JPH04289278A - 表面平滑性の良好な皮革様シート状物の製造法 - Google Patents

表面平滑性の良好な皮革様シート状物の製造法

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JPH04289278A
JPH04289278A JP8174191A JP8174191A JPH04289278A JP H04289278 A JPH04289278 A JP H04289278A JP 8174191 A JP8174191 A JP 8174191A JP 8174191 A JP8174191 A JP 8174191A JP H04289278 A JPH04289278 A JP H04289278A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、柔軟性が良好で、剥離
強力に優れた、毛羽欠点の少ない表面平滑性の優れた皮
革様シート状物の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、表面に多孔質層を有する皮革様シ
ートの製造において、表面平滑で毛羽(コート層に基体
層の繊維が突き上げたもの)の少ない皮革様シートを得
るために、その繊維質基体層を平滑化し、そのうえで表
面多孔質層のコーティング処理などを施す方法が知られ
ている。例えば、繊維質基体をPVAなどでのりづけ固
定し、表面をバフィング処理し平滑化する方法が特公昭
48−12961号公報、特公昭52−18241号公
報に、基体表面の繊維を熱融着した後、含浸、凝固し平
滑な皮革様シートを得る方法が特公昭53−22121
号公報に、不織布表面に樹脂を塗布し、ドラムに圧着乾
燥して平滑化した後、表面塗布樹脂の非溶媒に溶解した
樹脂を含浸あるいはコート塗布する方法が特開昭49−
118303号公報、特公昭57−29590号公報に
それぞれ提案されている。
【0003】しかし、従来の技術では、バフィング処理
による平滑化においては、表面平滑な皮革様シートが得
られるものの、表面繊維が切断されているため引張り強
力が弱くなったり、コート層と基体層との間の剥離強力
が低くなるなどの問題がある。一方、表面繊維を融着し
た場合には、融着点が多すぎると硬くなり、少ないと表
面平滑性が不良となり、製造上不安定であるという問題
があった。また、樹脂による毛羽押え法でも、表面樹脂
として、コート塗布組成液に不溶あるいは膨潤度の小さ
い樹脂を使用した場合には、表面樹脂とコート層樹脂と
の接着が不充分であり、高い剥離強力が得られにくいと
いう問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決するためになされたものであって、本発明の目
的は柔軟性が良好で、剥離強力に優れた、毛羽欠点の少
ない、表面平滑性の優れた皮革様シート状物を提供する
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、繊維質基材表
面に弾性ポリマーを主体とする高分子重合体の多孔質層
の積層された多孔質シート状物を製造する方法において
(1)見掛け密度0.15〜0.40g/cm3の不織
布の表面に、フイルムにした場合の100%伸長応力が
15〜85kg/cm2であり、室温でN,N−ジメチ
ルホルムアミドに可溶性であるポリウレタンを主体とし
た溶液または分散液を塗布・乾燥することにより、ポリ
ウレタンの被膜で表面の70〜95%を被覆し毛羽伏せ
する工程、(2)不織布の毛羽伏せされた面を上面とし
て、下面側からポリウレタンを主体とする樹脂の、溶剤
にN,N−ジメチルホルムアミドを含む粘度が30ポイ
ズ以下の溶液を含浸する工程、(3)毛羽伏せされた不
織布の上面からポリウレタンを主体とする樹脂の、溶剤
にN,N−ジメチルホルムアミドを含む粘度が80ポイ
ズ以上の溶液をコート塗布する工程、(4)ポリウレタ
ンの非溶剤を含む溶剤中で該含浸及び塗布されたポリウ
レタン溶液を凝固し、乾燥する工程、を順次行なうこと
を特徴とする表面平滑性の良好な皮革様シート状物の製
造法である。
【0006】本発明の方法に用いられる不織布は、一成
分または複数成分の合成繊維に、場合によっては天然繊
維または再生繊維を加えて、3次元的に絡合させた不織
布であり、ニードルパンチおよびバインダー樹脂の有無
は問わない。不織布を構成している合成繊維は単一組成
よりなる繊維に限るものではなく、数種類のポリマーを
混合紡糸あるいは複合紡糸した繊維であってもよい。数
種類のポリマーを混合紡糸あるいは複合紡糸した極細繊
維発生型繊維を用いる場合には繊維を極細化した不織布
に本方法を実施してもよく、また、本方法実施後に極細
繊維化処理を行なってもよい。ポリウレタンを凝固後に
極細繊維化処理を行なえばより柔軟な皮革様シートとす
ることができる。
【0007】繊維に用いられるポリマーとしては、ポリ
アミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリウレタンなどが挙げられる。単一組成よ
りなる繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレートなどのポリエステルや、これ
らポリエステルに芳香族または脂肪族ジカルボン酸、又
はグリコールを共重合したコポリエステルを溶融紡糸し
、ついで60〜65℃の温水中で1.5〜3.0倍に延
伸し、65℃以下で乾燥することによって得られる高収
縮性繊維、およびポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレートなどのポリエステルや、これらポ
リエステルに芳香族または脂肪族ジカルボン酸、又はグ
リコールを共重合したコポリエステルを溶融紡糸し、つ
いで60〜65℃の温水中で2〜4倍に延伸し、ついで
85〜95℃の温水中で熱処理し、100℃以下で乾燥
することによって得られる潜在自発伸長性繊維などのポ
リエステル系繊維または6−ナイロン、66−ナイロン
などから得られるポリアミド繊維が好ましい。多成分系
の繊維としては、ポリエチレンとポリアミド(ナイロン
−6)を混合紡糸あるいは複合紡糸した繊維、ポリエチ
レンとポリエチレンテレフタレートを混合紡糸あるいは
複合紡糸した繊維またはポリウレタンと末端アミノ基を
封鎖したナイロン−6を複合紡糸した繊維などが好まし
い。
【0008】本発明の方法が適用される不織布の密度は
0.15〜0.40g/cm3、好ましくは0.20〜
0.35g/cm3であって、ニードルパンチング、液
体あるいは気体の噴出による3次元絡合処理を行ない、
必要により更に温水中での収縮処理およびシートを加熱
してから金属ロールでプレス処理することにより、所定
の密度にできる。該不織布の密度が0.15g/cm3
以下では本発明の方法を適用しても表面の凹凸を完全に
消し難く、逆に0.40g/cm3より大きい場合には
、製品としての風合いが硬くなると共に、後工程での含
浸性が不良になり、加工速度の低下など生産性に支障を
きたすので好ましくない。
【0009】次いで、不織布の表面に塗布するポリウレ
タンは、フイルムにした場合の100%伸長応力が15
〜85kg/cm2であり、該フイルムが室温でDMF
に可溶性のポリウレタンである必要がある。このような
ポリウレタンとしては実質的に線状の一液型の溶液型ポ
リウレタン、水に乳化分散された水分散型ポリウレタン
またはイオン性を有するコロイド分散した水溶性ウレタ
ン樹脂などが挙げられ、単独または2種以上混合して使
用することができる。
【0010】フイルムにした場合の100%伸長応力が
15kg/cm2未満のポリウレタンを用いると塗布面
の粘着性が大きくなり、塗布時および後加工時の作業性
に影響を及ぼす。また、100%伸長応力が85kg/
cm2を越えるポリウレタンを用いると、風合いが硬く
なると共に耐屈曲性が悪くなるので好ましくない。また
、使用するポリウレタンとしては、後工程での加工性の
面から、実質的に線状の一液型のポリウレタンが好まし
く、二液型のポリウレタンあるいは自己架橋型のポリウ
レタンを併用する場合には、DMFで膨潤しやすいよう
に架橋剤の量を調節する必要がある。
【0011】該ポリウレタンを不織布表面に付与するに
は、DMF、メチルエチルケトン、トルエン、イソプロ
ピルアルコール、酢酸エチルなどの溶剤溶液または、浸
透剤、消泡剤、増粘剤などを含んだエマルジョンの形で
用いることができる。不織布表面への付与量は、不織布
の構成繊維、目付け、比重および得られる基材の使用目
的によって決定されるが、乾燥することによりポリウレ
タンの被膜で表面の70〜95%が被覆されることが重
要であり、塗布量の目安としては、固型分で10g/m
2〜50g/m2、より好ましくは15g/m2〜35
g/m2である。ポリウレタンの被膜の被覆面積が70
%未満では毛羽押え不良となり、95%以上では後工程
での含浸が困難であり、剥離強力の低下および加工速度
の低下など生産性に支障をきたすので好ましくない。
【0012】該ポリウレタン被膜は無孔の連続被膜では
なく、上記の被覆率を有する不連続または開口部を有す
る連続被膜であり、被膜部の厚みは均一であることが好
ましい。該ポリウレタンを不織布表面に付与する方法は
、離型紙フイルムの上にコンマコーターなどで所定量塗
布した後、ウエット状態で不織布を接着しプレスした後
乾燥する方法、またはグラビア塗布、スプレー吹き付け
、リバースコーター塗布などにより不織布表面に直接塗
布し、ホットロールプレス、熱ドラム、ステンレスベル
トマシーンなどにより乾燥平滑化する方法などがある。 この際、ホットロールプレス、熱ドラムなどの表面にシ
リコーン、テフロンなどの離型性の良好な樹脂をコーテ
ィングすることは、平滑面を得る上でより効果的である
【0013】次いで、該不織布に含浸する樹脂としては
、不織布に人工皮革用基材として必要な機械的強さ、耐
屈曲性、風合いを満足させ得る上でポリウレタン樹脂が
最も好ましい。本発明において使用するポリウレタンエ
ラストマーは分子量600ないし5000のポリマーグ
リコールと有機ジイソシアネートおよび分子量500未
満でかつ活性水素原子を2個有する低分子化合物からな
るポリウレタンであり、公知の手段で重合させることに
よって製造できる。ポリウレタンエラストマーの溶剤と
してはDMF、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルス
ルホキシドなどが使用できるが、DMFが最も好ましい
【0014】通常の両面含浸方法を採った場合には、不
織布表面に塗布したポリウレタン被膜が含浸液の溶剤で
溶解し表面が毛羽立って来るため、本発明では、含浸方
法としては毛羽伏せされた不織布の面を上面として、反
対側の下面から該含浸液をフラットロールまたは台形ま
たは斜線のグラビアロールを用いてすり込み含浸する方
法が好ましい。含浸液としては、含浸液温度における粘
度が30ポイズ以下の溶液、より好ましくは20ポイズ
以下の溶液であり、かつ溶剤としてDMFを少なくとも
50%以上含むことが必要である。粘度が30ポイズを
越えると、粘度が高すぎるため浸漬ぬれ抵抗が大きくな
り、下面からの含浸が困難になる。溶剤としてのDMF
が50%未満では不織布表面に塗布したポリウレタン被
膜の溶解が不充分であり、基体層と該ポリウレタン被膜
樹脂との接着が不良となり、剥離強力が低下する。該不
織布において、ポリウレタンの被膜の被覆面積が70%
〜95%である必要があるのも同様の下面からの含浸加
工性のためである。すなわち、被覆面積が70%未満で
は毛羽伏せ効果が少なく、95%を越えると含浸時の基
体層に含まれている空気の抜けが悪くなり、含浸時間を
長くする必要があり、結果として被覆膜が溶解し過ぎて
全体に毛羽立ってしまうことになる。
【0015】表面コート塗布用のポリウレタンは、分子
量600ないし5000のポリマーグリコールと有機ジ
イソシアネートおよび分子量500未満でかつ活性水素
原子を2個有する低分子化合物からなるポリウレタンで
あり、必要性能に応じて組成を変更して、公知の手段で
重合させることによって製造できる。ポリウレタンエラ
ストマーの溶剤としてはDMF、ジエチルホルムアミド
、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、ジメチルスルホキシドなどが好ましいが、DMF
が最も好ましい。コート塗布液としては、コート塗布液
温度における粘度が80ポイズ以上の溶液、より好まし
くは100ポイズ以上の溶液であり、かつ溶剤としてD
MFを少なくとも50%以上含むことが必要である。 粘度が80ポイズ未満になると粘度が低すぎ基体層への
沈み込みが激しくなり、均一な厚さの平滑面として得ら
れない。溶剤としてのDMFが50%未満では不織布表
面に塗布したポリウレタン被膜の溶解が不充分であり、
コート層と該ポリウレタン被膜との接着が不良となり、
剥離強力が低下する。コート塗布液の塗布は、ナイフコ
ーター、コンマコーター、リバースコーターなど通常の
塗布方法で実施できる。また、含浸組成液および塗布組
成液には、各種の凝固調節剤、顔料、酸化防止剤、耐光
安定剤などの添加剤を目的に応じて添加してもよい。
【0016】コート塗布液の塗布量は指向する製品によ
って任意に選べばよいが、本方法においては、ポリウレ
タン被膜の効果により、ポリウレタンを含浸した不織布
の表面平滑性がよくなり、また、塗布液の浸透も少ない
ため、塗布量を少なくすることができる。このためコー
ト層の厚みを薄くでき、ゴム反発が少なく天然皮革に極
めて類似した風合いの銀付き製品が得られる。
【0017】凝固液としては重合体の溶剤と少なくとも
部分的に混和する重合体の非溶剤を用いる。水、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノールなどが凝固浴とし
て使用し得るが、経済性の面からは水が最も有利である
。また、重合体の溶剤が混合されているものも凝固浴と
しては好適である。得られた皮革様シート状物は必要に
応じて繊維の極細化処理を行ない、着色、仕上げ層の付
与、エンボス加工、揉みシボ付けなどの仕上げ処理を行
なって皮革様シートに仕上げられる。
【0018】
【作用】本発明においては、ポリウレタン薄層で大部分
が被覆され毛羽伏せされた不織布に特定粘度の含浸液を
下面より含浸し、次いで特定粘度のコート塗布液をコー
ト塗布し湿式凝固するものである。毛羽伏せ用のポリウ
レタンは下面より含浸された含浸液に含まれるDMFを
吸収して溶解するが、十分な流動性を有するまでには至
らず不織布表面の毛羽は依然として押さえられたままで
ある。更に、特定粘度のポリウレタン溶液をコート塗布
するが、下層に平滑で高粘度のポリウレタン溶液層があ
るため、薄いコート層を付与することにより表面平滑性
、特に毛羽の少ない皮革様シート状物を合理的な製造方
式で得られる。しかも、毛羽伏せ用ポリウレタン被覆層
は含浸液およびコート塗布液に含まれる共通溶剤により
適度に溶解するために、コート層と被覆層および含浸層
との相容性がよく接着性が良好となり、剥離強力の高い
皮革様シート状物が得られる。
【0019】
【実施例】次に、本発明の実施態様を具体的な実施例で
説明する。なお、実施例中の部および%はことわりのな
い限り、重量に関するものである。なお、本発明におけ
る製品の測定方法は以下の方法による。 (1)100%伸長応力:50〜100μmの乾式被膜
を作成し、試料を2.5cm巾に切り出し、試料長5c
mとし、10cm/分の速度で引張り、100%伸長時
の強力を試料の厚みと巾で割った商である。 (2)DMF溶解性:50〜100μの乾式被膜をDM
F中(浴比約1:100)に室温で15分浸漬した時の
溶解率を次の基準で評価した。 ○…溶解率95%以上(未溶解固形分5%未満)△…溶
解率50%以上95%未満(未溶解固形分5%以上50
%未満) ×…溶解率50%未満(未溶解固形分50%以上)
【0
020】(3)被覆率:表面被覆された繊維質基体を走
査型電子顕微鏡写真で観察し、不織布表面の被覆率を実
測して測定した。 (4)風合い:官能評価により3段階に評価した。 ○…ソフト、ゴム感小、△…やや硬め、×…硬い、ゴム
感大 (5)表面平滑性:毛羽欠点の程度、凹凸感を視覚判定
し、3段階に評価した 。 ○…毛羽欠点ほとんどなし、凹凸感なく平滑性良好△…
毛羽欠点少しあり、凹凸感ややあり×…毛羽欠点多発、
凹凸感激しい
【0021】(6)剥離強力:表面清浄なクレープゴム
板および220(タテ)×25(ヨコ)mmの試験片の
コート面の2/3位まで、ウレタン系の接着剤をコーテ
ィングし接着後プレス圧着した試料の先端部を180度
に折り曲げ、引張り速度100mm/分で引張り、剥離
し、平均値を読みとる。 (7)含浸性:含浸液の浸透状態および不織布表面塗布
被膜の溶解性を視覚判定し、○、△、×の3段階により
評価した(○が最も良い)。 (8)コート塗布均一性:含浸・凝固後の断面から基体
へのコート塗布液の沈み込み状態およびコートスポンジ
の厚み均一性を測定し、○、△、×の3段階により評価
した(○が最も良い)。
【0022】実施例−1 島成分が6−ナイロン50部、海成分が高流動性のポリ
エチレン50部からなる、単糸繊度4.5デニール、5
1mmの極細繊維束繊維発生型多成分繊維(以下多成分
繊維という)のステープル繊維を用いて、カード、クロ
スラッパー、ニードルパンチの各工程を通した後、加温
して海成分のポリエチレンを溶融熱固定して、見掛密度
0.285g/cm3の繊維絡合不織布とした。この繊
維絡合不織布の片面に、室温でDMFに可溶性のアイオ
ノマー型水性ウレタン樹脂であるハイドランHW−31
2B(大日本インキ化学工業(株)製、100%伸長応
力32kg/cm2)の30%水分散液を50メッシュ
斜線グラビアロールにて塗布した後、140℃熱ドラム
上で1分間圧着乾燥することにより不織布表面にポリウ
レタン被膜を24g/m2有する表面平滑な繊維質基体
を得た。 この繊維質基体を走査型電子顕微鏡写真で観察すると、
不織布表面の85%が被覆されていた。
【0023】得られた繊維質基体のポリウレタン被覆し
た面を上にして、下面から、平均分子量が各々2000
のポリテトラメチレングリコール(以下PTMGと略記
する)およびポリブチレンアジペート(以下PBAと略
記する)の混合ジオール(混合比、60:40)、4,
4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDI
と略記する)およびエチレングリコール(以下EGと略
記する)からなる窒素含有率4.8%のポリエーテル系
ポリウレタン(I)の13%DMF溶液100部に、湿
式成膜助剤として、クリスボンアシスターSD−14(
大日本インキ化学工業(株)製)を2部添加した含浸液
(40℃における粘度8.2ポイズ)をロールすり込み
方式により繊維質基体の表面まで含浸し、次いで上面に
ポリエーテル系ポリウレタン(I)の21%DMF溶液
100部に、湿式成膜助剤として、クリスボンアシスタ
ーSD−7とSD−14(大日本インキ化学工業(株)
製)を各々1部添加したコート塗布液(40℃における
粘度105ポイズ)を固型分換算で120g/m2コー
ト塗布した後、DMF濃度30%、温度40℃の凝固浴
に浸漬して湿式凝固し、水洗して多孔質シート状物を得
た。
【0024】このシート状物を熱トルエン中で処理し、
多成分繊維のポリエチレン成分を溶解除去し、さらに洗
浄し、カチオン系処理剤分散液に浸漬処理して乾燥し、
6−ナイロン極細繊維束繊維の絡合不織布に多孔質ポリ
ウレタンが含有した基体層の上に、平滑な多孔質ポリウ
レタンの湿式スポンジコート層を有する多孔質シート状
物を得た。次いで、表面にグラビア、エンボスなどの仕
上げ処理を施し皮革様シート状物を得た。この皮革様シ
ート状物の表面平滑性および剥離強力を表1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】実施例−2〜3、比較例−1〜4実施例−
1のハイドランHW−312Bに変えて、各種の水分散
型のポリウレタンエマルジョン(大日本インキ化学工業
(株)製)を不織布の表面被覆用の樹脂として使用した
以外は実施例−1と同様に処理し、多孔質シート状物を
得て、表面平滑性および剥離強力を評価した結果を表1
に示した。表1の結果から明白なように、本発明の皮革
様シート状物は、表面平滑性が良好で毛羽欠点が少なく
剥離強力も安定的に高いが、比較例の皮革様シート状物
は、表面平滑性と剥離強力が両立するものは得られなか
った。
【0027】実施例−4 70℃の温水中での収縮率が30%のポリエチレンテレ
フタレート繊維(単糸繊度1.9デニール、長さ38m
m)を用いて、カード、ランダムウエバーを通し、クロ
スラップ法で積層して平均重量240g/m2の繊維ウ
エブとした後、繊維ウエブの両面から総パンチ密度80
0パンチ/cm2でニードルパンチを行ない、その後、
70℃の温水中に2分間浸漬して原面積の65%にまで
収縮させた。この収縮ウエブをベルトプレス乾燥機を用
い、重量が330g/m2、厚さが1.2mm、見掛け
密度0.275g/cm3の繊維絡合不織布を得た。
【0028】エナメルタイプの離型紙に、1液型の溶液
ポリウレタンであるクリスボンNB−130(大日本イ
ンキ化学工業(株)製、100%伸長応力65kg/c
m2)の30%の溶液(DMF/MEK=2/1)をコ
ンマコーターにて、溶液で100g/m2塗布(固型分
で30g/m2)した後、ウエット状態で、上記で得ら
れた繊維絡合不織布をプレスロールにて離型紙上のポリ
ウレタンにラミネートロールで接着し、130℃で2分
間乾燥することにより、表面にポリウレタンの被膜を有
する繊維質基体を得た。この繊維質基体を走査型電子顕
微鏡写真で観察すると、不織布表面の78%が被覆され
ていた。
【0029】得られた繊維質基体のポリウレタン被覆し
た面を上にして、下面から、1,9−ノナンジオールと
2−メチル−1,8−オクタンジオールとがモル比で5
0/50の割合で混合された混合ジオールとアジピン酸
から得られた平均分子量が2000のポリエステルジオ
ール(以下PNOAと略記する)、MDIおよびEGか
らなる窒素含有率3.2%のポリエステル系ポリウレタ
ン(II)の13%DMF溶液100部に、湿式成膜助
剤として、クリスボンアシスターSD−14(大日本イ
ンキ化学工業(株)製)を2部添加した含浸液(40℃
における粘度9.5ポイズ)をロールすり込み方式によ
り繊維質基体の表面まで含浸し、次いで上面に前記ポリ
エーテル系ポリウレタン(I)の21%DMF溶液10
0部に、湿式成膜助剤として、クリスボンアシスターS
D−7とSD−14(大日本インキ化学工業(株)製)
を各々1部添加したコート塗布液(40℃における粘度
105ポイズ)を固型分換算で120g/m2コート塗
布した後、DMF濃度30%、温度40℃の凝固浴に浸
漬して湿式凝固し、水洗した後カチオン系処理剤分散液
に浸漬処理して乾燥し、ポリエチレンテレフタレートの
絡合不織布に多孔質ポリウレタンが含有した基体層の上
に、平滑な多孔質ポリウレタンの湿式スポンジコート層
を有する多孔質シート状物を得た。次いで、表面にグラ
ビア、エンボスなどの仕上げ処理を施し皮革様シート状
物を得た。この皮革様シート状物の表面平滑性および剥
離強力を表2に示した。
【0030】
【表2】
【0031】比較例−5〜7 実施例−4のクリスボンNB−130の塗布量(固型分
30g/m2)に変えて、 塗布しないもの、塗布量(
固型分)をそれぞれ7g/m2、70g/m2に変更し
て表面にポリウレタンの被膜を有する繊維質基体として
使用した以外は実施例−4と同様に処理し、多孔質シー
ト状物を得て、表面平滑性および剥離強力を評価した結
果を表2に示した。
【0032】実施例5〜6、比較例−8〜10実施例−
4のクリスボンNB−130に変えて、各種の溶液型の
ポリウレタン(大日本インキ化学工業(株)製)を不織
布の表面被覆用の樹脂として使用した以外は実施例−4
と同様に処理し、多孔質シート状物を得て、表面平滑性
および剥離強力を評価した結果を表2に示した。
【0033】表2の結果から明白なように、本発明の皮
革様シート状物は、表面平滑性が良好で毛羽欠点が少な
く剥離強力も安定的に高いが、比較例の皮革様シート状
物は、風合い、表面平滑性と剥離強力が両立するものは
得られなかった。
【0034】実施例7、比較例−11〜12実施例−4
の含浸液(40℃における粘度9.5ポイズ)に変えて
、ポリエステル系ポリウレタン(II)と同一組成の原
料から得られたポリウレタンで同一濃度で高粘度(40
℃における粘度19ポイズおよび40ポイズ)の含浸液
を使用した以外は実施例−4と同様に処理し、多孔質シ
ート状物を得た。一方実施例−4のコート塗布液(40
℃における粘度105ポイズ)に変えて、ポリエーテル
系ポリウレタン(I)と同一組成の原料から得られたポ
リウレタンで同一濃度で低粘度(40℃で65ポイズ)
のコート塗布液を使用した以外は実施例−4と同様に処
理し、多孔質シート状物を得て、表面平滑性および剥離
強力を評価した結果を表3に示した。
【0035】
【表3】
【0036】表3の結果から明白なように、本発明の皮
革様シート状物は、含浸加工性およびコート塗布性が良
好であり、表面平滑性が良好で毛羽欠点が少なく剥離強
力も安定的に高いが、比較例の皮革様シート状物は、含
浸加工性またはコート塗布性が不良であり、表面平滑性
と剥離強力が両立するものは得られなかった。
【0037】実施例−8 平均分子量が各々1500のPTMG、PBAの混合ジ
オール(混合比、60: 40)548部、1,4ブタ
ンジオール95部およびMDI357部を反応させて、
イソシアネート基にもとづく窒素含有率4.0%の熱可
塑性ポリウレタンのペレットを得た。該熱可塑性ポリウ
レタンと末端アミノ基濃度が1.5×10−5eq/g
の6−ナイロンを紡糸原料として、ポリウレタン流20
部、6−ナイロン流80部となるように別々のエクスト
ルーダーから押し出したポリマー流を合流、分割、統合
させる方式で溶融紡糸して、島本数が50本(6−ナイ
ロンが島成分)で繊度10デニールのポリウレタン系多
成分繊維を得た。得られた多成分繊維を80℃の熱水中
で3倍に延伸し、熱固定して繊度3.5drの繊維を得
た。この繊維は油剤を付与した後、機械捲縮を掛けて繊
維長51mmに切断してステープル繊維を得た。
【0038】次いで、得られたステープル繊維はカード
、ランダムウエバーを通し、クロスラップ法で積層して
平均重量400g/m2の繊維ウエブとした後、繊維ウ
エブの両面から総パンチ密度980パンチ/cm2でニ
ードルパンチを行い繊維絡合不織布とし、ポリビニルア
ルコール7.5%水溶液を含浸し、目標絞り率150%
で絞液し、乾燥して重量が390g/m2、厚さが1.
5mm、見掛け密度0.260g/cm3の繊維絡合不
織布を得た。この繊維絡合不織布に、DMF可溶のアイ
オノマー型水性ウレタン樹脂である、ハイドランHW−
111−H(大日本インキ化学工業(株)製、100%
伸長応力26kg/cm2)の40%水分散液を65メ
ッシュ斜線グラビアロールにて塗布した後、140℃熱
ドラム上で1分間圧着乾燥することにより不織布表面に
ポリウレタン被膜を22g/m2有する表面平滑な繊維
質基体を得た。 この繊維質基体を走査型電子顕微鏡写真で観察すると、
不織布表面の90%が被覆されていた。
【0039】得られた繊維質基体のポリウレタン被覆し
た面を上にして、下面から、窒素含有率3.2%の前記
ポリエステル系ポリウレタン(II)の12%DMF溶
液100部に、湿式成膜助剤として、クリスボンアシス
ターSD−14(大日本インキ化学工業(株)製)を2
部添加した含浸液(50℃における粘度5.8ポイズ)
をロールすり込み方式により繊維質基体の表面まで含浸
し、多成分繊維のポリウレタン成分を溶解させた。次い
で上面に前記ポリエーテル系ポリウレタン(I)の21
%DMF溶液100部に、湿式成膜助剤として、クリス
ボンアシスターSD−7とSD−14(大日本インキ化
学工業(株)製)を各々1部添加したコート塗布液(5
0℃における粘度95ポイズ)を固型分換算で120g
/m2コート塗布した後、DMF濃度30%、温度40
℃の凝固浴に浸漬して湿式凝固し、温水洗浄しポリビニ
ルアルコールを除去した後カチオン系処理剤分散液に浸
漬処理して乾燥し、6−ナイロンの極細繊維の絡合不織
布に多孔質ポリウレタンが含有した基体層の上に、平滑
な多孔質ポリウレタンの湿式スポンジコート層を有する
多孔質シート状物を得た。次いで、表面にグラビア、エ
ンボスなどの仕上げ処理を施し皮革様シート状物を得た
。 この皮革様シート状物の表面平滑性は良好であり、剥離
強力も12.5kg/インチと高かった。
【0040】
【発明の効果】本発明においては、特定のポリウレタン
薄層被膜で不織布の毛羽伏せを行ない、特定粘度の含浸
液を下面より含浸後、特定粘度のコート塗布液を塗布す
るため、不織布表面の毛羽伏せ効果が高くかつコート塗
布液の基体層への沈み込みが小さくなり、付与するコー
ト層をより薄くしても表面平滑性に優れ、特に毛羽の少
ない皮革様シート状物が合理的な製造方式で得られる。 従って、より柔軟な皮革様シート状物とすることができ
る。しかも、毛羽伏せ用ポリウレタン被覆層は含浸液お
よびコート塗布液に含まれる共通溶剤により適度に溶解
し、コート層および含浸層のポリウレタンと相容性が高
く、接着性が良好となり、剥離強力の高い皮革様シート
状物が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  繊維質基材表面に弾性ポリマーを主体
    とする高分子重合体の多孔質層の積層された多孔質シー
    ト状物を製造する方法において (1)見掛け密度0.15〜0.40g/cm3の不織
    布の表面に、フイルムにした場合の100%伸長応力が
    15〜85kg/cm2であり、室温でN,N−ジメチ
    ルホルムアミドに可溶性であるポリウレタンを主体とし
    た溶液または分散液を塗布・乾燥することにより、ポリ
    ウレタンの被膜で表面の70〜95%を被覆し毛羽伏せ
    する工程、(2)不織布の毛羽伏せされた面を上面とし
    て、下面側からポリウレタンを主体とする樹脂の、溶剤
    にN,N−ジメチルホルムアミドを含む粘度が30ポイ
    ズ以下の溶液を含浸する工程、(3)毛羽伏せされた不
    織布の上面からポリウレタンを主体とする樹脂の、溶剤
    にN,N−ジメチルホルムアミドを含む粘度が80ポイ
    ズ以上の溶液をコート塗布する工程、(4)ポリウレタ
    ンの非溶剤を含む溶剤中で該含浸及び塗布されたポリウ
    レタン溶液を凝固し、乾燥する工程、を順次行なうこと
    を特徴とする表面平滑性の良好な皮革様シート状物の製
    造法。 【0001】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102757637A (zh) * 2012-07-06 2012-10-31 昆山华阳复合材料科技有限公司 具有防水透湿功能的可降解薄膜

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