JPH0430732Y2 - - Google Patents

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JPH0430732Y2
JPH0430732Y2 JP1986007943U JP794386U JPH0430732Y2 JP H0430732 Y2 JPH0430732 Y2 JP H0430732Y2 JP 1986007943 U JP1986007943 U JP 1986007943U JP 794386 U JP794386 U JP 794386U JP H0430732 Y2 JPH0430732 Y2 JP H0430732Y2
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polytetrafluoroethylene resin
heat
wire
fluororesin
mixed
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【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ペースト押出し直後に延伸処理さ
れた高分子材料により被覆される電線に関し、特
に被覆材であるポリテトラフルオロエチレン樹脂
に熱溶融性弗素樹脂を混入しておくことで、ペー
スト押出し被覆するとともに長手方向に延伸しこ
れに続く焼成時の熱により熱溶融性弗素樹脂が溶
融されて、被覆材と導線とを密着結合させてなる
電線に関する。
〔従来の技術とその問題点〕
ポリテトラフルオロエチレン樹脂は耐高温特
性、耐薬品特性等は優れていて、電線の被覆材や
誘電体層としては好適であるものの、その反面、
接着しにくいという性質もある。従来のペースト
押出し延伸被覆電線は、導線が単に延伸多孔質ポ
リテトラフルオロエチレン樹脂により被覆されて
いただけの構成であつたために、前記で述べた接
着しにくい性質から導線と被覆材との密着結合力
が極めて低く、その結果、被覆材に引つ張り力が
作用した場合等には被覆材のみが移動する等、電
線使用上や電気特性安定度に支障が生じる。また
被覆材の一部に移動が生じると被覆材の他の部分
が伸び等、被覆材自体の強度も低いという問題点
もある。
この考案はこのような従来技術の問題点に着目
してなされたものであり、ポリテトラフルオロエ
チレン樹脂をペースト押出し被覆するとともに長
手方向に延伸してなる電線の、被覆材と導線との
密着結合力を高めて、電線使用上の円滑性と電気
特性の安定化を確保するとともに被覆材の強度を
向上させることを目的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
この考案のペースト押出し延伸被覆電線は、導
線の外周に、融点温度がポリテトラフルオロエチ
レン樹脂よりも低い熱溶融性弗素樹脂を混入した
ポリテトラフルオロエチレン樹脂を押出し被覆す
るとともに長手方向に延伸してなる。
〔作用〕
被覆材のポリテトラフルオロエチレン樹脂に、
この樹脂より融点温度が低い熱溶融性弗素樹脂が
混入されているから、この樹脂をペースト押出し
被覆するとともに長手方向に延伸させ、続く焼成
時の加熱によつて前記熱溶融性弗素樹脂が溶融さ
れて被覆材が導線に密着結合される。
またポリテトラフルオロエチレン樹脂に混入さ
れた熱溶融性弗素樹脂が前記加熱により溶融さ
れ、しかる後に硬化するため被覆材自体の強度も
向上する一方、被覆材が前記のように導線に密着
結合して一体化するから、導線が被覆材の補強に
なることもあつて、引つ張り力により被覆材に伸
びを生じることもなくなる。従つて、被覆材の多
孔構造に変化なく一定なものとなり電気特性も安
定したものとなる。
〔実施例〕
図示実施例に基づいて以下に説明する。
第1図は、この考案の第1実施例を示すもので
あり、1が導線、2が導線1の被覆材である。被
覆材2は、熱溶融性弗素樹脂を混入して押出し延
伸処理した延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレ
ン(E−PTFE)樹脂からなり、ペースト押出し
被覆とともに長手方向への延伸処理に続く焼成時
の加熱により熱溶融性弗素樹脂が溶融されて被覆
材2と導線1との間を密着結合させており、ま
た、被覆材2自体の内部で熱溶融性弗素樹脂が溶
融、硬化されている。前記熱溶融性弗素樹脂とし
ては、例えば、テトラフルオロエチレン−ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体樹脂(FEP),テト
ラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニ
ルエーテル共重合体樹脂(PFA)、四弗化エチレ
ン−エチレン共重合樹脂(ETFE)、三弗化塩化
エチレン樹脂(PCTFE),弗化ビニリデン樹脂
(PVdF)等の、ポリテトラフルオロエチレン樹
脂よりも融点の低い弗素樹脂を用いる。
この電線の製造は次のようにして行う。即ち、
ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)のフ
アインパウダーと潤滑剤とを混合してペーストと
し、このペーストに、前記熱溶融性弗素樹脂の粉
末を混合するか、又は前記ペースト作成時に潤滑
剤等とともに熱溶融性樹脂の粉末を混合してお
き、これを導線1の外周に、チユーブ状にペース
ト押出し成形する。このチユーブ状体と導線1と
をペーストの押出し速度よりも早い速度で引き取
ることにより、チユーブ状をなすポリテトラフル
オロエチレン樹脂が延伸されて、延伸多孔質ポリ
テトラフルオロエチレン樹脂となし、そのまま助
剤乾燥炉及び焼成炉を通過させて被覆材2とする
電線を作ることができる。
前記熱溶融性弗素樹脂の粉末の混入量は、被覆
材2材料の大体7〜13%程度の範囲が好適であ
る。この範囲より少ない場合には導線1と被覆材
2との密着度が低く、且つ被覆材2自体の強度増
加も少ない。またこの範囲より混入量が多い場合
には、低誘電率である延伸ポリテトラフルオロエ
チレン樹脂の気孔を、熱溶融性弗素樹脂が埋める
ので誘電率が増大し、伝送線路に用いた場合には
伝送速度が低下することになる等の理由により使
用上限度がある。
前記焼成炉を通過することにより、混入されて
いる熱溶融性弗素樹脂の粉末が加熱されて溶融し
て、被覆材2になるチユーブ状体と導線1との間
を結合させ、且つ前記チユーブ状体の強度を向上
させる。そしてこれらが冷却されることによつ
て、相互に結合された導線1及び被覆材2とによ
り電線が完成され、しかも被覆材2は前記の如く
強度が増大したものとなつている。
第2図は第2実施例を示すものであり、第1実
施例と同一の被覆材2の肉厚を薄くし、その外周
にさらに充実質ポリテトラフルオロエチレン樹脂
からなる被覆材3を被覆したものである。これに
より、電線の被覆材に、導線への密着度強化をす
るための熱溶融性弗素樹脂を混入した低誘電率の
延伸多孔質のポリテトラフルオロエチレン樹脂の
特性と、耐水、耐油性などの充実ポリテトラフル
オロエチレン樹脂の特性との両特性を持たせるこ
とができる。
第3図は第3実施例を示すものであり、第2実
施例の電線の被覆材3の外周に、前記被覆材2と
同一の材料からなる被覆材4を被覆したものであ
り、この被覆材4も熱溶融性弗素樹脂を混入した
延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン樹脂から
なるから、第2実施例の特性に加えて、層をなす
被覆材の外側の部分においても強度を向上させて
いる。
第4図は第4実施例を示すものであり、導線1
の外周を被覆する被覆材5として、熱溶融性弗素
樹脂が混入され且つ発泡された延伸多孔質ポリテ
トラフルオロエチレン樹脂を用いている。即ちこ
の被覆材5は、前記第1〜3実施例の被覆材2と
同一の材料を用いてなり、さらにその被覆材を発
泡しているものである。発泡剤はペースト内に混
入しておいて、電線製造時に前記焼成炉による加
熱によつて、前記のように熱溶融性弗素樹脂を溶
融させるとともに発泡させるものである。
かくして、この実施例の被覆材5は、前記各実
施例の被覆材2のように、導線1との間が充分に
密着され、且つ被覆材5自体の強度が向上するこ
とに加えて、発泡されていることから誘電率を更
に低下させる機能がある。また電線製造工程から
見ると、前記発泡は焼成炉通過時の加熱を利用で
きるものであるから、格別に工程が増加すること
もなく誘電率の一段と低い被覆材5とすることが
できる。
第5図は第5実施例を示すものであり、第4実
施例と同一の被覆材5の肉厚を薄くし、その外周
にさらに充実質ポリテトラフルオロエチレン樹脂
からなる被覆材6を被覆したものである。これに
より、電線の被覆材に、熱溶融性弗素樹脂を混入
し且つ発泡した延伸多孔質のポリテトラフルオロ
エチレン樹脂と、充実質ポリテトラフルオロエチ
レン樹脂との両特性を持たせることができる。
第6図は第6実施例を示すものであり、第5実
施例の被覆材6の外周に、第1実施例の被覆材2
と同一の材料からなる、熱溶融性弗素樹脂が混入
された延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン樹
脂の被覆材7を被覆したものである。
以上の実施例のように、導線1外周の被覆材
2,5としては、ポリテトラフルオロエチレン樹
脂に熱溶融性弗素樹脂を混入してなるものとし
て、ポリテトラフルオロエチレン樹脂が延伸多孔
質のものである例や、さらに発泡されたものであ
る例等が適用される。また導線1外周の被覆材
2,5の外側にさらに外周の被覆材を積層するこ
とも可能であり、これら積層される各被覆材の材
質や寸法等は、電線の使用条件に対応して決定さ
れるものである。
〔考案の効果〕
以上説明したように、この考案のペースト押出
し延伸被覆電線は、導線の外周を、熱溶融性弗素
樹脂を混入したポリテトラフルオロエチレン樹脂
により押出し被覆するとともに長手方向に延伸
し、それに続く焼成時の熱により熱溶融性弗素樹
脂が溶融して、導線と被覆材との密着結合力を高
めて、導線に対する被覆材の移動を防止する一
方、被覆材の多孔性が維持されて、電線使用上の
円滑性と電気特性の安定を確保することができる
効果がある。
とりわけ、前記熱溶融性弗素樹脂はポリテトラ
フルオロエチレン樹脂と同じ弗素樹脂であるため
に、ポリテトラフルオロエチレン樹脂との馴染み
がよいから、前記導線と被覆材との密着結合力を
高くすることができる。
また被覆材内部において熱溶融性弗素樹脂が溶
融後に硬化しているから被覆材の強度を向上させ
ることができる効果もある。特に、熱溶融性弗素
樹脂の溶融は電線製造工程においてペースト押出
し被覆後の焼成のための加熱をそのまま利用でき
るものであるため、従来のペースト押出しによる
電線製造の工程に比較して工程を増加する必要も
ないという効果もある。
さらに、前記被覆材を発泡すれば、被覆材の誘
電率を一層低下させることも、前記同様に製造工
程を増加させることなく実現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1実施例を示す一部切欠斜視図、第
2図は第2実施例を示す一部切欠斜視図、第3図
は第3実施例を示す一部切欠斜視図、第4図は第
4実施例を示す一部切欠斜視図、第5図は第5実
施例を示す一部切欠斜視図、第6図は第6実施例
を示す一部切欠斜視図である。 1……導線、2,5……導線外周の被覆材、
3,4,6,7……それ以外の被覆材。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 導線の外周に、融点温度がポリテトラフルオ
    ロエチレン樹脂よりも低い熱溶融性弗素樹脂を
    混入したポリテトラフルオロエチレン樹脂を押
    出し被覆するとともに長手方向に延伸したこと
    を特徴とする押出し延伸被覆電線。 (2) ポリテトラフルオロエチレン樹脂は発泡され
    ている実用新案登録請求の範囲第1項記載の押
    出し延伸被覆電線。
JP1986007943U 1986-01-23 1986-01-23 Expired JPH0430732Y2 (ja)

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