JPH04293497A - 生菌数測定・菌種同定システム - Google Patents

生菌数測定・菌種同定システム

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JPH04293497A
JPH04293497A JP3084739A JP8473991A JPH04293497A JP H04293497 A JPH04293497 A JP H04293497A JP 3084739 A JP3084739 A JP 3084739A JP 8473991 A JP8473991 A JP 8473991A JP H04293497 A JPH04293497 A JP H04293497A
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Hideyuki Hasegawa
長谷川 秀行
Takao Kutsuno
久津野 孝夫
Rika Kasuga
春日 里佳
Shinpei Suzuki
鈴木 新平
Fukuo Iwatani
岩谷 福雄
Isao Endo
遠藤 勲
Teruyuki Nagamune
輝行 長棟
Hajime Asama
浅間 一
Yoshimi Benno
義己 辨野
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
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  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生菌数の測定ならびに菌
種同定方法および該方法を実施するのに使用される装置
に関する。更に詳細には、本発明は、特定の選択培地を
用いて検体中の、大腸菌、サルモネラ菌および黄色ブド
ウ球菌からなる群から選択される特定の菌のみを増殖さ
せ、該菌の培養物から発せられる蛍光を捕捉することか
らなる生菌数の測定および菌種の同定方法と装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、微生物種の同定は、バージー(B
ergey)のマニュアルなどに従い、培養物の形態学
的および生理学的性質を調べることにより行われている
。一方、生菌数はサンプル(検体)を10−1,10−
2,・・・,10−n倍に等倍希釈し、この希釈液の一
定量を寒天平板培地上に塗抹接種し、一定時間(例えば
、24〜48時間)培養した後、この寒天平板上に出現
したコロニー数に希釈倍率を乗じることにより求められ
ていた。
【0003】しかし、このような全くの手作業による微
生物検査法では、2〜5日間の検査期間と、かなりの熟
練技術とを必要とし、また、技術者あるいは検査員によ
る測定差が生じることも知られている。更に、大量の培
地およびシャーレの使用および熟練技術者の高い人件費
のため、検査に要する費用も非常に高いものになってい
る。
【0004】微生物種の同定、生菌数の測定などの微生
物検査は、臨床検査、食品検査、医薬品検査などの部門
で必須であり、迅速化、省人化、自動化に対するニーズ
は高い。特に、臨床検査部門では各種の自動化機器の開
発が行われている。例えば、50rpm で回転してい
る寒天平板培地に、サンプル液を中心から外側に向かっ
て塗抹するプレータ、塗抹された寒天培地を培養し、コ
ロニーの形成された平板培地をHe−Ne レーザでコ
ロニー計数するスパイラルシステム社のスパイラルシス
テム、各種の基質が入ったカートリッジを用い、比色法
で微生物種の同定、比濁吸光法による薬剤感受性試験を
自動で行えるAuto Microbic Syste
m, MS−II, Avantage などのシステ
ム、カートリッジの代わりにマイクロプレートを用いた
ダイナテック社のMIC−2000システムなどが、ア
メリカを中心に開発されている。
【0005】しかし、これらの機器の大部分は尿路感染
などの微生物検査に用いられているに過ぎず、食品検査
のようなサンプルが混濁物であることが多い場合には測
定が不可能であり、また、十分な精度が得られなかった
。更に、何れの方法も、24〜48時間の培養時間を必
要とするので、迅速測定が困難である。このため、現場
の切実なニーズに十分応えられる段階には達していない
。また、これらの自動機器、測定方法に関する研究は、
臨床医学分野、医用工学分野などで盛んに行われている
が、実用化されているものは極めて少ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、広範な分野で使用でき、高精度で、しかも、低コス
トで、更に検査時間が数時間程度で済む、生菌数測定・
菌種同定方法および該方法の実施に使用する装置を提供
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明では、選択培地で微生物を培養し、該培養物
に励起光を照射し、該培養物からの蛍光の強度を測定し
、既知の微生物種について予め作成された生菌数と該菌
数に対応する蛍光強度との検量線に前記測定値を当ては
めることからなる生菌数の測定および該菌の同定方法を
提供する。本発明の対象となる微生物は、大腸菌、サル
モネラ菌および黄色ブドウ球菌に限られる。また、被測
定微生物を含む検体を複数の段階に希釈し、蛍光プロー
ブを添加する装置と、培養前および培養後の検体に励起
光を照射し、該検体から発せられる蛍光の強度を測定す
る蛍光測定装置と、既知の微生物種について予め作成さ
れた生菌数と該菌数に対応する蛍光強度との検量線がデ
ータベースとして記憶された外部記憶装置と、前記蛍光
測定装置による検出値に基づき外部記憶装置のデータベ
ースを検索、参照しデータ処理を行うと共に、希釈・プ
ローブ添加装置および蛍光測定装置を制御する装置とか
らなる生菌数測定・菌種同定システムも提供する。蛍光
測定装置は、少なくとも、励起光を発生する発光手段と
;励起光を被測定物に照射する手段と;被測定物から発
生される蛍光を受光する手段と;蛍光と共に進入してく
る迷光励起光をカットするバンドパスフィルタと;前記
バンドパスフィルタを通過した蛍光を捕捉する光電子増
倍管とを有する。蛍光を受光する手段は例えば、光ファ
イバである。
【0008】
【作用】前記のように、本発明の方法では大腸菌、サル
モネラ菌および黄色ブドウ球菌に特化して、その生菌数
および菌種の同定を行う。下記で詳細に説明する特定の
選択培地を使用し、前記菌類を含有すると思われる検体
を培養すると、各菌により生育するものと、しないもの
とが現れる。従って、その培地の種類により生育した微
生物種、すなわち、検体中に存在している微生物種を同
定することができる。
【0009】微生物種と培地との組み合わせは予め既知
なので、この培地で該当微生物を標準的な手法により培
養し、公知の確立された方法により各培養時間毎の生菌
数を計数し、同時に、該菌数に対応する蛍光強度を測定
し、検量線を作成し、データベースとして保存する。未
知検体を選択培地で培養し、生育するものがあれば、そ
の培地の種類から菌種は容易に同定できる。それと共に
、所定の培養時間時点における蛍光強度を該当する培地
/微生物のデータベースと照合すれば、その微生物の生
菌数が即座に求められる。
【0010】蛍光受光手段として光ファイバーを使用す
ると、従来のダイクロイックミラーに比べて、微弱な蛍
光もキャッチすることができ、測定感度が増大する。
【0011】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。本発明の方法の特徴はその選択培地の使用にある
。前記のように、本発明の方法は大腸菌、サルモネラ菌
および黄色ブドウ球菌に特化して用いられるが、大腸菌
およびサルモネラ菌だけを選択的に生育させることがで
きる培地は例えば、下記の組成を有する。   K2 HPO4           7    
g/l,KH2 PO4         3    
g/l,  MgSO4 ・7H2 O  0.1g/
l,(NH4 )2 SO4   0.1g/l,  
トリプチカーセ        1    g/l,グ
ルコース          2    g/l,この
培地をA培地と呼ぶ。この培地では大腸菌とサルモネラ
菌だけが選択的に生育する。従って、この培地に検体を
接種し、培養して、コロニーが出現すれば、それは大腸
菌およびサルモネラ菌によるものと推定できる。
【0012】また、サルモネラ菌だけを選択的に生育さ
せることのできる培地は例えば、下記の組成を有する。   K2 HPO4           7    
g/l,KH2 PO4         3    
g/l,  MgSO4 ・7H2 O  0.1g/
l,(NH4 )2 SO4   0.1g/l,  
トリプチカーセ        1    g/l,グ
ルコース          2    g/l,  
ノボビオシン            適量この培地を
B培地と呼ぶ。この培地は前記のA培地にノボビオシン
を添加配合したものである。ノボビオシンはマクロライ
ド系抗生物質であり、例えば、米国のアップジョン社か
ら“アルバマイシン”の登録商標名で市販されている。 A培地自体は大腸菌とサルモネラ菌用の選択培地である
が、これにノボビオシンが加わることにより、大腸菌は
生育せず、サルモネラ菌だけが選択的に生育する。従っ
て、この培地に検体を接種し、培養して、コロニーが出
現すれば、それはサルモネラ菌によるものと推定できる
。ノボビオシンの添加量は一般的に、5μg/ml〜3
0μg/ml、好ましくは、10μg/ml〜20μg
/ml、最も好ましくは、15μg/mlである。
【0013】黄色ブドウ球菌だけを選択的に生育させる
ことのできる培地は例えば、下記の組成を有する。   トリプチカーセ        2.5g/l,フ
ィトン            0.5g/l,  N
aCl              5    g/l
,Tween  80    1.0g/l,  アズ
レオナム      0.25μg/mlこの培地をC
培地と呼ぶ。アズレオナムは米国スクイブ社で開発され
た“モノバクタム”系抗生物質であり、大腸菌およびサ
ルモネラ菌に対して特異的な活性を示すが、黄色ブドウ
球菌に対しては殆ど活性を持たない。従って、この培地
に検体を接種し、培養して、コロニーが出現すれば、そ
れは黄色ブドウ球菌によるものと推定できる。
【0014】通常市販されている選択培地の蛍光強度は
極めて強いので、本発明の方法により培養物の蛍光強度
変化を捉えることは極めて困難であるか、または不可能
である。培地成分中、肉エキス、ペプトン、酵母エキス
等は蛍光強度が極めて強い。しかし、これらの成分は一
般的に、微生物の生長に欠くことのできない栄養成分で
ある。本発明者らの研究によれば、大腸菌およびサルモ
ネラ菌の栄養要求度は高くないので、これらを除いても
生育することが確認された。従って、前記の大腸菌およ
びサルモネラ菌用のA培地は実質的に無蛍光培地である
と言うことができる。
【0015】一方、黄色ブドウ球菌の場合、培養物だけ
からの蛍光では十分な測定ができないので、培養物にA
0−10ドデシルブロマイドと呼ばれる蛍光標識を添加
し、蛍光強度を測定する。添加されたA0−10ドデシ
ルブロマイドは黄色ブドウ球菌と特異的に結合し、菌数
に応じた蛍光強度を示す。すなわち、A0−10ドデシ
ルブロマイド自体は蛍光を発せず、黄色ブドウ球菌と結
合した場合にだけ蛍光を発するので本発明の方法におけ
る蛍光標識として使用できる。
【0016】次に、図面を参照しながら本発明を更に詳
細に説明する。図1は本発明の方法を実施するのに使用
されるマイクロプレート1の一例の模式的平面図である
。プレート自体の材質は特に限定されないが、励起光の
散乱が極力少なく、蛍光の発生および受光を阻害しない
ような材質ならば全て使用できる。例えば、透明ポリカ
ーボネートなどが使用できる。しかし、これに限定され
ないことは当然である。図示されているプレートは96
穴のものである。穴の使用態様は特に限定されない。 一例として、図示されているように、12列の内、第1
列目と第7列目に菌液または検体を入れ、第2列目から
第6列目まで、および第8列目から第12列目までを段
階希釈用として使用する。この例では、第1列目から第
6列目までを対照用(例えば、培養前の蛍光のバックグ
ラウンド値を測定するためのもの)として使用し、第7
列目以降を培養後の蛍光測定に使用する。A行からH行
までは同一の菌あるいは培地をいれることもできるし、
A〜D行とE〜H行に2分割し前記の各培地を入れるこ
ともできる。このような穴の具体的使用態様は当業者に
は周知であり、これ以上の説明は特に必要ないであろう
【0017】次に、図2を参照しながら本発明の方法を
実施する際の一連の手順を説明する。先ず始めに、図1
に示されたようなマイクロプレート1を準備し、培地分
注ゾーン2で、プレートの所定の穴に所定の選択培地を
分注する。分注は手作業でも、自動機械でもいずれによ
っても実施できることは当業者に周知である。次に、菌
液分注ゾーン3で、検体(固体または液体)または菌液
を市販のブレンダーまたはストマッカーなどにより調整
/乳状化し、前記のようにプレートの第1列目と第7列
目に分注する。この分注も手作業あるいは自動機械によ
り行うことができる。ただし、特に限定されるわけでは
ないが、培地分注と菌液分注は本発明の自動生菌数測定
・菌種同定システムには組み込まれていない。従って、
本発明のシステムを使用する者が前処理として行うべき
ものである。
【0018】その後、このプレート1は本発明のシステ
ムの段階希釈・蛍光プローブ添加装置4にローデイング
される。ここで、第1列目と第7列目の菌液を例えば、
10μlをそれぞれ自動的に採取し、2列目と8列目の
穴にそれぞれ注入する。次に、この2列目と8列目の穴
からそれぞれ10μl量を自動的に採取し、3列目と9
列目の穴にそれぞれ注入する。以後、これを6列目と1
2列目まで順に繰り返す。そうすると、100 ,10
−1,10−2,10−3,10−4,10−5,10
−6の7段階の希釈列が得られる。本発明者らが実験し
たところでは、10−6以上の希釈はコロニーの発生が
見られず、無意味であることが確認された。
【0019】段階希釈が完了したら、プレートの対照側
の全ての穴にのみAO−10ドデシルブロマイドプロー
ブ液を分注する。前記のように、AO−10ドデシルブ
ロマイドプローブは黄色ブドウ球菌に対してのみ特異的
であるが、バックグラウンド値の正確を期するために、
大腸菌およびサルモネラ菌の場合にも使用することが好
ましい。
【0020】プレートの対照側の穴にプローブ液を分注
したら、このプレートを蛍光測定装置5に移送する。こ
こで、培養前の蛍光強度を測定し、バックグラウンド値
として、データ処理・制御装置6の外部記憶装置に記憶
させる。その後、このプレートをインキュベータ7に移
し、所定時間にわたって所定条件の下で培養する。培養
後、プレートを再び蛍光プローブ添加装置に戻し、ここ
で、プレートの培養側の全ての穴にAO−10ドデシル
ブロマイドプローブ液を分注する。菌とプローブとの結
合反応を確実に行わせるために、プローブ分注後、数分
間〜10分間程度プレートを放置する。その後、蛍光測
定装置でプレートの培養側の蛍光強度を測定し、測定結
果をデータ処理・制御装置6の外部記憶装置に伝達する
。ここで培養後の蛍光強度から培養前のバックグラウン
ド値を引き算すると、真の蛍光強度が求められる。この
引き算の結果を外部記憶装置内のデータベースと照合す
ることにより菌種および生菌数が決定される。
【0021】前記の処理手順を図3にフローチャートと
して示す。培地分注と菌液分注の前処理10を経て、段
階希釈・プローブ分注11に入る。次いで、初期蛍光強
度測定12を行う。測定値はライン13でデータ処理・
制御装置14に伝達される。初期蛍光強度測定後、培養
14を行う。培養後、11に戻り、再びプローブ分注を
行う。その後、培養後蛍光強度測定15を行う。測定値
はライン16でデータ処理・制御装置14に伝達される
。データ処理・制御装置14は外部記憶装置としてデー
タベース17を有する。伝達された測定蛍光値をデータ
ベースと照合し、菌数・菌種を決定し18で出力する。
【0022】図4に本発明の生菌数測定・菌種同定シス
テム20の模式的構成を示す。本発明のシステムは前記
のように、基本的には段階希釈・蛍光プローブ添加装置
4と蛍光測定装置5とデータ処理・制御装置6から構成
されている。特に排除するわけではないが、インキュベ
ータは7は一般的に、本発明のシステム20には含まれ
ない。すなわち、本発明のシステム20を使用する者が
自ら準備するべきものとしている。図示された態様では
段階希釈・蛍光プローブ添加装置4と蛍光測定装置5と
があたかも別個の分離した装置のようになっているが、
両者を結合して単一のシステムとして構成できることは
当業者に自明である。図中、白抜太矢線I 〜IVはプ
レートの搬送方向を示すが、I およびIVについては
システム内で自動ハンドリング機構(図示されていない
)により行うことができる。IIおよびIIIは手作業
になる。
【0023】段階希釈・蛍光プローブ添加装置4の具体
的装置構成自体は特に限定されない。段階希釈・蛍光プ
ローブ添加の所期の目的を達成できるような装置構成で
あればよい。一例として、図示されているように、X−
Y−Z−Z´軸移動機構22を使用し、Z´軸に4連チ
ップ分注機構24を配設し、プローブ液槽26を設ける
ことができる。また、図示されていないが、チップは使
い捨てなので、チップ供給・廃棄機構も配設することが
できる。段階希釈・蛍光プローブ添加装置は密閉ボック
ス内に収容し、UV(紫外線)殺菌ランプ28によりボ
ックス内を無菌状態に維持することが好ましい。
【0024】蛍光測定装置5の具体的装置構成自体も特
に限定されない。しかし、本発明のシステム20では、
下記の図5に示すような光学系を有する測定装置を使用
することが好ましい。図示された蛍光測定装置5は例え
ば、光学系ユニット30とプレートを移動させるための
X−Yテーブル32を有する。この図示された光学系ユ
ニット30の特徴は、下記で詳細に説明するが、ホルダ
34に保持された光ファイバー36で蛍光を受光するこ
とである。蛍光測定装置も密閉ボックス内に収容し、U
V(紫外線)殺菌ランプ28によりボックス内を無菌状
態に維持することが好ましい。また、前記のように、段
階希釈・蛍光プローブ添加装置4と蛍光測定装置5を一
つの密閉ボックス内に収容することもできる。
【0025】本発明のシステム20では、段階希釈・蛍
光プローブ添加装置4と蛍光測定装置5はデータ処理・
制御装置6と結ばれている。必要に応じて、拡張スロッ
トボックス40を介して結ぶこともできる。装置4と装
置5が、このデータ処理・制御装置6内に予めプログラ
ムされた手順に従って動作するように、データ処理・制
御装置6は装置4と装置5のコントローラの機能も果た
している。データ処理・制御装置6は本体内のCPUの
他に、デーダベースを格納するHDDのような外部記憶
装置42を有することもできる。更に、制御内容を表示
したり、測定結果を出力するためのCRT44およびプ
リンタ46を備えることができる。
【0026】図5に本発明の生菌数測定・菌種同定シス
テムの蛍光測定装置における光学系の概念構成図を示す
。光源として、例えば、キセンノンランプ50を使用し
、背後に補助ミラー52を配置し、前方にコンデンサレ
ンズ54を配置すると共に、該レンズの前方に熱線吸収
フィルタ56を配置することにより光源系を構成してい
る。コンデンサレンズ54で平行にされた光線は特定の
波長の励起光のみを取り出すために励起光バンドパスフ
ィルタ58を通される。このフィルタはモータにより回
転され、図示されているように0〜3の4種類の波長の
励起光が得られるようになっている。しかし、このフィ
ルタ数に限定されるわけではない。励起光の波長自体は
本発明の必須要件ではないが、一般的な指標として、大
腸菌およびサルモネラ菌の場合、365または470n
mの波長の励起光を使用することが好ましい。一方、黄
色ブドウ球菌の場合は490nmの波長の励起光を使用
することが好ましい。  バンドパスフィルタ58を通
過した励起光はリレーレンズ62および可変絞り64を
通過する。平行化励起光は可変絞り64で絞られ、反射
鏡66で90°屈折される。屈折励起光は結像用レンズ
68で焦点合わせされ、マイクロプレートのウエル(穴
)70内の検体に照射される。別法として、励起光バン
ドパスフィルタ58を出た励起光は光ファイバ(図示さ
れていない)により誘導し、検体に照射することもでき
る。 光ファイバーを使用すれば、リレーレンズ、可変絞り、
反射鏡および結像用レンズが不要になり、励起光のエネ
ルギー減衰を抑制することができる。
【0027】検体から発生した蛍光は光ファイバーで受
光される。蛍光受光用光ファイバーの本数は1本以上(
例えば、6本)であればよい。光ファイバーは検体の周
囲を円形に取り囲むように配置することが好ましい。 このため、図4で簡単に示したようなホルダ34で保持
することが好ましい。垂直入射励起光に対する光ファイ
バーの保持角度は特に限定されない。蛍光を受光するの
に最大の効率を達成できるような角度であればよい。こ
のような角度は当業者が容易に決定することができる。 一般的には、45°が好ましい。
【0028】光ファイバー72で受光された蛍光は更に
蛍光側バンドパスフィルタ74および励起光側バンドパ
スフィルタ76に誘導される。フィルタ74および76
はフィルタ58と同番号のフィルタを使用しなければな
らない。フィルタ74およびフィルタ76も、図示され
ていないが、モータ60でフィルタ58と同時に駆動制
御される。蛍光側バンドパスフィルタ74は大腸菌およ
びサルモネラ菌の場合には520および530nmの波
長の蛍光を通過させるものを使用し、黄色ブドウ球菌の
場合には、535および540nmの蛍光を通過させる
ものを使用することが好ましい。フィルタ76は迷光励
起光が存在していた場合に、蛍光強度の外乱要因になら
ないようにデータから除去するために使用できる。しか
し、このフィルタ76は必ずしも使用する必要はない。 各フィルタの直後には光電子増倍管78および80が配
置されている。光電子増倍管からの電気信号は増幅回路
82および84を経て、図2および図4に示されるよう
なデータ処理・制御装置に伝達される。
【0029】次に、データベースの作成法について説明
する。生菌数に関するデータは従来の寒天平板法により
得られる。例えば、希釈倍率10−6倍の検体から0.
1ml採取し、これを寒天平板に接種し37℃で大気中
雰囲気で所定時間培養する。また、希釈倍率10−7倍
の検体から0.1ml採取し、これを寒天平板に接種し
同様に37℃で大気中雰囲気で所定時間培養する。培養
後、寒天平板上に出現したコロニー数を計数する。例え
ば、10−6の検体の場合、コロニーが100個出現し
、10−7の検体の場合、コロニーが10個出現した場
合、10−6の検体における菌数は、100×106 
×10=109 個/mlになり、10−7の検体では
、10×107 ×10=109 個/mlになる。こ
の結果から、検体中の生菌数は109と推定される。こ
の測定を、例えば、培養開始から3時間、4.5時間、
6時間、7.5時間目にそれぞれ行うと経時的な菌数の
変化を示す特性曲線が得られる。
【0030】また、これと同時に、本発明の蛍光測定シ
ステムを使用し、培養開始から3時間、4.5時間、6
時間、7.5時間目における蛍光強度を測定する。この
データから特性曲線を作成すると、時間の経過により蛍
光強度が増大する様子が確認できる。従って、前記の各
培養時間における生菌数のデータと各培養時間における
蛍光強度のデータを合わせると、生菌数に対する蛍光強
度の検量線が作成できる。これをデータベースとして蓄
積保存する。従って、未知検体の菌種が同定されれば、
その菌種の生菌数/蛍光強度検量線データベースに測定
蛍光強度を当てはめれば生菌数が得られる。
【0031】本発明の方法およびシステムで使用するデ
ータベースの作成に関する基本的概念は前記の通りであ
る。従って、本発明の方法およびシステムの信頼性は取
りも直さず、データベースの信頼性に依存する。このた
め、出来るだけ多数の培養実験を繰り返し、得られた結
果を統計処理し、バラツキの最小化を図り、可能な限り
普遍的なデータベースを構築することが好ましい。例え
ば、大腸菌には多数の種類の菌および変異株などが存在
するので、培養条件および蛍光測定条件を同一にしても
、各菌または株により、同じ生菌数でも蛍光強度に若干
の変化が生じる。本発明の方法では大腸菌群の中の特定
の菌株までは同定できないので、検体中に様々な大腸菌
株が混在していたとしても、一般的総称的な大腸菌の生
菌数として推定される。サルモネラ菌および黄色ブドウ
球菌についても同様である。
【0032】前記のような菌株の相違などのようなファ
クタに起因して、ノイズが初期菌濃度の予測値に大きく
影響することがあるので、確固としたデータベースの確
立と共に、得られた蛍光強度の実測値をファジィ理論に
より処理することもできる。具体的な変数値(蛍光強度
測定値など)と言語によって表現されるファジィ変数(
蛍光強度が「大」など)を関係づける関数をメンバーシ
ップ関数と呼ぶ。また、「蛍光強度変化量が大きければ
、初期菌濃度は非常に大きい」などといった、事象の関
係をルールベースと呼ぶ。ファジィ理論によって、蛍光
強度の変化量から初期菌濃度を推定するには、各同定菌
種・希釈濃度ごとに蛍光強度の変化量から初期菌濃度を
推定するルールのデータベース(すなわち、ルールベー
ス)と各ファジィ変数のメンバーシップ関数を作成し、
データ処理装置内に記憶させる。この手法によれば、蛍
光強度の実測値に誤差が含まれていても、ファジィの特
徴である“あいまい性”の処理によって、期待値からの
ズレをある程度平滑化・補正し、ノイズをキャンセルし
て、初期菌濃度を信頼性高く実測することができる。こ
のルールベースおよびメンバーシップ関数、実験データ
の蓄積に伴い、順次修正・チューニングを行うことによ
って更に測定精度を高めることが可能になる。また、学
習機能を追加することによって、自動的にこれらのチュ
ーニングを行い、機能を向上させることができる。
【0033】前記のような基本的概念に基づいて作成さ
れた検量線の一例を図6〜図8に示す。図6は大腸菌(
JCM1646株)の培養における蛍光強度と生菌数の
関係を示すグラフである。白六角スポットは培養時間に
対する生菌数の経時的変化を示す特性曲線である。一方
、●は、培養時間に対する蛍光強度の経時的変化を示す
特性曲線である。図7はサルモネラ菌(S206株)の
培養における蛍光強度と生菌数の関係を示すグラフであ
る。白六角スポットは培養時間に対する生菌数の経時的
変化を示す特性曲線である。一方、●は、培養時間に対
する蛍光強度の経時的変化を示す特性曲線である。また
、図8は黄色ブドウ球菌(JCM2413株)の培養に
おける蛍光強度と生菌数の関係を示すグラフである。 白六角スポットは培養時間に対する生菌数の経時的変化
を示す特性曲線である。一方、●は、培養時間に対する
蛍光強度の経時的変化を示す特性曲線である。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法およ
びシステムによれば、約8時間程度の短時間内に大腸菌
、サルモネラ菌または黄色ブドウ球菌の菌種を同定し、
あわせて、これらの菌数を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の方法およびシステムの実施に使
用されるマイクロプレートの一例の模式的平面図である
【図2】図2は本発明の方法の処理の進行を示す模式的
概念図である。
【図3】図3は本発明の方法の処理手順の流れを示すフ
ローチャートである。
【図4】図4は本発明のシステムの模式的構成図である
【図5】図5は本発明のシステムで使用される蛍光測定
のための光学系の模式的構成図である。
【図6】図6は大腸菌の培養における蛍光強度と生菌数
の関係を示す特性曲線である。
【図7】図7はサルモネラ菌の培養における蛍光強度と
生菌数の関係を示す特性曲線である。
【図8】図8は黄色ブドウ球菌の培養における蛍光強度
と生菌数の関係を示す特性曲線である。
【符号の説明】
1  マイクロプレート 2  培地分注ゾーン 3  菌液分注ゾーン 6  データ処理・制御装置 7  インキュベータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  選択培地で微生物を培養し、該培養物
    に励起光を照射し、該培養物からの蛍光の強度を測定し
    、既知の微生物種について予め作成された生菌数と該菌
    数に対応する蛍光強度との検量線に前記測定値を当ては
    めることからなる生菌数の測定および該菌の同定方法。
  2. 【請求項2】  微生物は大腸菌、サルモネラ菌および
    黄色ブドウ球菌である請求項1の方法。
  3. 【請求項3】  被測定微生物を含む検体を複数の段階
    に希釈し、蛍光プローブを添加する装置と、培養前およ
    び培養後の検体に励起光を照射し、該検体から発せられ
    る蛍光の強度を測定する蛍光測定装置と、既知の微生物
    種について予め作成された生菌数と該菌数に対応する蛍
    光強度との検量線がデータベースとして記憶された外部
    記憶装置と、前記蛍光測定装置による検出値に基づき外
    部記憶装置のデータベースを検索、参照しデータ処理を
    行うと共に、希釈・プローブ添加装置および蛍光測定装
    置を制御する装置とからなる生菌数測定・菌種同定シス
    テム。
  4. 【請求項4】  蛍光測定装置は、少なくとも、励起光
    を発生する発光手段と;励起光を被測定物に照射する手
    段と;被測定物から発生される蛍光を受光する手段と;
    蛍光と共に進入してくる迷光励起光をカットするバンド
    パスフィルタと;前記バンドパスフィルタを通過した蛍
    光を捕捉する光電子増倍管とを有する請求項1のシステ
    ム。
  5. 【請求項5】  蛍光受光手段は光ファイバーである請
    求項4のシステム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996017961A1 (fr) * 1994-12-05 1996-06-13 Tohoku Electronic Industrial Co., Ltd. Procede et dispositif de detection de bacteries
WO2002048916A1 (fr) * 2000-12-12 2002-06-20 Japan Science And Technology Corporation Base de donnees permettant d'analyser la fonction genique et technique d'analyse de la fonction genique par dspa
WO2002054865A1 (fr) * 2001-01-09 2002-07-18 Kurita Water Industries Ltd. Procede de selection d'un agent antimicrobien et procede d'utilisation de ce dernier

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WO2002048916A1 (fr) * 2000-12-12 2002-06-20 Japan Science And Technology Corporation Base de donnees permettant d'analyser la fonction genique et technique d'analyse de la fonction genique par dspa
WO2002054865A1 (fr) * 2001-01-09 2002-07-18 Kurita Water Industries Ltd. Procede de selection d'un agent antimicrobien et procede d'utilisation de ce dernier

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