JPH0429741Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この考案は複数個にスライスしたパンを自動的
に横転するパン横転装置に関する。

(ロ) 従来の技術 パンをスライサーにより複数のスライスパン片
に機械的にスライスし、スライスしたパンを包装
袋等により包装することはすでに知られている。

食パンやブトウパンのように角柱状の大きなパ
ンを予め定めた厚さにスライスするときは、一番
強く焼かれており、一番固い面である底面からス
ライサーのカツターを進入させてスライスするの
が、パンの形をくずさないために普通に行われて
いることである。このようにしてスライスしたス
ライスパン片は所定の枚数ずつ一組のパンとして
包装袋等により包装される。

パンのスライス及び包装を機械的に自動的に行
うためには、パンの形をくずさないために、スラ
イサーによる切込み及び包装袋への挿入を共に一
番固い面から行うのが好ましい。

パン搬送システムによつてはスライサーによる
切込方向と袋への挿入方向が一致しないため、搬
送コンベア上でパンを横転させパンの搬送方向を
変える必要がある。このような場合、従来は人手
によつて行われていたが、人手を要し作業性が悪
くなるという問題があつた。

(ハ) 考案が解決しようとする課題 この考案は、従来の上記の問題点を解消し、自
動的にパンを横転することができるパン横転装置
を提供することを課題としている。

(ニ) 課題を解決するための手段 この考案は上記の課題を、複数の並べたスライ
スパン片よりなるパンを一方の面の下端と反対側
の面の上端を同時に押すことができるように配置
した下端プツシヤー及び上端プツシヤーと、上端
プツシヤーとは反対側の面でパンの上端部を押す
整列部材と、上端プツシヤー、下端プツシヤー及
び整列部材を夫々往復動する手段とを有するパン
横転装置により解決した。

上端プツシヤーは横転時にパンを押すことがで
き、戻る時にはパンに無理な力を与えないように
待避回動できるように支持部材に回動自在に支持
され、パンを押すときはストツパーにより指部は
回動できるようにすることができる。

〔作用〕

この考案により、スライサーにより機械的にス
ライスされ並べられた複数のスライスパン片より
なるパンはパン横転装置に搬入されると、下端プ
ツシヤーと上端プツシヤーがほゞ同時に前進動さ
れ、パンは一種の転がりのような運動を与えられ
90°横転する。次いで、下端プツシヤーはパンの
下から引抜かれ、上端プツシヤーはパンを傷つけ
ないように指部を回動させて後退動する。最後に
整列部材によりパンを所定の位置に整列させ、次
の工程へ搬送できるようにする。

〔実施例〕

この考案の詳細を図に示す実施例に従い説明す
る。

第１図及び第２図において、スライスされて並
べられた複数のスライスパン片１ａよりなるパン
１はコンベア等の搬送手段によりパン横転装置に
搬入する。

パン横転装置はパン１の一つの面における下端
を押す下端プツシヤー２と、下端プツシヤー２が
押す面とは反対側のパンの面の上端部を押す上端
プツシヤー３と、下端プツシヤー２の上方に配置
され、パン１を間にして上端プツシヤー３に対向
配置された整列部材４とを有する。下端プツシヤ
ー２は下端往復動手段５、例えばシリンダーによ
り往復動されることができ、上端プツシヤー３は
上端往復動手段６、例えばシリンダーにより往復
動されることができ、整列部材４は整列往復動手
段７、例えばシリンダーにより往復動されること
ができる。

上端プツシヤー３はパン１を両側で挟むように
保持する爪８を有する指部９と、第３図に示すよ
うに該指部をピン１０により回動自在に支持する
支持部材１１とを有する。

パンを横転するとき、ほゞ同時に下端プツシヤ
ー２と上端プツシヤー３が前進動し、パンを反対
側の面において下端と上端で押すので、パンには
回転トルクが作用し、パン１は矢印Ａで示すよう
に回転されて横転する。このとき上端プツシヤー
３の指部９はパン１を確実に押すことができるよ
うに支持部材１１に設けたストツパー１２により
図の反時計方向の回転を所定位置からは阻止され
る。

パン１を横転した後、下端プツシヤー２は、平
板状に形成されているので、パン１の下面を簡単
に引き抜くように後退動される。上端プツシヤー
３はパン１の横転後の上面に沿つて後退動する。
このとき指部９は支持部材１１に回転自在に支持
されるので、第４図に示すように、指部９は図の
時計方向に回動し、パンに傷をつけない状態に待
避しながら後退動する。

上端プツシヤー３が後退した後、第５図に示す
ように、整列部材４が前進動し、横転したパン１
を所定の位置に揃えて位置合わせする。

斯くして、包装工程等次の工程へ整列されたパ
ン１は搬送される。

(ホ) 効果 この考案によると、簡単な装置によりスライス
されたスライスパン片よりなる一組のパンを自動
的に横転することが可能になり、包装の作業性が
改善される効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るパン横転装置の正面略
図、第２図は平面略図、第３図はパンの横転動の
途中を示す正面略図、第４図は横転後後退時の上
端プツシヤー部を示す略図、第５図は整列時を示
す略図である。 １……パン、１ａ……スライスパン片、２……
下端プツシヤー、３……上端プツシヤー、４……
整列部材、５，６，７……往復動手段、８……
爪、９……指部、１１……支持部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 複数の並べたスライスパン片よりなるパンの
   １つの面の下端を押す下端プツシヤーと、該下
   端プツシヤーを往復動する手段と、前記下端プ
   ツシヤーが押す面とは反対の面の上端でパンを
   押す上端プツシヤーと、該上端プツシヤーを往
   復動する手段と、前記下端プツシヤーの上側に
   配置され、パンの上端を押す整列部材と、該整
   列部材を往復動する手段とを有するパン横転装
   置。 ２ 前記上端プツシヤーがパンを、両側部で挟む
   指部と、該指部を回動可能に支持する支持部材
   とを有し、支持部材には指部の所定位置から後
   退回動を阻止するストツパーが設けられている
   ことを特徴とする請求項１に記載のパン横転装
   置。