JPH0430861Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、水中にある筒状体の内面検査を行な
う水中カメラロボツト等の水中カメラ装置に関す
るものである。

〔従来技術〕

例えば発電所の放水管などのように水中にある
筒状体の内面を検査するには、一般に水中テレビ
カメラ等が使用されているが、従来使用されてい
る方式は、水中テレビカメラを円筒耐圧容器に入
れて、その容器自体をパン・チルト操作するか、
または前面に透明ドームを持つた水中耐圧容器の
内で水中テレビカメラをパン・チルト操作してい
る。

しかしながら、上記の方式において、円筒耐圧
容器自体をパン・チルト操作する場合は操作が複
雑であり、一方水中耐圧容器内で水中テレビカメ
ラをパン・チルトする場合にも必要とする適確な
方向に透明ドーム部を向ける操作が難かしいとい
う問題があつた。

そこで、水中にある筒状体の内面を検査する場
合に、その筒状体と同様な透明円筒胴内に、その
透明円筒胴の中心軸のまわりを旋回するカメラを
内蔵するようにすれば、そのカメラ操作を迅速、
かつ適確に行ないうることに着目し、そのような
透明円筒胴内に設けた水中テレビカメラを水中ロ
ボツトに装着することが考えられるが、この場
合、検査部分の静止画像をカメラで撮影すると、
水中にある透明円筒胴の外部と、その内部の空間
との間で光線の歪が大きく、特に端部の方は像が
縮むため、全体として歪んだ写真になるという問
題がある。

従来の水中テレビカメラでは、レンズの外面が
空間なしに水中にあるのでこのような画像を補正
する必要がなく、また、水中耐圧容器内のテレビ
カメラの場合でも、そのような歪は人間の眼によ
りある程度補正されるので問題がなかつたが、静
止画像を撮影するカメラの場合では上記のような
画像の歪が大きな問題となる。

一方、透明な円筒状水密容器内に該容器の中心
軸線を光軸として観測装置が配設され、該光軸の
延長上に、前記円筒状水密容器の円周壁方向へ光
軸を反射するミラーが設けられた水中観測装置が
ある。（実開昭63−149669号公報参照）。

しかし、この水中観測装置は、上記のように、
観測装置の光軸の延長上に、円筒状水密容器の円
周壁方向へ光軸を反射するミラーが設けられてい
るから像の左右が反転するという難点があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、前記従来の問題点を解消するために
なされたものであり、像の左右が反転することも
なく、水中にある被検査体内面を高精度で検査で
きる水中カメラ装置を提供することを目的とした
ものである。

〔考案の構成〕

上記の目的を達成するため、本考案の水中カメ
ラ装置は、水中耐圧容器用透明円筒胴内にカメラ
を、該カメラのレンズの光軸が前記透明円筒胴の
中心軸と直交するように配設し、かつ前記カメラ
のレンズと前記透明円筒胴との間に偏歪補正用の
一次元凸レンズを配設したことを特徴とする。

〔実施例〕

以下、図面を参照して本考案の実施例を説明す
るが、第１図は本考案の一実施例における水中カ
メラ装置部分の概略側断面図、第２図は第１図の
水中カメラ装置を装着した水中ロボツトの要部断
面の側面図、第３図は第２図の要部断面の平面
図、第４図は第１図のカメラ旋回装置の拡大側面
図、第５図は第４図のＡ−Ａ方向の背面図であ
る。

まず、第１図に示す水中カメラ装置は、第２図
及び第３図の水中ロボツトのロボツト本体２１の
前方に、カメラ旋回装置２２を設け、ロボツト本
体２１とドーム部２３との間に設けたアクリル等
の透明円筒胴２４内に、カメラ２５をカメラ旋回
装置２２の旋回後部軸９及び旋回前部軸６を中心
に、この透明円筒胴２４の中心軸Ｘまわりを360°
回転可能に設けたものであり、透明円筒胴２４は
水中耐圧容器の一部として形成されている。

上記水中ロボツトは垂直フイン２６及びフエン
ダー２７を有し、前部横スラスタ２８、後部横ス
ラスタ２９及び垂直スラスタ３０、更には主推進
器３１により、水中の任意の位置への移動が遠隔
操作によつて可能となつており、後部に電源装置
３２を有し、また、前部には前方監視用テレビカ
メラ３３を設けており、上記カメラ２５等の映像
などは映像伝達装置３４により海上の作業船上に
伝送されるようになつている。

なお、第１図において３５で示すのは前部軸受
であり、また３６で示すのはＶ型リテナーであ
る。

次に、このカメラ２５は静止画像を撮影可能な
一眼レフカメラであり、そのレンズの前面と透明
円筒胴２４との間には、この透明円筒胴２４の曲
率に対応した適宜な曲率に形成されたかまぼこ形
状断面の補正レンズ３７が設けられており、カメ
ラ２５を旋回しても、全周にわたつて歪のない正
常な映像が得られるようになつている。

また、カメラ旋回装置２２は、第４図及び第５
図に示す如く、旋回装置台８に取付けた旋回装置
ギヤボツクス１に設けた旋回モータ１８の軸に取
付けたウオームギヤ１２を回転し、歯車１７を介
して、カメラ２５を取付けるマガジンラツク１５
の取付フレーム７及び４をそれぞれ取付けた旋回
後部軸９及び旋回前部軸６を360°回転するように
なつている。

なお、第５図に示すカム１４に対するリミツト
スイツチ１９の接触により上記カメラ２５の旋回
範囲は制限されると共に、ポテンシヨメータ２０
によりその旋回位置が判るようになつている。

上記の構成からなる水中カメラ装置を装備した
水中ロボツトを被検査物である水中の放水管等の
内側に水中停止させた後、カメラ２５をカメラ旋
回装置２２を操作させることにより、この水中ロ
ボツトの進行方向に対して360°旋回させながらカ
メラ２５のフアインダーの部分に取付けたテレビ
カメラにより、被検査物の映像を撮影しながら水
上に伝達するが、その被検査物に傷などの異常を
発見した時には、そのカメラ２５により静止画像
を撮影することになり、その際に補正レンズ３７
の機能により正常な映像が得られることになる。

〔考案の効果〕

以上に説明したように、本考案の水中カメラ装
置は水中耐圧容器用透明円筒胴内にカメラを、該
カメラのレンズの光軸が前記透明円筒胴の中心軸
と直交するように配設し、かつ前記カメラのレン
ズと前記透明円筒胴との間に偏歪補正用の一次元
凸レンズを配設したので、像の左右が反転するこ
ともなく、水中にある被検査体内面を高精度で検
査できるようになつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における水中カメラ
装置の概略側断面図、第２図は第１図の水中カメ
ラ装置を装着した水中ロボツトの要部断面の側面
図、第３図は第２図の要部断面の平面図、第４図
は第１図のカメラ旋回装置の拡大側面図、第５図
は第４図のＡ−Ａ方向の背面図である。 ６……旋回前部軸、９……旋回後部軸、１２…
…ウオームギヤ、１８……旋回モータ、２２……
カメラ旋回装置、２４……透明円筒胴、２５……
カメラ、３７……補正レンズ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水中耐圧容器用透明円筒胴内にカメラを、該カ
   メラのレンズの光軸が前記透明円筒胴の中心軸と
   直交するように配設し、かつ前記カメラのレンズ
   と前記透明円筒胴との間に偏歪補正用の一次元凸
   レンズを配設したことを特徴とする水中カメラ装
   置。