JPH04287677A - アルコール飲料の製造方法 - Google Patents

アルコール飲料の製造方法

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JPH04287677A
JPH04287677A JP3048069A JP4806991A JPH04287677A JP H04287677 A JPH04287677 A JP H04287677A JP 3048069 A JP3048069 A JP 3048069A JP 4806991 A JP4806991 A JP 4806991A JP H04287677 A JPH04287677 A JP H04287677A
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osmosis membrane
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Takaharu Nomura
野 村 隆 治
Sakio Takahashi
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Kirin Brewery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】〔発明の背景〕 【産業上の利用分野】本発明は、ビール、清酒、ワイン
等のアルコール飲料の製造分野におけるアルコール飲料
のライト化に適したアルコール飲料の製造法に関し、特
にエタノール透過性を有する逆浸透膜を使用してエキス
成分をも任意にコントロールできるアルコール飲料の製
造法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、アルコール飲料の嗜好の流れはラ
イト化の傾向にあるのは明らかである。また、その中で
も嗜好の多様化により様々な種類のものが受け入れられ
るようになってきている。特に、ビールではその傾向が
強く、健康志向の考えと相まって、ライト化および低ア
ルコール化の需要が高まってきている。ライト化の考え
方としては、アルコール含量を減じた低アルコール飲料
やエキス分を減じた低エキス飲料、アルコールおよびエ
キス分を共に減じた飲料などアルコール飲料の低カロリ
ー化がその主たるものである。従来から、低エキス飲料
の製造法として、糖濃度の低い糖含有液を使用し、高い
発酵度を得ることによって、エキス分が少なくかつアル
コール含量が通常である飲料を製造する方法が行なわれ
ているが、低い糖濃度での発酵法は、最も適切な糖濃度
を有する液を発酵する場合に比べて香味上問題となると
ころが多い。これは、麦汁糖度、アミノ酸量の違いによ
る発酵環境の変化、あるいは酵母への発酵抑制による本
来熟成中に消滅する異臭や不必要な香味の付与、あるい
は必要な香味の不足が生じることによる。また、醸造設
備上、低い糖濃度での発酵法は低エキス飲料製造のため
に独自の仕込・発酵を行なわなければならず、通常の仕
込・発酵との切り替え等で非常に効率が悪いという問題
点を有していた。 【0003】さらに近年、アルコール飲料製造業におい
ては、逆浸透法によるアルコール飲料の製造が検討され
ており、例えば、特開昭50−29795号公報には、
ビールを逆浸透法により処理することによってアルコー
ルおよび水を透過させ、不透過区分を水で希釈すること
により低アルコールビールを製造する方法が開示されて
いる。その他にも、この逆浸透法を用いたものとして特
開昭59−183686号公報、特開昭59−1258
85号公報、特開昭61−119180号公報、特開昭
61−268170号公報等で、ビールだけでなくワイ
ン、清酒等多くのアルコール飲料の製造法が開示されて
いる。しかし、従来技術におけるこれらの逆浸透法のい
ずれも、その目的とするところは、アルコール飲料の醸
造風味を変えないでアルコール含量を低減させた、いわ
ゆる低アルコール飲料の製造に関するものであり、すな
わち低い糖濃度での発酵法等の他の製造法に比べ香味の
優れたライトビールを得ることを可能にしているもので
ある。しかしながら、従来の逆浸透法による低アルコー
ル飲料の製造法は、アルコール以外の成分を保持したま
まアルコールおよび水のみを透過させ、得られた濃縮液
に水を添加することにより、アルコール含量を低減させ
、エキス成分含量が原液飲料とほぼ等しく、原液飲料と
同じ醸造風味を有するアルコール飲料を得ようとするも
のであり、この方法では、アルコール飲料のライト化の
もう一つの考え方であるアルコール含量が通常であって
エキス成分含量が低減したアルコール飲料を得ることは
不可能であった。 【0004】〔発明の概要〕 【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた香味
を有するアルコール飲料を得ることの可能な逆浸透法を
適用して、アルコール飲料のライト化のもう一つの考え
方である低エキス飲料を得ることを目的とする。すなわ
ち、アルコール含量が通常のものでエキス分の少ないア
ルコール飲料の製造方法であって、発酵法で得られるア
ルコール飲料よりも香味が優れ、これからの消費者ニー
ズにマッチした飲みやすいアルコール飲料の製造法を提
供するものである。さらに、エキス成分の含量を任意に
コントロールすることを可能にするアルコール飲料の製
造法を提供することを目的とするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、逆浸透法によ
って得られる濃縮液と、同じく逆浸透法によって得られ
る透過液をブレンドすることにより、上記目的を達成す
ることができた。すなわち、本発明によるアルコール飲
料の製造方法は、アルコール含有原液を逆浸透膜分離し
て得られるアルコール含有原液の濃縮液と、アルコール
含有原液を逆浸透膜分離して得られるアルコール含有原
液の透過液とをブレンドして、アルコール飲料を得るこ
と、を特徴とするものである。また、この製造方法の好
ましい態様は、上記の逆浸透膜分離が、酢酸セルロース
系、架橋ポリアミド系、架橋ポリアラミド系、架橋ポリ
ピペラジンアミド系および架橋ポリエーテル系からなる
群から選ばれる1種または2種以上の逆浸透膜を使用し
てなされること、を特徴とするものである。 【0006】〔発明の具体的説明〕以下は、本発明につ
いて詳細に説明するものである。本発明によるアルコー
ル飲料の製造方法は前記した通りであり、逆浸透法によ
って得られるアルコール含有原液の濃縮液と、同様の逆
浸透法によって得られるアルコール含有原液の透過液と
を任意の割合でブレンドすることにより、アルコールお
よびエキス成分を所望の濃度にコントロールすることを
基本原理とするものである。本発明に用いるアルコール
含有原液とは、種々の公知のアルコール飲料が挙げられ
るが、具体的には発酵法により得られるビール、清酒、
ワイン、その他果実酒などが好ましく、さらにはこれら
が除菌濾過済みであることが逆浸透膜の所望の透過液量
を維持するためにも望ましい。 【0007】本発明における逆浸透膜による膜分離シス
テムは、クロスフロー(十字流)瀘過方式あるいはデッ
ドエンド型瀘過方式等が使用できるが、近年、精密濾過
、限外濾過、逆浸透膜分離に採用されている公知のクロ
スフロー濾過方式が好ましい。このクロスフロー濾過方
式の好ましい具体例としては、例えば、図1、図2にそ
れぞれ示すバッチ式と連続式の2通りのシステムが挙げ
られる。図1に示すバッチ式のシステムは、原液タンク
2に注入したアルコール含有原液(前処理装置1で除菌
済み)を高圧ポンプ3で逆浸透膜モジュール4に送り込
み、圧力調整バルブ6で適当な圧力に設定して透過操作
を行ない、透過液はそのまま透過液タンク5に受け、濃
縮液は再度原液タンク2に戻すことによってアルコール
含有原液を任意の濃縮倍率((濃縮液量+透過液量)/
濃縮液量)まで循環濃縮する方式である。また、図2に
示す連続式のシステムは、原液タンク2に注入したアル
コール含有原液を高圧ポンプ3で逆浸透膜モジュール4
に送り込み、圧力調整バルブ6で適当な圧力に設定して
透過操作を行ない、透過液はそのまま透過液タンク5に
受け、濃縮液は濃縮液タンク7に受けながら連続的に濃
縮処理を行なう方式であり、その濃縮倍率は逆浸透膜モ
ジュール4の直列方向の本数、あるいは操作圧力、さら
には濃縮液循環バルブ8で濃縮液を一部循環すること等
により任意の一定値に設定することができる。上記のい
ずれの膜分離システムにおいても、システム全体を窒素
ガスなどの水に難溶性の不活性ガスにより適当な圧力、
たとえば0.1〜2.0Kg/cm2 で加圧した状態
にしておくことがアルコール含有液の空気中の酸素との
接触やフレーバーの放散を防止する上で好ましい。また
、アルコール含有液または(および)アルコール含有原
液が過飽和の炭酸ガスを溶解している場合(発泡性を有
する酒類を取り扱う場合)、特に膜分離処理後のアルコ
ール含有液に過飽和の炭酸ガスが必要な場合は、システ
ム全体を炭酸ガス、あるいは窒素ガスにより加圧した状
態にしておくことが、アルコール含有液の炭酸ガスやフ
レーバーの放散を防止するためにも好ましく、この時の
ガス圧力は、アルコール含有液中に溶解している炭酸ガ
スの所望の溶解量と気液平衡関係にある気相部圧力にさ
らに適当な圧力、たとえば0.1〜2.0Kg/cm2
 加えた圧力が好ましい。これらのガスは、系内に残存
する該系内の洗浄液のパージや製品の抜き出しにも利用
できる。 これらの処理によりアルコール含有原液の濃縮液あるい
は透過液を得ることができる。逆浸透膜モジュール4の
操作圧は通常2〜70Kg/cm2 の範囲が望ましく
、実際の処理操作は、目的とする成分透過率を達成でき
る適当な操作圧を選定して行なえばよい。逆浸透膜モジ
ュール4に供給する液の温度は通常−2〜30℃であれ
ばよいが、透過流量が多くなるところのできる限り高温
であって、かつアルコール飲料の品質を損なわずに揮発
性成分散逸の少なくなるところのできる限り低温である
、両温度の折り合いの良い0〜20℃が望ましい。 【0008】本発明で用いる逆浸透膜モジュールの形態
は、公知の形態を有するモジュールのいずれをも用いる
ことができるが、その中でも単葉および複葉のスパイラ
ル構造のモジュール、プレート・アンド・フレーム構造
のモジュール、チューブラー型モジュールおよび中空繊
維状(中空糸型)モジュールから選ばれるものが好まし
く、本発明における実際の膜分離操作は、好ましくはこ
れらのうちの1種または2種以上を使用して行なうこと
ができる。また、逆浸透膜モジュールは、該モジュール
内での菌繁殖を防止するために滞留部分ができないよう
に配慮されていることがより好ましい(これらの逆浸透
膜モジュ−ルの形態に関する一般的記載については、例
えば、膜利用技術ハンドブック(大矢晴彦、幸書房、初
版1978年)など、その他多数の書籍もしくは文献を
参照することができる)。なお、この逆浸透膜モジュー
ルの形態は、大きくは上記の構造に分類されるが、処理
液の流れの方式、滞留部分の減少などに関連して更に様
々な種類に分類され、本発明においてはそれらのいずれ
のタイプのものでも使用することができる。本発明で使
用する逆浸透膜は、公知の膜のいかなるものでも使用す
ることができるが、中でも酢酸セルロ−ス系、架橋ポリ
アミド系、架橋ポリアラミド系、架橋ポリピペラジンア
ミド系および架橋ポリエ−テル系のものが好ましい。こ
の具体的な形態としては、酢酸セルロース系膜に代表さ
れる非対称膜、およびポリスルホン多孔膜などの繊維補
強有機重合体を支持膜とし、その上に「in situ
 」界面重縮合により得られる超薄膜層を形成させてな
る構成の膜に代表される架橋ポリアミド系複合膜、さら
には繊維補強有機重合体支持膜上にイソシアヌレート骨
格を含む重合体からなる超薄膜層を形成させてなる構成
の膜に代表される架橋ポリエーテル系複合膜の中から選
ばれる膜が特に好ましい。非対称膜としては、酢酸セル
ロース系以外に芳香族ポリアミド系素材等を用いた膜が
挙げられる。架橋ポリアミド系複合膜は、これに関する
公知の方法によって得られるものが使用できるが、この
好ましい例としては、薄膜層が架橋ポリアミド系膜、架
橋ポリアラミド系膜および架橋ポリピペラジンアミド系
膜であるものがあげられる。これらの薄膜層は二または
三官能の芳香族アミン、ピペラジン、アミンまたはピペ
ラジン変性ポリエピクロルヒドリンから選ばれるアミン
化合物と、二または三官能の芳香族酸ハロゲン化物、二
または三官能のカルボン酸シクロアルカンから選ばれる
酸塩化物等との「in situ 」界面重縮合により
得ることができるが、必要があればアミン化合物と酸塩
化物等とを一方または両方に関して複数種組み合わせて
界面重縮合させたものであってもよい。架橋ポリエーテ
ル系複合膜は、これに関する公知の方法によって得られ
るものが使用できるが、超薄膜層がヒドロキシアルキル
イソシアヌル酸を酸触媒下で重合して得られるイソシア
ヌレート骨格を含む重合体からなる膜が特に好ましいも
のであり、例えば、特開昭54−107882号公報に
記載の膜が挙げられる。 【0009】上記したような逆浸透膜あるいはその膜モ
ジュ−ルの形態は、後述するように、実際の膜分離操作
時にこれらのうちの1種または2種以上を使用すること
ができる。本発明において、「1種または2種以上の逆
浸透膜を使用してアルコ−ル飲料を得る」ということは
、「1種類の膜を使用して得られる濃縮液と透過液とを
所望の割合でブレンドするか、または2種以上の膜をそ
れぞれ別の分離系で使用して得られる各種濃縮液と各種
透過液とを所望の組み合わせおよび割合でブレンドする
」ことである。この場合、必要があれば、所望の組み合
わせの各種濃縮液同士および各種透過液同士を所望の割
合でブレンドしておいてからその濃縮液と透過液とを所
望の割合でブレンドすることもできる。従って、本発明
においては、後述するように種々の処理条件によって得
られた濃縮液と透過液とを任意に組み合わせてブレンド
することができる。また、必要があれば1つの逆浸透膜
分離系において、複数または複数種の逆浸透膜を分離液
の流れに対して直列の方向に並べて使用することもでき
る。逆浸透膜は、種類によってアルコールや発酵性糖、
有機酸やアミノ酸、エステル類などに対し固有の排除性
能を有しているが、上記したような好ましい膜は特にこ
の性能に優れており、本発明により得られるアルコール
飲料の香味に最も良好な影響を与える。従って、逆浸透
膜の選定は目的とするアルコール飲料の成分組成、およ
び香味が最適となる膜を選定するのが望ましい。 【0010】上記方法により得られたアルコール含有原
液の濃縮液と透過液とを任意の比率でブレンドすること
によって所望のアルコ−ル含量およびエキス含量を有す
る、好ましくはアルコ−ル含量が通常であってエキス成
分含量を低減させた、アルコール飲料を得ることができ
る。特に、アルコール含量が通常のものであって、エキ
ス成分含量を低減させたアルコール飲料を得る場合は、
透過液量と濃縮液量とのブレンド比率α(α=透過液量
/濃縮液量)をa(a=(該濃縮液の濃縮倍率)−1)
よりも高く設定してブレンドすることが望ましく、さら
にはαがa〜10aであることがより好ましい。α値を
この範囲よりもさらに高く設定してブレンドするとエキ
ス含量が低くなりすぎてアルコール飲料の香味が損なわ
れるようになっていく。また、透過液と濃縮液のブレン
ド比率αをaよりも小さくなるように、すなわち0<α
<aになるように設定してブレンドすることにより、特
に、アルコール含量が通常であってエキス含量を増加さ
せたアルコール飲料を得ることができる。 【0011】濃縮液と透過液の混合は、合目的々な任意
の方法によって行うことができるが、単位操作として一
般に普及している混合槽内における回転攪拌羽根による
混合や配管内でのスタティックミキサーによる混合を行
なうのが実用的で好ましい。また、ここでも前述した逆
浸透膜分離の場合と同様、アルコール飲料が炭酸ガスを
過飽和で溶解しているものである場合は、膜分離システ
ム全体を炭酸ガス、あるいは窒素ガスにより加圧した状
態にしておくことが望ましい。また、前述したように、
本発明におけるアルコール含有原液の濃縮液と透過液は
、同じ膜分離系における処理によって製造したものに限
定されるものではなく、それぞれ異なる処理条件によっ
て得られたものであってもかまわない。異なる処理条件
とは、アルコール含有原液、逆浸透膜分離システム、同
操作条件、逆浸透膜モジュール、逆浸透膜などあらゆる
条件について少なくとも一つの条件が異なる場合であり
、このように処理条件の異なる濃縮液と透過液の組み合
わせ方により、様々な性質のアルコ−ル飲料を得ること
が可能である。さらに本発明による方法で得られる透過
液はアルコール含有原液の濃縮液だけでなく、通常の発
酵法により得られるアルコール飲料とブレンドすること
でも本発明の目的である低エキス飲料を得ることができ
る。ただし、この場合に用いるアルコール飲料としては
、透過液に含まれる香味上好ましくない異臭味を打ち消
すだけの豊醇な香味を有するものが好ましい。上述した
ように、本発明による方法は、基本的に逆浸透膜の排除
性能(アルコ−ル、発酵性糖、有機酸、アミノ酸、エス
テル類などに対する)を利用するものであり、ビ−ル、
清酒、ワイン、その他果実酒など種々のアルコ−ル飲料
に関して適用することが可能である。 【0012】 【発明の効果】本発明によるアルコール飲料の製造方法
は、発酵法による低エキス飲料の製造法に比べ、アルコ
−ル飲料それ自体の製造のための特殊な仕込および発酵
をする必要がなく、現在量産している通常の仕込および
発酵により作られた優れた香味を有するアルコール飲料
をそのまま原液として使用することができ、原液の液種
、逆浸透膜分離に関わる諸条件、濃縮液と透過液とのブ
レンド比率、透過液とアルコール飲料のブレンド比率等
を変えることで更に様々な性質のアルコール含有低エキ
ス飲料を製造することが可能である。それと同時に、エ
キス含量を任意にコントロールすることが可能であるこ
とから、低エキス飲料だけでなく、高エキス飲料の製造
にも適用することが可能である。また、本発明による製
造方法によれば、発酵法で得られる低エキス飲料と比較
して、異臭味、渋味等の少ない優れた香味を有するアル
コール飲料を製造でき、時代のニーズに合わせたアルコ
ール飲料を提供することが可能である。さらに、従来の
発酵法では困難であった有機酸の組成比の変更も可能に
する。さらにまた、日常製造している濾過済みアルコー
ル飲料を原液として使用できるため、醸造期間を必要と
せず需要に合わせてすぐさまこれに対応することが可能
である。 【0013】 【実施例】以下は、本発明をさらに具体的に説明する目
的で実施例を示すものであるが、本発明はこれらの実施
例によって限定されるものではない。 〔実施例1〕本実施例では60Lの除菌濾過したビール
原液(アルコール濃度4.82v/v%、エキス分3.
97%)を原液タンクに移し、ポンプで逆浸透モジュー
ルに送液した。透過された液は透過液タンクに、濃縮さ
れた液(不透過液)は原液タンクに戻し、循環濃縮させ
た。 操作圧力は20Kg/cm2 に設定し、原液タンク、
透過液タンクは炭酸ガスにより1Kg/cm2 の背圧
をかけ、空気との接触、液中溶存炭酸ガスの放散を防い
だ。原液タンク中の濃縮液はタンク内に設けた冷却装置
で常に9℃に保った。尚、逆浸透膜モジュールは東レ(
株)製ポリピペラジンアミド系膜のスパイラル型モジュ
ールを使用した。この膜のアルコール透過率は85%で
あり、ショ糖の排除率は98%である。透過液が30L
になった時点(濃縮倍率2)を濃縮終了点として、アル
コール濃度が前記ビール原液にほぼ等しい濃縮液と透過
液各30Lを得た。次に濃縮液15Lと透過液30Lを
ブレンドし、アルコール濃度が前記ビール原液に等しく
、エキス分が前記ビール原液の約2/3となるライトビ
ール■を製造した。ブレンド比率を変えるとエキス分が
任意の値に自由に調整できることは言うまでもない。第
1表に前記ビール原液、濃縮液、透過液、ライトビール
■の分析値を示す。濃縮液、透過液のアルコール濃度は
原液のそれのそれぞれ1.09、0.85倍で原液濃度
にほぼ等しい。またエキス分(真正エキス)は透過され
ずに濃縮液中で濃縮倍率程度(本試験では2倍)まで濃
縮された。 濃縮液と透過液を1:2容量でブレンド製造したライト
ビール■はアルコール濃度が原液の0.92倍で、エキ
ス分は0.63倍と約2/3になった。このライトビー
ル■は、エキス分の低減に伴って発酵性糖やアミノ酸も
原液の2/3となり、すっきりした爽快感を有すると同
時に、苦味成分であるイソフムロンズ、渋味成分である
ポリフェノールが共におよそ原液の1/2に低減され、
温和な特徴を与えている。また有機酸は各々固有の透過
率を有し、例えば、乳酸はある程度濃縮されるのに対し
、酢酸は全く濃縮されない。この性質を利用し有機酸の
組成比を変化させることで、ライトビール■の香味を調
整することができる。このように他の成分を調整しなが
ら有機酸の組成比を変化させることは、従来の温度調整
などによる発酵法では困難なことであり、本発明製造法
の特筆すべき点である。 【0014】〔実施例2〕本実施例では、逆浸透膜モジ
ュールに東レ(株)製ポリアラミド系膜のスパイラル型
モジュールを用い、60Lの除菌濾過したビール原液(
アルコール濃度5.15v/v%、エキス分3.35%
)を実施例1に準じた方法でビール原液を2倍濃縮し、
濃縮液15Lと透過液30Lをブレンドしてライトビー
ル■を得た。尚、この時の操作圧力は60Kg/cm2
 で行なった。またこの膜のアルコール透過率は15%
で、ショ糖の排除率は99.9%であり、実施例1で用
いた膜に比べ高排除型の逆浸透膜である。第2表に前記
ビール原液、濃縮液、透過液、ライトビール■の分析値
を示す。 濃縮液、透過液のアルコール濃度は原液のそれのそれぞ
れ1.76、0.28倍となり、またエキス分(真正エ
キス)はほとんど透過されずに濃縮された。濃縮液と透
過液を1:2容量でブレンド製造したライトビール■は
アルコール濃度が原液の0.78倍で、エキス分は0.
59倍と約2/3になった。このライトビール■は実施
例1に記載のライトビール■と同様、発酵性糖、アミノ
酸が低減されると同時にイソフムロンズ、ポリフェノー
ルも低減され、すっきりと爽快でかつ温和な特徴を有す
るビールであった。また有機酸も酢酸以外は透過されず
に濃縮され、実施例1と同様、乳酸と酢酸の組成比が原
液とは異なっている。このように高排除型の逆浸透膜を
用いた場合は、実施例1で用いたルーズな逆浸透膜に比
べ、アルコール濃度もある程度低減されるが、ビール原
液を水で単に希釈(エキス分を0.6倍に調整)しただ
けのものに比べシャープな喉ごしであるにもかかわらず
ビール由来の豊かな味わいを有していた。 【0015】〔実施例3〕本実施例では、実施例1の方
法で得た透過液30Lと実施例2の方法で得た濃縮液1
5Lをブレンドしてライトビール■を得た。このビール
のアルコール濃度は5.76v/v%となり、エキス分
(真正エキス)は2.00%であった。このビールの試
飲評価から、上述したライトビール■、ライトビール■
と同様、すっきりと爽快でかつ温和であると同時にエス
テル香などの好ましい香味を有しているのが特徴であっ
た。 【0016】                          
   第  1  表      分  析  項  
目      ビール原液  濃縮液  透過液  ラ
イトビール■  一般分析     比重(−)              1.
0087    1.0211  0.9947   
   1.0035    アルコール(v/v%) 
       4.82      5.27    
4.11        4.45    真正エキス
(%)           3.97      7
.25    0.14        2.52  
  全窒素(mg/100g)         54
.9      106.0   n.d.     
   31.8    イソフムロンズ(mg/l) 
   22.04     42.6    n.d.
        11.1    ポリフェノール(m
g/l)    164       325    
 3           89          
有機酸(mg/l)     乳    酸               
 65        106     30    
      49    酢    酸       
         184       181   
  168         168        
 発酵性糖(g/100ml)         0.
96      1.68    0        
   0.55        全アミノ酸(mg/l
)          805       1479
    38          525      
 【0017】                          
   第  2  表      分  析  項  
目      ビール原液  濃縮液    透過液 
   ライトビール■  一般分析     比重(−)              1.
01087   1.01656   0.99875
       1.0047    アルコール(v/
v%)        5.15      9.07
      1.44          4.00 
   真正エキス(%)           3.3
5      5.76      0.03    
      1.96    全窒素(mg/100g
)         52.0      75.8 
     n.d.          24.6  
  イソフムロンズ(mg/l)    16.5  
    23.8      n.d.       
   8.3     ポリフェノール(mg/l) 
   153       215       3 
            65.2        有
機酸(mg/l)     乳    酸               
 65        100       0   
          29    酢    酸   
             138       20
0       20            76 
         発酵性糖(g/100ml)   
      1.46      2.08     
 0             0.71      
  全アミノ酸(mg/l)          51
3.5     1498.7    5.1    
       464.4     
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるバッチ式の逆浸透膜分離システ
ムの概略図。
【図2】本発明に係わる連続式の逆浸透膜分離システム
の概略図。
【符号の説明】
1  前処理装置 2  原液タンク 3  高圧ポンプ 4  逆浸透膜モジュール 5  透過液タンク 6  圧力調整バルブ 7  濃縮液タンク 8  濃縮液循環バルブ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルコール含有原液を逆浸透膜分離して得
    られるアルコール含有原液の濃縮液と、アルコール含有
    原液を逆浸透膜分離して得られるアルコール含有原液の
    透過液とをブレンドして、アルコール飲料を得ることを
    特徴とする、アルコール飲料の製造方法。
  2. 【請求項2】逆浸透膜分離が、酢酸セルロース系、架橋
    ポリアミド系、架橋ポリアラミド系、架橋ポリピペラジ
    ンアミド系および架橋ポリエーテル系からなる群から選
    ばれる1種または2種以上の逆浸透膜を使用してなされ
    ることを特徴とする、請求項1記載のアルコール飲料の
    製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の方法において得ら
    れる透過液と、発酵法により得られるアルコ−ル飲料と
    をブレンドすることを特徴とする、アルコ−ル飲料の製
    造方法。
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