JPH04320203A - 位相差膜製造方法 - Google Patents

位相差膜製造方法

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JPH04320203A
JPH04320203A JP3115584A JP11558491A JPH04320203A JP H04320203 A JPH04320203 A JP H04320203A JP 3115584 A JP3115584 A JP 3115584A JP 11558491 A JP11558491 A JP 11558491A JP H04320203 A JPH04320203 A JP H04320203A
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Takashi Shigemura
隆 重村
Shozo Yoneyama
米山 正三
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は位相差膜の製造方法に関
する、特に合成高分子溶液を走行するエンドレスの金属
板の支持体上に流延し、膜状物とした後、乾燥を行い、
支持体上より剥ぎ取り、更に後乾燥を行うプラスチック
フィルムによる液晶表示(LCD)用位相差膜の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来位相差膜の製造方法としては、溶液
流延法により複屈折を有するフイルムを製膜して、延伸
することにより位相差を生じさせている。(特開昭56
−130703号公報参照)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら有機溶媒
に溶解された高分子溶液を走行する支持体上に流延して
プラスチックフィルムを製膜する一般の方法に於ては、
使用される有機溶媒に特に低沸点溶媒が多量に含まれる
場合は、ダイから高分子溶液を押し出す時ダイ先端です
ぐに溶媒蒸発が始まり、ダイ先端に高分子溶液が固着し
、スジ故障を発生させることがある。また小量の乾燥風
が当たってもその乾燥風の流れが均一でない場合は、溶
媒の蒸発が乾燥風の当たり方によって変わるために膜状
物の表面上に乾燥風による乾燥ムラが発生し、それがフ
ィルム内部に光学的ムラとして存在してしまう。平面性
としては全く問題がないために、単なる感光材料用支持
体としては全く問題ないが、光学的利用、例えば液晶表
示器(LCD)用位相差膜など複屈折を利用するような
場合は品質上問題となる。又、特にLCD用位相差膜の
製造の場合、支持体から流延膜を剥がす場合に支持体と
の付着力が強く、剥離できない場合があり問題であった
。更に溶液流延の場合、支持体から流延膜を剥がす場合
に、支持体との付着力が強いと剥離時に段状のムラにな
ったり、剥ぎ取ることができない場合がある。又、溶液
系のため、流延後剥離までの時間を短くすると、溶媒の
蒸発が少なく、膜の強度が弱くなり剥離時に伸びが生じ
て幅方向のムラとなったり、支持体に膜の一部が残る剥
げ残り現象が生じる場合があった。本発明の目的は上記
従来の問題点を解消し、剥離時のムラや剥げ残り現象を
防止し、品質の安定した、かつ製膜速度を上げることの
出来る位相差膜製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の上記目
的は、高分子溶液を支持体に流延して製膜し、その後延
伸して位相差膜を製造する方法において、前記高分子溶
液に一般式(1)に示すリン酸エステル系界面活性剤を
添加して流延することを特徴とする位相差膜製造方法、
【0005】一般式
【化2】
【0006】 但し:R1 :炭素数6以上のアルキル基、またはアル
ケニル基 炭素数6以上のアルキル基またはアルケニル基を有する
アリール基 R2 :炭化水素基 L1 :二価の連結基 n1:0または1 M1 :水素原子またはカチオン R3 :M2 またはR4 −(L2 )n2−R5 
(R4 とR1 と同義,L2 はL1と同義,n2は
n1と同義,R5 はR2 と同義,M2 はM1 と
同義)及び、前記溶液流延製膜方法が有機溶媒に溶解さ
れた前記高分子溶液を走行するエンドレスの金属板の支
持体上に流延し、膜状物とした後、乾燥を行い、該支持
体上より剥ぎ取り、更に後乾燥を行うプラスチックフィ
ルムの流延製膜方法であって、前記支持体の裏面側より
支持体を輻射熱源によって加熱し、かつ膜状物の残留溶
剤が35重量%以下に至る迄の範囲は該支持体上の表面
側膜状物は乾燥風を用いず輻射熱源によってのみ加熱し
乾燥させることを特徴とする請求項1記載の位相差膜製
造方法によって達成される。
【0007】本発明における位相差膜としては複屈折性
を有するものでポリスチレンおよびスチレン・アクリロ
ニトリル共重合体の他、ポリカーボネート、ポリメタク
リル酸メチル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
エチレン、ポリアクリレート、ポリエーテルスルホン、
ポリフェニレンオキサイド等である。又、本発明に用い
る溶媒としては、メチレンクロライドなどの塩素化炭化
水素、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、
トルエンなどの芳香族などから選択される。本発明に用
いるリン酸エステル系化合物の使用量は固形分に対して
0.0001〜0.2wt%、好ましくは0.001〜
0.1wt%である。本発明に用いるリン酸エステル系
化合物は一般式(1)として
【0008】一般式(1)
【化3】
【0009】但し:R1 :炭素数6以上のアルキル基
、またはアルケニル基 炭素数6以上のアルキル基またはアルケニル基を有する
アリール基 R2 :炭化水素基 L1 :二価の連結基 n1:0または1 M1 :水素原子またはカチオン R3 :M2 またはR4 −(L2 )n2−R5 
(R4 とR1 と同義,L2 はL1と同義,n2は
n1と同義,R5 はR2 と同義,M2 はM1 と
同義)具体的には、 R2 の炭化水素基はアルキレン基又はフェニレン基で
あり、L1 の二価の連結基は−O(C2H4O)m1
−  、−O(C3H6O)m2−(m1,m2:0〜
50)、−SO2NH−,または−CONH−であり、
M1のカチオンはアルカリ金属,アルカリ土類金属,ま
たはアルキルアンモニウム塩である。 好ましくは R1 :炭素数8〜36のアルキル基もしくはアルケニ
ル基、または 炭素数8〜36のアルキル基もしくはアルケニル基を有
するフェニル基である。 具体的には、以下の基が挙げられる。
【0010】
【化4】
【0011】R2 :炭素数1〜10のアルキレン基ま
たはフェニレン基である。化合物例としては化5,化6
,化7に示すとおりである。 L1 :−O(C2H4O)m1−、−O(C3H6O
)m2−(m1,m2:1〜10)、−CONH−であ
る。 M1 は水素原子,Na,Ka,Li,Ca,Mg,又
はHNHt(R6 )3−t 〔ここでR6 は置換ま
たは非置換のアルキル基、t は0,1または2,具体
的にはHNH2CH2CH2OH,HNH(CH2CH
2OH)2 ,HN(CH2CH2OH)3 ,HN(
C2H5)3 〕
【0012】
【化5】
【0013】
【化6】
【0014】
【化7】
【0015】本発明における流延製膜法においては、高
分子溶液中の高分子の濃度は40重量%以下が好ましい
が、高分子の分子量によって変化する。ドープの温度は
40℃以下が好ましい。流延時の膜厚は完成膜厚によっ
て変化し、完成膜厚は50μm〜200μmが好ましい
。本発明において、支持体の裏面側より支持体を輻射熱
源によって加熱するということは、支持体の裏面全面に
対して遠赤外線加熱又は高周波加熱等を行うことで、具
体的には上記ヒータ,又は誘電加熱ヒータ等がこれに用
いられる。これは従来の表面側の熱風によるだけの乾燥
が、膜状物の裏面側が溶剤の蒸発によって冷えたままで
あるのに比して、本発明はむしろ膜表面からの溶剤の蒸
発熱を裏面から供給する面において、膜状物の温度が裏
面側が表面側より上昇する点において大きく異なり、全
体として蒸発に対する溶剤の表面側への移動が有利にな
る。
【0016】本発明において、膜状物の残留溶剤が35
重量%以下に至る迄は、該支持体の表面側膜状物は乾燥
風を用いず、上記同様輻射熱源によってのみ加熱し乾燥
させるということは、残留溶剤が35重量%以上の場合
においては、従来の乾燥ムラの原因は膜面上の乾燥風の
対流の部分的差によって膜面のムラを起こすので、即ち
、熱風による対流乾燥は、膜面表面において乾燥風の流
れによる境膜の部分的乾燥速度の違いにより部分的ムラ
を発生させるのに対し、本発明においては膜自身の温度
上昇によるのみの蒸発による乾燥で、全面において緩徐
で均一な乾燥が出来る大いなる差を生じる。従って、本
発明の方法は専ら輻射熱による膜状物の加熱による全表
面における自然蒸発のみをおこさせることに特徴がある
。従って輻射熱源は前記膜状物の面に均一に照射される
ように設備することが大切であり、且、膜状物が発泡し
ないように上限の温度を押えることが必要である。
【0017】本発明において、膜状物の残留溶剤が35
重量%以下になったら乾燥ムラの心配もなくなるので、
従来の様に熱風を用いて強制的に乾燥させてもよいが、
残留溶剤が35重量%以上の時は表面側膜状物を熱風乾
燥を行なわず溶剤濃度の濃い、(乾燥空気を使用してい
ないので)雰囲気の中で表裏両面より輻射加熱し、した
がってバンド上においては全面均一に緩徐な乾燥を行い
、35重量%以下の残留溶剤にして、バンドから剥取っ
た後、本格的な乾燥は後乾燥の装置で乾燥させる方法を
行うことも出来る。そうすることによって生産スピード
を更に上昇させることも期待出来る。更に本発明のエン
ドレスの金属板の支持体としては、支持体がバンドの場
合とドラムの場合があるが、本発明はむしろ経路を長く
有するバンドを支持体として流延装置に用いるのが効果
的である。
【0018】本発明の効果を更に明確に説明するために
、図を用いて説明する。図1は本発明の流延製膜方法の
1実施例のバンド式流延装置の側面断面図である。図1
において、有機溶媒に溶解された高分子溶液がダイ1に
補給せられダイ1よりエンドレスの金属板のバンド状支
持体2の上に流延され、膜状物となった後、該支持体の
進行と共に流延装置の上部バンド部分を進行する。流延
部のダイ1の真下に存在する前部ドラム4は通常冷水7
を通し、前部ドラム部表面を冷却し、併せて前部ドラム
表面上を走行するエンドレスのバンドを冷却し、ダイ1
より流延される高分子溶液の膜状物のセットを良化する
ようになっている。流延された膜状物は流延装置の上バ
ンド部でバンド裏面よりの蒸気ヒータや誘電加熱ヒータ
3よりの輻射熱を受け、バンドの温度を上昇させ、それ
によって膜状物も加熱されて温度を上昇させる。又この
部分は表面も蒸気ヒータまたは誘電加熱ヒータ3により
輻射熱を膜状物に与えられ乾燥風がないのでその熱によ
って膜面全体が自然蒸発的に均一に乾燥が進む、この部
分の雰囲気は溶媒の蒸発によってその蒸気圧が高まるの
で、適当な雰囲気の交換が必要であるが、この雰囲気の
交換は、膜状物の乾燥速度に強いかつ局部的な影響を与
えることがない様に交換されなければならない。
【0019】図1は、バンド式流延製膜装置において、
全工程を輻射加熱による均一にして緩徐な乾燥を行い、
流延製膜装置の終りで剥取ってフィルム6にした後、後
乾燥装置(図示せず)で充分な乾燥が行われる時の流延
製膜装置の状態を示している。極めて平面性が要求され
るフィルムに関しては、上記のように流延後暫くの間無
風状態を保つことで、レベリングの効果が促進され平面
性を向上させることができる。支持体上で乾燥が進み、
膜状物の流動が完全に止る時、即ち残留溶剤が35重量
%以下になった時に乾燥風を当ててもよいが、その乾燥
風は流延口には影響を与えないような工夫をする必要が
ある。本発明は又図2において、流延部より支持体の約
2/3迄の範囲で膜状物の残留溶剤が35重量%以下に
なる様に乾燥させて2/3以後の領域では、乾燥を促進
する意味において、図2のように下バンド部の乾燥風1
0として熱風によって乾燥させる方法も採用できる。
【0020】
【実施例】
【0021】本発明を実施例をあげてその効果を示す。 但し、本発明は本実施例のみに拘束されるものではない
。(実施例−1)  スチレン/アクリロニトリル共重
合体(比率66/34,平均分子量20万、スタイラッ
クAS−703,旭化成)をメチレンクロライドに溶解
した25重量%の高分子溶液(ドープ)に、リン酸エス
テル系界面活性剤として化5の1に示すものを固形分に
対して0.01重量%添加し、完全均一な溶液にした。 溶液を濾過し、キャスティングダイより液膜厚400μ
mで支持体上に流延し、発泡しない温度で12分乾燥さ
せ、支持体より剥ぎ取った。剥ぎ取り時の残留揮発分を
21重量%以下にした時、支持体より剥ぎ取る時の抵抗
がなく、段ムラのない良好な膜となった。この膜を後乾
燥で十分乾燥させ、105℃の雰囲気で2.5倍延伸し
たところ、得られたフィルムのレターデーション値(R
e値)は300nmを示し、位相差膜としての機能を現
わした。(実施例−2)  実施例−1において界面活
性剤として化5の化合物7および16を同条件で添加し
たところ剥離は非常に軽くなり、良好な膜となった。
【0022】(比較例−1)  実施例−1において界
面活性剤を全く用いなかった場合は、残留揮発分が21
重量%で剥ぎ取り時に段ムラを生じた。揮発分を高くす
ると、膜が伸びたり、剥ぎ残り現象を生じ、低くすると
、剥離荷重が大きくなり、剥ぎ取れなかった。
【0023】(実施例−3)  実施例−1において、
図1に示すように、支持体の表面に輻射熱源として蒸気
を用いたフィン状の間接加熱ヒーターを入れ、乾燥風を
止めて流延し、残留溶剤35重量%で剥取った後、後乾
燥装置によって乾燥したものは、風ムラもスジ又段ムラ
もない、且つ極めて光学的に面状の良い製品が得られた
。 又、スピードアップも可能となった。
【0024】
【発明の効果】本発明の位相差膜製造方法により、膜の
剥離荷重を小さくし、剥離時の段ムラやスジの発生のな
い光学的品質の優れた均一なフィルムが得られた。しか
も流延後剥離までの時間を短かくすることができるので
、高速度で生産することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いると有効な流延製膜方法の1実施
例のバンド式流延製膜装置の側面断面図。
【図2】本発明に用いると有効な流延製膜方法の他の実
施例の装置の側面断面図。
【図3】従来の流延製造方法の一例の装置の側面断面図
【符号の説明】
1  ダイ 2  支持体 3  加熱ヒータ 4  前部ドラム 5  後部ドラム 6  フィルム 7  冷水管 8  温水管 9  上バンド部の乾燥風 10  下バンド部の乾燥風

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  高分子溶液を支持体に流延して製膜し
    、その後延伸して位相差膜を製造する方法において、高
    分子溶液に一般式(1)に示すリン酸エステル系界面活
    性剤を添加して流延することを特徴とする位相差膜製造
    方法。一般式(1) 【化1】 但し:R1 :炭素数6以上のアルキル基、またはアル
    ケニル基 炭素数6以上のアルキル基またはアルケニル基を有する
    アリール基 R2 :炭化水素基 L1 :二価の連結基 n1:0または1 M1 :水素原子またはカチオン R3 :M2 またはR4 −(L2 )n2−R5 
    (R4 とR1 と同義,L2 はL1と同義,n2は
    n1と同義,R5 はR2 と同義,M2 はM1 と
    同義)
  2. 【請求項2】  前記溶液流延製膜方法が有機溶
    媒に溶解された前記高分子溶液を走行するエンドレスの
    金属板の支持体上に流延し、膜状物とした後、乾燥を行
    い、該支持体上より剥ぎ取り、更に後乾燥を行うプラス
    チックフィルムの流延製膜方法であって、前記支持体の
    裏面側より支持体を輻射熱源によって加熱し、かつ膜状
    物の残留溶剤が35重量%以下に至る迄の範囲は該支持
    体上の表面側膜状物は乾燥風を用いず輻射熱源によって
    のみ加熱し乾燥させることを特徴とする請求項1記載の
    位相差膜製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0573278A2 (en) * 1992-06-03 1993-12-08 NIPPON OIL Co. Ltd. Method of making compensator for liquid crystal display
JP2020071318A (ja) * 2018-10-30 2020-05-07 三菱ケミカル株式会社 偏光膜製造用ポリビニルアルコール系フィルム、およびそれを用いてなる偏光膜、偏光板

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EP0573278A3 (ja) * 1992-06-03 1994-04-06 Nippon Oil Co Ltd
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