JPH0432051Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案はりんごその他の果実の育成用果実袋に関
するものである。

（従来の技術及び考案が解決しようとする問題
点） りんご等の育成用袋は幼果時に被袋し、遮光の
もとで育成し収穫期の数十日前に袋を除去し、秋
の日射しに晒して優美な着色を行うものである。
これ等の果実袋は一重袋、二重袋、三重袋の多種
類が存在すると共に、紙の光透過率についても０
〜10％（一般に外袋用）のものから数十％（一般
に内袋用）のものが存在し、更には紙質について
もクラフト紙、白色チタン処理紙、着色ワツクス
紙等が存在する。

三重袋は果実育成時に特に遮光性を必要とする
ものや、外気の温度変化の激しい地域でのりんご
栽培に使用されているものである。即ち外袋から
の透過光を更に減少せしめたり、断熱帯となる空
気層を形成したりするものである。

この三重袋の構造は遮光用外袋と馴化用内袋と
の間に紙を二つ折りしたものをいれたもので、二
つ折りの中袋は外袋と同様の長さとすると、袋掛
けの際果柄用切り込み線に果柄を装着し難いの
で、切り込み線の分だけ外袋より短くなつている
ものである。しかし、中袋の丈が短かつた分果柄
用の切り込み部背面即ち果実の肩部分のところ
が、他の部分に比して遮光性が完全とは云えな
い。このため肩部のみが他の部分より色が褪せた
果実が収穫されることになる。

（問題点を解決するための手段） 本案は前記問題点を鑑み、新規な三集袋を提案
したものである。

本案三重袋は外袋１、中袋２、内袋３よりな
り、外袋１は遮光性材質で袋状に形成したもの
で、開口部前面に抉部４及び果柄用切り込み５を
設けてなり、中袋２は底辺を折り目とした二つ折
りで背面は前記外袋１と略同一の丈で前面部が前
記切り込み５以下の丈としたものである。内袋３
は馴化のための所定の透過率の材質のもので筒状
に形成し、上部開口部前面に果柄用切り込み６を
設けたもので、前記外袋１に中袋２を更に内袋３
を順次差し入れてなるものである。

而かして、前記三重袋を以て幼果に袋掛けした
場合、果柄を切り込み５，６部分に位置せしめ、
開口部分を外袋１に付設した針金７で縛るもの
で、果柄の切り込みへの装着に際して中袋２は全
く邪魔にならず、切り込み反対面の中袋部分に他
の外袋及び内袋と一続に綴られてしまうので、切
り込み反対側の遮光も充分なものとなるものであ
る。

尚、中袋２の背面が外袋１と略同一の丈と云う
ことは、中袋２の丈が外袋１より多少短くても、
切り込みの反対側の遮光が充分なされる丈であれ
ば良いものである。

（考案の効果） 本案は以上のように従来の三重袋において中袋
の構造を改良したもので、袋掛け作業に全く支障
を与えずにより中袋の機能を向上せしめたもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図は本案の実施例を示すもので、第１図は一部
截断した正面図、第２図は分離状態を示し、第３
図は開口部分の断面図である。 １は外袋、２は中袋、３は内袋、４は抉部、
５，６は切り込み、７は針金。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 遮光性材質で袋状に形成し、開口部前面に果柄
   用切り込みを設けた外袋と、底辺を折り目とした
   二つ折りで背面が前記外袋と略同一の丈で前面部
   が前記切り込み以下の高さとした中袋と、馴化の
   ための所定の透過率の材質のもので筒状に形成
   し、上部開口部前面に果柄用切り込みを設けた内
   袋からなる果実用三重袋。