JPH0429730Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、あわび養殖かごに関するもので、と
くに、あわびの住処となるあわび付着シエルタの
改良に関するものである。

〔従来の技術〕

従来から、あわび養殖かごは、上部蓋網と、下
部網状箱と、該下部網状箱の内部に取り付けられ
たあわび付着シエルタとを有するものが多用され
ている。

そして、前記あわび付着シエルタは、たとえ
ば、第７図に示すように、連続山型の断面形状の
付着シエルタ１２、あるいは第８図に示すよう
に、連続波型の断面形状の付着シエルタ１３など
が代表的なものであり、また前記付着シエルタ１
２，１３には、あわびが出入する比較的小さな孔
を設けたものもある。その他、単純な山型のも
の、あるいは平板型のものもある。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、前述した従来のシエルタにおい
ては、いずれも、残飼料や排泄物が、その付着シ
エルタの上面に残つたままとなる構造であるた
め、水温の上昇、かごの汚れなどにより、それら
に腐敗が進み、あわびの住環境を悪化し、したが
つて、あわびの生長が悪いという問題点があつ
た。

本考案は、上記のような問題点を解決しようと
するものである。すなわち、本考案は、飼料を内
部にまで容易に入れることができるとともに、残
飼料や排泄物が自然に除去されて、あわびの生長
がよくなるあわび養殖かごを提供することを目的
とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案は、上部蓋
網と、下部網状箱と該下部網状箱の内部に取り付
けられたあわび付着シエルタとを有するあわび養
殖かごにおいて、前記あわび付着シエルタが、下
方に斜行している包囲側壁を有するとともに、比
較的大きな頂部開口部と底部開口部とを有する漏
斗形状に形成されたものからなつているものとし
た。

〔作用〕

本考案によれば、あわび付着シエルタが、頂部
から底部へ至る比較的大きな開口部を有する漏斗
形状になつているで、該あわび付着シエルタの内
部にまで飼料を容易に入れることができるととも
に、残飼料や排泄物が自然に除去されやすく、し
たがつて、あわびの生長がよく、健全生残率も極
めて良好であり、飼育管理が容易となる。

〔実施例〕

第１図は本考案の第１実施例を示した斜視図で
ある。

同図において、１は上部蓋網、２は下部網状
箱、３は該下部網状箱２の内部に取り付けられた
あわび付着シエルタ、４は垂下用ロープ、５は該
上部蓋網１の最上部に設けられているきん着式開
口部、６は鉄棒溶接構造で熱間ポリエチレンコー
テイングされたかご保持枠である。

そして、前記上部蓋網１は漁網からなり、下部
網状箱２は該かご保持枠６に合成樹脂製のネツト
を張設したものからなつている。また下部網状箱
２の網目の大きさは、養殖中のあわびが外に出る
ことなく、かつ、残飼料や排泄物が容易に外へ出
るように設計されている。

第２図は第１図のあわび付着シエルタ３を拡大
して示した正面図であり、第３図は第２図の切断
線Ａ−Ａに沿う側面断面図、第４図は同じく平面
図である。

すなわち、あわび付着シエルタ３は、この第１
実施例では、合成樹脂製からなり、そして、下方
へ広がるように傾斜している包囲側壁７と、比較
的大きな頂部開口部８と、比較的大きな底部開口
部９とを有する角型漏斗形状に形成されたものか
らなり、また底部開口部９に近い包囲側壁７に
は、あわびの出入を可能にした欠除部１０を有
し、包囲側壁７には、あわびの出入孔１１が設け
られている。

第１図に示すように構成されたあわび養殖かご
においては、使用方法は従来のものと同様である
が、あわび付着シエルタ３が、第２図ないし第４
図に示すように、下方へ広がるように傾斜してい
る包囲側壁７と、比較的大きな頂部開口部８と、
比較的大きな底部開口部９とを有する角形漏斗形
状に形成されたものからなるので、上部から下部
へ至る大きな開口部を有することになり、したが
つて、あわび付着シエルタ３の上面に残飼料や排
泄物が残つたままとなることが、ほとんどなく、
あわびの住環境が極めてよくなり、長期にわたつ
てあわびを生長させ、かつ、死滅させないで効率
的に養殖することができる。

また底部開口部９に近い包囲側壁７には、あわ
びの出入を可能にした欠除部１０を有し、かつ、
包囲側壁７には、あわびの出入孔１１が設けられ
ているので、該欠除部１０および出入孔１１は、
あわびが夜間と昼間とで、またはその他の運動時
で、包囲側壁７の外面と内面へ移動する通路とな
る。

前述の第１実施例では、あわび付着シエルタ３
が、角型漏斗形状に形成されているものを示した
が、本考案の第２実施例として、第５図および第
６図に、あわび付着シエルタ３のみを示す。

この第２実施例では、あわび付着シエルタ３
が、截頭円錐漏斗形状に形成されている。そし
て、前記第１実施例と同様な部分には同一符号を
つけている。

この第２実施例のようにしても、あわび付着シ
エルタ３の形状が異なるだけで、前記第１実施例
と同様な効果を奏する。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、あわび
付着シエルタが、下方に斜行している包囲側壁を
有するとともに、比較的大きな頂部開口部と底部
開口部とを有する漏斗形状に形成されたものから
なるので、上部から下部へ至る大きな開口部を有
することになり、したがつて、該あわび付着シエ
ルタの内部にまで飼料を容易に入れることがで
き、また、該あわび付着シエルタの上面に残飼料
や排泄物が残つたままとなることが、ほとんどな
く、自然に除去されて、あわびの住環境が極めて
よくなり、長期にわたつてあわびを生長させ、か
つ、死滅させないで効率的に養殖することができ
る。このため、稚貝から放流までの中間育成か
ご、および出荷サイズまでの養殖かごとして最適
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例を示した斜視図、
第２図は第１図のあわび付着シエルタを拡大して
示した正面図、第３図は第２図の切断線Ａ−Ａに
沿う側面断面図、第４図は第２図の平面図、第５
図は本考案の第２実施例のあわび付着シエルタの
みを示した正面図、第６図は第５図の平面図、第
７図は従来の技術の１つの例を示した斜視図、第
８図は同じくもう１つの例を示した斜視図であ
る。 １……上部該網、２……下部網状箱、３……あ
わび付着シエルタ、４……垂下用ロープ、５……
きん着式開口部、６……かご保持枠、７……包囲
側壁、８……頂部開口部、９……底部開口部、１
０……欠除部、１１……あわび出入孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 上部蓋網と、下部網状箱と、蓋下部網状箱の
   内部に取り付けられたあわび付着シエルタとを
   有するあわび養殖かごにおいて、前記あわび付
   着シエルタが、下方に斜行している包囲側壁を
   有するとともに、比較的大きな頂部開口部と底
   部開口部とを有する漏斗形状に形成されたもの
   からなつていることを特徴とする、あわび養殖
   かご。 ２ あわび付着シエルタの底部開口部に近い包囲
   側壁に、あわびの出入を可能にした欠除部を有
   している請求項１記載のあわび養殖かご。