JPH04295052A - 希土類オキシ硫化物焼結体の製造方法 - Google Patents

希土類オキシ硫化物焼結体の製造方法

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JPH04295052A
JPH04295052A JP3061805A JP6180591A JPH04295052A JP H04295052 A JPH04295052 A JP H04295052A JP 3061805 A JP3061805 A JP 3061805A JP 6180591 A JP6180591 A JP 6180591A JP H04295052 A JPH04295052 A JP H04295052A
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rare earth
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正昭 玉谷
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直寿 松田
Yoshikazu Arai
荒井 美和
Kazuto Yokota
横田 和人
Masanori Toyoshima
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の目的〕
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、希土類オキシ硫化物焼
結体の製造方法に係り、特にシンチレータとして有用な
透光性の高い希土類オキシ硫化物焼結体の製造方法に関
する。
【0003】
【従来の技術】シンチレータは、X線やγ線などの放射
線が照射されたときに、可視光またはこれに近い波長の
電磁波を放射する発光物質であり、X線CT(X線断層
撮影装置)の検出器等として用いられるシンチレーショ
ンカウンタに組み込まれる。X線CTにおいては、シン
チレータはX線入力を光に変換するため、この光を検出
することによってX線量を測定することができる。
【0004】そして、このようなシンチレータとしては
、これまでNaI、CsI、CdWO4などの単結晶体
、BaFCl:Eu、LaOBr:Tb、CsI:Tl
、CaWO4およびCdWO4の焼結体(特公昭59−
45022号公報参照)、立方晶系希土類酸化物焼結体
(特開昭59−27283号公報参照)、Gd2O2S
:Pr、Gd2O2S:Tb,Prなどの希土類オキシ
硫化物焼結体(特開昭58−204088号公報参照)
などが知られているが、なかでも希土類オキシ硫化物焼
結体は発光効率が高く、またX線吸収係数が大きいため
に、特にX線CT用シンチレータに好適である。
【0005】この希土類オキシ硫化物焼結体は、例えば
特開昭62−275072号公報に示されるように、原
料となる希土類オキシ硫化物の蛍光体粉末をタンタルな
ど高融点金属製の気密容器に封入し、熱間静水圧プレス
(以下「HIP」と記す)処理により製造することがで
きる、また、このHIP処理は、希土類オキシ硫化物の
蛍光体粉末を一旦冷間静水圧プレスし、成形体とした後
行うこともできる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、シンチレー
タでX線量を測定するときは、通常X線入射によって発
生した光を、X線が入射する側の反対側から検出する。 このため、この光について高い検出感度を得るためには
、シンチレータは透光性でなければならない。
【0007】ところが、希土類オキシ硫化物焼結体のシ
ンチレータは、一般に光散乱を生じ、製造工程において
適当な条件を満たさなければ透光性が得られない。例え
ば先の特開昭62−275072号公報に示される製造
方法によれば、HIP処理の温度が1350℃未満であ
ると、得られた焼結体は著しく大きな光散乱を示し、ほ
とんど光を透過しない。
【0008】蛍光体粉末を焼結して得られる焼結体の透
光性は、目視によって判定することができる。すなわち
、焼結体がいくらか透光性を有する半透明の場合は、体
色が灰色がかる。しかし、光散乱が大きくて透光性がな
く不透明であると、蛍光体粉末を単に固めたもののよう
な外観を呈し、体色は白色である。
【0009】また、透光性は、一定の厚みを有する焼結
体における平行入射−拡散受光を基にした光透過率を測
定することによっても比較できる。すなわち、例えば厚
さ2mmの焼結体において、上述の光透過率が5%以上
あれば半透明に見える。一方、焼結が不十分で光散乱が
大きい焼結体は、同じ厚さでも1%以下の光透過率しか
得られない。
【0010】ところで、上述の希土類オキシ硫化物焼結
体においては、HIP処理の温度が1350℃以上であ
っても、焼結体の製造ロットごとに透光性にかなりのバ
ラツキが見られ、なかには使用に耐える透光性を有しな
いものもあった。
【0011】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、焼結体製造ロット間の透光性のバラツキが少なく
、どの製造ロットにおいても高い透光性を有して高性能
のシンチレータとして用いることができる希土類オキシ
硫化物焼結体の製造方法を提供することを目的とする。 〔発明の構成〕
【0012】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は上記
課題を解決するために、(1)希土類オキシ硫化物蛍光
体を冷間静水圧プレスにより見掛け密度が結晶の真密度
の60〜75%の成形体とする工程と、(2)この希土
類オキシ硫化物成形体を熱間静水圧プレスする工程とを
含む希土類オキシ硫化物焼結体の製造方法を提供する。
【0013】本発明者らは、従来の希土類オキシ硫化物
焼結体の製造ロット間に見られる透光性のバラツキが、
HIP処理に先立って行う希土類オキシ硫化物蛍光体の
冷間静水圧プレスにより得られる成形体の見掛け密度に
起因することを見出した。
【0014】すなわち、成形体の見掛け密度が、結晶の
格子定数から計算した真密度の60%未満であると、成
形体の光散乱が大きく、また焼結体としたときの変形が
著しい。他方、見掛け密度が75%を超えると、希土類
オキシ硫化物の一部が分解して硫黄臭を発し、薄い橙色
に着色する。
【0015】そして、このような見掛け密度が真密度の
60%未満または75%を超える成形体をHIP処理し
て焼結体にすると、HIP処理時の温度が1350℃以
上であっても、それぞれ光出力が著しく低下し、またX
線照射によって着色するというシンチレータとして好ま
しくない現象が現れた。
【0016】冷間静水圧プレスで得られる成形体の見掛
け密度は、原料である希土類オキシ硫化物蛍光体の製造
工程、特に洗浄−乾燥工程によって大きく変わった。し
たがって、蛍光体の粉体特性、とりわけ粒径や表面特性
(分散性)が見掛け密度に影響していると考えられる。
【0017】すなわち、平均粒径が大きすぎたり、酸処
理等によって蛍光体の表面が滑らかでなくなり複数個の
蛍光体が集合して分散性が悪くなると、成形体の凝集の
程度が粗くなり、見掛け密度が小さくなる。この場合、
例えば蛍光体の平均粒径は、大きな粒径の蛍光体に対し
ても、小さな粒径の蛍光体を混合することによって調節
することができ、成形体の見掛け密度を制御できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対照しなが
ら説明する。
【0019】〈実施例1〉純度がともに99.999%
の0.2 モルのGd2O3と3.3 ×10−5モル
のPr6011を硝酸水溶液に溶解し、シュウ酸0.3
6モルを加えてシュウ酸塩を共沈させた。そして、得ら
れた沈殿物を5回の純水デカンテーション洗浄の後吸引
濾過し、約150℃で一夜乾燥した。ついで、この乾燥
した沈殿物を容積280mlの石英るつぼに入れ、1,
000 ℃で1時間空気中で焼成して酸化物の粉体を得
た。この酸化物粉体に、結晶成長剤としての23gのN
a2CO3と6gのK3PO4、さらに23gのSを加
え、ボールミル中で十分に混合して原料粉末を得た。
【0020】この後この原料粉末をアルミナるつぼに詰
め、アルミナの蓋をした後、空気中1,100 ℃で4
時間焼成した。そして冷却後、このアルミナるつぼに純
水を加え、1時間静置する。その後アルミナるつぼ内の
固形物をほぐし、これを1リットルのビーカーに移した
。そして、この1リットルのビーカー中の内容物を20
0メッシュのナイロン網に通した後、60℃の純水によ
るデカンテーションと室温の純水によるデカンテーショ
ンを交互に4回行った。つづいて、このデカンテーショ
ンによる洗浄物を吸引濾過した後、120℃で一夜乾燥
して(Gd1−x Prx )2O2S(x=0.00
05)で示される蛍光体を製造した。この蛍光体の通気
法で計測した平均粒子径は4.6μmであった。
【0021】次に、この蛍光体を石英るつぼに入れ、窒
素中300℃で3時間熱処理した後、ゴム製円筒容器に
充填し、2t/cm2 の圧力で冷間静水圧プレス(温
度は室温)を行って成形体を得た。得られた成形体の見
掛け密度は4.8g/cm3 で、Gd2O2S結晶の
格子定数から計算した真密度に対して65%であった。
【0022】次いで成形体の形状を整え、厚さ40μm
のモリブデン箔で覆った後、厚さ0.5mm、内径60
mm、高さ60mmの円筒形タンタル製カプセルに装填
した。そして、このカプセルをガラス容器に移し、10
−6Torr以下の真空度で300℃・3時間のベーキ
ングにより成形体のガス抜きした。つぎにこのカプセル
をガラス容器から取出し、カプセル内部の空気を抜き、
電子ビーム熔接によりカプセルを気密容器とした。
【0023】ついで、アルゴン媒体を用いて気密容器に
圧力を加えた。すなわち、室温で50kg/cm2 ま
で圧力を加えた後、徐々に昇温と昇圧を行う。そして、
1,470 ℃、1.5t/cm2 の最終条件に達し
たところで、この条件を3時間保持することにより熱間
静水圧プレスを行い、Gd2O2S:Prの焼結体を得
た。
【0024】最後に、この焼結体から厚さ2mmの板状
試料を切出し、窒素中300℃で熱処理した。
【0025】この試料は、真密度に対して100%の見
掛け密度を示した。また薄い灰色の体色を呈しており、
半透明であることが分かる。さらに2mmφの測定面積
を有する光透過濃度計で測定した結果、視感度光透過率
は10%であった。
【0026】〈比較例1〉実施例1と同様の手順で、(
Gd1−x Prx )2O2S(x=0.0005)
蛍光体を製造した。ただし、焼成した蛍光体粉末を純水
洗浄した後、この蛍光体粉末を懸濁した1リットルの純
水に水と conc.塩酸の容量比が20:1の塩酸水
溶液を10ml加え、その後さらに純水デカンテーショ
ン洗浄をpHが6.5になるまで繰り返した。この蛍光
体の通気法で計測した平均粒子径は4.6μmであった
【0027】この後、同じく実施例1と同様の手順で冷
間静水圧プレスを行い、成形体を得た。得られた成形体
の見掛け密度は4.1g/cm3 で、真密度に対して
56%であった。
【0028】さらにこの成形体について、実施例1と同
様に熱間静水圧プレスを行い、Gd2O2S:Prの焼
結体を得た。そして、この焼結体について実施例1と同
様にして見掛け密度を求めたところ、真密度に対して9
9.3%あった。しかし、光散乱のため体色は白色を呈
しており、不透明であった。さらに実施例1と同様にし
て測定した視感度光透過率は1.5%であった。
【0029】〈実施例2〉実施例1と同様の手順で、(
Gd1−x Prx )2O2S(x=0.0005)
蛍光体を製造した。ただし、共沈酸化物に加えるNa2
CO3とK3PO4の量を変えた。その結果、平均粒径
が4.5μmと15μmの2種類の蛍光体を得た。そこ
で、この平均粒径が4.5μmと15μmの蛍光体をそ
れぞれ3:7の重量比で混合した。
【0030】この後、同じく実施例1と同様の手順で冷
間静水圧プレスを行い、成形体を得た。得られた成形体
の見掛け密度は5.3g/cm3 で、真密度に対して
72%であった。
【0031】さらにこの成形体について、実施例1と同
様に熱間静水圧プレス(ただし、温度は1,450 ℃
にした)を行い、Gd2O2S:Prの焼結体を得た。 そして、この焼結体について実施例1と同様にして見掛
け密度を求めたところ、真密度に対して100%であっ
た。 この焼結体は半透明で、外部光を吸収して薄い緑色を呈
していたが、X線照射によって着色することはなかった
。また、実施例1と同様にして測定した視感度光透過率
は15%であった。
【0032】〈実施例3〜10および比較例2〜4〉実
施例1および2と同様の手順で蛍光体、冷間静水圧プレ
ス処理による成形体、および熱間静水圧プレス処理によ
る焼結体を製造した。ただし、蛍光体の平均粒子径と熱
間静水圧プレスの温度・圧力条件をそれぞれ下記表1に
示すように変えた。また、表1には、成形体の真密度に
対する見掛け密度の割合と焼結体の光透過率の測定結果
も併せて示す。
【0033】なお、実施例4および8〜10については
、平均粒子径が大小2つの蛍光体を製造し、それぞれ平
均粒子径が大きい蛍光体を70%、平均粒子径が小さい
蛍光体を30%の割合で混合した。
【0034】
【表1】
【0035】本発明の各実施例に示したように、希土類
オキシ硫化物成形体の見掛け密度が60〜75%のもの
は、焼結体の光透過率がいずれも10%以上で、バラツ
キなく高い透光性が得られた。そして、この成形体の見
掛け密度は、蛍光体の粒子の表面状態や粒子径およびそ
の分布に大きく影響され、賦活剤の種類が変わっても目
立った変化はなかった。なお、本実施例の方法によれば
、Y2O2S、La2O2Sなど他の希土類オキシ硫化
物においても同様の効果が発揮された。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法によ
れば、希土類オキシ硫化物焼結体について製造ロット間
の透光性のバラツキがみられず、どの製造ロットにおい
ても、シンチレータ等に有用な高い透光性をもつ希土類
オキシ硫化物焼結体が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  (1)希土類オキシ硫化物蛍光体を冷
    間静水圧プレスにより見掛け密度が結晶の真密度の60
    〜75%の成形体とする工程と、(2)この希土類オキ
    シ硫化物成形体を熱間静水圧プレスする工程とを含む希
    土類オキシ硫化物焼結体の製造方法。
JP3061805A 1991-03-26 1991-03-26 希土類オキシ硫化物焼結体の製造方法 Expired - Lifetime JP3029308B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09202880A (ja) * 1995-11-21 1997-08-05 Toshiba Corp セラミックスシンチレータ、それを用いた放射線検出器および放射線検査装置
JPWO2015045870A1 (ja) * 2013-09-25 2017-03-09 日立金属株式会社 希土類オキシ硫化物の製造方法、セラミックスシンチレータ及びその製造方法並びにシンチレータアレイ及び放射線検出器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2015045870A1 (ja) * 2013-09-25 2017-03-09 日立金属株式会社 希土類オキシ硫化物の製造方法、セラミックスシンチレータ及びその製造方法並びにシンチレータアレイ及び放射線検出器

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