走査装置の一例の構成を示す概念図
である。
【図3】本発明の光走査装置の第1実施例の製造工程を
示す図である。
【図4】本発明の光走査装置の第2実施例の製造工程を
示す図である。
【図5】本発明の光走査装置の第3実施例を示す図であ
る。
【図6】本発明の光走査装置の第4実施例の製造工程を
示す図である。
【図7】本発明の光走査装置の第5実施例の製造工程を
示す図である。
【図8】本発明の光走査装置の第6実施例の製造工程を
示す図である。
【図9】本発明の光走査装置の第7実施例の製造工程を
示す図である。
【図10】本発明の光走査装置の第8実施例の製造工程
を示す図である。
【図11】従来のマイクロモータの製造工程を示す図で
ある。
【図12】従来の静電マイクロモータの構成を示す図で
ある。
【図13】従来の光走査装置の一例の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
315   基板 301   回転体

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  基板と、この基板上に浮遊状態で回転
    可能に支持され端面が光学的に平坦である回転体と、こ
    の回転体を回転駆動させる静電マイクロモータとからな
    ることを特徴とする光走査装置。
  2. 【請求項2】  前記回転体が、前記基板上に浮遊状態
    で回転可能に支持され端面が光学的に平坦である回転反
    射鏡と、この回転反射鏡上に形成された前記静電マイク
    ロモータのロータと、このロータと前記回転反射鏡とを
    接続する連結部からなることを特徴とする請求項1記載
    の光走査装置。
  3. 【請求項3】  前記静電マイクロモータの周囲に前記
    回転体の端面と光軸が一致する光導波路を形成したこと
    を特徴とする請求項1または2記載の光走査装置。
  4. 【請求項4】  請求項3記載の光走査装置と、レーザ
    光源と、光学系と、感光体とを備えたことを特徴とする
    光走査装置を有する画像形成装置。
  5. 【請求項5】  前記回転体、または、前記回転反射鏡
    は、半導体からなり、その結晶面が(100) または
    (110) であることを特徴とする請求項1または2
    記載の光走査装置。
  6. 【請求項6】  前記回転体、または、前記回転反射鏡
    の断面形状が、順メサ、逆メサ、あるいは垂直のいずれ
    かであることを特徴とする請求項1または2記載の光走
    査装置。
  7. 【請求項7】  基板上に第1犠牲層絶縁膜を形成する
    工程と、この第1犠牲層絶縁膜上に半導体単結晶層を形
    成する工程と、この半導体単結晶層をフォトリソグラフ
    ィーによりエッチングし、前記第1犠牲層絶縁膜を除去
    することにより前記回転体及び、静電マイクロモータを
    作成する工程とを有することを特徴とする請求項1記載
    の光走査装置の製造方法。
  8. 【請求項8】  前記半導体単結晶層が、SIMOX 
    法あるいは陽極接合法により形成されたことを特徴とす
    る請求項7記載の光走査装置の製造方法。
  9. 【請求項9】  半導体単結晶からなる第1の基板をフ
    ォトリソグラフィーによりエッチングする工程と、第2
    の基板上に第1犠牲層絶縁膜を形成する工程と、前記第
    1の基板のエッチングされた表面と前記第2の基板を陽
    極接合する工程と、前記第1の基板をエッチングされた
    表面層を残して研磨により除去する工程と、前記第1犠
    牲層絶縁膜を除去して前記回転体及び静電マイクロモー
    タを作成する工程とを有することを特徴とする請求項1
    記載の光走査装置の製造方法。
JP03124527A 1991-04-30 1991-04-30 光走査装置およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3086003B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03124527A JP3086003B2 (ja) 1991-04-30 1991-04-30 光走査装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03124527A JP3086003B2 (ja) 1991-04-30 1991-04-30 光走査装置およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04328715A true JPH04328715A (ja) 1992-11-17
JP3086003B2 JP3086003B2 (ja) 2000-09-11

Family

ID=14887690

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03124527A Expired - Fee Related JP3086003B2 (ja) 1991-04-30 1991-04-30 光走査装置およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3086003B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995034943A1 (en) * 1994-06-10 1995-12-21 Case Western Reserve University Micromotors with utilitarian features and methods of their fabrication
US5705318A (en) * 1994-06-06 1998-01-06 Case Western Reserve University Micromotors and methods of fabrication
US5788468A (en) * 1994-11-03 1998-08-04 Memstek Products, Llc Microfabricated fluidic devices
US6029337A (en) * 1994-06-06 2000-02-29 Case Western Reserve University Methods of fabricating micromotors with utilitarian features
US6932271B2 (en) 2000-01-27 2005-08-23 Ricoh Company, Ltd. Optical scan module, optical scanner, optical scan method, image generator and image reader
DE102008001005A1 (de) 2008-04-04 2009-10-22 Forschungszentrum Karlsruhe Gmbh Verfahren zur Herstellung eines Schichtverbundes mit epitaktisch gewachsenen Schichten aus einem magnetischen Formgedächtnis-Material und Schichtverbund mit epitaktischen Schichten aus einem magnetischen Formgedächtnis-Material sowie deren Verwendung

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4513225B2 (ja) 2001-03-30 2010-07-28 ブラザー工業株式会社 光走査装置及び光走査装置を備えた画像形成装置
TWI395258B (zh) 2005-11-11 2013-05-01 Semiconductor Energy Lab 微結構以及微機電系統的製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5705318A (en) * 1994-06-06 1998-01-06 Case Western Reserve University Micromotors and methods of fabrication
US6029337A (en) * 1994-06-06 2000-02-29 Case Western Reserve University Methods of fabricating micromotors with utilitarian features
WO1995034943A1 (en) * 1994-06-10 1995-12-21 Case Western Reserve University Micromotors with utilitarian features and methods of their fabrication
US5788468A (en) * 1994-11-03 1998-08-04 Memstek Products, Llc Microfabricated fluidic devices
US6932271B2 (en) 2000-01-27 2005-08-23 Ricoh Company, Ltd. Optical scan module, optical scanner, optical scan method, image generator and image reader
DE102008001005A1 (de) 2008-04-04 2009-10-22 Forschungszentrum Karlsruhe Gmbh Verfahren zur Herstellung eines Schichtverbundes mit epitaktisch gewachsenen Schichten aus einem magnetischen Formgedächtnis-Material und Schichtverbund mit epitaktischen Schichten aus einem magnetischen Formgedächtnis-Material sowie deren Verwendung

Also Published As

Publication number Publication date
JP3086003B2 (ja) 2000-09-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10649202B2 (en) Micro-electro-mechanical device with a movable structure, in particular micromirror, and manufacturing process thereof
US6256134B1 (en) Microelectromechanical devices including rotating plates and related methods
CN107662902B (zh) 用于制造mems微反射镜设备的工艺以及相关联设备
US7116462B2 (en) Electrostatic drive type MEMS device and manufacturing method thereof, optical MEMS device, light modulation device, GLV device, and laser display
JP3484543B2 (ja) 光結合部材の製造方法及び光装置
TWI276847B (en) Wavelength-variable filter and method of manufacturing the same
US20020167072A1 (en) Electrostatically actuated micro-electro-mechanical devices and method of manufacture
JPWO2008069176A1 (ja) アクチュエータ
US20050194650A1 (en) Micromechanical actuator with multiple-plane comb electrodes and methods of making
KR101104598B1 (ko) 광주사 미러와, 반도체 구조 및 그 제조방법
CN103086316B (zh) Mems垂直梳齿微镜面驱动器的制作方法
JPH04328715A (ja) 光走査装置およびその製造方法
US20080043310A1 (en) Vibrating mirror, light writing device, and image forming apparatus
US6650459B2 (en) Galvano-micromirror and its manufacture process
EP1741669A2 (en) Hidden hinge mems device
JPH04332828A (ja) ファブリ・ペロー型可変波長フィルター及びその製造方法
US6934063B2 (en) MEMS mirror
JPH02101402A (ja) 反射鏡装置
JP3308569B2 (ja) 光走査装置
CN113031251B (zh) 一种静电驱动式微镜及其制作方法
JPH1184273A (ja) 薄膜アクチュエーテッドミラーアレイ及びその製造方法
KR100300965B1 (ko) 정전기력을 이용한 광디스크 드라이브의 미소 거울 구동기 및 그 제작 방법
KR100892066B1 (ko) 초소형 미러 및 그 제조방법
KR100672249B1 (ko) 실리콘 마이크로 미러의 제작 방법
GB2375185A (en) Thick wafer for MEMS fabrication

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000620

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees