JPH0428953B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はサーボピストン室の中を移動し得るサ
ーボピストンの形状をもちサーボピストンの一端
にかかる負荷を除くことによつて作動する弁体を
備えた安全弁と、所定の力によつて閉鎖方向に押
されかつ前記所定の力に対応するシステム圧力に
応答して開く補助弁とを有し、安全弁の弁体を制
御する装置に関する。

この種の既知の装置では、安全弁によつて制限
されるべきシステム圧力は補助弁に直接作用し、
補助弁に加えてリリーフ弁が設けられている。リ
リーフ弁は絞り通路を介して相互に連通する第１
の室と第２の室に区画するプランジヤに堅く結合
され、前記第１の室は補助弁の開放に伴なつて制
限されるべきシステム圧力を受け、その結果リリ
ーフ弁は開く。この装置はその応答点の周りでハ
ンチングを起す傾向があり、安全弁の不正確で遅
れた開放を生じ、又一定しない圧力で同様な閉鎖
が起ることがあり得ることが見出されている。

応答点でハンチングを生じたり振動を起したり
せず従つて安全弁が正確かつ確実に開閉する装置
を与えることが本発明の目的である。

この問題は特許請求の範囲第１項の特徴部分に
記載された構成によつて解決され、これにより装
置の構造が簡単となり、従つて従来の装置より信
頼性があるという追加の効果が得られる。

本発明は図面に示す２つの実施例を参照してよ
り詳細に記述される。

３つの図面の縮尺はある部分においては非常に
ゆがめられている。今後使用される場所の記述は
図面を参照し関係部材はどの方向においても事実
上物理法則に従つて配置される。

第１図を参照して、過圧保護を必要とする蒸気
管路１は主として弁ケーシング３とサーボピスト
ンの形をした弁体４とから成る安全弁２で終る。

ばね５が弁体４を弁座６に押付ける。弁体４の
壁には絞り孔８が形成され、この絞り孔８を通し
て管路１内の蒸気が弁体４の上のサーボピストン
室７の中に流れることができる。その結果ばね５
と共にサーボピストン室７内の蒸気圧力が弁体４
をその弁座６に押付け弁２が密閉される。

本発明による装置１０は２つの区画１２，１３
を備えたケーシング１１を有する。区画１２の中
にはプランジヤ１５が配置され、該プランジヤ１
５は区画１２を第１の室１８と第２の室１９とに
分割する。プランジヤ１５の底にある短かい突起
２０が室１８の底端面２１に接触するようになつ
ている。長い上方に伸びる突起２４がプランジヤ
１５の頂部からプランジヤと同軸に延びている。
第１の室１８は管路２６を経て蒸気管路１、即ち
安全弁２が過圧保護を意図する室と連通してい
る。第２の室１９は管路２８を経て弁ケーシング
３のサーボピストン室７と連通している。区画１
２と１３の間の壁３０には孔３２が形成され、こ
の孔３２の区画１３に近い方の端部は補助弁３９
に対する弁座として作用する。補助弁３９は弁体
３６を有し、この弁体３６を区画１３内に収容さ
れたばね３８が弁座に押付ける。区画１３はケー
シング１１に明けたオリフイス４０を通して大気
と連通する。

第２図を参照して、補助弁３９の弁座の直径
ｄ、従つて室１９内の圧力を受ける弁体３６の面
の直径はプランジヤ１５の直径Ｄより可成り小さ
い。

又長い突起２４の端面とこれに隣接する弁体３
６の端面との間には小さい〓間Ｓがある。

装置１０は次のように作動する。安全弁２が一
部を形成しているプラントが正常に作動している
とき、管路１内の蒸気は管路２６を通して第１の
室１８の中に入り、そして前述の通り、絞り孔８
の通して弁体４の上のサーボピストン室７に入
り、更にそこから管路２８を通して第２の室１９
の中に入る。プランジヤ１５は蒸気圧力に関する
限りは平衡しており、かくしてプランジヤ１５は
その底にある突起２０を介してケーシング１１の
底端面２１に係合している。プランジヤ１５の上
の第２の室１９の圧力はばね３８の力に坑して弁
体３６を持ち上げるには低過ぎる。

蒸気管路１における圧力がゆつくりと上昇する
とき、孔８により作られる絞り通路によつて惹起
されるプランジヤ１５を横切る圧力差は初めはプ
ランジヤ１５を持ち上げるには不十分である。し
かしながら、安全圧力に到達するとき、弁体３６
が上昇し蒸気が室１９から区画１３の中に流れ
る。

その結果、室１９内の圧力は減少するので弁体
３６に作用する持ち上げ力は減少する。しかしな
がら室１９内の圧力減少は更に、プランジヤ１５
が上昇し、そしてプランジヤ１５の面積がより大
きいため、〓間Ｓを埋めた後弁体３６の持ち上げ
力の損失を埋め合せ補助弁３９を更に開くという
効果をもつ。従つて安全弁２のサーボピストン室
７内の圧力は降下するので弁座６の外側の弁体４
の環状表面に作用する圧力がばね５の力に打勝ち
安全弁２が開く。

直径ｄおよびＤは管路１内の蒸気圧力が臨界値
以下に落ちた後、弁体３６が振動することなく降
下するような寸法になされる。その結果サーボピ
ストン室７の圧力が上昇し安全弁２を閉鎖する。

この作動の記載が示すように、絞り孔８は装置
１０と安全弁２の両方に対して仕事を果す作用を
有し、ここでは装置１０と安全弁２の両者の一部
分と考えられる。

安全弁２が確実に作動するためには、絞り孔８
は弁体４の直径に対して十分に大きくなければな
らない。この要求は直径ｄ，Ｄの寸法を明確にす
ることを必要とする。もし安全弁２が例えば300
mmの直径の大きな弁座をもつているなら、第１図
に示す種類の装置は非常にかさばつた高価なもの
になるであろう。そのような場合には第３図に示
すような装置１０を作ると便利である。

第３図に示す実施例は、特に増巾弁４２が存在
することと、装置１０が安全弁２のカバー４４の
中に一体化されていることによつて第１図に示す
実施例と異なつている。又補助弁３９の弁体３６
はカラー３７をもつており、カラー３７は区画１
３の円筒壁と協働して直径ｄ（第２図参照）によ
つて示される補助弁の横断面から上に環状空所を
形成する。環状空所の効果は弁体３６が最初に持
ち上がつたとき、蒸気がカラー３７の下の環状空
所の中に入り、追加の開放力を生じかくして弁の
開放運動を加速することである。このように弁３
６にカラー３７を設け弁の開放運動を加速する効
果を与えることは第１図に示す実施例にも適用す
ることが可能である。

２つの実施例の間の更に他の相違は第１の室１
８の中にばね１６が存在することであり、ばね１
６は旋削によりばね１６を受け入れかつプランジ
ヤ１５そのものの重量を減ずるように働らく凹所
１７を形成されたプランジヤ１５に作用する。ば
ね１６により与えられる効果はプランジヤ頂部の
突起２４と弁体３６の間の〓間Ｓを不必要にする
ことであり、この特徴は、プランジヤ１５の重量
減少と一緒になつて、安全弁の応答速度を増加す
る。

第３図の実施例においては、第１図における１
個の絞り孔８によつてなされた２つの作用は２つ
の絞り孔８，８′に分けられる。装置１０の絞り
孔８は第３図においては管路２６と２８の間の管
路２９に配置され、一方絞り孔８′は第１図と同
じ場所にある。

増巾弁４２は、弁体４の上の弁ケーシング３内
のサーボピストン室７とダクト６０を経て連通す
る環状供給室４７をもつたシリンダー孔４６内に
配置されたピストン５０を有する。ピストン５０
は旋削により室１９に向つて開く円筒形凹所５２
を形成されそしてその他端に円錐形に加工された
部分５３を有する。部分５３が合体する端面５４
は弁体としてカバー４４における弁座面５６と協
働し、弁座面５６は放出ダクト５８に連なりピス
トン５０が開放位置にあるとき、ダクト５８は環
状供給室４７と連通し、そしてオリフイス４０と
同様に、大気まで延びている。第３図に示す装置
は次のように作動する。

通常の作動において、圧力蒸気が管路１内にあ
り、そして圧力蒸気は絞り孔８′を通してサーボ
ピストン室７に入り、更にダクト６０を通して環
状供給室４７に入る。また圧力蒸気は管路２６を
通して室１８にまた絞り孔８と管路２８を通して
室１９とシリンダー孔４６とに入る。蒸気は流れ
ないので、何らかの圧力変化がない限りこれ等の
全て室には圧力差がない。その結果可動弁体４，
５０，３６はそれ等の弁座上に静止している。

管路１における蒸気圧力が増大するとき補助弁
３９の弁体３６が上昇する。蒸気が補助弁３９を
通して放出されるので、室１９内の圧力は減少
し、従つてプランジヤ１５が上昇し弁体３６に追
加の開放力を加える。更に他の追加の開放力が弁
体３６のカラー３７に作用する蒸気によつて与え
られる。

室１９における連続的な圧力減少のために、ピ
ストン５０に作用する閉鎖力は減少し、一方蒸気
の全圧力が管路１から円錐加工部５３の表面に作
用する。このように円錐加工部５３に作用する開
放力は最終的にピストン５０の他の側に作用する
閉鎖力に打勝つのでピストン５０はその弁座５６
から離れる。開放される弁の断面積は絞り孔８′
の断面積に比べて非常に大きいので、安全弁２は
非常に早く開く。

管路１内の蒸気圧力が構造的考慮によつて決ま
る安全弁２の開放圧力より低い限界値以下に落ち
たとき、補助弁３９は閉鎖する。従つて室１９と
シリンダー孔４６内の圧力は上昇し、その後ピス
トン５０は閉鎖する。管路１内の蒸気圧力が絞り
孔８′を経てサーボピストン室７に入る圧力と等
しくなるので弁体４は再び閉鎖位置に動く。

装置１０は多くの方法で変更できる。例えば、
ばね３８は重量を追加することによつて置き換え
ることができ、―装置の逆の形において―ばね１
６はプランジヤ１５の自重によつて置き換えるこ
とができる。装置によつてとられる空間を減少す
るために部品のあるものは互いに入れ子にするこ
とができる。装置１０の種々の要素は装置の作動
上の信頼性を増すために重複するように２重にす
ることができる。

上述した２つの実施例からの変形として、補助
弁３９の弁体３６の上昇運動が検出器によつて検
出され、サーボピストンの一端の負荷除去がこの
特徴によつて、例えばサーボピストン室７に接続
された別の弁を作動することによつて引起される
ようにすることもできる。

本発明は他の安全弁に対しても有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による装置とこの装置に接続さ
れた安全弁の垂直断面図、第２図は第１図の一部
の拡大図、第３図は大型の安全弁に対する本発明
による装置を縮少して示す断面図である。 １……蒸気管路、２……安全弁、４……弁体、
７……サーボピストン室、８，８′……絞り孔、
１５……プランジヤ、１８……第１の室、１９…
…第２の室、２６，２８，２９……管路、３６…
…弁体、３７……カラー、３９……補助弁、４２
……増巾弁、４６……ピストン室、５０……ピス
トン、５６……弁座、５８……放出口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 安全弁２の弁体４を制御する装置にして、前
   記弁体４はサーボピストン室７の中を移動し得る
   サーボピストンの形状をもつと共にサーボピスト
   ンの一端にかかる負荷を除くことによつて作動す
   るようになつており、更に前記装置はその弁体３
   ６が所定の力によつて閉鎖方向に押されかつ前記
   所定の力に対応するシステム圧力に応答して開く
   補助弁３９を有する装置において、プランジヤ１
   ５が前記補助弁３９と組合されプランジヤの置か
   れた区画内を絞り通路８を介して相互に連通する
   第１の室１８と第２の室１９とに分割し、前記第
   １の室１８は前記安全弁２が過圧保護を意図する
   室１と直接連通し、前記第２の室１９は前記補助
   弁３９の流入側と連通し、前記補助弁３９の弁体
   ３６に前記プランジヤ１５を積極的に作用させる
   部材２４が該プランジヤ１５に設けられ、前記プ
   ランジヤ１５の横断面積は前記第２の室１９の圧
   力を受ける前記補助弁３９の弁体３６の横断面積
   より大きく、前記第２の室１９と前記サーボピス
   トン室７の間に管路２８が設けられていることを
   特徴とする安全弁の弁体を制御する装置。 ２ 安全弁２の弁体４を制御する装置にして、前
   記弁体４はサーボピストン室７の中を移動し得る
   サーボピストンの形状をもつと共にサーボピスト
   ンの一端にかかる負荷を除くことによつて作動す
   るようになつており、更に前記装置はその弁体３
   ６が所定の力によつて閉鎖方向に押されかつ前記
   所定の力に対応するシステム圧力に応答して開く
   補助弁３９を有する装置において、プランジヤ１
   ５が前記補助弁３９と組合されプランジヤの置か
   れた区画内を絞り通路８を介して相互に連通する
   第１の室１８と第２の室１９とに分割し、前記第
   １の室１８は前記安全弁２が過圧保護を意図する
   室１と直接連通し、前記第２の室１９は前記補助
   弁３９の流入側と連通し、前記補助弁３９の弁体
   ３６に前記プランジヤ１５を積極的に作用させる
   部材２４が該プランジヤ１５に設けられ、前記プ
   ランジヤ１５の横断面積は前記第２の室１９の圧
   力を受ける前記補助弁３９の弁体３６の横断面積
   より大きく、一方の側において前記第２の室１９
   と連通し他方の側において前記サーボピストン室
   ７と連通するピストン室４６内を移動するピスト
   ン５０をもつた増巾弁４２が設けられ、前記増巾
   弁４２のピストン５０は前記サーボピストン室７
   の近くにおいて前記増巾弁４２のピストン室４６
   と放出口５８との間に配置された弁座５６と相互
   作用し、前記放出口５８は前記補助弁３９の開放
   後ピストン５０によつて開放されることを特徴と
   する安全弁の弁体を制御する装置。 ３ 前記補助弁３９の弁体３６はカラー３７を備
   えていることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   または第２項記載の装置。