JPH04292004A - 携帯無線機用平面アンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、移動通信に用いられる
携帯移動機に内蔵することができる平面アンテナに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】携帯電話機等のように人が身につける移
動機は、小型で持ち運びやすく、便利である。ここで、
アンテナは外部に突出していない方が破損の心配がない
。このような携帯機内蔵型平面アンテナの１つに逆Ｆア
ンテナがある。

【０００３】逆Ｆアンテナの構造を図７に示す。一般に
逆Ｆアンテナは、放射板２の端部を短絡板４によって接
地板１に短絡し、整合をとるためこの短絡板４から若干
離れた位置で同軸ケーブル３によって給電するもの（オ
フセット給電）である。

【０００４】逆Ｆアンテナの共振周波数ｆは実験的にｈ
＝０．０３λのときω＋Ｌ≒λ／４で近似することがで
きる。ここでλは、使用周波数ｆにおける自由空間波長
である。この逆Ｆアンテナの共振周波数ｆを下げるため
に図８に示すように、放射板２の先端部と接地板１の間
に、接地板１から導体突出部１１を設けるものがある。 このとき放射板先端と導体突出部の間で容量をもち、共
振周波数ｆを下げるが、これは以下のように説明するこ
とができる。即ち逆Ｆアンテナは、伝送線路両端にＬ，
Ｃを接続した共振回路とみなすことができ、図９のよう
に等価的に表現できる。ここで９は伝送線路である。こ
の共振回路においては、容量１０の値が大きい程、共振
周波数は下がる。そのため導体突出部を設けると図９に
おける容量１０の値が大きくなり共振周波数が下がるの
である。

【０００５】この逆Ｆアンテナを携帯無線機に取り付け
る場合に、図１０の方法が提案されている（特開昭５９
−７７７２４号，特公昭６３−８６５５号）。図１０は
携帯無線機を示し、受話器１２，操作部１３，送話器１
４，逆Ｆアンテナ放射板１５から構成される。これは、
アンテナを人体からなるべく遠ざけて、人体による悪影
響をなくそうというものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし図１０の携帯無
線機のアンテナ放射板１５は、特に小型の携帯無線機の
場合に通信において手で覆ってしまうため、手の影響を
受け、特性が悪化する欠点がある。その欠点をなくすた
めには、アンテナを携帯無線機上部に図１１のように構
成すればよい。しかしこの場合には、通話時に人体の頭
部とアンテナが近接するため、人体による悪影響がでて
きてしまう。又、その特開昭５９−７７７２４号公報で
述べられているように利得も低下してしまう。

【０００７】又、厚さの薄い携帯無線機の場合は図１０
のように逆Ｆアンテナを取り付けることができない場合
もある。

【０００８】さらに、特公昭６２−１３１６０９号公報
には、逆Ｆアンテナの接地板を実質上大きくして、アン
テナの入力インピーダンスを安定にする方法が開示され
ている。しかしこの方法でもアンテナが人体に近接した
場合、人体による影響は避けがたく、アンテナのＳＷＲ
が悪化する等の問題点があった。

【０００９】従来技術の説明で述べたように、逆Ｆアン
テナ等の平面アンテナを図１１のように携帯無線機上部
にアンテナ放射板１５を水平方向に一致させて取り付け
る要求があるが、これは人体の悪影響を受ける。即ち、
アンテナの利得を考えた時に、アンテナはなるべく大き
い方が利得が大きいので、ある厚さのアンテナにおいて
携帯無線機の筺体上部いっぱいに作る方が有利である。 この構成においてこの携帯無線機を通話する場合に、受
話器と耳を密着させると平面アンテナの放射板（図１１
の場合１５に対応する）と頭部が非常に近接する。この
場合、放射板１５（特にその端部）と頭の間で容量をも
ち、従来技術で述べた理由により、共振周波数ｆが設計
された周波数に比べて下がってしまう。すると所望の周
波数ｆのＳＷＲが悪化し、電波が飛ばなくなる問題点が
あった。

【００１０】また、アンテナと頭の間にある程度の距離
があれば、この現象は起こらないが、そうすると限られ
た筺体上部の中でアンテナを小さくしなければならず、
利得が低下してしまう問題点が生じた。

【００１１】本発明は、これらの問題点を鑑みてなされ
たもので、その目的は携帯無線機上部に、平面アンテナ
を設置する場合に、通話時に人体とアンテナの放射板端
部が近接しても、そのアンテナの利得，指向性にさほど
影響を与えることなく、人体による所望の周波数におけ
るＳＷＲの悪化をなくす携帯無線機用平面アンテナを提
供することである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明による携帯無線機用平面アンテナは、平坦面
を有する接地導体板と、該接地導体板に外部導体を接続
し中心導体を給電に用いる給電線と、前記接地導体板の
平坦面との間に一定の間隙を形成し前記給電線を接続し
てなる放射導体板と、前記接地導体板と前記放射導体板
とを短絡する短絡板と、近接してくる外部物体と前記放
射導体板の縁との間に形成される結合容量とを減少させ
るように配置されかつ前記接地導体板と短絡されている
付加導体板と、を備えた構成を有している。

【００１３】

【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。図１は、本発明によるアンテナの一実施例を示す概
略図である。図１において１は接地導体板、２は放射導
体板、３は給電ピン、４は短絡板、５は給電用コネクタ
、６は放射板と容量結合させるための導体板、８は誘電
体である。図１のように放射導体板２の端部と近接して
導体板６を入れることにより、人体と放射導体板２の端
部との間の容量結合をおこりにくくし、結合したとして
も容量を小さいものにすることができる。導体板６は、
図１の側面から見た場合に図２（ｂ）の形をしていて、
導体板下部は穴をあけている。これは、アンテナの指向
性になるべく影響を与えないためであるが、穴をあけな
くても効果は変わらない場合もある。放射導体板の端部
とこの導体板６の間には、誘電体８が充填されていて、
容量結合を大きくし、人体の影響に対してより、安定さ
せると共に導体板６と放射導体板２をしっかりと固着さ
せることによって、振動に対して強い構造にしている。 ここで放射導体板２と導体板６の間の容量を大きくする
ことの効果を述べる。説明のための略図を図６（ａ）（
ｂ）に示す。ここで７は人体を示す。Ｃ１　は放射導体
板２と導体板６の間の容量、Ｃ３　は放射導体板２と人
体７の間の容量である。Ｃ１　に対してこれを大きくし
た場合の容量をＣ２　とする。ここで人体が近接してい
ない場合、放射導体板２と導体板６の間の容量をＣ１　
，Ｃ２　とした時、Ｃ′１　，Ｃ′２　をそれぞれアン
テナ全体の容量とする。逆Ｆアンテナの共振周波数は、
前述したように１／２π（ＬＣ）１／２　であるので、
所望の周波数をｆとおくと、ｆ＝１／２π（ＬＣ′１　
）１／２　＝１／２π（Ｌ′Ｃ′２　）１／２　となる
。但しＣ１　＜Ｃ２　のためＣ′１　＜Ｃ′２　であり
、Ｌ＞Ｌ′である。ここで、人体が近づいた場合、容量
はそれぞれＣ′１　＋Ｃ３　，Ｃ′２　＋Ｃ３　となる
が、共振周波数も変化しｆ′１　＝１／２π｛Ｌ（Ｃ′
１　＋Ｃ３　）｝１／２　，ｆ′２　＝１／２π｛Ｌ′
（Ｃ′２　＋Ｃ３）｝１／２　となりｆ′１　＜ｆ′２
　である。 容量Ｃ１　，Ｃ２　のときの周波数の変動をΔｆ１　，
Δｆ２　とすると、ｆ′１　，ｆ′２　＜ｆでありΔｆ
１　＝｜ｆ′１　−ｆ｜，Δｆ２　＝｜ｆ′２　−ｆ｜
とすると、Δｆ１　＞Δｆ２　であり、容量がＣ２　の
ときの方が安定している。 尚、導体板６をつけて容量結合をすると、つけない時と
比べて共振周波数が下がるが所望の周波数にするための
調整は製作時に行う。

【００１５】ここでは、放射導体板の端部と導体板の間
は、誘電体にしたが、他に非導体，空気でもよい。

【００１６】図３には、本発明による逆Ｆアンテナと従
来の逆Ｆアンテナを携帯無線機上部にとりつけ、送信し
た時の水平面内の指向性の測定データを示す。図３（ａ
）は、受信アンテナが水平（水平偏波）、（ｂ）は受信
アンテナが垂直（垂直偏波）の場合である。携帯無線機
は実際に使用者が通話する状態（垂直方向に対して携帯
無線機を６０°傾けた状態）に右手で持ち、この時の正
面方向をθ＝０°とし、使用者を右まわりに回転させて
測定した。電界強度は図３（ｂ）の最大値で規格化し、
ここを０ｄＢとした。図３■，■は全く同じ構成の逆Ｆ
アンテナで、■は導体板６を付けたもの、■は付けてい
なものを示す。この図からも明らかなように、本発明は
垂直，水平の両偏波において改善効果があり、これは特
に水平偏波において著しい。垂直偏波においては、２〜
８ｄＢ、水平偏波においては０〜１０ｄＢの改善が見ら
れた。又、人体が近接していない場合には、図には示し
ていないが、図３よりも大きな電界強度となり、■，■
における差は殆どなかった。

【００１７】図４に他の実施例を示す。放射導体板の端
部を覆うように導体板６を配置し、放射導体板２との間
は、誘電体８が充填されている。しかしこの部分は、空
気でもよい。このようにすると、放射導体板２と人体の
間に容量を形成しにくくなるので携帯無線機を人体に近
づけた時に、アンテナが人体の影響をより一層受けにく
くなる。又、このようにすることによって、導体板６の
高さをそれほど高くすることなく、効果を得ることがで
きる。

【００１８】尚、本発明は、逆Ｆアンテナを中心に説明
しが、逆Ｆアンテナに限らず、放射導体板２と接地板１
を有する他の平面アンテナ、例えばマイクロストリップ
アンテナ，トップロード形モノポールアンテナ（図５）
にも適用することができる。この場合各放射導体板２の
端面形状に対応して、導体板６の形状を近似させる等の
変形応用が可能なことは明らかである。また図２（ｂ）
に示したように、導体板６の接地板１との接合部は複数
あっても良いことは明らかである。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明では放射導
体板の端部に近接して接地板に短絡した導体板を設ける
ことにより、放射導体板端部と人体の間の容量結合の影
響を少なくしこの人体の影響による所望周波数のＳＷＲ
の悪化を防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す斜視図（ａ）及び側面図
（ｂ）である。

【図２】本発明に用いる導体板の構成例を示す正面図で
ある。

【図３】本発明による逆Ｆアンテナと従来の逆Ｆアンテ
ナによる水平面内の指向性特性図である。

【図４】本発明の他の実施例を示す正面図（ａ）及び側
面図（ｂ）である。

【図５】本発明を適用するトップロード形モノポールア
ンテナの１例を示す斜視図である。

【図６】本発明の原理を説明するための略図である。

【図７】従来の逆Ｆアンテナを示す斜視図である。

【図８】従来の逆Ｆアンテナを示す斜視図である。

【図９】従来の逆Ｆアンテナの等価回路図である。

【図１０】従来の携帯無線機の外観を示す斜視図である
。

【図１１】従来の携帯無線機の外観を示す斜視図である
。

【符号の説明】

１　　接地導体板 ２　　放射導体板 ３　　給電ピン ４　　短絡板 ５　　給電用コネクタ ６　　導体板 ７　　人体 ８　　誘電体 ９　　伝送線路 １０　　容量 １１　　導体突出部 １２　　受話器 １３　　操作部 １４　　送話器 １５　　逆Ｆアンテナ放射板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　平坦面を有する接地導体板と、該接地
   導体板に外部導体を接続し中心導体を給電に用いる給電
   線と、前記接地導体板の平坦面との間に一定の間隙を形
   成し前記給電線の中心導体を接続してなる放射導体板と
   、前記接地導体板と前記放射導体板とを短絡する短絡板
   と、近接してくる外部物体と前記放射導体板の縁との間
   に形成される結合容量とを減少させるように配置されか
   つ前記接地導体板と短絡されている付加導体板と、を備
   えた携帯無線機用平面アンテナ。