JPH0337390Y2

JPH0337390Y2 -

Info

Publication number: JPH0337390Y2
Application number: JP1986179151U
Authority: JP
Priority date: 1986-11-21
Filing date: 1986-11-21
Publication date: 1991-08-07
Also published as: JPS6385061U

Description

【考案の詳細な説明】

ａ産業上の利用分野本考案は二重果実掛袋の改良に関する。ｂ従来の技術従来、りんご等の果実には、優美な着色を促
し、病害虫から果実を防御し、さらに、薬剤散布
による果実の汚染あるいは農薬残留毒による障害
を防止するなどの目的で、二重果実掛袋が使用さ
れている。これは、一般に遮光率の高い外袋と、
遮光率の低い内袋とから構成されている。ｃ考案が解決しようとする問題点上記従来の二重果実掛袋を、例えばりんご栽培
に使用する場合、袋掛けから収穫前30日位まで期
間は、外袋により太陽光線を遮断しながら果実を
成長させる。その後、果実の日焼け現象を防止す
るために、まず外袋を除袋し、数日間果実に内袋
を透過した太陽光を浴びせたのち、内袋を除袋し
て果実に太陽光を直接浴びせるようにしている。
この結果、アントシアニン色素の生成が促進され
て、優美な着色が得られることになる。すなわち、この種の果実袋では、収穫前の短期
間に二度の除袋作業を行なわなければならず、コ
ストアツプを招く要因となつていた。ｄ問題点を解決するための手段本考案は、上記問題点に鑑みなされたもので、
その目的は、果実の成育肥大にともなう拡張力が
外袋の除袋を促す方向に作用するように外袋を構
成することにより、外袋の除袋作業を容易にし、
生産性の向上を図ることができる二重果実掛袋を
提供することにある。その要旨は、拡張可能な内袋と、底辺側に向つ
て狭くなる狭窄部を有する外袋とを備え、果実の
成長肥大にともなつて上記内袋が拡張し、該内袋
を介して果実の蒂あ部が上記狭窄部に当つて外袋
を押し下げるようにしたことを特徴とする二重果
実掛袋にある。以下、本考案に係る二重果実掛袋の実施例を、
添付図面に基づき詳細に説明する。第１図は同袋の斜視図、第２図は同袋の内袋の
みを示す斜視図である。図において、１は二重果実掛袋、２は外袋、３
は外袋２の内部に収納された内袋である。外袋２は遮光率90％以上の袋用原紙よりなり、
胴貼代４と底貼代５によつて袋状に形成されてい
る。外袋２には、袋幅が底辺側に向つて狭くなる
狭窄部Ａを設けてある。この狭窄部Ａは、２条の
貼代６ａ，６ｂを介して外袋２の内面を接着する
ことによつて形成されている。また、開口縁中央
部の正面側には、開口爪掛け７とＩ切込８が設け
られており、これらは果梗への結縛を容易にする
ためのものである。なお、胴部貼代４の上端側に
は、結縛用止金９が封止されている。内袋３は透光性を有するパラフイン紙よりな
り、胴部貼代１０によつて袋状に形成されてい
る。その底辺側の両隅部には、この部分を折り重
ねて形成した斜向型のひだ１１ａ，１１ｂが設け
られており、内袋３の幅は外袋２の内部幅よりも
実質上大きくなつている。なお、これらのひだ１
１ａ，１１ｂは、第１図に示すように二条の貼代
６ａ，６ｂとほぼ平行になるように形成されてい
る。また、内袋３にも開口爪掛け１７とＩ切込み
１８が設けられている。なおこのパラフイン紙に
は、病害虫から果実を守るために殺菌剤あるいは
殺虫剤が含侵されている。本実施例の二重果実掛袋は、次のように使用さ
れる。まず、第３図に示すように果実ａを袋内部
に挿入したのち、Ｉ切込み８，１８より果梗ｂを
外部に取り出す。つぎに、開口端の付近を集束
し、この部分を止金９によつて結縛して袋掛け作
業を終了する。果実ａの成育肥大にともなつて、内袋３に設け
られた斜向型のひだ１１ａ，１１ｂが徐々に押し
拡げられていく。そして、果実ａの蒂あ部が外袋
２の貼代６ａ，６ｂと当接するようになると、果
実の拡張力が外袋２の結縛部を下方に引張る力と
して働くようになる。このとき、止金９の結縛力
はすでに低下しているので、外袋２の一部は自然
に落袋する。他のものについても、袋の底部を下
方に軽く引張るだけで除袋することができる。なお、内袋３は果実ａの成育肥大にともなつて
拡張するように構成されているので、果実ａが肥
大化しても、裂開することなく果実を覆つてい
る。また、内袋３の開口部は、果梗に長期間結縛
されて付着した状態になつているので、外袋３を
除袋しても自然に落袋することはない。因みに、本考案の果実袋と従来のものとについ
て、外袋の落袋数と除袋能率を調べてみた。結果
は下記の表に示す如く、いずれも本考案の果実袋
の方が優れていることが判つた。

【表】（備考）除袋能率は、５人の作業者の10分間当
りの平均除袋数を単位時間当りに換算した値であ
る。以上、本考案の一実施例につき述べたが、本考
案は上述の実施例に限定されるものではなく、本
考案の技術思想に基づいて、各種の変形および変
更が可能である。例えば、外袋２の狭窄部Ａを構
成している二条の貼代６ａ，６ｂは、両隅部の全
てを接着して三角形状にしてもよい。あるいは、
外袋自体を貼代６ａ，６ｂに沿つて切断して六角
形状の袋にすることも可能である。内袋３に設けられる斜向型のひだ１１ａ，１１
ｂは、縦方向に折り重ねて形成したひだにするこ
とも可能である。なお、外袋２の胴部貼代４の開口端側に封止さ
れる止金９は、内袋３の胴部貼代１０に設けても
よい。その場合、内袋３の除袋を容易にするため
に、胴部貼代１０の内側に破線を設けることが好
ましい。ｅ効果本考案の二重果実掛袋は、底辺側に向つて狭く
なる狭窄部を外袋に設け、果実の成育肥大にとも
なう拡張力をこの狭窄部に作用させて外袋の除袋
を促すようにしたものであるので、下記効果を奏
する。外袋の一部は自然に落袋するので、外袋の除
袋点数が少なくなり、生産コストの低減に役立
つ。自然に落袋ないものについても、開口部の結
縛が緩くなるので、底部を下方に軽く引張るだ
けで除袋することができ、除袋作業の能率化が
図られる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案に係る二重果実掛
袋の一実施例を示し、第１図は同袋を示す斜視
図、第２図は同袋の内袋のみを示す斜視図、第３
図は同袋の使用態様を示す斜視図である。１……二重果実掛袋、２……外袋、３……内
袋、６……貼代、９……止金、１１……斜向型の
ひだ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 拡張可能な内袋３と、底辺側に向つて狭くな
る狭窄部Ａを有する外袋２とを備え、果実ａの
成長肥大にともなつて上記内袋３が拡張し、該
内袋３を介して果実ａの蒂あ部が上記狭窄部Ａ
に当つて外袋２を押し下げるようにしたことを
特徴とする二重果実掛袋。 (2) 上記内袋３が、その下方の両隅を斜めに折り
重ねて形成したひだ１１ａ，１１ｂを有するこ
とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第(1)項
記載の二重果実掛袋。 (3) 上記狭窄部Ａが、外袋２の底辺の中央側に向
つて傾斜した二条の貼代６ａ，６ｂを介して外
袋２の内面を接着することによつて形成されて
いることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
第(1)項記載の二重果実掛袋。