JPH04296Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、液体成分連続自動分析装置などに用
いられる送液管路中の試料等の液体中に含まれる
気泡、気体を排出、脱気させる脱気管（トラツ
プ）の改良に関するものである。

従来の技術とその問題点 液体成分自動分析装置等において、試料液など
を装置へポンプ等を用いて圧送する際、送液管路
中の液に含有、または混入する気体、気泡を、事
前に除去する脱気装置が、必要となる。

従来は、第３図に示すように、送液管路の途中
に、ガラス等で作られた小形のタンク１を設け、
管路２から送られた液を、タンク１内に貯留され
た液中に滴下させるようにして、含まれる気泡、
気体を放出させ、下部の液を管路３へ流し出すよ
うに構成し、脱気されて上部空間に溜つた気体
は、栓４を開けて大気中に放出するようにしてい
た。

このようにすれば、脱気の目的は一応、達せら
れるが、送液量、送液圧力の減少等によりタンク
１内の貯留液が無くなつた場合は、効果がなくな
るため、貯留液のレベルが一定量以下にならない
ように栓４を開く操作が必要であつた。

問題点を解決するための手段 本考案は、従来装置における上述の煩雑な脱気
操作を自動化により改良したものであつて、上述
のタンクに代えて管路中に脱気管（トラツプ）を
設け、自動、かつ連続的に脱気を行なわせるよう
にした自動脱気管を提供するものである。

実施例 第１図は、本考案による自動脱気管の実施例を
示す構造図である。

図において、１は送液管路で、液は矢印の方向
へポンプ等により圧送されて来る。２は筒状の脱
気管（トラツプ）で、流入口３、排出口４を有
し、排出口４は、更に管路５に接続されている。

トラツプ２の上下両端部開口には、上部に撥水
性があり、かつ、送液圧力下で気体のみを通過さ
せる孔径を有する細孔をもつた、たとえば４弗化
エチレン等の通気性膜材６を、また下部には同じ
く細孔を有する膜材で、その細孔径が上部の６よ
り大きく、管内の圧力が一定以上に達したとき
は、液が膜は通して外部に滲出し得るようにした
膜材７を、夫々保持枠、あるいはＯリング等の緊
締材で固定、保持されている。

この場合膜７を通過滲出した液は、排液口８に
より管路外に排出される。

このように構成することにより、液中に含まれ
る気泡、気体は、トラツプ２内で膜６を通過して
外部へ脱出し、連続的に脱気の目的を達すること
ができ、また、管路の内圧が上昇した場合は、余
分の液は膜７を透過滲出して排液口８から排出さ
れるため、膜６、トラツプ２内に異常圧力が掛る
おそれはない。

第２図は、本考案の他の実施例を示す構造図で
ある。この場合は、トラツプ２内に排液チユーブ
９が挿入されており、膜７を排液チユーブ９の先
端部に装着し排液チユーブ９は排液口８及び排液
管路１０に接続されている。

一例として、小形チユーブ式ポンプを送液に用
いた場合、閉塞圧力は１Kg／cm²位であり、膜６に
４弗化エチレン製、細孔径1mμ程度、膜７に同じ
く10mμ程度の細孔径のものを用いた場合水、塩
化カリウム水溶液等で、良好な動作が得られてい
る。

効 果 本考案により、試料液中の気泡、含有気体の連
続脱気が自動的に簡単に行なわれ、分析等の操作
中に煩雑な手動脱気の必要がなくなる等多大の効
果をもたらすものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による自動脱気装置の実施例
を示す構造図。第２図は、同じく他の実施例を示
す構造図。第３図は、従来の手動による脱気タン
クの構成例を示す図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 送液管路の中間に設けたトラツプと、このトラ
   ツプの一面に設けた撥水性で、かつ、送液圧力下
   で気体のみを通過させる細孔を有する膜と、他面
   に設けた前記膜より孔径の大きい細孔を有する撥
   水性膜と、前記細孔径の大きい撥水性膜の外側に
   設けた排液管路からなる自動脱気管。