JPH043185Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、パイロツト流体圧によつて動作する
パイロツト形弁に関するものである。

［従来の技術］ 近年、設置スペースを小さくするために小形の
弁に対するニーズが多く、特に複数個の弁をマニ
ホールドベース上に連設して集中管理する場合に
は、マニホールドベースの長さを短くするため
に、小形の弁が要求される。

しかしながら、公知のパイロツト形弁は、円形
の受圧面を有するピストンで主弁を駆動するた
め、弁を小形にするとピストンの受圧面積が減少
し、これに比例して駆動力が小さくなるので、主
弁体が小径になつて流体の流通能力が抑制される
という問題がある。

一方、複数のポートを有する主弁は、ポート開
設方向の長さがこれと直交する方向の長さより長
いという特性を有している。したがつて、主弁の
上記特性を利用して、ピストンの受圧面を、ポー
ト開設方向の長さがこれと直交する方向より長い
非円形として、主弁の小形化に伴うピストンの受
圧面積の減少、換言すれば駆動力の低下を防止す
ることが考えられる。

しかしながら、ピストンの受圧面を非円形にす
ると、ピストンに作用する押圧力が不均等になり
易いため、ピストンを円滑に摺動させることが難
しいという問題がある。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案が解決しようとする課題は、駆動力の低
下がなく、かつピストンが円滑に摺動するパイロ
ツト形弁を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決するため、本考案は、主弁体の
軸心を含む平面と略平行に開設した複数のポート
を有する主弁と、パイロツト弁とを備え、案内筒
部を摺動するピストンに作用させるパイロツト流
体圧によつて上記主弁体を駆動するパイロツト形
弁において、上記ピストンの受圧面を、ポートの
開設方向がこれと直交する方向より長い非円形と
し、上記案内筒部に、ピストンの案内面と共同し
てピストンを案内する案内凸部を設けたことを特
徴としている。

また、同様の課題を解決するため、ピストン
に、案内筒部と共同してピストンを案内する案内
凸部を設けるとよい。

さらに、同様の課題を解決するため、弁箱に、
ピストンの案内面と共同してピストンを案内する
案内凸部を設けるとよい。

［作用］ ピストンの受圧面を、ポートの開設方向がこれ
と直交する方向より長い非円形としたことによ
り、主弁を小形にしても、ピストンの受圧面積、
換言すれば駆動力が低下しないので、弁の小形化
に伴う流体の流通性能の低下を防止することがで
きる。

また、ピストンの受圧面が非円形であつても、
案内筒部または弁箱に、ピストンの案内面と共同
してピストンを案内する案内凸部を設け、或い
は、ピストンに、案内筒部と共同してピストンを
案内する案内凸部を設けたことにより、ピストン
がこれらに案内されて傾斜しないので、円滑に摺
動する。

［実施例］ 第１図ないし第３図は本考案の第１実施例を示
し、このパイロツト形弁は、主弁１とパイロツト
電磁弁２を備え、図示を省略しているマニホール
ドベース上に連設可能にされている。

主弁１の弁箱５は、軸方向の貫通孔６を備え、
その両端がピストン収納箱７と端板８で閉鎖され
ており、ピストン収納箱７に形設した有底の案内
筒部９は、ピストン１０によつて加圧室１１と大
気室１２に区画され、加圧室１１に上記パイロツ
ト電磁弁２からパイロツト流体が供給され、大気
室１２は呼吸ポート１３によつて外部に連通して
いる。

また、弁箱５は、第１図における上下方向に、
先端がそれぞれ貫通孔６に開口する圧力流体の入
力ポートＰと排出ポートEA，EB、及び出力ポー
トＡ，Ｂが開設されており、これによつて弁箱５
の第１図における上下方向（ポートの開設方向）
高さが、これと直交する方向の幅より大きくされ
ている。

上記貫通孔６に摺動可能に挿入した主弁体１６
は、加圧室１１にパイロツト流体を供給すると、
ピストン１０により押圧されて入力ポートＰと出
力ポートＡ、及び出力ポートＢと排出ポートEB
間の流路が連通し、加圧室１１のパイロツト流体
を排出すると、復帰ばね１７の付勢力と復帰室１
８の流体圧の作用力により、入力ポートＰと出力
ポートＢ、及び出力ポートＡと排出ポートEA間
の流路が連通して、第１図に図示の状態に復帰す
る。

しかしながら、本考案の主弁は５ポート弁に限
定されるものではなく、また、２個のパイロツト
弁で駆動するものでもよい。

上記案内筒部９は、第２図に示すように、ポー
ト開設方向の長さＬが長く、これと直交する方向
の長さｌが短く、かつ４隅を円弧面とした略長方
形断面を有し、ピストン収納箱７の底面に、パイ
ロツト流体供給用の開口１９（第１図参照）と複
数個の案内凸部２０，…が形設されており、案内
凸部２０，…間にパイロツト流体の導入路２１，
…が形成されている。

一方、合成樹脂で一体に形成したピストン１０
は、外形が案内筒部９と相似形をなし、加圧室１
１側に上記案内凸部２０，…と共同して摺動を案
内する案内面１０ａを備え、外周面の溝１０ｂに
案内筒部９との間をシールするシールパツキン２
２が装着されており（第１図参照）、呼吸室１２
側に主弁体１６を押圧するための押圧部１０ｃが
形設されている。また、上記案内面１０ａはピス
トン１０の外形と相似形をなし、上記案内凸部２
０，…は、案内面１０ａの４隅に対向して配設さ
れている。

しかしながら、案内筒部９、ピストン１０及び
案内面１０ａは、第２図及び第３図に示す形状に
限定されるものではなく、ポート開設方向の長さ
がこれと直交する方向より長ければよく、これに
よつて、長さｌを直径とする公知の円形ピストン
より受圧面積が大きくなるので、駆動力を大きく
することができる。

上記パイロツト電磁弁２は、ソレノイドの励磁
により、入力ポートＰからパイロツト通路２３を
介して供給されるパイロツト流体を開口１９から
加圧室１１に供給し、ソレノイドの励磁解除によ
り、パイロツト流体の供給を遮断するとともに、
加圧室１１を外部に連通させる周知の３ポート電
磁弁で構成されている。しかしながら、本考案の
パイロツト弁は電磁弁に限定されるものではな
く、例えば流体圧によつて動作するものとしても
よい。

第２図中の符号２４，…は、ピストン収納箱７
の取付孔である。

次に、上記第１実施例の動作を述べる。

第１図に図示の状態において、パイロツト電磁
弁２のソレノイドを励磁すると、パイロツト流体
が開口１９から加圧室１１に供給され、ピストン
１０と主弁体１６が、復帰ばね１７の付勢力と復
帰室１８の流体圧の作用力に抗して図において左
動するので、ポートＰとＡ及びＢとEB間の流路
が連通し、ソレノイドの励磁を解除すると、パイ
ロツト流体の供給が遮断されるとともに加圧室１
１が外部に連通するので、ピストン１０と主弁体
１６が、復帰ばね１７の付勢力と復帰室１８の流
体圧の作用力により図示の状態に復帰して、ポー
トＰとＢ及びＡとAE間の流路が連通する。

この場合、ピストン１０の受圧面を、ポート開
設方向の長さがこれと直交する方向より長い非円
形としたことにより、公知のパイロツト形弁に比
べて受圧面積が大きくなり、弁を小形にしても駆
動力が減少しないので、小形化に伴う流体の流通
能力の低下を防止することができる。

また、ピストン１０の案内面１０ａが案内凸部
２０，…によつて案内されるため、ピストン１０
が非円形であつても傾斜することがなく、押圧力
が均一化されて円滑に摺動する。したがつて、シ
ールパツキン２２の摩耗が少なくなつて、弁の寿
命を長くすることができる。

第４図は第１実施例の変形例を示し、このピス
トン収納箱３１は、案内筒部３２の底面から突出
する複数本の案内柱部３３，…を備え、ピストン
３４の加圧室１１側に上記案内柱部３３，…の案
内面をなす案内孔３５，…が形設されており、ピ
ストン３４は、案内柱部３３，…と案内孔３５，
…によつて、傾斜することなく円滑に摺動する。

上記変形例の他の構成及び作用は、第１実施例
と同じであるから、図中主要な部分に同一の符号
を付して詳細な説明は省略する。

第５図ないし第７図は本考案の第２実施例を示
し、このピストン収納箱４１は、有底の案内筒部
４２と、底壁の４隅に形設した案内凹部４３，…
と、該案内凹部４３，…を相互に連通させる圧力
導入溝４４を備え、案内筒部４２は、案内凹部４
３，…によつてパイロツト電磁弁側に延長されて
いる。また、ピストン４５は、外周面の４隅に加
圧室側と大気室側に向けて突出する、上記案内筒
部４２と共同してピストンを案内する複数個の案
内凸部４５ａ，…と４５ｂ，…を備え、弁箱４６
に案内凸部４５ｂ，…が遊挿する凹み４７，…が
形設されている。

第２実施例の他の構成は、第１実施例と同じで
あるから、図中主要な個所に同一の符号を付し
て、詳細な説明は省略する。

上記第２実施例は、案内凸部４５ａ，…と４５
ｂ，…が案内筒部４２と共同してピストン４５を
案内するので、ピストン４５が傾斜することなく
円滑に摺動する。また、ピストン収納箱４１に案
内凹部４３，…を、弁箱４６に凹み４７，…を設
けたこととにより、ピストン４５の軸線方向長さ
が長くても、主弁全体の軸線方向長さが長くなる
ことはない。

第８図及び第９図は本考案の第３実施例を示
し、第３実施例における主弁１の弁箱５１には、
大気室側に案内板５２が取付けられており、案内
板５２に大気室１２に向けて突出する複数本の案
内柱部５２ａ，…が形設されている。一方ピスト
ン５４は、大気室側に、上記案内柱部５２ａ，…
と共同してピストン５４を案内する案内孔５４
ａ，…を備えている。

第３実施例の他の構成は、第１実施例と同じで
あるから、図中主要な部分に同一の符号を付して
詳細な説明は省略する。

第３実施例は、案内孔５４ａ，…と案内柱部５
２ａ，…により案内されて、ピストン５４が傾斜
することなく円滑に摺動する。

［考案の効果］ 本考案のパイロツト形弁は、主弁を駆動するピ
ストンの受圧面を、ポートの開設方向がこれと直
交する方向より長い非円形としたことにより、主
弁を小形にしてもピストンの受圧面積の減少がな
いので、駆動力の低下がなく、したがつて、流体
の流通性能の低下を防止することができる。

また、案内筒部または弁箱に、ピストンの案内
面と共同してピストンを案内する案内凸部を設
け、或いは、ピストンに案内筒部と共同してピス
トンを案内する案内凸部を設けたことにより、ピ
ストンの受圧面を非円形としても傾斜することな
く円滑に摺動するので、摩耗が少なくなつて主弁
の寿命を長くすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例の要部縦断正面
図、第２図及び第３図は同上ピストン収納箱及び
ピストンの斜視図、第４図は第１実施例の変形例
の要部縦断正面図、第５図は第２実施例の要部縦
断正面図、第６図及び第７図は同上ピストン収納
箱及びピストンの斜視図、第８図は第３実施例の
要部縦断正面図、第９図は案内板の斜視図であ
る。 １……主弁、２……パイロツト電磁弁、９，３
２，４２……案内筒部、１０，３４，４５，５４
……ピストン、１０ａ……案内面、１６……主弁
体、２０，４５ａ……案内凸部、３３，５２ａ…
…案内柱部、３５，５４ａ……案内孔、Ｐ，Ａ，
Ｂ，EA，EB……ポート。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 主弁体の軸心を含む平面と略平行に開設した
   複数のポートを有する主弁と、パイロツト弁と
   を備え、案内筒部を摺動するピストンに作用さ
   せるパイロツト流体圧によつて上記主弁体を駆
   動するパイロツト形弁において、 上記ピストンの受圧面を、ポートの開設方向
   がこれと直交する方向より長い非円形とし、 上記案内筒部に、ピストンの案内面と共同し
   てピストンを案内する案内凸部を設けた、 ことを特徴とするパイロツト形弁。 ２ ピストンに、案内筒部と共同してピストンを
   案内する案内凸部を設けたことを特徴とする請
   求項１に記載したパイロツト形弁。 ３ 弁箱に、ピストンの案内面と共同してピスト
   ンを案内する案内凸部を設けたことを特徴とす
   るパイロツト形弁。