JPH04302216A - 差動2値信号の転送方法及び該方法を実施するための電子アセンブリ - Google Patents

差動2値信号の転送方法及び該方法を実施するための電子アセンブリ

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JPH04302216A
JPH04302216A JP3311008A JP31100891A JPH04302216A JP H04302216 A JPH04302216 A JP H04302216A JP 3311008 A JP3311008 A JP 3311008A JP 31100891 A JP31100891 A JP 31100891A JP H04302216 A JPH04302216 A JP H04302216A
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differential
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、差動タイプの電気信号
の転送の一般的問題に関する。
【0002】
【従来の技術】この問題は、当該の回路の2つの出力線
の間の電位差信号によってその値が決められる論理信号
を生成する回路を含む電気アセンブリを形成する際に生
じる。
【0003】こうした論理信号は、前記アセンブリ内の
他の回路の入力に加えられ、これらの他の回路自体は、
下流に配置された他の回路に与えるための差動信号を供
給することが可能である。
【0004】これらの出力信号は、下流の回路の入力段
階に供給するのに十分な出力を供給することが可能な出
力段階によって生成される。差動2値信号の場合には、
その出力段階として差動増幅器が使用されることが多い
【0005】性能上の理由から、特にモス (MOS)
又はシ−モス(CMOS)技術においては、“予備充電
(precharging) ”回路が一般的に使用さ
れる。第1の“予備充電”段階で、差動線が一定の電圧
で充電され、その後で、第2の“評価(evaluat
ion)”段階でその差動線がその回路に与えられた入
力信号の関数である論理状態を定義する電圧に充電され
る。従って、差動信号の場合には、差動線の1つが第1
電圧(例えば供給電圧)に評価され、他の差動線が第2
電圧(例えば接地電圧)に充電される。 この場合には、差動線の切換時間を減少させるために、
供給電圧の1/2 に近い電圧にまで差動線を予備充電
することが行われる。その後で、供給電圧の1/2 で
ある電圧を供給する補助供給に対して線を連絡させ、予
備充電信号の制御を受けた予備充電回路によって予備充
電が行われることが一般的である。一般的には、この予
備充電回路は、2つの線の予備充電電圧が等しいことを
確保するためにこれらの2つの線を短絡する均圧(均等
)回路を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するため
の手段】しかし、この従来の解決策は、特に集積回路の
場合に、その電圧を精確に調節することが困難な補助電
力供給(オグジリアリ・パワー・サプライ)を必要とす
るという欠点を有する。これは、集積回路の製造上のば
らつきが大きく、かつその製造後に集積回路サブ・アセ
ンブリの特性を変更することが困難な場合があるという
ことを原因とする。
【0007】従って、本発明はこの問題を解決すること
を目的とし、その主題は、2つの第1ビット線内に存在
する差動タイプの2値情報要素を、差動増幅器を介して
、2つの第2ビット線に転送するための方法を提供する
ことを目的とする。この方法は、第1ビット線の予備充
電段階とそれに続く評価段階とを含み、更にこの方法は
、予備充電段階が第1ビット線を互いに短絡させること
と、第2ビット線の少なくとも1つを第1ビット線に短
絡させることから成ることを特徴とする。
【0008】補助パワーサプライの経済性に加えて、本
発明の解決策は、製造上のばらつきに係わらず、差動増
幅器の入力線に予備充電時に加えられる電圧が、その差
動増幅器を最大不安定状態にするレベルに自動的に調整
されるという有利な特徴を有する。その結果、後続の評
価段階で差動増幅器の切換時間が最小である。
【0009】一般的に、このように増幅された差動信号
は、予備充電を同様に必要とする他の回路の入力に加え
られる。従って、この増幅器の出力線の精確な予備充電
を同様に行うことが適切であり、本発明の追加の特徴に
よって、本発明の方法は、第2ビット線が予備充電段階
で互いに短絡されることをも特徴とする。
【0010】しかし、上記の方法は、予備充電で増幅器
による消費に関連した問題点を呈する可能性がある。こ
れは、予備充電段階で増幅器が短絡されて、その増幅器
自体の内部インピーダンスに給電するからである。従っ
て、例えば比較的強力な増幅器を必要とするアセンブリ
では、その増幅器の内部インピーダンスが低い場合に、
この消費が大きく、著しい温度上昇が生じる可能性があ
る。この結果として、特に、集積回路内のMOS トラ
ンジスタのようなコンポーネントの切換時間が増加する
ことによって、性能の劣化が引き起こされる。このタイ
プの回路が同一の集積回路内で多数使用される場合にも
、同じ問題が生じる可能性がある。
【0011】上記の場合にこの問題を克服するために、
本発明の別の側面によって、本発明の方法は、高い内部
インピーダンスを有する第1差動増幅器と、低い内部イ
ンピーダンスを有しかつ3つの状態を有する第2差動増
幅器とを使用することと、第1及び第2差動増幅器の入
力及び出力が並列に接続され、かつ第2差動増幅器が予
備充電段階で高インピーダンス状態に設定されるように
することとから成ることを特徴とする。
【0012】本発明は、上記方法を実現する電子回路に
も関する。本発明による電子回路は、差動増幅器の入力
に接続された2つのビット線で構成された少なくとも1
つの差動タイプの2値出力を有する。これらのビット線
は、予備充電段階で一定の電圧に予備充電され、この予
備充電段階の後に評価段階が行われ、この回路は、2つ
のビット線を短絡する第1手段と、差動増幅器の出力線
の少なくとも1つをビット線の少なくとも1つに短絡す
る第2手段とを有し、第1手段及び第2手段が予備充電
段階で稼動することを特徴とする。
【0013】本発明による回路の別の側面では、本発明
の回路は、差動増幅器の2つの出力線を互いに短絡させ
る第3手段を有することを特徴とする。
【0014】本発明の別の側面では、本発明の回路は、
その差動増幅器が、高い内部インピーダンスを有する第
1差動増幅器と、低い内部インピーダンスを有しかつ3
状態(tri−state) の第2差動増幅器とを有
し、第1及び第2差動増幅器の入力及び出力が並列に接
続されることと、第2差動増幅器が予備充電段階で高イ
ンピーダンス状態に設定されることを特徴とする。
【0015】本発明による回路のCMOS技術における
他の特徴と実施の詳細が、以下の説明で明らかになるだ
ろう。
【0016】上記で説明された本発明の方法と回路は、
カスケード形に取り付けられた複数の回路を使用し、か
つこれらの回路の各々がその下流に位置する回路に差動
タイプの2値情報を供給するアセンブリに特に有益に適
用される。実際には、このタイプのアセンブリの演算速
度は、1つの回路からその次の回路に下流方向に出力信
号を伝送する速度に大きく依存している。従って、出力
段階の切換が迅速であることが重要である。同期アセン
ブリの場合には、このためにクロック周波数が増大され
る。
【0017】従って、本発明は、カスケード接続された
複数の電子回路を有し、かつこれらの電子回路の各々が
その下流に位置する少なくとも1つの電子回路に対して
差動タイプの少なくとも1つの2値情報をその出力にお
いて供給するアセンブリを提供することを目的とし、こ
のアセンブリは、電子回路の各々が、上記で定義された
本発明による回路に相当することを特徴とする。
【0018】このタイプのアセンブリでは、その上流に
位置する少なくとも1つの回路自体が評価された後にだ
け現下の回路の評価が開始されるように、回路の予備充
電段階及び評価段階が適正な順序で行われることが重要
である。
【0019】このために、更に本発明によるアセンブリ
は、カスケード接続されかつ電子回路とアセンブリを構
成する差動増幅器とに別々に結合された、複数のインバ
ータを有することと、複数のインバータの第1インバー
タがその入力にクロック信号を受け取り、差動増幅器の
予備充電段階と評価段階とが、差動増幅器に組み合わさ
れたインバータの入力信号及び/又は出力信号によって
制御されることを特徴とする。
【0020】本発明の適用が可能な数多くの具体例が存
在する。こうした具体例は特にモジュール形式の回路で
あってよい。一般的には、モジュール形式の回路の規則
性によって集積密度の増大が可能になるが故に、こうし
たモジュール形式の回路は集積回路の形での本発明の回
路の実現のために望ましい。例えば、こうしたモジュー
ル回路では、信号が1つのモジュールから出て、下流に
位置する少なくとも1つのモジュールに伝搬するのに要
する時間が問題になることが多いが、この問題は本発明
によって有利に解決されることが可能である。
【0021】この問題は、特に、コンピュータシステム
のプロセッサに使用されることが可能な“桁上げ選択加
算器(carry select adder)”タイ
プの加算器に当てはまり、この場合には、コンピュータ
システム全体の性能が加算器によって決まるが故に、そ
の加算器が高速であることが重要である。。
【0022】更に本発明は、p 個の加算モジュールで
構成された、桁上げ選択タイプの n×p ビットの2
つの数のための加算器回路の提供をも目的とし、加算モ
ジュールの各々が、その桁上り入力が別々に1と0とに
事前設定されるn 個のビットを有する2つの加算器と
、2つの加算器の一方の加算器の出力を選択するための
マルチプレクサとを有し、加算器の各々が差動タイプの
桁上り出力を有し、モジュールの各々が桁上げ選択回路
と組み合わされ、この桁上げ選択回路は、2つの加算器
から生じる桁上りビットと、上流の選択回路によって供
給される選択信号とに応じて、下流のモジュールのマル
チプレクサに選択信号を供給し、n 個のビットを有す
る加算器の各々が本発明による電子回路に相当し、差動
タイプの2値出力が加算器の桁上げ出力であることを特
徴とする。
【0023】本発明の他の特徴と実施の詳細とが、添付
図面に関連させられながら、以下の実施例の説明の中で
明らかにされるだろう。
【0024】
【実施例】図1は、本発明を実行するために不可欠な手
段を一般的な形で表している。これらの手段は差動増幅
器Aを含み、この差動増幅器Aの直接入力eと反転入力
e* は各々に、図示されていない回路の対応する出力
線に接続されている。差動増幅器Aの直接出力sと反転
出力s* は各々に、図示されていない別の回路の対応
する入力線に接続されている。差動増幅器Aは、接地と
供給電圧源Vddとに別々に接続された2つの供給端子
を有する。
【0025】予備充電信号PCによって制御される第1
スイッチSW1が、増幅器Aの2つの入力線の間に接続
される。予備充電信号PCによって同様に制御される第
2スイッチSW2も、出力の一つ(例えばs* )を入
力の一つ(例えばe)に接続する。これに加えて、予備
充電信号PCによって制御される第3スイッチSW3が
、出力sとs* とを互いに接続する。
【0026】さて、図1の回路の動作が、図2に示され
るグラフを使用して説明されるだろう。このグラフは、
直接入力eに加えられる電圧の変化に応じた、反転出力
s* に現れる電圧の変化を表している。以下の説明で
は、正論理の取り決めが使用され、この取り決めに従っ
て、接地に関連した対応電圧が供給電圧Vdd(例えば
5V)に等しい時に信号が論理値1をとり、その電圧が
ゼロであるときに論理値0をとる。
【0027】本発明による回路は、2つの段階の形で、
即ち、予備充電制御信号PCで起動される予備充電段階
と、その後の予備充電制御信号PCがその間は働いてい
ない評価段階との形で作動する。後者の場合には、スイ
ッチSW1、SW2、SW3が開いており、増幅器Aが
通常の動作を行い、即ち、その入力eとe* の間の電
位差の符号に応じて、出力sを5Vにかつ出力s* を
0Vにするか、又は、出力sを0Vにかつ出力s* を
5Vにする。
【0028】予備充電段階の間は、信号PCの制御を受
けて、スイッチSW1、SW2、SW3が閉じている。 その時には、増幅器Aは、内部インピーダンスに給電し
、図2に示されるe=e* =s=s* のような平衡
状態I になる。
【0029】図2のグラフに示されるように、動作点I
は、増幅器Aが最大動的利得を得る状態に対応する。従
って、それに続く評価段階では、出力sとs* は、最
大の速度で評価電圧にされる。更には、この特性は増幅
器Aの寸法に無関係に維持され、従って、集積回路の場
合にはその製造上のばらつきに無関係に維持される。
【0030】図3は、図1の回路の別の具体例を示す。 この変形例は、予備充電段階の間の増幅器Aの消費を低
減させる必要がある場合に対して与えられる。この目的
のために、増幅器Aは、並列の2つの増幅器1、2で置
き換えられる。第1増幅器1は比較的高い内部インピー
ダンスを有するような寸法に作られる。増幅器2は内部
インピーダンスの低い3状態増幅器である。増幅器2は
、高インピーダンス状態に置かれることが可能な検定入
力(valid input) ENを有する。
【0031】前述のように、スイッチSW1は入力eと
e* とを互いに接続し、スイッチSW2は一つ出力s
* を一方の入力eに接続し、スイッチSW3は出力s
とs* とを互いに接続し、これらの3つのスイッチが
予備充電信号PCによって制御される。
【0032】図3の回路は次のように働く。予備充電段
階の間は信号PCが有効であり、スイッチSW1、SW
2、SW3が閉じている。更に、信号PCの補数である
信号PC* が増幅器2の検定入力ENに加えられ、増
幅器2を高インピーダンス状態にする。その結果として
、増幅器2は消費の原因とならない。前出の具体例の場
合と同様に、増幅器1は、その入力線と出力線とを平衡
電圧(供給電圧Vddの約1/2 )に予備充電する。
【0033】それに続く評価段階の間は、PC=0かつ
PC* =1である。この時には3つのスイッチが開い
ており、増幅器2が有効である。上記のように、各々の
評価段階の開始時に、上記の2つの増幅器が、これらの
増幅器が実際的に最大動的利得を与える状態にされる。
【0034】これら2つの増幅器の大きさが、その製造
技術と本発明の適用形態とに応じて決まることが留意さ
れなければならない。特に、増幅器1の内部インピーダ
ンスの値は、その回路の適正な動作に適したレベルに温
度を制限するのに十分なだけ高い値に、かつその入力線
と出力線とが遅くとも予備充電段階の終了時には完全に
予備充電され終わっていることを可能にするのに十分な
だけ低い値に、選択されなければならない。各々の個別
的な事例におけるこの選択は、当業者の取り扱い範囲内
であり、従って、これ以上の説明は不要である。
【0035】図4は、図3の回路のCMOS技術におけ
る具体例である。増幅器1はPMOSトランジスタP0
、P1とNMOSトランジスタN0、N1とで構成され
る。トランジスタP0とN1、トランジスタP1とN0
は、接地と供給電圧Vddとの間に直列に接続される。 トランジスタN1とN0のグリッドが、入力eとe* 
の各々を形成する。トランジスタN0とP1のドレイン
が出力sを構成し、トランジスタP0とN1のドレイン
が出力s* を構成する。出力sとs* は各々にトラ
ンジスタP0とP1のグリッドに接続される。
【0036】図4のサブアセンブリ3は、増幅器2とス
イッチSW1とSW2とを含む。増幅器2は、PMOS
トランジスタP2、P3とNMOSトランジスタN2、
N3とで構成される。増幅器1の場合と同様に、トラン
ジスタP2とN3、トランジスタP3とN2は、直列に
接続される。トランジスタN3とN2のグリッドが各々
に入力eとe* に接続される。トランジスタP3とN
2のドレインが出力sに接続され、トランジスタP2と
N3のドレインが出力s* に接続される。出力sとs
* は各々にトランジスタP2とP3のグリッドに接続
される。トランジスタP2とP3のソースが、そのグリ
ッドが予備充電信号PCを受け取るPMOSトランジス
タPENを経由して、供給電圧Vddに接続される。ト
ランジスタN2とN3のソースが、そのグリッドが信号
PC* を受け取るNMOSトランジスタNENを経由
して接地に接続される。
【0037】入力eとe* は、NMOSトランジスタ
SW1のドレイン−ソース経路を経由して互いに接続さ
れる。 出力sは、NMOSトランジスタSW2のドレイン−ソ
ース経路を経由して入力e* に接続される。出力sと
s* は、NMOSトランジスタSW3のドレイン−ソ
ース経路を経由して互いに接続される。3つのトランジ
スタSW1、SW2、SW3は、その各々のグリッドに
予備充電信号PCを受け取る。
【0038】図4の回路の動作はその図から容易に理解
可能である。予備充電段階の間に信号PCが正の電圧を
有し、トラジスタNENとPENが遮断されている間は
トランジスタSW1、SW2、SW3が伝導状態にある
。従って、増幅器2はそのパワーサプライから切り離さ
れている。これとは反対に、一方ではトランジスタP0
とN1が、他方ではトランジスタP1とN0が、これら
のドレイン−ソース経路の抵抗状態が部分的な伝導状態
にあるが故に、電圧分割器を構成する。
【0039】予備充電の終了時には、信号PCが再びゼ
ロになり、信号PC* が正の電圧に戻る。従って、ト
ランジスタSW1、SW2、SW3が開き、トラジスタ
NENとPENが閉じる。この時には、2つの増幅器1
、2が差動増幅器として正規に差動する。
【0040】これらの増幅器の内部インピーダンスとパ
ワーゲインとが、これらの増幅器を構成するトランジス
タのドレイン−ソース経路の抵抗によって条件付けられ
るということが留意されるべきである。こうした抵抗は
、トランジスタの寸法を適切に決めることによって(特
にその幅を選択することによって)調節されることが可
能である。
【0041】別の具体例では、スイッチSW1、SW2
、SW3を構成するNMOSトランジスタが、CMOS
転送ゲートで置き換えられることが可能である。この場
合には、そのグリッドが信号PC* を受け取るPMO
Sトランジスタが、各々のNMOSトランジスタと並列
に接続されることが可能である。この部分変更によって
、これらのスイッチの短絡作用が改善される。
【0042】図5は、本発明が適用された1つのアセン
ブリを示す。このアセンブリは、複数の回路M1、Mi
、Mi+1、Mpを有する。各々の回路(例えばMi)
は、その上流に配置された少なくとも1つの回路から生
じる少なくとも1つの差動信号s1、s1* を受け取
り、その下流に配置された少なくとも1つの回路Mi+
1に与えるための、少なくとも1つの差動出力ei、e
i* を供給する。
【0043】回路Miからその下流の回路Mi+1に供
給される各々の差動信号ei、ei* の伝送は、本発
明による差動増幅器Aiによって行われる。従って、回
路Miの1つからの差動出力ei、ei* は、増幅器
Aiへの入力として働き、増幅器Aiの出力は、その下
流の1つの回路Mi+1の入力に加えられる差動信号s
i、si* を供給する。
【0044】これらの回路の各々は、これらの回路が入
力変数を処理し、かつその結果を供給するのを可能にす
る、他の入力と他の出力とを有するのが一般的である。 説明を単純化するために、これらのデータが各々に入力
レジスタRE1、REi、REi+1、REpと出力レ
ジスタRS1、RSi、RSi+1、RSpに存在する
と仮定する。
【0045】このアセンブリは、図6に示されるクロッ
ク信号CK1とCK2によって同期化される。図6の上
部では、信号CK1とCK2が有効であり、入力レジス
タREiと出力レジスタRSiとを各々にロックアウト
する。従って、線ei、ei* の予備充電は、信号C
K1の立上り前部と共に始まることが可能であるが、そ
れに続く評価は、それに続く信号CK2の立下り前部の
前に完了しなければならない。
【0046】1つの有利なアセンブリ特徴によれば、カ
スケード形に配線された一組のインバータIM1、IA
1、IMi、IAi、IMi+1、IAi+1、IMp
、IApが備えられ、その第1インバータIM1がクロ
ック信号CK1の補数CK1* を受け取る。各々のイ
ンバータIMi又はIAiは、回路Mi又は増幅器Ai
と別々に組み合わされる。増幅器Aiと組み合わされた
インバータIAiの入力PCi及び/又は出力PCi*
 は、インバータIAiと組み合わされた増幅器Aiの
予備充電を制御するのに使用される信号を供給する。
【0047】図5のアセンブリは次のように働く。クロ
ック信号CK1が有効になると、予備充電信号PCi、
PCi* がインバータIMi、IAiを経由して下流
に伝搬する。この時に、増幅器Aiは差動線を予備充電
する。これと同時に入力信号が入力レジスタREiに充
電される。
【0048】CK1がゼロに再び戻ると、信号PCiと
PCi* は、入力信号CK1が経由しなければならな
いインバータの数に応じた遅延を伴ってその状態を変化
させる。その結果として、差動信号eiとei* は、
予備充電信号PCiとaPCi* の状態の変化と同期
して下流方向に評価される。使用される技術及び/又は
クロック信号周波数を適切に選択することによって、レ
ジスタRSi内への結果のロックアウトの終了をも決め
る次の信号CK2の立下り前部の前で、各々の回路内で
評価が完了させられるだろう。
【0049】もちろん、各インバータIMi、IAiは
、回路Miの切換時間又は回路Miに組み合わされた増
幅器Aiの切換時間に少なくとも等しい遅延を生じさせ
るような大きさにされる。この措置の故に、各々の増幅
器の入力に存在する差動信号が評価される前に、各々の
増幅器がその予備充電段階から能動段階に移行すること
はないだろうし、この特性は、製造上のばらつきに係わ
らずに維持される。特に、これによって、増幅されるべ
き真の論理変数に相当する十分な差動電圧を増幅器の入
力線が有する以前に、その増幅器がその入力線を増幅す
ることが防止される。これと反対の場合には、その増幅
器はその最適動作点からずらされる可能性があり、この
ことはその増幅器の切換時間を増大させることになるだ
ろう。
【0050】図7は、桁上げ選択タイプの加算器の一部
分を示す。このタイプの加算器はそれ自体としては公知
であり、更に詳細な点については、John Wile
y and Sons 社によって出版された Kai
 Hwangの著書「Computer Arithm
etic − Principle, Archite
cture and Design」(1979)の8
1〜84ページを参照されたい。従って、図7に示され
るように、n×pビットの2つの数の加算器を実現する
ために、p個の加算モジュールMAi、MAi+1が備
えられ、第1加算モジュールを除く各々の加算モジュー
ルが、その桁上り入力が別々に1と0とに事前設定され
る2つのnビット加算器SAと、これらの2つの加算器
のどちらか一方のnビット出力を選択するためのマルチ
プレクサMUXとを有する。各々の加算モジュールMA
iは桁上げ選択回路SELと組み合わされ、この桁上げ
選択回路SELは、2つの加算器から生じる桁上げビッ
トCi(1)、Ci(0)と、上流の選択回路によって
供給される選択信号Ci−1とに応じて、下流のモジュ
ールMA+1のマルチプレクサMUXの選択信号Ciを
供給する。数の低い位に対応する第1加算モジュールは
、この演算のための入力桁上げ信号を受け取る単一のn
ビット加算器で構成される。
【0051】“桁上げ先見加算器”として知られる加算
器のような他のタイプの加算器に比較して、桁上げ選択
加算器は、モジュール形であり、従って高密度集積に適
した規則的な配置が可能であるという利点を有する。し
かし、そのアセンブリの演算速度は、加算器SAの速度
と桁上りの伝搬速度とに応じて決まる。加算器SAの速
度はその設計に応じて決まり、特に、この加算器が高速
桁上げ加算器として設計される場合には、その速度は加
算器が処理する数のビット数nによって決まる。更に、
桁上りの伝搬(リップル)時間はモジュールMAiの数
pによって決まるだろう。従って、例えば64ビット加
算器を作るためには、4つの16ビットモジュールから
成るモジュール組が選択されてもよく、この場合には、
1つの加算を実行するための時間は、1つの加算器SA
における1つの16ビット加算の実行時間に3つの桁上
りの伝搬時間を加えた時間に等しい。従って、他の設計
と同等の速度を維持しながら集積の容易性を享受するた
めには、桁上りの伝搬速度が最大化されるべきである。
【0052】この第1の解決策は、差動タイプの桁上り
出力を供給する加算器SAを使用することから成る。本
発明に従って、この差動桁上り出力が、上記の説明によ
る差動増幅器を介して、関連の選択回路に伝送されるこ
とが有利である。
【0053】図5に示されるアセンブリの場合と同様に
、このアセンブリの場合と同じ理由によって、2つのク
ロック信号CK1とCK2は、オペランドを含む入力レ
ジスタ(図示されていない)と、マルチプレクサ出力に
配置された、演算結果を含むレジスタとを各々にロック
アウトするために使用されることが可能である。同様に
、カスケード形に取り付けられた一連のインバータIM
i−1、IAi、IMi、IA+1によって予備充電が
行われる。各インバータIAiが加算モジュールMAi
に組み合わされ、そのモジュールの2つの差動増幅器か
ら予備充電コマンド信号PCi及び/又はPCi* を
供給する。各々の選択回路SELは、その関連した選択
回路の切換時間に等しい予備充電信号の伝搬遅延を生じ
させる大きさにされたインバータIMiと組み合わされ
る。
【0054】図7の加算回路は、次のように働く。予備
充電段階の間に、差動増幅器が、その関連の予備充電コ
マンド信号PCi、PCi* によって予備充電モード
にされる。その次の評価段階の間では、桁上げ信号が差
動増幅器によって増幅される。これらの増幅された信号
が選択回路SELに受け取られ、この選択回路SELは
下流のマルチプレクサにコマンド信号Ciを供給する。 同じ信号Ciが下流の選択回路に伝送される。
【0055】以下では、この実際の働きを例示するため
に、図8と図9とを参照しながら、CMOS技術で作ら
れた選択回路が説明されるだろう。モジュールMAiと
組み合わされた選択回路から生じる信号Ciが、次の論
理等式を検証し、     Ci=Ci(1)×[Ci−1+Ci(0)]
      式(1)前式中のCi(1)が、その桁上
り入力が1に事前設定される加算器SAの出力桁上りを
表し、Ci(0)が、その桁上り入力が0に事前設定さ
れる加算器SAの出力桁上りを表し、Ci−1が、その
上流のモジュールに組み合わされた選択回路の出力信号
を表す。
【0056】実際には、図8に示されるように、相補関
数(即ちCi* )を行うことがより容易である。従っ
て、原則的には、この回路の出力Sにインバータが接続
されるべきである。ところが、インバータなしの図8の
回路と、次の論理関数を行う図9に示される回路とを交
互に使用することによって、上記の追加の回路を省くこ
とが可能であり、     S=Ci(1)* +[Ci−1* ×Ci(
0)* ]=Ci      式(2)前式中のCi(
1)* 、Ci−1* 、Ci(0)* は上記で定義
された信号の補数である。
【0057】もちろん、相補選択信号Ci* を受け取
る各々のモジュールでは、加算器SAの入力桁上りの事
前設定は逆にされなければならない。最後に、増幅器の
出力線の一方(場合に応じて直接出力又は反転出力のど
ちらか)だけが選択回路の入力で使用されるということ
が指摘できる。
【0058】加算器の速度を増大させる第2の解決策に
よれば、本発明による方法が、加算モジュールMAi内
で使用される個々の加算器SAの各々に適用されること
も可能である。この目的のために、差動タイプの高速桁
上げ加算器SAが使用されることが可能であり、その伝
搬は、各々のモジュールMiが例えば単純な4ビット高
速桁上げ加算器である図5の配置による差動増幅器によ
って行われる。この場合には、インバータIMi、IA
iは、その回路内の複数の又は全ての加算器SAに共通
に接続されてもよい。
【0059】当業者による本発明の部分変更と各構成要
素の置換は、上記の特許請求項によってのみ限定される
本発明の範囲を、逸脱するものではないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施を可能にする電子回路の主要部分
を示す回路図である。
【図2】図1の回路の特性を説明するグラフである。
【図3】本発明の別の具体例を示す回路図である。
【図4】CMOS技術による図3の回路の具体例を示す
回路図である。
【図5】本発明による方法と電子回路とを使用するアセ
ンブリを示す回路図である。
【図6】図5のアセンブリに使用されるクロック信号を
示すグラフである。
【図7】本発明による方法と回路とを使用する加算器回
路を示す回路図である。
【図8】図7の加算器に使用される選択回路のCMOS
技術による具体例を示す回路図である。
【図9】図7の加算器に使用される選択回路のCMOS
技術による別の具体例を示す回路図である。
【符号の説明】
A,1,2,Ai  差動増幅器 e  直接入力 e*   反転入力 s  直接出力 s*   反転入力 Vdd  供給電圧源 SW1,SW2,SW3  スイッチ EN  検証入力 PC  予備充電信号 PC*   PCの補数 P0,P1,P2,P3  PMOSトランジスタN0
,N1,N2,N3  NMOSトランジスタNEN,
PEN  トランジスタ M1,Mi,Mi+1,Mp  回路(モジュール)e
i,ei* ,si,si*   差動信号RE1,R
Ei,REi+1,REp  入力レジスタRS1,R
Si,RS+1,RSp  出力レジスタCK1,CK
2  クロック信号 IM1,IA1,IMi,IAi,IM+1,IAi+
1,IMp,IApインバータ PCi  インバータIAiの入力

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  2つの第1ビット線上に存在する差動
    電圧によって表される2値情報要素を差動増幅器を介し
    て2つの第2ビット線に転送する差動2値信号の転送方
    法であって、前記2つの第1ビット線の予備充電段階と
    それに続く評価段階とを含み、前記予備充電段階が前記
    第1ビット線を互いに短絡させる段階と、前記第2ビッ
    ト線の少なくとも1つを前記第1ビット線に短絡させる
    段階とを含むことを特徴とする差動2値信号の転送方法
  2. 【請求項2】  前記予備充電段階で前記2つの第2ビ
    ット線を互いに短絡させる段階を更に含むことを特徴と
    する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】  前記差動増幅器が高い内部インピーダ
    ンスを有する第1差動増幅器と、前記評価段階で低い内
    部インピーダンスを有しかつ3つの状態を有する第2差
    動増幅器とを有し、前記第1差動増幅器及び前記第2差
    動増幅器の入力及び出力が並列に接続され、更に、前記
    第1ビット線を短絡させる段階の前に前記第2差動増幅
    器を前記予備充電段階で内部インピーダンスが高い状態
    に設定する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】  前記差動増幅器が、高い内部インピー
    ダンスを有する第1差動増幅器と、前記評価段階で低い
    内部インピーダンスを有しかつ3つの状態を有する第2
    差動増幅器とを有し、前記第1差動増幅器及び前記第2
    差動増幅器の入力及び出力が並列に接続され、更に、前
    記第1ビット線を短絡させる段階の前に前記第2差動増
    幅器を前記予備充電段階で内部インピーダンスが高い状
    態に設定する段階を含むことを特徴とする請求項2に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】  2つの第1ビット線に存在する差動電
    圧によって表される少なくとも1つの2値出力を与える
    電子回路を含む電子アセンブリであって、前記2つのビ
    ット線が差動増幅器の2つの入力に結合され、前記2つ
    のビット線が予備充電段階で所与の電圧に予備充電され
    、前記予備充電段階に続いて評価段階が行われ、前記回
    路が、前記2つのビット線を短絡する第1手段と、前記
    差動増幅器の2つの出力線の少なくとも1つを前記2つ
    のビット線の少なくとも1つに短絡する第2手段とを有
    し、前記第1手段及び前記第2手段が前記予備充電段階
    で稼動されることを特徴とする電子アセンブリ。
  6. 【請求項6】  前記差動増幅器の2つの出力線を互い
    に短絡する第3手段を更に含むことを特徴とする請求項
    5に記載のアセンブリ。
  7. 【請求項7】  前記差動増幅器が、高い内部インピー
    ダンスを有する第1差動増幅器と、前記評価段階で低い
    内部インピーダンスを有しかつ3つの状態を有する第2
    差動増幅器とを有し、前記第1差動増幅器及び前記第2
    差動増幅器の入力及び出力が並列に接続され、更に、前
    記第2差動増幅器が前記予備充電段階で内部インピーダ
    ンスが高い状態に設定されることを特徴とする請求項5
    に記載のアセンブリ。
  8. 【請求項8】  前記差動増幅器が、高い内部インピー
    ダンスを有する第1差動増幅器と、前記評価段階で低い
    内部インピーダンスを有しかつ3つの状態を有する第2
    差動増幅器とを有し、前記第1差動増幅器及び前記第2
    差動増幅器の入力及び出力が並列に接続され、更に、前
    記第2差動増幅器が前記予備充電段階で内部インピーダ
    ンスが高い状態に設定されることを特徴とする請求項6
    に記載のアセンブリ。
  9. 【請求項9】  前記第1及び第2差動増幅器がCMO
    S技術で作られることを特徴とする請求項7に記載のア
    センブリ。
  10. 【請求項10】  前記第1差動増幅器の内部インピー
    ダンスと前記第2差動増幅器の内部インピーダンスとが
    、該差動増幅器を形成するMOSトランジスタの幅によ
    って定義されることを特徴とする請求項9に記載のアセ
    ンブリ。
  11. 【請求項11】  カスケード接続された複数の前記電
    子回路を含み、前記電子回路の各々が、カスケード接続
    された少なくとも1つの下流の前記電子回路に出力を供
    給し、前記出力が差動電圧によって表される少なくとも
    1つの2値情報要素を更に含むことを特徴とする請求項
    5に記載のアセンブリ。
  12. 【請求項12】  更に、カスケード接続された複数の
    インバータを含み、前記複数のインバータの1つが、前
    記複数の電子回路の各々と、前記アセンブリを構成する
    前記複数の差動増幅器の各々とに組み合わされ、前記イ
    ンバータの第1インバータが入力クロック信号を受け取
    り、前記差動増幅器の各々の予備充電段階及び評価段階
    が前記差動増幅器の各々に組み合わされた前記インバー
    タの入力信号と出力信号の一つによって制御されること
    を特徴とする請求項11に記載のアセンブリ。
  13. 【請求項13】  前記電子回路が、 n×p ビット
    の2つの数のための桁上げ選択タイプの加算器回路を含
    み、前記加算器回路が、直列接続されたp 個の加算モ
    ジュールを含み、前記加算モジュールの各々が、第1加
    算器が1に事前設定された桁上り入力を有し、第2加算
    器が0に事前設定された桁上り入力を有する2つのn 
    ビット加算器と、前記2つのn ビット加算器の一方の
    加算器の出力を選択するマルチプレクサとを有し、前記
    2つのn ビット加算器の各々が、2つのビット線に存
    在する差動電圧によって表される2値桁上り出力を含み
    、第1の加算モジュールを除く前記p 個の加算モジュ
    ールの各々が、組み合わされた桁上げ選択回路を含んで
    おり、所与のモジュールの前記2つのn ビット加算器
    から生じる前記2値桁上り出力ビットと、上流の加算モ
    ジュールの上流選択回路とによって供給される選択信号
    の関数として、加算モジュールに直列接続された隣接す
    る下流のマルチプレクサに桁上げ選択信号を供給するこ
    とを特徴とする請求項5に記載のアセンブリ。
  14. 【請求項14】  前記加算モジュール各々の前記2つ
    のn ビット加算器各々の前記2値桁上り出力が、予備
    充電段階とそれに続く評価段階で動作可能な差動増幅器
    によって与えられ、前記加算器回路がカスケード接続さ
    れた複数のインバータを含み、前記複数のインバータの
    1つが、前記桁上げ選択回路の各々と、所与の加算モジ
    ュールの前記差動増幅器とに組み合わされ、前記インバ
    ータの第1インバータが入力クロック信号を受け取り、
    前記差動増幅器の各々の前記予備充電段階及び前記評価
    段階が、前記差動増幅器の各々に組み合わされた前記イ
    ンバータの入力信号及び出力信号の一つによって制御さ
    れることを特徴とする請求項13に記載のアセンブリ。
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