JPH04318123A - オーステナイト系ステンレス鋼冷延鋼帯の連続焼鈍方法 - Google Patents
オーステナイト系ステンレス鋼冷延鋼帯の連続焼鈍方法Info
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- JPH04318123A JPH04318123A JP10956291A JP10956291A JPH04318123A JP H04318123 A JPH04318123 A JP H04318123A JP 10956291 A JP10956291 A JP 10956291A JP 10956291 A JP10956291 A JP 10956291A JP H04318123 A JPH04318123 A JP H04318123A
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Landscapes
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
- Control Of Heat Treatment Processes (AREA)
- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーステナイト系ステ
ンレス鋼冷延鋼帯の連続焼鈍制御方法に関するものであ
る。
ンレス鋼冷延鋼帯の連続焼鈍制御方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】オーステナイト系ステンレス鋼帯は従来
以下のような工程を経て製造されている。すなわち焼鈍
(溶体化処理)を行った熱延板を酸洗、冷間圧延して冷
延板とし、連続式またはバッチ式に焼鈍を行い、調質圧
延を施すものである。
以下のような工程を経て製造されている。すなわち焼鈍
(溶体化処理)を行った熱延板を酸洗、冷間圧延して冷
延板とし、連続式またはバッチ式に焼鈍を行い、調質圧
延を施すものである。
【0003】前記のように冷延板を焼鈍する目的は、鋼
帯を再結晶させ軟化させて加工性を向上させることと、
炭化物の分解固溶化である。冷延板焼鈍後のオーステナ
イト結晶粒径およびr値の異方性は、製品の材質特性、
加工特性を支配し、これらの適正制御は焼鈍工程の操業
効率向上、より均一な鋼帯材質の維持を可能とする。
帯を再結晶させ軟化させて加工性を向上させることと、
炭化物の分解固溶化である。冷延板焼鈍後のオーステナ
イト結晶粒径およびr値の異方性は、製品の材質特性、
加工特性を支配し、これらの適正制御は焼鈍工程の操業
効率向上、より均一な鋼帯材質の維持を可能とする。
【0004】ステンレス鋼帯の連続焼鈍に関しては、い
くつかの技術が発表されている。例えば特開昭62−1
7138では、冷間圧延後のオーステナイト系ステンレ
ス鋼帯に付着している圧延油を脱脂することなく焼鈍し
ても光沢ムラのない均一で良好な表面外観の鋼帯に仕上
げ得る連続焼鈍法が提案されている。
くつかの技術が発表されている。例えば特開昭62−1
7138では、冷間圧延後のオーステナイト系ステンレ
ス鋼帯に付着している圧延油を脱脂することなく焼鈍し
ても光沢ムラのない均一で良好な表面外観の鋼帯に仕上
げ得る連続焼鈍法が提案されている。
【0005】また、特公平1−16287 ではフェラ
イト系ステンレス冷延鋼帯の焼鈍過程において、冷却速
度を制御することにより降伏点が低く、降伏伸びが0.
5%以下であり、かつ耐銹性に優れたフェライト系ステ
ンレス冷間圧延鋼帯板の焼鈍方法を提案している。
イト系ステンレス冷延鋼帯の焼鈍過程において、冷却速
度を制御することにより降伏点が低く、降伏伸びが0.
5%以下であり、かつ耐銹性に優れたフェライト系ステ
ンレス冷間圧延鋼帯板の焼鈍方法を提案している。
【0006】更に、日新製鋼技報,40(1979),
p.39〜48では、通板された冷延鋼帯の再結晶後に
おけるオーステナイト粒径をオンラインで非破壊的且つ
短時間に測定する、結晶粒度自動測定システムが報告さ
れている。
p.39〜48では、通板された冷延鋼帯の再結晶後に
おけるオーステナイト粒径をオンラインで非破壊的且つ
短時間に測定する、結晶粒度自動測定システムが報告さ
れている。
【0007】一方、Proc, 1987 Austr
alas Conf. Mater. Ind. De
v., P.279〜284(1987)には、P.D
.Hodgson らによって、熱間および冷間圧延オ
ーステナイト系ステンレス鋼の再結晶ならびに結晶成長
の挙動が発表されている。即ちここでは、等温熱処理時
の時間と結晶粒径の関係が示されている。
alas Conf. Mater. Ind. De
v., P.279〜284(1987)には、P.D
.Hodgson らによって、熱間および冷間圧延オ
ーステナイト系ステンレス鋼の再結晶ならびに結晶成長
の挙動が発表されている。即ちここでは、等温熱処理時
の時間と結晶粒径の関係が示されている。
【0008】加工性のすぐれたオーステナイト系ステン
レス鋼帯の製造に関してもそれなりの技術が報告されて
いる。例えば特公昭58−11489では、熱延板焼鈍
を1150〜1250℃で行い、かつ冷間圧延を35〜
250℃で行うことにより塑性歪比の面内異方性が小さ
いオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法が提案さ
れている。
レス鋼帯の製造に関してもそれなりの技術が報告されて
いる。例えば特公昭58−11489では、熱延板焼鈍
を1150〜1250℃で行い、かつ冷間圧延を35〜
250℃で行うことにより塑性歪比の面内異方性が小さ
いオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法が提案さ
れている。
【0009】また、特開昭58−71360では、P,
C,Ni,Nを低減させることにより、塑性異方性を低
減させ、円筒深絞り時のイヤリングを改善する方法が提
案され、特開平1−240618では、凝固時の冷却速
度を制御し、厚さ6mm以下の鋳片を製造することによ
り、集合組織の発達を抑制し、異方性が小さく表面性状
の優れたCr−Ni系ステンレス鋼板の製造方法を提案
している。
C,Ni,Nを低減させることにより、塑性異方性を低
減させ、円筒深絞り時のイヤリングを改善する方法が提
案され、特開平1−240618では、凝固時の冷却速
度を制御し、厚さ6mm以下の鋳片を製造することによ
り、集合組織の発達を抑制し、異方性が小さく表面性状
の優れたCr−Ni系ステンレス鋼板の製造方法を提案
している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記した特開昭62−
17138によるものは連続焼鈍後の表面性状を良好に
するとしても、鋼帯の材質制御を図ることができず、ま
た特公平1−16287 のものは降伏点の低減、降伏
伸びの低減および耐銹性の向上を図り得たとしても結晶
粒径およびr値の異方性を適切に制御することはできず
、実際の焼鈍工程操業は経験を頼りに行わざるを得ない
もので、何れにしても均質な材質を安定に得ることがで
きない。
17138によるものは連続焼鈍後の表面性状を良好に
するとしても、鋼帯の材質制御を図ることができず、ま
た特公平1−16287 のものは降伏点の低減、降伏
伸びの低減および耐銹性の向上を図り得たとしても結晶
粒径およびr値の異方性を適切に制御することはできず
、実際の焼鈍工程操業は経験を頼りに行わざるを得ない
もので、何れにしても均質な材質を安定に得ることがで
きない。
【0011】上記した日新製鋼技報によるものは、簡便
に結晶粒径の測定を行うことができても結晶粒径および
r値の面内異方性などを制御することができず、又前記
P.D.Hodgson らの報告によるものは熱処理
後のオーステナイト粒径を求めるために初期粒径を必要
としており、実際の工業的焼鈍工程においてこのような
初期粒径を測定することは現実的でない。また通常の連
続焼鈍においては鋼帯の温度が連続的に変化するため等
温熱処理を前提としたこの方法は工業的焼鈍炉における
粒径制御の指標となり得ないし、冷延板の焼鈍の際に生
ずる面内異方性の増大という問題に対し何等の解決策も
見出し得ず、やはり何れも均質な材質を安定して得難い
。
に結晶粒径の測定を行うことができても結晶粒径および
r値の面内異方性などを制御することができず、又前記
P.D.Hodgson らの報告によるものは熱処理
後のオーステナイト粒径を求めるために初期粒径を必要
としており、実際の工業的焼鈍工程においてこのような
初期粒径を測定することは現実的でない。また通常の連
続焼鈍においては鋼帯の温度が連続的に変化するため等
温熱処理を前提としたこの方法は工業的焼鈍炉における
粒径制御の指標となり得ないし、冷延板の焼鈍の際に生
ずる面内異方性の増大という問題に対し何等の解決策も
見出し得ず、やはり何れも均質な材質を安定して得難い
。
【0012】オーステナイト系ステンレス鋼板を円筒深
絞り加工する際のイヤリング発生による製品歩留り低下
についての特公昭58−11489、特開昭58−71
360、特開平1−240618のものは、成分上の制
約、特別な新規設備、製造工程の増加のような不利を有
し、製造コストの増加を避け得ない。
絞り加工する際のイヤリング発生による製品歩留り低下
についての特公昭58−11489、特開昭58−71
360、特開平1−240618のものは、成分上の制
約、特別な新規設備、製造工程の増加のような不利を有
し、製造コストの増加を避け得ない。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記したような
従来技術における課題を解決し、製品特性および製造性
の何れにおいても優れていて、適切な粒径を有し、しか
も塑性歪比(r値)の面内異方性が小さい加工性に優れ
たオーステナイト系ステンレス鋼帯を安定して製造する
ことに成功したものであって、オーステナイト粒径とし
ては、材質、表面性状の観点から10μm以上30μm
以下とし、r値の面内異方性は下式で計算されるΔrで
代表させ、|Δr|≦0.2を指標とした。
従来技術における課題を解決し、製品特性および製造性
の何れにおいても優れていて、適切な粒径を有し、しか
も塑性歪比(r値)の面内異方性が小さい加工性に優れ
たオーステナイト系ステンレス鋼帯を安定して製造する
ことに成功したものであって、オーステナイト粒径とし
ては、材質、表面性状の観点から10μm以上30μm
以下とし、r値の面内異方性は下式で計算されるΔrで
代表させ、|Δr|≦0.2を指標とした。
【数2】
Δr=(rL +rC )/2−rD
(7)ここでrL 、rD
、rC はそれぞれ圧延方向、圧延45°方向、圧延
直角方向のr値を表す。
(7)ここでrL 、rD
、rC はそれぞれ圧延方向、圧延45°方向、圧延
直角方向のr値を表す。
【0014】本発明では、オーステナイト系ステンレス
鋼帯の連続焼鈍工程における操業指標である、均熱炉長
、ラインスピード、炉温、板厚、均熱帯への鋼帯装入温
度と鋼帯の温度履歴の関係を詳細に調査し、操業指標と
連続的に変化する鋼帯の温度履歴の関係を定式化した。 また、鋼帯の温度履歴から鋼帯の最高加熱温度、均熱時
間と再結晶粒径との関係を詳細に調査し定式化した。発
明者らは、これらの関係を用いて、操業指標をコントロ
ールすることにより再結晶粒径を制御し、適切な再結晶
粒径を有するオーステナイト系ステンレス鋼帯を安定的
に製造する方法を得た。
鋼帯の連続焼鈍工程における操業指標である、均熱炉長
、ラインスピード、炉温、板厚、均熱帯への鋼帯装入温
度と鋼帯の温度履歴の関係を詳細に調査し、操業指標と
連続的に変化する鋼帯の温度履歴の関係を定式化した。 また、鋼帯の温度履歴から鋼帯の最高加熱温度、均熱時
間と再結晶粒径との関係を詳細に調査し定式化した。発
明者らは、これらの関係を用いて、操業指標をコントロ
ールすることにより再結晶粒径を制御し、適切な再結晶
粒径を有するオーステナイト系ステンレス鋼帯を安定的
に製造する方法を得た。
【0015】さらに発明者らは、従来着目されていなか
った再結晶開始温度における昇温速度がr値の面内異方
性に及ぼす影響に着目し、詳細に検討した結果、操業指
標を調整し、再結晶開始温度における昇温速度、最高加
熱温度、均熱時間を適正な範囲に限定することによって
、r値の面内異方性の小さいオーステナイト系ステンレ
ス鋼冷延鋼帯を製造しうるという新しい知見を発見する
に至ったのであって、以下の如くである。
った再結晶開始温度における昇温速度がr値の面内異方
性に及ぼす影響に着目し、詳細に検討した結果、操業指
標を調整し、再結晶開始温度における昇温速度、最高加
熱温度、均熱時間を適正な範囲に限定することによって
、r値の面内異方性の小さいオーステナイト系ステンレ
ス鋼冷延鋼帯を製造しうるという新しい知見を発見する
に至ったのであって、以下の如くである。
【0016】オーステナイト系ステンレス鋼冷延鋼帯を
連続焼鈍する工程において、均熱炉長L(m)、ライン
スピードV(m/sec)、炉設定温度Tf ( ℃)
、板厚X(mm)、均熱帯への鋼帯装入温度To (℃
)に応じて下記する式(1)、(2)、(3)を用いて
計算される再結晶開始温度における昇温速度(dT/d
t)950(℃/sec)、鋼帯最高加熱温度Tmax
(℃)、均熱時間{鋼帯温度がTmax −10(℃
)以上である時間}t(sec) が下記する式(4)
、(5)、(6)を満たすように制御することを特徴と
するオーステナイト系ステンレス鋼帯の製造方法。
連続焼鈍する工程において、均熱炉長L(m)、ライン
スピードV(m/sec)、炉設定温度Tf ( ℃)
、板厚X(mm)、均熱帯への鋼帯装入温度To (℃
)に応じて下記する式(1)、(2)、(3)を用いて
計算される再結晶開始温度における昇温速度(dT/d
t)950(℃/sec)、鋼帯最高加熱温度Tmax
(℃)、均熱時間{鋼帯温度がTmax −10(℃
)以上である時間}t(sec) が下記する式(4)
、(5)、(6)を満たすように制御することを特徴と
するオーステナイト系ステンレス鋼帯の製造方法。
【数3】
(dT/dt)950=α(Tf −950)
ここで、α=0.06/x (1)
Tmax =Tf −(Tf −To )exp(−α
L/V) (2)
t=(1/α)ln{(Tf −Tmax +10
)/(Tf −Tmax )} (3) 1100
≦Tmax +62 logt≦1240
(4) 18
≦(dT/dt)950
(5) 1330≦10(dT/dt
)950+Tmax +62 logt≦1540
(6)
ここで、α=0.06/x (1)
Tmax =Tf −(Tf −To )exp(−α
L/V) (2)
t=(1/α)ln{(Tf −Tmax +10
)/(Tf −Tmax )} (3) 1100
≦Tmax +62 logt≦1240
(4) 18
≦(dT/dt)950
(5) 1330≦10(dT/dt
)950+Tmax +62 logt≦1540
(6)
【0017】
【作用】上記したような本発明の基本的要件は連続焼鈍
時の最高加熱温度、均熱時間、再結晶開始温度における
昇温速度を適切に制御することにあり、これによって既
存の製造工程を変えずに、また製造コストを増加させる
ことなく、適切なオーステナイト粒径(10μm≦dγ
≦30μm)を有し、r値の面内異方性の小さい(|Δ
r|≦0.2)オーステナイト系ステンレス鋼冷延鋼帯
を安定的に製造する。
時の最高加熱温度、均熱時間、再結晶開始温度における
昇温速度を適切に制御することにあり、これによって既
存の製造工程を変えずに、また製造コストを増加させる
ことなく、適切なオーステナイト粒径(10μm≦dγ
≦30μm)を有し、r値の面内異方性の小さい(|Δ
r|≦0.2)オーステナイト系ステンレス鋼冷延鋼帯
を安定的に製造する。
【0018】オーステナイト系ステンレス鋼冷延鋼帯の
再結晶挙動に、加熱温度および加熱時間が影響を与える
ことは知られている。特に、結晶粒成長については等温
熱処理した場合の熱処理時間の影響が種々検討されてい
る〔例えば、Proc. 1987 Australa
s Conf. Mater. Ind. Dev.,
P.279〜284(1987) 〕。しかしながら
、通常の連続焼鈍では鋼帯の温度は連続的に変化し、ま
た鋼帯の板厚によっても昇温速度が変化するため、工業
的焼鈍炉での粒径制御法に適用し得ない。本発明者らは
、実際の工業焼鈍炉における指標である、均熱炉長、ラ
インスピード、炉温、板厚、均熱帯への鋼帯装入温度と
鋼帯の温度履歴の関係を調査し、これらの指標と再結晶
粒径の関係が、最高加熱温度と均熱時間をパラメーター
として簡単な数式に整理され、この数式を用いることに
よって結晶粒径を十分な精度で予想しうることを見いだ
した。
再結晶挙動に、加熱温度および加熱時間が影響を与える
ことは知られている。特に、結晶粒成長については等温
熱処理した場合の熱処理時間の影響が種々検討されてい
る〔例えば、Proc. 1987 Australa
s Conf. Mater. Ind. Dev.,
P.279〜284(1987) 〕。しかしながら
、通常の連続焼鈍では鋼帯の温度は連続的に変化し、ま
た鋼帯の板厚によっても昇温速度が変化するため、工業
的焼鈍炉での粒径制御法に適用し得ない。本発明者らは
、実際の工業焼鈍炉における指標である、均熱炉長、ラ
インスピード、炉温、板厚、均熱帯への鋼帯装入温度と
鋼帯の温度履歴の関係を調査し、これらの指標と再結晶
粒径の関係が、最高加熱温度と均熱時間をパラメーター
として簡単な数式に整理され、この数式を用いることに
よって結晶粒径を十分な精度で予想しうることを見いだ
した。
【0019】また、発明者らはオーステナイト系ステン
レス鋼帯をプレス成形する場合に問題となる、r値の面
内異方性Δrの絶対値|Δr|に対する再結晶開始温度
での昇温速度、及び最高加熱温度と均熱時間の影響を調
査し、これらを適正な範囲に限定することよって|Δr
|を0.2以下におさえうることを確認した。
レス鋼帯をプレス成形する場合に問題となる、r値の面
内異方性Δrの絶対値|Δr|に対する再結晶開始温度
での昇温速度、及び最高加熱温度と均熱時間の影響を調
査し、これらを適正な範囲に限定することよって|Δr
|を0.2以下におさえうることを確認した。
【0020】連続焼鈍炉中での鋼帯の温度T(℃)は一
般に、次式のように表せる。
般に、次式のように表せる。
【数4】
T=Tf −(Tf −To )exp(−αt,
) (8)Tf :炉
温(℃) To :均熱帯への鋼帯装入温度(℃)t, :均熱帯
中の在炉時間(sec)α :0.06/板厚X(m
m)
) (8)Tf :炉
温(℃) To :均熱帯への鋼帯装入温度(℃)t, :均熱帯
中の在炉時間(sec)α :0.06/板厚X(m
m)
【0021】また、このとき、鋼帯最高加熱温度Tma
x (℃)は、
x (℃)は、
【数5】
Tmax =Tf −(Tf −To ) esp
(−αL/V) 〔前記(2)式〕L:
均熱炉長(m) V:ラインスピード(m/sec) となる。更に、鋼帯温度がTmax −10(℃)以上
である時間t(sec) (以下、均熱時間)を考える
と、前記鋼帯温度Tについての(8)式および(2)式
から
(−αL/V) 〔前記(2)式〕L:
均熱炉長(m) V:ラインスピード(m/sec) となる。更に、鋼帯温度がTmax −10(℃)以上
である時間t(sec) (以下、均熱時間)を考える
と、前記鋼帯温度Tについての(8)式および(2)式
から
【数6】
t=(1/α)ln{(Tf −Tmax +10
)/(Tf −Tmax ) } 〔前記(3)式〕
となる。
)/(Tf −Tmax ) } 〔前記(3)式〕
となる。
【0022】本発明者らは、鋼帯最高加熱温度Tmax
と均熱時間tを変化させた実験を行い、焼鈍後のオー
ステナイト粒径を調べた。その結果、結晶粒径はTma
x とtに大きく影響され、〔Tmax +62 lo
gt〕を1100以上1240以下の範囲に限定するこ
とによって、オーステナイト粒径を10μm以上30μ
m以下に制御しうることがわかった。Tmax とtは
連続焼鈍炉の操業指標であるTf 、To 、X、L、
Vなどと(2),(3)式の関係である。従って、操業
指標を調整し、Tmax とtを次の式(4)を満たす
ように制御することでオーステナイト粒径を10μm以
上30μm以下に制御しうることがわかる。
と均熱時間tを変化させた実験を行い、焼鈍後のオー
ステナイト粒径を調べた。その結果、結晶粒径はTma
x とtに大きく影響され、〔Tmax +62 lo
gt〕を1100以上1240以下の範囲に限定するこ
とによって、オーステナイト粒径を10μm以上30μ
m以下に制御しうることがわかった。Tmax とtは
連続焼鈍炉の操業指標であるTf 、To 、X、L、
Vなどと(2),(3)式の関係である。従って、操業
指標を調整し、Tmax とtを次の式(4)を満たす
ように制御することでオーステナイト粒径を10μm以
上30μm以下に制御しうることがわかる。
【数7】
1100≦Tmax +62 logt≦1240
〔前記(4)式〕
〔前記(4)式〕
【00
23】オーステナイト系ステンレス鋼は、950℃程度
まで加熱すると再結晶を開始する。950℃における連
続焼鈍炉中の鋼帯昇温速度は(8)式より、
23】オーステナイト系ステンレス鋼は、950℃程度
まで加熱すると再結晶を開始する。950℃における連
続焼鈍炉中の鋼帯昇温速度は(8)式より、
【数8】
(dT/dt)950=α(Tf −To )ex
p(−αt, 950) (9)となる
。ここでt, 950 は鋼帯が950℃に到達するま
での均熱帯中での在炉時間を表す。また(8)式より
p(−αt, 950) (9)となる
。ここでt, 950 は鋼帯が950℃に到達するま
での均熱帯中での在炉時間を表す。また(8)式より
【
数9】 950=Tf −(Tf −To )exp(−α
t, 950) (10)である
から、(9),(10)式よりt950 を消去して整
理すると、
数9】 950=Tf −(Tf −To )exp(−α
t, 950) (10)である
から、(9),(10)式よりt950 を消去して整
理すると、
【数10】
(dT/dt)950=α(Tf −950)
〔前記(1)式
〕となる。
〔前記(1)式
〕となる。
【0024】発明者らは、(1)式で表される再結晶開
始温度における昇温速度(dT/dt)950及びTm
ax とtを変えた実験を行い、焼鈍調圧後のΔrを調
べた。その結果、Δrは(dT/dt)950及びTm
ax とtに大きく影響されることを見いだした。(d
T/dt)950及びTmax とtを下記(5)、(
6)式を満たすように制御することによって|Δr|が
0.2以下であるr値の面内異方性の小さいオーステナ
イト系ステンレス鋼帯を製造しうることが明らかとなっ
た。
始温度における昇温速度(dT/dt)950及びTm
ax とtを変えた実験を行い、焼鈍調圧後のΔrを調
べた。その結果、Δrは(dT/dt)950及びTm
ax とtに大きく影響されることを見いだした。(d
T/dt)950及びTmax とtを下記(5)、(
6)式を満たすように制御することによって|Δr|が
0.2以下であるr値の面内異方性の小さいオーステナ
イト系ステンレス鋼帯を製造しうることが明らかとなっ
た。
【数11】
18≦(dT/dt)950
〔
前記(5)式〕 1330≦10(dT/dt)95
0+Tmax +62 logt≦1540〔前記(6
)式〕
〔
前記(5)式〕 1330≦10(dT/dt)95
0+Tmax +62 logt≦1540〔前記(6
)式〕
【0025】再結晶開始温度における昇温速度を
制御することによって|Δr|を小さくすることができ
るという本発明の作用が、どのような機構によっている
かは必ずしも明確ではないが、再結晶と粒成長挙動が結
晶粒の方位によって異なることが関与していることは間
違いない。再結晶開始温度における昇温速度を大きくす
ることで再結晶粒の方位がランダムとなり、|Δr|が
低下するものと推定される。
制御することによって|Δr|を小さくすることができ
るという本発明の作用が、どのような機構によっている
かは必ずしも明確ではないが、再結晶と粒成長挙動が結
晶粒の方位によって異なることが関与していることは間
違いない。再結晶開始温度における昇温速度を大きくす
ることで再結晶粒の方位がランダムとなり、|Δr|が
低下するものと推定される。
【0026】これらの結果をまとめたのが第1図である
。即ち(dT/dt)950+Tmax およびtを斜
線で示された領域内に制御することによって、適切なオ
ーステナイト粒径(10μm≦dγ≦30μm)を有し
、かつr値の面内異方性の小さい(|Δr|≦0.2)
鋼帯が得られる。
。即ち(dT/dt)950+Tmax およびtを斜
線で示された領域内に制御することによって、適切なオ
ーステナイト粒径(10μm≦dγ≦30μm)を有し
、かつr値の面内異方性の小さい(|Δr|≦0.2)
鋼帯が得られる。
【0027】本発明の製造条件の限定理由を以下に述べ
ると以下の如くである。
ると以下の如くである。
【数12】1100≦Tmax +62 logt≦1
240製造条件として〔Tmax +62 logt〕
を1100以上1240以下とすることにより、適切な
オーステナイト粒径(10μm≦dγ≦30μm)を有
した材質特性の優れた冷延鋼帯を得ることができる。〔
Tmax +62 logt〕が1100以下になると
、再結晶及び粒成長が十分でなく、dγが10μm以下
となり十分に軟化した材質が得られない。〔Tmax
+62 logt〕が1240以上になると、dγが3
0μm以上の粗粒となり肌荒れを起こす。以上の理由か
ら〔Tmax +62 logt〕は1100以上12
40以下とすることが必要である。
240製造条件として〔Tmax +62 logt〕
を1100以上1240以下とすることにより、適切な
オーステナイト粒径(10μm≦dγ≦30μm)を有
した材質特性の優れた冷延鋼帯を得ることができる。〔
Tmax +62 logt〕が1100以下になると
、再結晶及び粒成長が十分でなく、dγが10μm以下
となり十分に軟化した材質が得られない。〔Tmax
+62 logt〕が1240以上になると、dγが3
0μm以上の粗粒となり肌荒れを起こす。以上の理由か
ら〔Tmax +62 logt〕は1100以上12
40以下とすることが必要である。
【0028】
【数13】
18≦(dT/dt)950
1330≦10(dT/dt)950+Tmax
+62 logt≦1540(dT/dt)950を1
8以上、かつ〔10(dT/dt)950+Tmax
+62 logt〕を1330以上1540以下とする
ことにより|Δr|が0.2以下となり、プレス成形時
のイヤリングが低下し、プレス成形時の歩留りが向上す
る。(dT/dt)950が18以下、または〔10(
dT/dt)950+Tmax +62 logt〕が
1330以下であると、|Δr|が0.2以上となりプ
レス成形性が低下する。 〔10(dT/dt)950+Tmax +62 lo
gt〕が1540以上であると加熱時の熱歪のために鋼
帯に形状不良が発生する。従って(dT/dt)950
は18以上、〔10(dT/dt)950+Tmax
+62 logt〕は1330以上1540以下として
それらの不利を解消する。
+62 logt≦1540(dT/dt)950を1
8以上、かつ〔10(dT/dt)950+Tmax
+62 logt〕を1330以上1540以下とする
ことにより|Δr|が0.2以下となり、プレス成形時
のイヤリングが低下し、プレス成形時の歩留りが向上す
る。(dT/dt)950が18以下、または〔10(
dT/dt)950+Tmax +62 logt〕が
1330以下であると、|Δr|が0.2以上となりプ
レス成形性が低下する。 〔10(dT/dt)950+Tmax +62 lo
gt〕が1540以上であると加熱時の熱歪のために鋼
帯に形状不良が発生する。従って(dT/dt)950
は18以上、〔10(dT/dt)950+Tmax
+62 logt〕は1330以上1540以下として
それらの不利を解消する。
【0029】
【実施例】次の表1に供試鋼として用いたオーステナイ
ト系ステンレス鋼の組成を示す。即ち代表的なオーステ
ナイトステンレス鋼であるSUS304を初め、SUS
301、SUS302、SUS304L、SUS305
、SUS316、SUS316L、高プレス成形性のC
u添加鋼3種を用いたが、本発明はこれらのものに限定
されるものでないことは当然である。
ト系ステンレス鋼の組成を示す。即ち代表的なオーステ
ナイトステンレス鋼であるSUS304を初め、SUS
301、SUS302、SUS304L、SUS305
、SUS316、SUS316L、高プレス成形性のC
u添加鋼3種を用いたが、本発明はこれらのものに限定
されるものでないことは当然である。
【0030】
【表1】
【0031】上記した各供試鋼の熱延焼鈍コイルを酸洗
後圧下率65%から80%の冷間圧延を行い、975℃
から1250℃の温度範囲で焼鈍し、鋼板の組織写真よ
り結晶粒径を測定するとともに、1.0%の伸長率で調
質圧延を行いr値の異方性を調査した。供試コイルの板
厚は0.4mmから1.2mmである。r値は、圧延方
向、圧延直角方向、圧延45度方向の3方向について、
15%の引張歪を付与した後板厚変化から計算した。r
値の異方性Δrは次式によって計算した。
後圧下率65%から80%の冷間圧延を行い、975℃
から1250℃の温度範囲で焼鈍し、鋼板の組織写真よ
り結晶粒径を測定するとともに、1.0%の伸長率で調
質圧延を行いr値の異方性を調査した。供試コイルの板
厚は0.4mmから1.2mmである。r値は、圧延方
向、圧延直角方向、圧延45度方向の3方向について、
15%の引張歪を付与した後板厚変化から計算した。r
値の異方性Δrは次式によって計算した。
【数14】
Δr=(rL +rC )/2−rD
(7)ここでrL
、rD 、rC はそれぞれ前述のように圧延方向、
圧延45°方向、圧延直角方向のr値を表す。
(7)ここでrL
、rD 、rC はそれぞれ前述のように圧延方向、
圧延45°方向、圧延直角方向のr値を表す。
【0032】本発明条件で製造した場合と比較条件で製
造した場合について、各鋼種の平均粒径と|Δr|を次
の表2、表3に示す。
造した場合について、各鋼種の平均粒径と|Δr|を次
の表2、表3に示す。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】即ち、〔Tmax +62 logt〕が
1100以上1240以下である場合、オーステナイト
粒径は10μm以上30μm以下となり、材質特性、加
工特性の優れた冷延鋼帯が得られる。また、〔Tmax
+62 logt〕が1100よりも小さい場合、オー
ステナイト粒径は10μm以下となり、延性、加工性に
問題が生じる。 一方〔Tmax +62 logt〕が1240よりも
大きい場合は、オーステナイト粒径は30μm以上とな
り、引張強度が不足し、加工時に肌あれが生じる。
1100以上1240以下である場合、オーステナイト
粒径は10μm以上30μm以下となり、材質特性、加
工特性の優れた冷延鋼帯が得られる。また、〔Tmax
+62 logt〕が1100よりも小さい場合、オー
ステナイト粒径は10μm以下となり、延性、加工性に
問題が生じる。 一方〔Tmax +62 logt〕が1240よりも
大きい場合は、オーステナイト粒径は30μm以上とな
り、引張強度が不足し、加工時に肌あれが生じる。
【0036】(dT/dt)950が18以上、かつ〔
10(dT/dt)950+Tmax +62 log
t〕が1330以上である場合、|Δr|は0.2以下
となり、プレス成形性の良好な冷延鋼帯が得られる。ま
た、(dT/dt)950が18以下、または〔10(
dT/dt)950+Tmax +62logt〕が1
330以下である場合、|Δr|は0.2以上となり、
r値の異方性が増大しプレス成形性が低下し、一方〔1
0(dT/dt)950+Tmax +62 logt
〕が1540以上である場合、加熱時の熱歪による鋼帯
の形状不良が発生する。
10(dT/dt)950+Tmax +62 log
t〕が1330以上である場合、|Δr|は0.2以下
となり、プレス成形性の良好な冷延鋼帯が得られる。ま
た、(dT/dt)950が18以下、または〔10(
dT/dt)950+Tmax +62logt〕が1
330以下である場合、|Δr|は0.2以上となり、
r値の異方性が増大しプレス成形性が低下し、一方〔1
0(dT/dt)950+Tmax +62 logt
〕が1540以上である場合、加熱時の熱歪による鋼帯
の形状不良が発生する。
【0037】以上のように、連続焼鈍時の再結晶開始温
度における昇温速度、鋼帯最高加熱温度、均熱時間が下
記式(4)、(5)、(6)を満たすように制御するこ
とにより、適切なオーステナイト粒径を有し、かつr値
の面内異方性の小さい鋼帯が得られることが確認された
。
度における昇温速度、鋼帯最高加熱温度、均熱時間が下
記式(4)、(5)、(6)を満たすように制御するこ
とにより、適切なオーステナイト粒径を有し、かつr値
の面内異方性の小さい鋼帯が得られることが確認された
。
【数15】
1100≦Tmax +62 logt≦1240
(
4) 18≦(dT/dt)950
(5) 1330≦10
(dT/dt)950+Tmax +62 logt≦
1540 (6)
(
4) 18≦(dT/dt)950
(5) 1330≦10
(dT/dt)950+Tmax +62 logt≦
1540 (6)
【0038】図2には
供試鋼No. 3の〔Tmax +62 logt〕と
オーステナイト粒径の関係を示す。Tmax とtを図
2に示された範囲とすることによって、オーステナイト
粒径を10μm以上30μm以下に制御しうることが明
らかである。
供試鋼No. 3の〔Tmax +62 logt〕と
オーステナイト粒径の関係を示す。Tmax とtを図
2に示された範囲とすることによって、オーステナイト
粒径を10μm以上30μm以下に制御しうることが明
らかである。
【0039】
【発明の効果】以上説明したような本発明によるときは
、適切なオーステナイト粒径を有し、かつr値の面内異
方性の小さいオーステナイト系ステンレス鋼帯を、既存
の製造工程を変えることなく、又製造コストを増加させ
ることなく製造することが可能となり、粒径の安定化に
より歩留りが向上し、かつプレス加工時のイヤリングの
減少により歩留りが向上するなどの効果を有し、工業的
にその効果の大きい発明である。
、適切なオーステナイト粒径を有し、かつr値の面内異
方性の小さいオーステナイト系ステンレス鋼帯を、既存
の製造工程を変えることなく、又製造コストを増加させ
ることなく製造することが可能となり、粒径の安定化に
より歩留りが向上し、かつプレス加工時のイヤリングの
減少により歩留りが向上するなどの効果を有し、工業的
にその効果の大きい発明である。
【図1】本発明の構成要件である再結晶開始温度におけ
る昇温速度、鋼帯最高加熱温度、均熱時間に関しての本
発明の範囲を示した図表である。
る昇温速度、鋼帯最高加熱温度、均熱時間に関しての本
発明の範囲を示した図表である。
【図2】本発明の構成要件である鋼帯最高加熱温度と均
熱時間の平均粒径に対する影響を示した図表である。
熱時間の平均粒径に対する影響を示した図表である。
Claims (1)
- 【請求項1】 オーステナイト系ステンレス鋼冷延鋼
帯を連続する工程において、均熱炉長L(m)、ライン
スピードV(m/sec)、炉設定温度Tf ( ℃)
、板厚X(mm) 、均熱帯への鋼帯装入温度To (
℃)に応じて下記する式(1)(2)(3)を用いて計
算される再結晶開始温度における昇温速度(dT/dt
)950(℃/sec)、鋼帯最高加熱温度Tmax
(℃)、均熱時間{鋼帯温度がTmax −10(℃)
以上である時間}t(sec) が下記する式(4)(
5)(6)を満たすよう制御することを特徴とするオー
ステナイト系ステンレス鋼帯の連続焼鈍方法。 【数1】 (dT/dt)950=α(Tf −950)
ここでα=0.06/x (1)
Tmax =Tf −(Tf −To )exp(−
αL/V) (2
) t=(1/α)ln{(Tf −Tmax +1
0)/(Tf −Tmax )} (3) 110
0≦Tmax +62 logt≦1240
(4) 1
8≦(dT/dt)950
(5) 1330≦10(dT/d
t)950+Tmax +62 logt≦1540
(6)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10956291A JPH0819470B2 (ja) | 1991-04-16 | 1991-04-16 | オーステナイト系ステンレス鋼冷延鋼帯の連続焼鈍方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10956291A JPH0819470B2 (ja) | 1991-04-16 | 1991-04-16 | オーステナイト系ステンレス鋼冷延鋼帯の連続焼鈍方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04318123A true JPH04318123A (ja) | 1992-11-09 |
JPH0819470B2 JPH0819470B2 (ja) | 1996-02-28 |
Family
ID=14513389
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10956291A Expired - Fee Related JPH0819470B2 (ja) | 1991-04-16 | 1991-04-16 | オーステナイト系ステンレス鋼冷延鋼帯の連続焼鈍方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0819470B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014077172A (ja) * | 2012-10-10 | 2014-05-01 | Tokyo Gakugei Univ | ステンレス鋼の製造方法 |
CN111074044A (zh) * | 2020-01-06 | 2020-04-28 | 江苏贯森新材料科技有限公司 | 一种超硬不锈钢力学性能调制方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109628709B (zh) * | 2018-12-29 | 2021-05-14 | 佛山市诚德新材料有限公司 | 一种不锈钢带的退火方法 |
-
1991
- 1991-04-16 JP JP10956291A patent/JPH0819470B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014077172A (ja) * | 2012-10-10 | 2014-05-01 | Tokyo Gakugei Univ | ステンレス鋼の製造方法 |
CN111074044A (zh) * | 2020-01-06 | 2020-04-28 | 江苏贯森新材料科技有限公司 | 一种超硬不锈钢力学性能调制方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0819470B2 (ja) | 1996-02-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |