JPH0432288Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は所要の間隔で送り孔が両側に形成され
た印字用紙を印字装置の印字位置へ給送するピン
トラクターに関する。

［従来の技術］ 従来、この種のピントラクターは、左右一対の
フレームと、フレームの両端に夫々回転可能に支
持された２個のプーリと、両プーリ間に掛渡さ
れ、外周面に沿つて等間隔に多数のピンが突設さ
れた無端状ベルトとから構成されていた。

このピントラクターは、２個のプーリの一方が
パルスモータやDCサーボモータ等の駆動源の駆
動力を伝達する駆動軸に挿通され、他方のプーリ
またはフレームが、駆動軸と平行に設けられたガ
イド軸に挿通された状態で、印字装置の用紙給送
路の左右に印字用紙の幅と等しい距離をもつて位
置決めされていた。

そして、印字用紙はその両端に穿設された送り
孔がピンラクターのピンに係合するようにピント
ラクターに装着された後、駆動源により駆動軸を
介して駆動用プーリが回転駆動され、プーリの回
転によりベルトが２個のプーリ間で回転駆動され
る。このベルトの回転に伴つてピンが移動し、印
字用紙が印字位置に給送される。

［考案が解決しようとする問題点］ ところで、印字用紙は両端の送り孔をピントラ
クターのピンに係合した時、自重により幅方向の
中央部分が弛んだ状態となる。そして、この弛み
量は幅広の印字用紙ほど多くなり、印字不良や紙
ジヤムの原因となる。そこで、印字用紙が弛まな
いように、ピントラクターはピンで印字用紙を幅
方向の外方に向かつて引張るように駆動軸及びガ
イド軸に位置決め固定される。

この時、ピントラクターの印字用紙を引張る力
が強過ぎると、送り孔が破れたり逆にベルトのプ
ーリ間に位置する部分が引張られて、ベルトが送
り方向に対して曲がつた状態になる。この状態で
印字用紙の送り動作がなされると、ピンと送り孔
が係合しなくなり、印字用紙が曲つて印字位置に
給送されたり、印字用紙が破損して用紙給送が不
能になつた。この問題を解決するために、歯付き
ベルトに溝部を設けるとともにその溝部にベルト
の走行方向と平行に設けたガイドリブを係合させ
たものがある。しかしこのようなベルトを成形す
ることは非常に困難であり、そのためまず歯付き
ベルトを予め成形したのち、前記溝等を形成する
などの複数の工程を用いて製造する必要があつ
た。そのため上記のような装置を安価に生産する
ことができなかつた。

［考案の目的］ 本考案は従来のピントラクターの問題点を解決
するためになされたものであり、その目的は、用
紙が曲つた状態で給送されたり、送り孔や用紙が
破損して給送不能になることなく、確実な用紙給
送が行なえるピントラクターを安価に供給するこ
とにある。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案は左右一対
のフレームと、このフレームの両端に夫々回転可
能に支持された歯付きプーリと、前記プーリ間に
掛渡され、外周面に沿つて等間隔に多数のピンが
突設されるとともに、内周面にはその幅方向両側
に前記歯付きプーリの歯と係合可能であるととも
にその幅方向中央部が溝部となる歯部を形成し、
該歯部が幅方向両側でそれぞれ交互に列設される
無端状のベルトと、前記フレーム間において前記
プーリ間に設けられ、前記ベルトの内周側への移
動を規制するガイド部材と、前記ガイド部材に設
けられ、前記溝部と係合する被係合部とらなるこ
とを特徴とするものである。

［作用］ 本考案のピントラクターにおいては、印字用紙
が幅方向で弛まないようにピントラクターに装着
された時、ベルトはその溝部がガイド部材の被係
合部と係合しているので左右への移動が規制さ
れ、印字用紙に引張られて曲げられることなく、
駆動源により回転駆動される。

［実施例］ 以下、本考案を具体化した実施例を第１図乃至
第３図を参照して説明する。

図示しない印字装置には、プラテンと平行に延
びるように駆動軸１１がパルスモータやDCサー
ボモータ等の駆動源（図示しない）に回転駆動可
能に支持されるとともに、この駆動軸１１の前方
にそれと平行に延びる案内軸１２が支持されてい
る。そして、駆動軸１１と案内軸１２との間には
印字用紙（図示しない）を印字位置へ移送するた
めの本実施例のピントラクター１４が左右一対に
配置されている。

このピントラクター１４の左右一対のフレーム
１５間において、その前方位置（第１，２図の左
方位置）及び後方位置（同図の右方位置）には、
プーリ１６，２６が支持部１７，２７により回転
可能に支持されている。このプーリ１６，２６は
周面に沿つて等間隔に多数の歯が形成され、また
支持部２７には前記駆動軸１１挿嵌される挿通孔
２８が設けられている。その挿通孔２８に前記駆
動軸１１が挿通され、このプーリ２６は駆動プー
リとなり、前方位置にあるプーリ１６が従動プー
リとなる。

前記両プーリ１６，２６間には、無端状のベル
ト２１が掛渡されており、このベルト２１の外周
面には印字用紙（図示しない）の送り孔に嵌合す
る多数個のピン２２が等間隔をおいて突設されて
いる。また、第１図に示すように、ベルト２１の
内周面には前記プーリ１６，２６の歯と係合し、
その幅の半分よりも短い幅を有する歯２３が右端
及び左端に交互に突設されている。この歯２３に
より第３図に示すようにベルト２１の内周面の中
央部分には、その面に沿つて溝部としての溝２４
が形成される。一方の側（例えば右側）に形成さ
れる歯２３は、前記プーリ１６，２６の歯間隔の
２倍の間隔で並んでいる。また他方の側（同左
側）は、前記一方の側（同右側）に並ぶ歯２３間
の中央の位置に対応して列設されている。結果と
して歯２３は、その走行方向に関して前記プーリ
１６，２６の歯と同一歯間隔で並ぶことになり、
前記プーリ１６，２６の歯は前記ベルト２１の左
右の歯２３に対して交互に係合することになる。

前記フレーム１５の右側（第１，２図の右側）
のフレーム１５ｂには、ガイドフレーム３１が両
プーリ１６，２６間に位置するように一体形成さ
れている。このガイドフレーム３１はフレーム１
５ｂの上面と同一面になつている上面３１ａに
て、ベルト２１の下方（内側方向）への移動を規
制している。また、このガイドフレーム３１の上
面３１ａの幅方向における中央部分には、第１図
に示すように長手方向に沿つたリブ３２が突設さ
れている。このリブ３２は、その高さがベルト２
１の歯２３の高さよりも若干低くなつており、ベ
ルト２１が両プーリ１６，２６間に掛渡された
時、第３図に示すようにベルト２１の溝２４に嵌
り込み、リブ３２の側面と溝２４を形成する歯２
３の側面が係合して、ベルト２１の左右への移動
を規制する。

前記フレーム１５の左側（第１，２図の左側）
のフレーム１５ａの上端部には、印字用紙の送り
孔とベルト２１のピン２２との係合を保持するガ
イド板３６が前後一対の軸支部３７により回動可
能に支持され、フレーム１５の上面で開閉可能と
なつている。このガイド板３６には透孔３７が形
成されており、閉鎖時に前記ピン２２の移動を案
内する。

また、両フレーム１５のほぼ中央部には前記案
内軸１２が挿嵌される孔３３が透設されており、
印字装置の左右に配置されたピントラクター１４
が、この孔３３と前記駆動プーリ２６の挿通孔２
８において案内軸１２及び駆動軸１１に対してス
ライド可能に支持され、このことより印字用紙の
幅に応じて双方間の間隔を調整できるようになつ
ている。

以上のように構成されたピントラクター１４に
印字用紙を装着する場合、左右のピントラクター
１４を駆動軸１１及び案内軸１２に対してスライ
ドさせて双方間の間隔を印字用紙の幅に応じた間
隔に調整した後、前記ガイド板３６を開放状態に
して印字用紙の送り孔をベルト２１の各ピン２２
に嵌合させて、ガイド板３６を閉鎖する。このこ
とにより、ガイド板３６の透孔３８とピン２２の
先端が係合し、ガイド板３６により印字用紙の送
り孔とピン２２との係合が保持される。この状態
で前記駆動軸１１が回転駆動される駆動プーリ２
６が回転し、ベルト２１が両プーリ１６，２６間
で周回する。このベルト２１の周回に伴ない、従
動プーリ１６の歯から解離したベルト２１の歯２
３は、溝２４を形成する側面をリブ３２の側面に
係合させながらガイドフレーム３１上面上を摺動
する。また、ピン２２はフレーム１５間を前方か
ら後方へ移動する。このことにより、印字用紙は
ベルト２１の上面のみに接しながら、この上面と
ガイド板３１との間を案内されて印字位置へ送ら
れる。

ここで印字用紙をピントラクター１４に装着し
た際に、印字用紙の幅方向における中央付近が自
重により弛んでいる場合は、ピントラクター１４
をその間隔が広がる方向へ駆動軸１１及び案内軸
１２に沿つてスライドさせて印字用紙の弛みを取
る。このことにより、紙ジヤムが起こることなく
印字用紙が印字位置に送られる。この時、両プー
リ１６，２６間において、ベルト２１の溝２４に
はガイドフレーム３１のリブ２４が嵌り込んでお
り、ベルト２１の歯２３の側面とリブ２４の側面
とが係合しているので、ベルト２１の左右への移
動は規制され、印字用紙によりベルト２１が引張
られその周回方向に対して曲つた状態になること
はない。従つて、印字用紙は曲つたり破損したり
することなく印字装置に送られる。

［考案の効果］ 以上、詳述したように本考案のピントラクター
は、印字用紙がその幅方向へ引張られた状態でピ
ントラクターに装着されても、ベルトは、その溝
部がガイドフレームの被係合部に係合しているの
で左右への移動を規制され、印字用紙に引張られ
曲げられることなく回動駆動される。従つて、本
考案のピントラクターは印字用紙が曲つた状態で
印字装置に送つたり、送り孔等が破損して送り動
作が不能になることなく、正確且つ確実な紙送り
動作を行なう。又、ベルトを容易に形成可能であ
るので、装置を安価に構成できるといつた効果も
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案を具体化した実施例
を示し、第１図は分解斜視図、第２図は斜視図、
第３図は第２図の３−３線に従う断面図である。 図中、１５はフレーム、１６，２６はプーリ
（歯付きプーリ）、２１はベルト、２２はピン、２
３は歯部、２４は溝（溝部）、３１はガイドフレ
ーム（ガイド部材）、３２はリブ（被係合部）で
ある。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 左右一対のフレームと、 このフレームの両端に夫々回転可能に支持され
   た歯付きプーリと、 前記プーリ間に掛渡され、外周面に沿つて等間
   隔に多数のピンが突設されるとともに、内周面に
   はその幅方向両側に前記歯付きプーリの歯と係合
   可能であるとともにその幅方向中央部が溝部とな
   る歯部を形成し、該歯部が幅方向両側でそれぞれ
   交互に列設される無端状のベルトと、 前記フレーム間において前記プーリ間に設けら
   れ、前記ベルトの内周側への移動を規制するガイ
   ド部材と、 前記ガイド部材に設けられ、前記溝部と係合す
   る被係合部と、 からなることを特徴とするピントラクター。