JPH04287381A - 超電導素子 - Google Patents

超電導素子

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Publication number
JPH04287381A
JPH04287381A JP3052171A JP5217191A JPH04287381A JP H04287381 A JPH04287381 A JP H04287381A JP 3052171 A JP3052171 A JP 3052171A JP 5217191 A JP5217191 A JP 5217191A JP H04287381 A JPH04287381 A JP H04287381A
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JP
Japan
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superconducting
oxide
magnetic material
superconductor
current
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Application number
JP3052171A
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English (en)
Inventor
Masahiro Kasai
葛西 昌弘
Yoko Kanke
管家 庸子
Toshiyuki Ono
俊之 大野
Yuzo Kozono
小園 裕三
Masanobu Hanazono
雅信 華園
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導電子対の酸化物
磁性体中への近接効果を利用した、高感度電磁波検出素
子及び高速スイッチング素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の金属系超電導体(例えばNbやP
b等)を用いた超電導デバイスでは、超電導体の間に数
十Å程度の膜厚の絶縁層をはさんだ3層構造のジョセフ
ソン接合を作製することにより、高速スイッチング素子
や高周波ミキサーを作製することは既に可能であった。 高温超電導体を用いてこれらの素子を作製することが広
く試みられているが、現在のところ成功していない。こ
の理由としては、高温超電導体のコヒーレント長がa−
b面内で約10Å、c軸方向に約3Å程度と非常に短い
ため、絶縁体から成るバリア層を数Å以下にする必要が
あり、従来型のジョセフソン接合を作製することが望め
て困難なためである。また、下部の超電導電極に高温超
電導体を用い、上部の超電導電極にNb,Pb等の金属
超電導体を用いて上記ジョセフソン接合を作製しようと
する試みもあるが成功していない。これについては、ア
プライド・フィジックス・レターズ第56巻  第19
号(1990)第788頁から第790頁(A・P・L
  Vol.56,No.19(1990)p.788
−790)において、詳しく論じられている。
【0003】一方、積層型ジョセフソン接合を用いない
タイプの超電導素子として、超電導トランジスターがあ
る。これは、Si等の半導体上に0.1μm 程度の長
さのギャップ部をはさんで対向する、1対の超電導電極
を設けこの間にゲート電極を設けたものである。この素
子は、超電導電極から半導体中に超電導電子対がしみだ
すいわゆる超電導近接効果を利用したものである。超電
導電子対(すなわち波動関数)のしみだした領域は超電
導体と同様の性質を持ち、上記1対の超電導電極間を超
電導電流が流れ、この電流をゲート電極に印加する電解
で制御することにより、トランジスターと同様な動作が
できる。これを高温超電導体を用いて作製する場合、従
来と同様に半導体基板としてシリコンを用いると超電導
膜と基板の反応により良好な超電導電極が得られ無いと
いう問題点があった。また、短コヒーレント長(c軸方
向におよそ3〜4オングストロームである。)に対応し
て半導体中の波動関数のしみだし距離ξN も短いため
超電導電極間のギャップ長をおおよそ100Å程度にま
で短くする必要が有り、その作製は著しく困難である。 また、さらに従来の金属超電導体を用いて上記超電導ト
ランジスターを作製する場合においても、上記1対の超
電導電極からしみだした波動関数が重なりあって、超電
導電流が流れるためには、ギャップの長さを0.1μm
 以下にする必要があり現状の技術では集積化が不可能
であった。
【0004】発明者らは、超電導体の近接効果について
研究を進めて行くうち、酸化物磁性体中において極めて
長い滲みだし距離を持って超電導電子対がしみだし、そ
の距離は1.0μm 以上にも及ぶことを見出した。本
発明は、金属超電導体または化合物超電導体と、酸化物
磁性体の新規な近接効果を利用し、超電導体を用いた高
速スイッチング素子や、高感度電磁波検出素子の作製を
可能にしたものである。また、超電導トランジスターの
集積化を可能ならしめたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術によるならば
、高温超電導体または、高温超電導体と金属超電導体を
用いた高速スイッチング素子や、電磁波検出素子を作製
することは困難であった。本発明は酸化物磁性体中では
超電導電子対が滲みだす距離が従来よりも長いという、
超電導体と酸化物磁性体の新規な近接効果を利用してこ
れらの素子を提供することを目的とする。
【0006】従来技術によるならば、超電導トランジス
ターを集積化することは困難であった。本発明は、超電
導トランジスターを集積化した集積化素子を提供するこ
とにある。また、本超電導素子を用いた演算システムを
提供することに有る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、酸化物超電導体を下部電極としてこの上にペロブス
カイト構造を有する酸化物磁性体を積層し、さらに金属
または化合物から成る上部電極を積層した3層構造の超
電導トンネル接合を用いたものである。
【0008】特に、上記超電導層間にペロブスカイト構
造を有する酸化物磁性体を介在させ、この新規な近接効
果を利用することにより、膜厚の厚い酸化物磁性体を有
する超電導素子を実現する。
【0009】また、本発明の超電導素子は、一定の温度
領域で超電導状態を示す超電導体間に、前記温度領域で
非超電導状態を示す中間層をはさんで形成したことを特
徴とする。この中間層はペロブスカイト構造を有する酸
化物磁性体であることが好ましい。
【0010】また、上記目的を達成するために酸化物磁
性体と超電導体を交互に積層した3層構造以上の多層構
造の積層薄膜を形成しても良い。
【0011】このような積層膜から成る超電導トンネル
接合素子は、次のような利用法をすることが望ましい。 すなわち、上部の超電導電極と下部の超電導電極に、電
流源を接続しこの間に電流を流し、これと同時に上記電
極間に電圧をモニターする手段を設置する。素子を超電
導体の超電導転移臨界温度(Tc)以下の温度に下げる
と、上記超電導電極間には非超電導状態にある酸化物磁
性体を介して超電導電流が流れる。この超電導電流は、
電磁波を照射したりあるいは、光を照射したりまた圧力
を加えることによって減少したり消失したりする。超電
導電流が消失することにより、上下の超電導電極間には
電圧が発生する。この電圧の発生を上記電圧をモニター
する手段により検出することにより、スイッチング素子
や電磁波,圧力検出素子としての応用が可能である。
【0012】本発明における超電導体とは、主として金
属単体からなる超電導体(例えばPb,Nb等)や、化
合物超電導体(Nb3Ge,Nb3Sn等)を指す。し
かし、超電導転移臨界温度(Tc)が90KのY1Ba
2Cu3Oz(zは6.5から7.0)や、125Kの
Tl2Ba2Ca2Cu3O10などのような酸化物超
電導体であっても構わない。
【0013】ペロブスカイト構造とは、組成式ABO3
 の一般式で表わされる結晶構造で、金属イオンBが立
方体の各頂点に位置し、重心の位置に金属イオンAが位
置する構造を基本としている。酸素Oは、Bイオンの周
囲に配位し、部分的に欠損することもある。この酸素O
の欠損量が本構造を持つ酸化物の物性に影響する。
【0014】高温超電導体は全てこの結晶構造を有する
銅の酸化物である。ペロブスカイト構造を有する非銅系
の酸化物の中に比較的低い温度で超電導特性を示す物質
があるが、ここではそれらを含めて酸化物超電導体とよ
ぶ。
【0015】ここで、金属超電導体及び化合物超電導体
を具体的に列挙すると以下のようなものがある。
【0016】Be,Ti,Zr,Hf,La,V,Nb
,Ce,Ti,Mo,W,Pa,Tc,Re,U,Ru
,Os,Ir,Zn,Cd,Hg,Al,Ga,In,
Tl,Si,Ge,Sn,Pb,P,As,Sb,Bi
,Se,Te,Lu,Nb3Sn,Nb3Ge,Nb0
.7Ti0.3,(Nb,Ti)3Sn,(Nb,Ti
)3Ge,V3Ga,Nb3(Al,Ge),NbN,
(Pb,Sn,Cu)Mo6S8。ただし、(A,B)
とはAまたはBの元素の少なくとも一方という意味であ
る。
【0017】また、上記のほかに高圧条件下でのみ超電
導を示す以下のような物質もある。Cs,Ba,Si,
Ge,P,As,Sb,Bi,Lu,Ce。
【0018】また、酸化物超電導体を具体的に列挙する
と以下のようなものがある。
【0019】(La1−xMx)Cu2O4(M=Ba
,Ca,Sr.x=0.05から1.0),La1Ba
2Cu3O7,La2NaCuO4,Bi0.1La1
.8Sr0.1CuO,La2CuO4,La2Ba3
LuCu6O,YBa2Cu3O7,Y2Ba4Cu8
O20,Yb2Ba4Cu7O15,Bi2Sr2Cu
O6,Bi2Sr2Ca1Cu2O8,Bi2Sr2C
a2Cu3O10,Bi2Sr2Ca3Cu4O12,
Ba(Pb1−xBix)O3,(Ba1−xKx)B
iO3,(Bi1−xPbx)2Sr2Ca2Cu3O
,Bi2Sr2.6Nd0.4CuO8,Tl2Ba2
CuO6,Tl2Ba2Ca1Cu2O8,Tl2Ba
2Ca2Cu3O10,Tl1Ba2Ca1Cu2O6
,Tl1Ba2Ca3Cu4O8,Tl1Ba3Ca2
Cu4O10,Tl1Sr2Cu3O,(Tl0.5P
b0.5)Sr2Ca2Cu3O8,Nd1.6Sr0
.2Ce0.2CuO4,(Tl0.75,Bi0.2
5)1.3(Sr0.5Ca0.5)2.7Cu2O8
,Pb2Sr2Y0.5Ca0.5Cu3O8特に、本
発明においては、前記酸化物超電導体として、銅系の酸
化物超電導体が好ましい。
【0020】また、本発明の超電導素子は、超電導体と
酸化物磁性体を積層して形成したもの、或は超電導体間
に酸化物磁性体をはさんで形成したものであって。前記
酸化物超電導体の少なくとも一方が前記酸化物磁性体と
同じ結晶構造を有することが好ましい。
【0021】なお、前記超電導体の少なくとも一方と前
記磁性体は、それぞれ、ペロブスカイト構造を有する酸
化物超電導体及びペロブスカイト構造を有する酸化物磁
性体であることが好ましく、そのそれぞれの層がエピタ
キシャルな方位関係を持って成長することが好ましい。
【0022】また、前記バリア層、いわゆる中間層の材
料としてはペロブスカイト構造を有する酸化物磁性体が
好ましく、具体的には、Mn,Co,Cr,Fe,Ni
,Ru等の磁性元素を含むことが好ましい。さらに、具
体的には、(La,Ca)1Mn1Oy(yは2.7か
ら3.3、以下同様)がある。括弧内に記載されている
ものは、少なくともどちらかを含むとの意味である。さ
らに、中間層として以下のような材料がある。(La,
Sr)1Mn1Oy,Bi1Mn1Oy,Ba1Fe1
Oy,Sr1Co1Oy, (La,A)1B1Oy(A=Ba,Sr,Pb,Cd
  B=Mn,Co),[(Pr,Nd),(Ba,S
r)]1Mn1Oy,(Bi,Ca)1Mn1Oy,L
a1(M,Mn)1Oy(M=Co,Ni,Cu,Cr
), (La,A)1B1C1Oy(Aは希土類元素、Bは少
なくとも1種以上のアルカリ土類元素、CはFe,Co
,Mn,Ni,Cr,Coの少なくとも1つ)Gd1(
Co,Mn)1Oy,A1(Fe,B)1Oy(A=B
a,Ca,Sr  B=Mo,Mn), Bi1Cr1Oy,Ca1Ru1Oy,A1(B,C)
1Oy(A=Ba,Ca,Sr,Pb  B=Ni,M
n,Cr,Fe  C=W,Sb,Mo,U),(Sr
,La)1(C,D)1Oy(C=Co,Ni  D=
Nb,Sb,Ta)これらの材料を用いることにより、
酸化物磁性体から構成されるバリア層の膜厚は、100
nmを超える。これにより、従来の超電導素子では実現
不可能であったベースバイアス型超電導素子の作製が可
能と成った。
【0023】上記の効果は、本発明者等による次の新現
象の発見に基づくものである。本発明者は、ペロブスカ
イト構造を有する酸化物磁性体中には、超電導電子対が
極めて長い距離にわたってしみだすという現象を発見し
た。
【0024】このしみだし効果は、Nb超電導体とSi
半導体とを積層した構造を作製したときに、超電導体か
ら半導体中に超電導電子対がしみだし、半導体の一部が
超電導体の性質を持つようになる、いわゆる近接効果と
して知られていた現象と類似のものである。
【0025】すなわち、3層構造の上部の超電導層と下
部の超電導層とからしみだした超電導の性質が重なりあ
うことによって、厚い非超電導層を介して超電導電流が
流れるのである。
【0026】本発明者は、バリア層としてペロブスカイ
ト構造を有する酸化物磁性体を用いることによって、こ
のような3層構造の接合を作製す幣ことに成功した。こ
れは、酸化物磁性体の電子構造が酸化物超電導体の電子
構造と類似していることに基づくものである。
【0027】又、これは超電導電子対が容易にしみだし
えることと及び磁性体の持つ磁気的なスピン秩序が、電
子対を安定に保つことが、重要な役割を果たしているも
のと考えられる。この磁気的な作用とは、磁性元素の混
合原子価状態における、動的なスピン相互作用である。
【0028】一方、金属系超電導体においては、超電導
体の間に数10オングストロームの膜厚の絶縁体をはさ
んだ3層構造の積層膜で、上部超電導層から下部超電導
層へと電流を流す場合、超電導層の臨界温度以下で電流
が流れる。しかし、電圧は発生しない。
【0029】これは、超電導電子対が、薄い絶縁体、い
わゆるバリア層をトンネルすることによって起こるもの
でジョセフソン効果と云われ、またこの3層の積層構造
はジョセフソン接合と云われている。
【0030】本発明による3層構造の積層薄膜は、従来
のジョセフソン接合とは原理的に異なる現象に基づくと
考えている。そこでこの点を明確にするため、本発明に
よる3層構造の接合を,「超電導トンネル接合」と称す
ることとする。
【0031】従来の超電導素子は、超電導体の薄に数十
オングストロームの膜厚の非磁性の絶縁物をはさんだ構
造を持つものである。この膜厚は、超電導電子対が相互
作用を持ちえる距離であるところのコヒーレント長を超
えることは出来なかった。
【0032】Nb超電導体においてはこのコヒーレント
長は約300オングストロームであるが、実際の素子作
製のためには、バリア層である絶縁体の膜厚は50オン
グストローム以下にする必要があった。高温超電導体で
は、コヒーレント長がa−b面内で約10オングストロ
ーム程度、c軸方向に約3オングストローム(Å)程度
と非常に短いため、絶縁体から成るバリア層を数オング
ストローム以下にする必要があり、従来のジョセフソン
接合は作製が不可能であった。
【0033】本発明は、超電導電子対が相関を持ち得る
距離であるコヒーレント長が、銅系の酸化物超電導体で
は、金属系超電導体に比べて非常に短いにもかかわらず
、高温超電導特性を示す銅系の酸化物超電導体を用いて
前記の特性を示す接合を作製する事に成功したものであ
り、これにより高速のスイッチング素子としての応用が
可能となった。
【0034】本発明の超電導素子は、酸化物超電導体と
金属もしくは化合物超電導体の間に酸化物磁性体をはさ
んで形成したものであって、前記酸化物磁性体の膜厚が
前記酸化物超電導体のc軸方向のコヒーレント長より大
きいことを特徴とする。具体的には、コヒーレント長の
250倍程度又はそれ以上とすることが好ましく、1.
0μm 程度とできることを確認した。
【0035】このように、中間層材料にペロブスカイト
構造を有する酸化物磁性体を用いることによって、酸化
物磁性体の示す新規な超電導近接効果により、超電導波
動関数がコヒーレント長をはるかに超える長い距離にわ
たって相互作用をする。
【0036】一方、本発明の超電導素子を超電導近接効
果素子として用いる場合には、超電導近接効果素子は、
基体上に形成された酸化物磁性体上に、ギャップ部を介
して対向する一対の超電導電極を有するものである。上
記酸化物磁性体は、超電導トンネル接合素子と同様ペロ
ブスカイト構造を有する酸化物磁性体であることが望ま
しい。
【0037】この素子は、以下のような利用が可能であ
る。上記一対の超電導体から成る電極間に、電流を流す
。超電導体の超電導転移臨界温度以下ではこの時に流れ
る電流は超電導電流と成り、電極間に電圧は発生しない
。この素子に電磁波を照射すると、この素子に流れる超
電導電流は電圧状態へと転移する。この電圧を検出する
ことにより、電磁波を検出することが可能である。
【0038】また、本発明の超電導素子を超電導3端子
素子として用いる場合、次のようにすることが出来る。 上記一対の超電導電極の間に、非磁性の絶縁物層を介し
てゲート電極を設置する。上記非磁性の絶縁層は、ペロ
ブスカイト構造を有する酸化物であることが望ましい。 また、上記ゲート電極は、酸化物超電導体もしくは金属
または化合物の超電導体であることが望ましい。上記超
電導電極間に超電導電流が流れている状態に於いて、上
記ゲート電極に電圧を印加すると超電導電極間には、電
圧が発生する。この動作は、トランジスター同様であり
超電導トランジスターとして応用が可能である。この時
に発生する電圧は、従来の超電導トランジスターの発生
電圧よりも5倍以上高く、100mVを超える。このこ
とは、高い利得が得られることを意味しており、従来の
超電導トランジスターでは不可能であった増幅作用が得
られる。
【0039】また、上記目的を達成するために、酸化物
磁性体上に対向して形成された超電導電極を有し、かつ
その間にホール供給層からなる受光部を作製したもので
ある。
【0040】この素子は、高感度の光検出素子もしくは
超電導光スイッチング素子としての利用が可能である。 受光部に光が照射されることにより、上記ホール供給層
から酸化物磁性体中にホールが供給される。これにより
、超電導近接効果が促進されるように作用し、超電導電
流が流れやすくなる。超電導近接効果が起こらないよう
な距離のギャップ長を有する上記光検出素子を作製する
と、上記超電導電極感には超電導電流が流れない。ギャ
ップ長は1.5 ミクロン以上であることが望ましい。 ここで上記受光部に光を照射すると、前述の効果により
超電導電流が流れる。すなわち、光を当てることにより
、電圧状態から電圧0の状態へとスイッチング動作が可
能である。この特性は、光コンピューターや光論理回路
への応用が可能である。
【0041】本発明からなる超電導素子を用いて、論理
動作及び演算動作等の機能を有する集積化素子を作製し
た場合、あい隣りあう素子からしみだした超電導電子対
が重なりあい、正常な動作ができない恐れがあり、この
ため非磁性の絶縁体層からなる干渉防止層を設けたもの
である。
【0042】また、本発明を圧力センサーとして用いる
ため、上記超電導トンネル接合素子または、超電導近接
効果素子において上記超電導電極を、高圧下でのみ超電
導を示す超電導体Cs,Ba,Si,Ge,P,As,
Sb,Bi,Lu,Ceなどを用いたものである。高圧
下では、これらの超電導体が超電導特性を示し、これに
より超電導電極感を超電導電流が流れる。従って、圧力
をかけたときのみ電圧が0となる圧力検出素子としての
利用が可能である。
【0043】また、本発明をベース接地型超電導トラン
ジスターとして用いるときは以下のようにしてこれを用
いる。超電導体の上に酸化物磁性体を積層し、磁に超電
導体を積層した3層構造の積層膜を作製する。上部超電
導電極と下部超電導電極との間に電流源から電流を流す
。超電導体が超電導状態にある温度では、上下の電極感
を超電導電流が流れ、従ってこの時電圧は発生しない。 一方、上記電流源とは別の電流源を設置し酸化物磁性体
と下部超電導電極に接続する。上記、酸化物磁性体層を
介して超電導電流が流れる状態において、上記電流源に
より酸化物磁性体と下部超電導電極の間に電流を流すと
、酸化物磁性体に電流が注入された効果により、超電導
電流は流れなくなり電圧が発生する。この特性を活かし
てスイッチング動作が可能である。本発明により、中間
相として厚い膜厚の酸化物磁性体を用いたことにより、
従来作製不可能であった上記素子の作製が可能となった
【0044】
【作用】バリア層材料にペロブスカイト構造を有する酸
化物磁性体を用いたことは、酸化物磁性体の示す特異な
超電導近接効果により、超電導波動関数がコヒーレント
長をはかるかに超える長い距離にわたって相互作用をす
るように作用する。
【0045】このような長距離にわたる超電導近接効果
が観測されるのは、ちょうど素子の非超電導層として用
いた磁化物磁性体のスピンのゆらぎの効果で、これが超
電導電子対を安定に保つ様に作用にしている。
【0046】また、ペロブスカイト構造を有する酸化物
磁性体上に対向して設置された超電導電極を有する超電
導素子を作製することは、超電導波動関数の滲み出し距
離が長いためギャップ長の長い素子での動作が可能にな
ることにより、従来作製不可能であった素子作製が可能
になり、電磁波検出素子としての応用やスイッチング素
子,圧力検出素子等への応用,集積化が可能になるよう
に作用する。
【0047】また、ペロブスカイト構造を有する酸化物
磁性体上にギャップ部を介して設置された対向する一対
の超電導電極を有し、かつ上記超電導電極間にゲート電
極を有する超電導素子を作製することは、ゲート電極に
印加する電圧により超電導電流を制御し、これによりス
イッチング動作を可能成らしめるように作用する。
【0048】また、プロブスカイト構造を有する酸化物
磁性体上にギャップ部を介して設置された対向する一対
の超電導電極を有し、かつ上記超電導電極間にホール供
給層からなる受光部を設置することは、受光部に光が照
射されたときに酸化物磁性体層にホールが供給されるよ
うに作用し、これによって近接効果が促進されるように
作用する。この特性を利用したスイッチング動作が可能
なように作用する。
【0049】また、本発明による超電導素子を用いた集
積回路を作製することは従来にない高速動作性能を有す
る演算素子や論理素子、及びそれらを用いたシステムを
提供することができるように作用する。
【0050】また、本発明による超電導素子を集積化す
る際、干渉防止層を設けることは、各々の超電導素子の
超電導電子対が相互にかさなって干渉することを防ぐよ
うに作用する。
【0051】また、本発明の素子において高圧でのみ超
電導を示す超電導体を用いることは、高圧でのみ本発明
による近接効果が起こるように作用し、圧力検出素子を
作製可能とする。
【0052】
【実施例】実施例1 本発明者等は、酸化物超電導体と磁性体を近接させたと
きの相互作用を調べることは、高温超電導の発現の機構
,超電導特性,デバイス応用等の幅広い観点から興味深
いと考えた。本発明者等は、Mn系酸化物磁性体である
La1−xCaxMn1Oy(x=0〜1,y=2.7
〜3.3以下LCMOと略す)障壁層をY1Ba2Cu
3Oz(zは6.8から7.0)高温超電導体(以下Y
BCOと略す)ではさんだ3層構造の接合において、障
壁層が5000Åと厚くても超電導電流(接合電流)が
ながされるという特異な近接効果を見出した。LCMO
障壁層は単独では比抵抗が温度低下と共に増大するとい
う半導体的特性であるが、接合を作ると接合抵抗は低下
と共に減少する金属的な特性になるという特異な現象で
ある。これをさらに発展させたのが本発明である。
【0053】以下、本発明の実施例を図1によって説明
する。1は酸化物高温超電導体からなる超電導層であり
、2は酸化物磁性体層である。また、3は金属または化
合物超電導体からなる超電導層である。超電導層の膜厚
は、200nm、磁性体層の膜厚は5〜100nmの各
場合について検討した。それぞれの膜は、RFマグネト
ロンスパッタリング法により作製した。酸化物超電導体
にはペロブスガイト構造を有するY1Ba2Cu3Oz
(zは6.8から7.0)を用い、酸化物磁性体には、
ペロブスカイト構造を有するLa0.3Ca0.7Mn
Oy及びLa0.7Ca0.3MnOyを用いた。ここ
で、yの値は3を中心とした2.7〜3.3の範囲であ
る。また、3の超電導層には金属超電導体であるNbま
たは化合物超電導体であるNbNを用いた。上記磁性体
をバリア層に用いた超電導トンネル接合素子は、図2の
形状に作製した。 接合部の面積は、0.8×1.0mm2 である。素子
には図中に示すような方法で、電圧計と電流計を接続し
て上部の超電導層と下部の超電導層の間に電流を流して
、その間に発生する電圧を測定した。測定した温度は、
5Kである。上記素子では、100nmの膜厚のバリア
層を介して、図3中符号301のように超電導電流が流
れた。 一方、バリア層の膜厚が1μmのときには、図3中符号
302に示すような素子特性となった。上下の超電導層
に相互作用があることは示す非線形な電流−電圧特性の
折れ曲がりが見られるものの、超電導電流は観測されな
かった。同様な超電導トンネル接合を酸化物超電導体の
みで作製した場合は、バリア層の膜厚が1μmでも超電
導電流が観測された。本実施例の場合では、金属超電導
体と酸化物磁性体の界面に、絶縁物であるNbの酸化物
が形成され超電導電子対の滲みだしを妨げているためと
思われる。図4に、5Kの温度で10GHzのマイクロ
波を照射した場合の電流−電圧特性を示す。素子は、マ
イクロ波に応答し、電流−電圧特性に明確なステップが
認められた。本発明により、マイクロ波応答性のある積
層型超電導トンネル接合の作製が可能になった。この素
子は、電磁波検出素子及び高感度ミキサーとしての応用
が可能である。このような従来では考えられなかった厚
い膜厚の非超電導体を介して超電導電流が流れるという
現象は、本発明者らによって新規に見出されたものであ
る。これによって、従来は酸化物高温超電導体のコヒー
レント長が短く、数Å以下の膜厚のバリア層を作製する
ことが困難であることによって、実現不可能であった超
電導トンネル接合の作製が可能と成った。このことは、
バリア層としてペロブスカイト構造を有する酸化物磁性
体を用いることによる効果であり、酸化物磁性体の持つ
スピン相関、及びホッピング伝導型の伝導機構が重要な
役割を果たしている。
【0054】実施例2 次に、同じくペロブスカト構造を有する酸化物磁性体(
La,Sr)1Mn1Oy をバリア層に用いた場合に
ついての実施例を示す。バリア層膜厚は200nmとし
、実施例1と同様の素子を作製したものである。上記酸
化物磁性体は、組成La1−xSrxMn1Oy(y=
2.7〜3.3)においてx=0のときは反強磁性体で
、xの値が増加するにしたがい強磁性を示すようになり
、x=0.3 のときに最も強い強磁性体となることが
公知の事実である。また、xがさらに増加しx=0.8
 を超えると再び反強磁性体となることも公知である。 図5に、組成xの値にたいして素子の電流−電圧特性が
どのように変化しているかについて調べた結果を示す。 図5中、xで示したのは上記組成式におけるSrの置換
量を表す組成である。x=0のときは電流−電圧特性は
線形的であり上下の超電導層間に相互作用が無いことを
示している。x=0.1 では、接合の抵抗値は非常に
低くなり金属的になる。しかし、この時超電導電流は流
れない。さらにSrの置換量を増やしたx=0.2 で
は超電導電流が流れる。これよりもSrの置換量xが増
えた領域では、酸化物磁性体が強磁性を示すようになり
、x=0.3 以上では準粒子的特性を示すようになる
。LaをすべてSrで置換した組成のx=1.0 にお
いては、x=0と同様の線形的な電流−電圧特性が得ら
れる。これらの結果をまとめて表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】200nmの磁性体層を介してなお上下の
超電導相関に相互作用があり、長距離の近接効果が起こ
っている。Mnの価数が3価と4価の混合状態にあるこ
とが重要であることが分かる。この素子は、図4の場合
と同様な電磁波に対する応答性を示した。準粒子的なト
ンネル特性を有する本実施例による素子は、従来のジョ
セフソン接合を用いた高周波素子よりも、ノイズの少な
い素子として応用することが出来る。なお、この素子特
性のバリア層依存性は上部超電導層に酸化物超電導体を
用いた場合でも、同刺は観測された。
【0057】実施例3 厚膜100nmのLa0.7Ca0.3MnOyを、バ
リア層として用いた超電導トンネル接合素子の、接合抵
抗−温度特性を調べた。作製した素子の膜厚の関係は、
NbN(3000Å)/酸化物磁性体(1000Å)/
YBCO(2000Å)である。ここでYBCOとは酸
化物超電導体YBa2Cu3y(yは7から6.5)の
略称である。 結果を、図6に示す。図中符号4が本素子の特性であり
、図6中符号5は比較のために示したYBCO/酸化物
磁性体/YBCO接合の特性である。接合抵抗は、温度
の低下と共に増大し飽和した後、約8Kで急速に低下し
超電導状態に転移する特性を示した。接合抵抗が飽和す
る温度は下部超電導導体YBCOのTc(超電導転移臨
界温度)にほぼ一致し、8Kでの急激な低下はNbNの
Tcに一致している。このように上部超電導体を金属系
もしくは化合物系超電導体にした場合でも酸化物磁性体
障壁層を介し、超電導電流が流れることが分かった。 しかし上部超電導層がYBCOのときは接合抵抗が金属
的であったが、NbNの場合には抵抗が飽和するまで半
導体的である点が異なる。本特性を利用して、常伝導抵
抗Rnの高い超電導素子が得られ、利得の高い超電導ト
ランジスターの作製が可能である。
【0058】実施例4 図7に示すように、超電導トンネル接合素子の酸化物磁
性体層に電流を流し、これによって上下の超電導層間を
流れる超電導電流を制御することのできる素子を作製し
た。図7中符号6及び7に示した上下の超電導層間に、
電流源を接続し電流を流す。これとは異なる図7中符号
8の第2の電流源を設け、磁性体と接地電位との間に電
流を流す。酸化物磁性体に電流を流したときには超電導
電流が流れず、流さないときには超電導電流が流れる。 この動作特性はスイッチング素子として利用できる。こ
のような素子を作製することが可能になったのは、膜厚
の充分に厚いバリア層を介して超電導電流が流れる酸化
物磁性体をバリア層材として用いたことの効果による。 上記素子は、上部及び下部の超電導層ともに酸化物超電
導体としても、同様に動作する。
【0059】実施例5 また、本発明の他の実施例を図8によって説明する。図
8は、本発明による超電導スイッチング素子の概略を示
したものである。図8中符号9は酸化物磁性体単結晶基
板であり、この上に化合物超電導体Nb3Ge からな
る図8中符号10の1対の超電導電極を、ギャップ部を
介して対向して形成し、その間に絶縁層図8中符号11
を介してゲート電極図8中符号12を作製した。この時
、酸化物磁性体には反強磁性体であるBi1Mn1Oy
(yは2.7〜3.3)を用い、ゲート部の絶縁層には
酸化物磁性体及び高温超電導体と同じペロブスカイト構
造を有する非磁性の酸化物であるLaGaO3 を用い
た。超電導電極間の距離は1.8 マイクロメートルで
ある。この素子の上記1対の超電導電極間に、電流源と
電圧計を接続し、またこれとは別の電圧源をゲート電極
に接続して、素子の電気特性を調べた。
【0060】図9は5Kで測定した超電導電極間の電流
−電圧特性である。ゲート電圧を印加すると超電導電極
間を流れる超電導電流の値が増加することが分かる。こ
の特性を利用したスイッチング動作の実施例を図10に
示す。ゲート電圧のオン−オフに対応して、超電導状態
(0)と電圧状態(1)が得られる。
【0061】実施例6 また、本発明の実施例を図11によって説明する。図1
1中符号13は酸化物磁性体La0.7Ca0.3Mn
Oy であり、この上にPbからなる超電導電極図11
中符号14を形成した。超電導電極の間には、p型のア
モルファスシリコン膜を用いた図11中符号15の受光
部を形成した。これに、波長5145オングストローム
のレーザー光を照射したところ、光を照射すると超電導
電流が増加するという、光に対する応答性が認められた
。光照射により超電導臨界電流値が変化することから、
光検出素子として、もしくは光スイッチング素子として
の利用が可能である。
【0062】実施例7 本発明による超電導トンネル接合素子の超電導層として
、SiまたはBiを用いた素子を作成した。これらの元
素は本来半導体および半金属であるが、高圧下において
は超電導特性を示すことが知られている。この素子に1
00気圧以下の圧力をかけながら温度を下げたところ、
或る一定の温度以下で超電導電流が流れた。この特性を
利用して、高圧の圧力センサーとして利用することがで
きる。
【0063】
【発明の効果】本発明によるならば、バリア層の膜厚を
数オングストローム以下の極めて薄い膜厚のものにする
必要がなくなるので、これにより酸化物超電導体を用い
た超電導素子の作製が可能になる効果がある。
【0064】また、本発明によれば、超電導電極間のギ
ャップ長を1マイクロメートル程度にまで長くすること
ができるので、微細加工が極めて容易になり、これによ
り金属もしくは化合物から成る超電導体を用いた超電導
近接効果素子の集積化が可能になるという効果がある。
【0065】また、本発明によれば、金属もしくは化合
物から成る超電導体を用いた電磁波検出素子が作製可能
となるので、検出感度の向上及び動作速度の高速化とい
う効果がある。
【0066】また、本発明によれば、金属もしくは化合
物から成る超電導体を用いた超電導近接効果素子を作製
できるのでスイッチング動作の高速化という効果がある
【0067】特に、超電導体間にペロブスカイト構造を
有する酸化物磁性体を介在させ、この新規な近接効果を
利用することにより、膜厚の厚い酸化物磁性体を有する
超電導素子を実現する。
【0068】これによりバリア層に電流注入電極を設置
することが可能になり、これによりベース注入型超電導
トランジスターが提供出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】超電導トンネル接合素子の断面図である。
【図2】超電導トンネル接合素子の平面図である。
【図3】酸化物磁性体バリア層の膜厚を、100nm及
び1μmとしたときの電流−電圧特性図である。
【図4】超電導素子にマイクロ波を照射したときに、電
流−電圧特性図である。
【図5】種々の磁性を有するバリア層に対する素子の電
流−電圧特性図である。
【図6】超電導素子の接合抵抗の温度変化を示す図であ
る。
【図7】ベース注入型超電導素子の断面図である。
【図8】超電導スイッチング素子の断面図である。
【図9】超電導スイッチング素子の電流−電圧特性のゲ
ート電圧依存性を示す図である。
【図10】超電導スイッチング素子のスイッチング動作
特性図である。
【図11】光超電導素子の断面図である。
【符号の説明】
1…金属又は化合物から成る超電導体、2…酸化物磁性
体、3…酸化物超伝導体、4…NbN酸化物磁性体/Y
BCO超電導素子の接合抵抗の温度変化、5…YBCO
/酸化物磁性体/YBCO超電導素子の接合抵抗の温度
変化、6…上部超電導電極、7…下部超電導電極、8…
バイアス用電流源、9…酸化物磁性体、10…超電導電
極、11…ゲート絶縁層、12…ゲート電極、13…酸
化物磁性体、14…超電導電極、15…受光部、301
…バリア層膜厚100nmの接合素子の電流−電圧特性
、302…バリア層膜厚1μmの接合素子の電流−電圧
特性。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物もしくは、金属または化合物超電導
    体からなる上部及び下部電極を有し、この間に非超電導
    体であるバリア層をはさんで積層した超電導トンネル接
    合において、バリア層の厚さがペロブスカイト構造を有
    する銅系酸化物超電導体のc軸方向のコヒーレント長の
    少なくとも250倍を超えることを特徴とする超電導ト
    ンネル接合。
  2. 【請求項2】請求項第1項において、バリア層を構成す
    る非超電導層は、ペロブスカイト構造を有する酸化物磁
    性体であることを特徴とする超電導トンネル接合。
  3. 【請求項3】請求項第1項において、バリア層を構成す
    る非超電導層は、ペロブスカイト構造を有する酸化物磁
    性体であって少なくとも1種類以上の磁性元素(磁性元
    素とは、Mn,Co,Cr,Fe,Ni,Ruを言う。 )ことを特徴とする超電導トンネル接合。
  4. 【請求項4】請求項第1項又は第2項においてペロブス
    カイト構造を有する酸化物磁性体は(La,Ca)1M
    n1Oy,(La,Sr)1Mn1Oy,Bi1Mn1
    Oy,Ba1Fe1Oy,Sr1CO1Oy,(La,
    A)1B1Oy(A=Ba,Sr,Pb,Cd:B=M
    n,Co), (La,A)1B1C1Oy(Aは希土類元素、Bは少
    なくとも1種以上のアルカリ土類元素、CはFe,Co
    ,Mn,Ni,Cr,Coの少なくとも1つ)[(Pr
    ,Nd),(Ba,Sr)]1Mn1Oy,(Bi,C
    a)1Mn1Oy, La1(M,Mn)1Oy(M=Co,Ni,Cu,C
    r),Gd1(Co,Mn)1Oy, A1(Fe,B)1Oy(A=Ba,Ca,Sr:B=
    Mo,Mn),Bi1Cr1Oy, Ca1Ru1Oy, A1(B,C)1Oy(A=Ba,Ca,Sr,Pb:
    B=Ni,Mn,Cr,Fe:C=W,Sb,Mo,U
    )または、(Sr,La)1(C,D)1Oy(C=C
    o,Ni:D=Nb,Sb,Ta)であることを特徴と
    する超電導トンネル接合。
  5. 【請求項5】基体上に形成された酸化物磁性体もしくは
    、酸化物磁性体単結晶基板上に対向して配置された一対
    の超電導電極を有し、超電導転移温度以下で酸化物磁性
    体中へしみだした波動関数が重なることにより上記超電
    導電極間を超電導電流が流れ、この超電導電流が電磁波
    の照射により電圧状態へと転移することにより電磁波を
    検出することを特徴とした超電導近接効果素子。
  6. 【請求項6】基体上に形成された酸化物磁性体もしくは
    、酸化物磁性体単結晶基板上に、ギャップ部を介して配
    置された対向する一対の超電導電極を有し、超電導転移
    温度以下で酸化物磁性体中へしみだした波動関数が重な
    ることにより上記超電導電極間を超電導電流が流れるこ
    とを利用した超電導素子であって、この超電導電流を上
    記一対の超電導電極間に、ペロブスカイト構造を浄する
    非磁性酸化物からなる絶縁層を介して設けられたゲート
    電極に電圧を印加して制御することにより、高速のスイ
    ッチング動作を行うことを特徴とする超電導近接効果素
    子。
  7. 【請求項7】基体上に形成された酸化物磁性体もしくは
    、酸化物磁性体単結晶基板上に対向して配置された一対
    の超電導電極を有し、超電導転移温度以下で酸化物磁性
    体中へしみだした波動関数が重なることにより上記超電
    導電極間を超電導電流が流れることを利用した超電導素
    子であって、この超電導電流を上記一対の超電導電極に
    設けられたホール供給層から成る受光部を持ち、これに
    光が照射された際の超電導電流の変化により高感度で光
    を検出することを特徴とする超電導近接効果素子。
  8. 【請求項8】請求項5から第7項における酸化物磁性体
    は、請求項第4項において規定された酸化物磁性体であ
    ることを特徴とする超電導近接効果素子。
  9. 【請求項9】請求項第6項または第7項の素子を用い、
    論理判断,演算機能を有することを特徴とする機能性素
    子及び、これを用いた演算システム。
  10. 【請求項10】請求項第6項又は第7項の素子の少なく
    とも2つ以上用いた集積化素子であって、あい隣りあう
    素子の超電導電流の干渉を防ぐための、磁性を有さずか
    つ絶縁性の領域からなる干渉防止層を有することを特徴
    とする超電導近接効果素子。
  11. 【請求項11】酸化物磁性体と、金属または化合物から
    なる超電導体を積層したことを特徴とする積層薄膜。
  12. 【請求項12】酸化物磁性体と、金属または化合物から
    なる超電導体が、少なくとも一つ以上の界面を持って接
    していることを特徴とする超電導素子。
  13. 【請求項13】酸化物磁性体を超電導体ではさんだ3層
    構造を有する超電導素子であって、上記酸化物磁性体層
    に電流を注入することにより、上下の超電導層間を流れ
    る超電導電流を制御し、増幅やスイッチングを行なうこ
    とを特徴とする超電導素子。
  14. 【請求項14】非超電導体と超電導体が接合界面をもっ
    て接する超電導素子であって、上記超電導体は高圧下で
    のみ超電導特性を示す超電導体であることを特徴とする
    超電導素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008010569A1 (fr) * 2006-07-20 2008-01-24 Japan Science And Technology Agency Jonction de josephson et dispositif de josephson

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