JP2592114B2 - 微生物細胞の生死判別法 - Google Patents
微生物細胞の生死判別法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は微生物細胞の生死を判別する方法に関し、特
に食品製造プラント、医薬品製造プラントにおける原
料、製品の品質管理や殺菌装置の性能確認等に適用され
る微生物検査、モニタリング法に有利に適用しうる同方
法に関する。
に食品製造プラント、医薬品製造プラントにおける原
料、製品の品質管理や殺菌装置の性能確認等に適用され
る微生物検査、モニタリング法に有利に適用しうる同方
法に関する。
食品製造プラント、医薬品製造プラントにおいては殺
菌が非常に重要な工程を占め、原料、製品の品質管理や
殺菌装置の性能確認のため微生物検査・測定が不可欠で
ある。従来、微生物検査・測定法にはいくつかの方法が
あるが、主なものは顕微鏡による直接観察法、寒天培養
法、バイオルミネツセンス法およびそれらの変法などで
ある。
菌が非常に重要な工程を占め、原料、製品の品質管理や
殺菌装置の性能確認のため微生物検査・測定が不可欠で
ある。従来、微生物検査・測定法にはいくつかの方法が
あるが、主なものは顕微鏡による直接観察法、寒天培養
法、バイオルミネツセンス法およびそれらの変法などで
ある。
顕微鏡による直接観察法は試料を直接又は試料濃度が
薄い場合には、フイルターなどで一旦微生物細胞を捕集
した後、光学顕微鏡を用いて観察・測定する方法であ
る。しかし、この方法では細胞の生死判別がつかないた
め殺菌できたかどうかの評価ができない。
薄い場合には、フイルターなどで一旦微生物細胞を捕集
した後、光学顕微鏡を用いて観察・測定する方法であ
る。しかし、この方法では細胞の生死判別がつかないた
め殺菌できたかどうかの評価ができない。
寒天培養法は従来最もよく用いられている方法であ
る。この方法は微生物の栄養源を溶け込ました寒天上に
試料を分散させ適温で培養することにより微生物コロニ
ーを形成させて、これを測定することにより試料中の生
きている微生物数を把握するものであり、コロニーを形
成しなければ試料中には微生物は存在しないか又は殺
菌、死滅していると判断するものである。しかし、この
方法は培養操作を伴うため、コロニーを形成させるまで
に少なくとも10時間以上、菌の種類にうよつては数日間
の測定時間が必要であり、品質管理、殺菌性能把握に大
きなネツクとなつている。
る。この方法は微生物の栄養源を溶け込ました寒天上に
試料を分散させ適温で培養することにより微生物コロニ
ーを形成させて、これを測定することにより試料中の生
きている微生物数を把握するものであり、コロニーを形
成しなければ試料中には微生物は存在しないか又は殺
菌、死滅していると判断するものである。しかし、この
方法は培養操作を伴うため、コロニーを形成させるまで
に少なくとも10時間以上、菌の種類にうよつては数日間
の測定時間が必要であり、品質管理、殺菌性能把握に大
きなネツクとなつている。
バイオルミネツセンス法としては、例えば牛乳などの
細菌数の測定感度を高めるため、アクリジンオレンジと
いう蛍光色素を作用させて顕微鏡で観察する方法が知ら
れているが、この方法は総菌数(生菌+死菌)の測定を
目的とするものであつて、細菌の生死判別ができるもの
ではない。
細菌数の測定感度を高めるため、アクリジンオレンジと
いう蛍光色素を作用させて顕微鏡で観察する方法が知ら
れているが、この方法は総菌数(生菌+死菌)の測定を
目的とするものであつて、細菌の生死判別ができるもの
ではない。
そこで、微生物の生死を判別できる迅速測定法につい
て最近多くの研究がなされているが、その一つがバイオ
ルミネツセンス法である。バイオルミネツセンス法で実
用化されているのは、ATP(アデノシン三リン酸)とホ
タルの生物発光酵素であるルシフエリンルシフエラーゼ
と反応を利用するものである。この方法は生細胞中に含
まれる補酵素の一種ATPにルシフエリンルシフエラーゼ
を作用させるとフオトンが放出される現象を利用するも
ので、このフオトン量を測定することにより生菌数を間
接的に把握するものであるが、測定時間が数十分〜1時
間と寒天培養法に比較し大幅に短縮できる利点はあるも
のの現段階では、測定感度はまだ低いため、低濃度の細
胞試料(数十個/ml以下)に対しては適用できず、まし
て1個の細胞の生死が問題となる試料では対象外であつ
た。
て最近多くの研究がなされているが、その一つがバイオ
ルミネツセンス法である。バイオルミネツセンス法で実
用化されているのは、ATP(アデノシン三リン酸)とホ
タルの生物発光酵素であるルシフエリンルシフエラーゼ
と反応を利用するものである。この方法は生細胞中に含
まれる補酵素の一種ATPにルシフエリンルシフエラーゼ
を作用させるとフオトンが放出される現象を利用するも
ので、このフオトン量を測定することにより生菌数を間
接的に把握するものであるが、測定時間が数十分〜1時
間と寒天培養法に比較し大幅に短縮できる利点はあるも
のの現段階では、測定感度はまだ低いため、低濃度の細
胞試料(数十個/ml以下)に対しては適用できず、まし
て1個の細胞の生死が問題となる試料では対象外であつ
た。
このように、従来法では、1個の微生物細胞の生死を
短時間(瞬時または、それに近いレベル)に判別できる
方法はなかつた。これができれば微生物検査・測定の自
動化・迅速化が可能となり原料、製品の品質管理や殺菌
装置の信頼性・安全性向上に多大の貢献ができる。
短時間(瞬時または、それに近いレベル)に判別できる
方法はなかつた。これができれば微生物検査・測定の自
動化・迅速化が可能となり原料、製品の品質管理や殺菌
装置の信頼性・安全性向上に多大の貢献ができる。
上述したように、従来技術には 寒天培養法では測
定時間が長くかかる、 顕微鏡観察法では、細胞の生
死判別ができない、 バイオルミネツセンス法は低濃
度細胞試料に適用はできない、という技術課題があつ
た。
定時間が長くかかる、 顕微鏡観察法では、細胞の生
死判別ができない、 バイオルミネツセンス法は低濃
度細胞試料に適用はできない、という技術課題があつ
た。
本発明は従来技術の課題,,を解決した全く新
しい微生物細胞の瞬時生死判別法を提供しようとするも
のである。
しい微生物細胞の瞬時生死判別法を提供しようとするも
のである。
本発明者等は、1個の細胞の生死を瞬時に判別する方
法について研究を重ねた結果、細胞内物質である核酸と
結びついて蛍光を発する色素を適当な濃度で細胞に作用
させ、水銀ランブ等で色素を励起させて蛍光顕微鏡によ
り細胞を観察すると、生菌,死菌の発する光量に大きな
差異(微生物の種類によつても異なるが、生菌の発する
光量は小さく、死菌の発する光量は生菌に比べて数〜数
十倍大きい)が見られる事実を発見した。
法について研究を重ねた結果、細胞内物質である核酸と
結びついて蛍光を発する色素を適当な濃度で細胞に作用
させ、水銀ランブ等で色素を励起させて蛍光顕微鏡によ
り細胞を観察すると、生菌,死菌の発する光量に大きな
差異(微生物の種類によつても異なるが、生菌の発する
光量は小さく、死菌の発する光量は生菌に比べて数〜数
十倍大きい)が見られる事実を発見した。
本発明は、この知見に基づいて完成されたものであつ
て、微生物細胞に蛍光色素を作用させ、次いで、蛍光色
素を励起させるに必要な波長を有する高原を用いて蛍光
色素を励起させ、かつ上記蛍光色素として 4′,6−ジアミデイノ−2−フエニルインドール0.1〜1
0μg/ml・(細胞液), アクリジンオレンジ 1〜100μg/ml・(細胞液) 又は ローダミン6G 0.1〜10μg/ml・(細胞液) を用い、その時個々の細胞から発する光の強弱を検知、
測定することを特徴とする微生物細胞の生死判別法であ
る。
て、微生物細胞に蛍光色素を作用させ、次いで、蛍光色
素を励起させるに必要な波長を有する高原を用いて蛍光
色素を励起させ、かつ上記蛍光色素として 4′,6−ジアミデイノ−2−フエニルインドール0.1〜1
0μg/ml・(細胞液), アクリジンオレンジ 1〜100μg/ml・(細胞液) 又は ローダミン6G 0.1〜10μg/ml・(細胞液) を用い、その時個々の細胞から発する光の強弱を検知、
測定することを特徴とする微生物細胞の生死判別法であ
る。
微生物細胞に本発明に係る蛍光色素を特定濃度で作用
させ、水銀ランプ等で色素を励起させることにより、生
菌、死菌の間に発光量の差異が見られる事実を適用すれ
ば、1個の細胞の生死でも瞬時又は、それに近いレベル
で判別が可能となり、微生物検査・測定の自動化・迅速
化ができることになる。
させ、水銀ランプ等で色素を励起させることにより、生
菌、死菌の間に発光量の差異が見られる事実を適用すれ
ば、1個の細胞の生死でも瞬時又は、それに近いレベル
で判別が可能となり、微生物検査・測定の自動化・迅速
化ができることになる。
生きた細胞が加熱や薬剤(アルカリ,酸など)の作用
により死滅すると、細胞の外側にある細胞壁やその内側
にある細胞膜が変性、損傷を受け、その結果、死滅した
細胞の方が生細胞に比較して、蛍光色素が細胞内に浸透
しやすくなり、発光量に差異が見られるようになるもの
と考えられる。
により死滅すると、細胞の外側にある細胞壁やその内側
にある細胞膜が変性、損傷を受け、その結果、死滅した
細胞の方が生細胞に比較して、蛍光色素が細胞内に浸透
しやすくなり、発光量に差異が見られるようになるもの
と考えられる。
なお、本発明においては細胞に作用させる蛍光色素の
濃度が重要なポイントであり色素の濃度が高いと生細胞
・死細胞は同程度に染まつて判別しにくくなり、また濃
度が低いと両方の細胞共うまく染色されないので最適な
濃度に調整した色素を用いることが必要である。
濃度が重要なポイントであり色素の濃度が高いと生細胞
・死細胞は同程度に染まつて判別しにくくなり、また濃
度が低いと両方の細胞共うまく染色されないので最適な
濃度に調整した色素を用いることが必要である。
本発明で用いられる蛍光色素としては下記のようなも
のから選択して使用しうる。
のから選択して使用しうる。
細胞内物質である核酸に結合して蛍光を発する色素 4′,6−ジアミデイノ−2−フエニルインドール(DA
PI)、ローダミン6G、アクリジンオレンジ(AO)など アミノ基に結合して蛍光を発する色素 フルオレスカミン、o−フタルアルデヒド、ダンシル
クロライド、フルオレセインイソチアネート、7−クロ
ロ−4−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール
など チオール基に結合して蛍光を発する色素 ダンシルアジリジン、5−(ヨードアセトアミドエチ
ル)アミノナフタレン−1−スルホン酸、5−ヨードア
セトアミドフルオレセイン、フルオレセインマーキユリ
アセテート、N−(3−ピレン)マレイミドなど 非共有結合性色素 アリルナフタレンスルホン酸、オーラミンO、クロロ
テトラサイクリン、シアニン色素、エオシン、ジフエニ
ルヘキサトリエン、ε−アデノシンなど そのほか、それ自体は蛍光を発しないが酵素の作用
より蛍光を発するもの フルオレセイニ二酢酸 また、蛍光色素の最適濃度は、対象細胞の大きさ、種
類、細胞の懸濁している液の組成などによつて異なる可
能性があるため、予め実験により決定することが必要で
ある。
PI)、ローダミン6G、アクリジンオレンジ(AO)など アミノ基に結合して蛍光を発する色素 フルオレスカミン、o−フタルアルデヒド、ダンシル
クロライド、フルオレセインイソチアネート、7−クロ
ロ−4−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール
など チオール基に結合して蛍光を発する色素 ダンシルアジリジン、5−(ヨードアセトアミドエチ
ル)アミノナフタレン−1−スルホン酸、5−ヨードア
セトアミドフルオレセイン、フルオレセインマーキユリ
アセテート、N−(3−ピレン)マレイミドなど 非共有結合性色素 アリルナフタレンスルホン酸、オーラミンO、クロロ
テトラサイクリン、シアニン色素、エオシン、ジフエニ
ルヘキサトリエン、ε−アデノシンなど そのほか、それ自体は蛍光を発しないが酵素の作用
より蛍光を発するもの フルオレセイニ二酢酸 また、蛍光色素の最適濃度は、対象細胞の大きさ、種
類、細胞の懸濁している液の組成などによつて異なる可
能性があるため、予め実験により決定することが必要で
ある。
更にまた、蛍光色素を励起させるに必要な波長を有す
る光源の選択も、作用する蛍光色素の種類、対象細胞に
よつて異なるので、これも予め実験により確認すること
が必要である。
る光源の選択も、作用する蛍光色素の種類、対象細胞に
よつて異なるので、これも予め実験により確認すること
が必要である。
(1) 試験に用いた細胞 次の3種類の生菌、死菌を用いた。なお、死菌は、生
菌を121℃×5分間の熱処理、5N NaOH1mlを10ml細
胞懸濁液に作用させアルカリ処理したものの以上2方法
により作成した。
菌を121℃×5分間の熱処理、5N NaOH1mlを10ml細
胞懸濁液に作用させアルカリ処理したものの以上2方法
により作成した。
Baker′s yeast(酵母) Escherichia coliform IFO3301(大腸菌) Bacillus subtilis芽胞 IFO3513(枯草菌) (2) 使用した蛍光色素 4′,6−ジアミデイノ−2−フエニルインドール
(DAPI) ローダミン6G アクリジンオレンジ(AO) (3) 細胞の調整 各微生物細胞を酵母については約106個/ml、大腸菌、
枯草菌芽胞については約108個/mlの濃度に調整し、その
生細胞、死細胞に蛍光色素を作用・混合し、その0.01〜
0.05mlをスライドグラス上に採取カバーグラスをしたの
ち、ただちに蛍光顕微鏡で観察を行つた。
(DAPI) ローダミン6G アクリジンオレンジ(AO) (3) 細胞の調整 各微生物細胞を酵母については約106個/ml、大腸菌、
枯草菌芽胞については約108個/mlの濃度に調整し、その
生細胞、死細胞に蛍光色素を作用・混合し、その0.01〜
0.05mlをスライドグラス上に採取カバーグラスをしたの
ち、ただちに蛍光顕微鏡で観察を行つた。
細胞液に作用させる蛍光色素濃度は、細胞液に対し ・DAPI …0.1〜10μg/ml・(細胞液) ・A・O …1〜100μg/ml・(細胞液) ・ローダミン6G …0.1〜10μg/ml・(細胞液) が適当である。例えば、A.Oの場合、100μg/ml以上の濃
度で作用させると生菌、死菌も同程度に染色されてしま
うので判別できなくなる。試験ではDAPI1μg/ml、A・O
10μg/ml、ローダミン6G 1μg/mlの濃度になるように添
加・調整した。
度で作用させると生菌、死菌も同程度に染色されてしま
うので判別できなくなる。試験ではDAPI1μg/ml、A・O
10μg/ml、ローダミン6G 1μg/mlの濃度になるように添
加・調整した。
(4) 細胞の観察 細胞の観察に用いた蛍光顕微鏡の光学系を第1図に示
す。
す。
第1図において、1は水銀灯であり、出力100Wのもの
を使用した。2はコレクターレンズであり水銀光を集光
する。3は励起フイルターであり、蛍光色素を励起させ
るに必要な波長を選定するものである。DAPI,A.Oの励起
フイルターとしては330〜380nmの波長を通すもの、ま
た、ローダミン6Gの励起フイルターとしては330〜380m
n、および510〜560nmの波長を通す2種類を使用した。
4はミラー、5は対物レンズであり20倍のものを使用し
た。対物レンズ5を通して、励起フイルター3で選定さ
れた特定の波長域の光が試料7に照射され蛍光色素を励
起する。6は試料台である。励起光は対物レンズ5を通
過し、吸収フイルター8により励起光の中の特定の波長
域の光をカットしたものを、接眼レンズ9を通して観察
する。DAPI,A.Oの場合、吸収フイルター8は420nm以下
の波長域をカットするもの、また、ローダミン6Gの場
合、励起フイルター3に330〜380nmのものを使用した
時、420nm以下の波長域をカツトするもの、510〜560nm
の励起フイルター3を使用した時、590nm以下の波長域
をカツトする吸収フイルター8を用いた。
を使用した。2はコレクターレンズであり水銀光を集光
する。3は励起フイルターであり、蛍光色素を励起させ
るに必要な波長を選定するものである。DAPI,A.Oの励起
フイルターとしては330〜380nmの波長を通すもの、ま
た、ローダミン6Gの励起フイルターとしては330〜380m
n、および510〜560nmの波長を通す2種類を使用した。
4はミラー、5は対物レンズであり20倍のものを使用し
た。対物レンズ5を通して、励起フイルター3で選定さ
れた特定の波長域の光が試料7に照射され蛍光色素を励
起する。6は試料台である。励起光は対物レンズ5を通
過し、吸収フイルター8により励起光の中の特定の波長
域の光をカットしたものを、接眼レンズ9を通して観察
する。DAPI,A.Oの場合、吸収フイルター8は420nm以下
の波長域をカットするもの、また、ローダミン6Gの場
合、励起フイルター3に330〜380nmのものを使用した
時、420nm以下の波長域をカツトするもの、510〜560nm
の励起フイルター3を使用した時、590nm以下の波長域
をカツトする吸収フイルター8を用いた。
(5) 測定結果 DAPIで蛍光染色した細胞は、酵母、大腸菌、枯草菌芽
胞共に生細胞はうす暗い弱い青色の光を放つのに対し、
熱およびアルカリで処理した死細胞は明るいほぼ白色に
近い光を放つので、ただちに生死を判別することができ
る。特に酵母の場合、大腸菌、枯草菌芽胞に比して細胞
が数倍大きいので、差異が顕著に判別できる。
胞共に生細胞はうす暗い弱い青色の光を放つのに対し、
熱およびアルカリで処理した死細胞は明るいほぼ白色に
近い光を放つので、ただちに生死を判別することができ
る。特に酵母の場合、大腸菌、枯草菌芽胞に比して細胞
が数倍大きいので、差異が顕著に判別できる。
A.Oの場合、生細胞は弱い黄色〜白の光を放つのに対
し、死細胞はやや黄色みがかつた乳白色の明るい光を放
つ。
し、死細胞はやや黄色みがかつた乳白色の明るい光を放
つ。
ローダミン6Gの場合、励起フイルター3を330〜380n
m、吸収フイルター8に420nm以下の波長をカットする条
件で観察すると、ほぼA.Oと同様の結果、即ち、生細胞
は弱い黄色〜白の光、死細胞は黄色みがかつた乳白色の
明るい光を放つ。また、励起フイルター3に510〜560nm
の波長域を通過、吸収フイルター8に590nm以下の波長
をカツトする条件で観察すると、橙色のバツクグランド
に生細胞は暗い灰色、死細胞は、明るい白〜黄色の光を
放つ。
m、吸収フイルター8に420nm以下の波長をカットする条
件で観察すると、ほぼA.Oと同様の結果、即ち、生細胞
は弱い黄色〜白の光、死細胞は黄色みがかつた乳白色の
明るい光を放つ。また、励起フイルター3に510〜560nm
の波長域を通過、吸収フイルター8に590nm以下の波長
をカツトする条件で観察すると、橙色のバツクグランド
に生細胞は暗い灰色、死細胞は、明るい白〜黄色の光を
放つ。
このように、本発明に係る蛍光色素を特定の濃度で細
胞に作用させ、蛍光顕微鏡により観察を行えば生死がた
だちに判別できる。
胞に作用させ、蛍光顕微鏡により観察を行えば生死がた
だちに判別できる。
第1図は、細胞の生死判別に用いた基本的な光学系で
あるが、第2図は本発明を微生物細胞の連続生死判別法
に適用した場合の一実施例であり、構成は次の通りであ
る。
あるが、第2図は本発明を微生物細胞の連続生死判別法
に適用した場合の一実施例であり、構成は次の通りであ
る。
1は水銀ランプ、2はコレクターレンズ、3は励起フ
イルター、4はミラー、5は対物レンズであり、それぞ
れの機能は第1図の説明と同様である。
イルター、4はミラー、5は対物レンズであり、それぞ
れの機能は第1図の説明と同様である。
なお、蛍光色素を励起させるに、実施例として水銀ラ
ンプを使用したが、蛍光色素を励起させることができる
光源であれば、キセノンランプ、レーザー光などを用い
てもさしつかえない。
ンプを使用したが、蛍光色素を励起させることができる
光源であれば、キセノンランプ、レーザー光などを用い
てもさしつかえない。
6は測定対象である細胞液を連続的に流すフローセル
であり、細胞液はライン7を経由してフローセル6の中
に入る。フローセル6に入る手前で蛍光式13が所定の濃
度でライン7に送り込まれる。細胞に作用して蛍光色素
がフローセル6内で励起光を受けて励起され蛍光を発す
る。この蛍光の波長を吸収フイルター9で適当な波長域
に選定したものをテレビカメラ10を経由して光の強度を
検出するフオトマル11でとらえる。フオトマル11でとら
えた光の強度、パルスを波高解析装置12などで解析する
ことにより、生細胞、死細胞の数がただちに測定するこ
とが可能となる。
であり、細胞液はライン7を経由してフローセル6の中
に入る。フローセル6に入る手前で蛍光式13が所定の濃
度でライン7に送り込まれる。細胞に作用して蛍光色素
がフローセル6内で励起光を受けて励起され蛍光を発す
る。この蛍光の波長を吸収フイルター9で適当な波長域
に選定したものをテレビカメラ10を経由して光の強度を
検出するフオトマル11でとらえる。フオトマル11でとら
えた光の強度、パルスを波高解析装置12などで解析する
ことにより、生細胞、死細胞の数がただちに測定するこ
とが可能となる。
〔発明の効果〕 本発明により、従来測定時間が数十時間要していた微
生物細胞の生死判別が、低濃度(1個でも)の細胞に対
しても、瞬時に可能となり、食品製造プラント、医薬品
製造プラント等における原料、製品の品質管理、また殺
菌装置の性能把握が迅速にかつ容易に行えるようにな
る。その結果、これら製品、装置の信頼性、安全性の向
上に加え、手間のかかる培養法に比較し、大幅な検査時
間、労力の省力化が可能となる。
生物細胞の生死判別が、低濃度(1個でも)の細胞に対
しても、瞬時に可能となり、食品製造プラント、医薬品
製造プラント等における原料、製品の品質管理、また殺
菌装置の性能把握が迅速にかつ容易に行えるようにな
る。その結果、これら製品、装置の信頼性、安全性の向
上に加え、手間のかかる培養法に比較し、大幅な検査時
間、労力の省力化が可能となる。
第1図及び第2図は本発明の実施例における微生物細胞
の生死判別する際に使用した光学系装置の概略図であ
る。
の生死判別する際に使用した光学系装置の概略図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 Biochem Int.17(2). 1988,P.367−374 Rev Sci Instrum,58 (8),1987,P.1433−1438 Int J Radiat Biol Relat Stud Phys C hem Med,26(1),1974,P. 97−100
Claims (1)
- 【請求項1】微生物細胞に蛍光色素を作用させ、次い
で、蛍光色素を励起させる必要な波長を有する光源を用
いて蛍光色素を励起させ、かつ上記蛍光色素として 4′,6−ジアミデイノ−2−フエニルインドール0.1〜1
0μg/ml・(細胞液), アクリジンオレンジ 1〜100μg/ml・(細胞液) 又は ローダミン6G 0.1〜10μg/ml・(細胞液) を用い、その時個々の細胞から発する光の強弱を検知、
測定することを特徴とする微生物細胞の生死判別法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63269383A JP2592114B2 (ja) | 1988-10-27 | 1988-10-27 | 微生物細胞の生死判別法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63269383A JP2592114B2 (ja) | 1988-10-27 | 1988-10-27 | 微生物細胞の生死判別法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02117397A JPH02117397A (ja) | 1990-05-01 |
JP2592114B2 true JP2592114B2 (ja) | 1997-03-19 |
Family
ID=17471644
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63269383A Expired - Fee Related JP2592114B2 (ja) | 1988-10-27 | 1988-10-27 | 微生物細胞の生死判別法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2592114B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10627337B2 (en) | 2017-04-19 | 2020-04-21 | Azbil Corporation | Cell survival rate determining device and cell survival rate determining method |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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1988
- 1988-10-27 JP JP63269383A patent/JP2592114B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Title |
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Biochem Int.17(2).1988,P.367−374 |
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Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02117397A (ja) | 1990-05-01 |
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