JPH04285186A - ボイラ薬剤及びボイラの処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はボイラ薬剤に係り、特に
著しく優れた効果を発揮するボイラ薬剤に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、工場やビルなどで使用されてい
るボイラは、給水として軟化水を用いている。軟化水中
には酸素が数ｍｇ／ｌ存在し、高温のボイラ水中で、缶
体に腐食が発生する。この障害を防止するためのボイラ
薬剤として、従来、リン酸でんぷんを含むボイラ薬剤が
提供されている（特開平２−８５３８３号）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】リン酸でんぷんによれ
ば、優れた防食効果が得られるが、より一層のボイラ水
系の腐食防止効果の向上が望まれているのが現状である
。

【０００４】本発明は上記従来の実情に鑑みてなされた
ものであって、リン酸でんぷんの特性をすべて生かしな
がら、更に防食効果を飛躍的に改善したボイラ薬剤を提
供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明のボイラ薬剤は、
リン酸でんぷんと水溶性ポリカルボン酸系ポリマーとを
含むことを特徴とする。

【０００６】以下に本発明を詳細に説明する。本発明で
用いるリン酸でんぷんとは、でんぷんを構成するグルコ
ースの６位の水酸基にリン酸がエステル結合したもので
あって、１個のリン酸に１個のグルコースが結合したモ
ノエステルあるいは２個のリン酸を挟んで２個のグルコ
ースが架橋状に結合したジエステルと称するものがある
。本発明のボイラ薬剤は、これらのモノエステル又はジ
エステルの１種を単独で含むものであっても、２種以上
を任意の割合で混合して含むものであっても良い。

【０００７】また、水溶性ポリカルボン酸系ポリマーと
しては、平均分子量５００〜１０万程度の低分子量の水
溶性ポリカルボン酸系ポリマー、具体的には、（メタ）
アクリル酸（以下、アクリル及びメタクリルを「（メタ
）アクリル」と記す。）、マレイン酸、若しくはその無
水物、フマール酸、イタコン酸、クロトン酸等の単独重
合体又はその共重合体、或いは、該単独重合体又は共重
合体の水溶性塩等の１種又は２種以上が挙げられる。 なお、共重合体の場合の重合分子としては、ヒドロキシ
エチルメタクリレート等のヒドロキシアルキル（メタ）
アクリレート類（以下、アクリレート及びメタクリレー
トを「（メタ）アクリレート」と記す。）、アクリルア
ミド等の（メタ）アクリルアミド類、メチル（メタ）ア
クリレート、２−エチルヘキシルメタクリレート等の不
飽和カルボン酸エステル、酢酸ビニル等のビニルエステ
ル、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル、イソブチレ
ン等のアルケン等が挙げられる。共重合体の具体例とし
ては、アクリル酸／２−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト共重合体、マレイン酸／イソブチレン共重合体、アク
リル酸／アクリルアミド共重合体が挙げられる。また、
共重合体は、異なるカルボン酸同士の共重合体、例えば
、アクリル酸／（無水）マレイン酸共重合体、アクリル
酸／イタコン酸共重合体であっても良い。

【０００８】このような水溶性ポリカルボン酸系ポリマ
ーは、前記リン酸でんぷんと該ポリマーとの重量比で１
：９９〜９９：１の割合で用いるのが好ましい。なお、
該ポリマーは、リン酸でんぷんに予め添加混合して一液
化して用いても良く、また、個別注入で配合使用しても
良い。

【０００９】このような本発明のボイラ薬剤は、処理対
象給水に対して、リン酸でんぷんの添加割合が１〜１０
００ｍｇ／ｌ、好ましくは１０〜１００ｍｇ／ｌ、前記
ポリマーの添加割合が０．０１〜５００ｍｇ／ｌ、好ま
しくは０．１〜５０ｍｇ／ｌとなるように添加使用する
のが好適である。

【００１０】

【作用】リン酸でんぷんと水溶性ポリカルボン酸系ポリ
マーとを併用することによる相乗効果により、著しく優
れた防食効果が得られる。

【００１１】

【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
より具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない
限り、以下の実施例に限定されるものではない。

【００１２】実施例１、比較例１，２ 伝熱部が軟鋼製の容量５　　ｌのテストボイラを、圧力
２０ｋｇ／ｃｍ２に保ちながら５　　ｌ／ｈｒの供給速
度で下記水質の厚木市水の軟化水を供給した。 電気伝導度　　　　　　２００μＳ／ｃｍｐＨ　　　　
　　　　　　８．１ Ｍ−アルカリ度　　　　４５ｍｇ／ｌ Ｃｌ−　　　　　　　　　　　１３ｍｇ／ｌＳｉＯ２　
　　　　　　　　２９ｍｇ／ｌＳＯ４２−　　　　　　
　　　２５ｍｇ／ｌ溶存酸素　　　　　　　　　　　　
４ｍｇ／ｌなお、ボイラ水のｐＨは１１．４〜１１．６
、温度は２１５℃であった。

【００１３】この給水に各々下記薬剤を添加し、４５時
間運転した。 実施例１＝リン酸でんぷん７５ｍｇ／ｌとポリアクリル
酸ソーダ（分子量１５００）１．５ｍｇ／ｌの一液化剤
比較例１＝リン酸でんぷん７７ｍｇ／ｌ比較例２＝ポリ
アクリル酸ソーダ７７ｍｇ／ｌ（リン酸ソーダ３．５ｍ
ｇ／ｌ併用） ４５時間後に給水とボイラ水中の全鉄含有量を測定した
（ＪＩＳ法）。

【００１４】なお、４５時間の全ブロー量は２０．６　
　ｌであった。また、腐食量は下式で求めた。 腐食量＝｛（ボイラ水中の全鉄）−（濃縮倍数（９．５
）×給水中の全鉄含有量）｝×ブロー量結果を表１に示
す。

【００１５】

【表１】

【００１６】表１より、本発明のボイラ薬剤（実施例１
）は、リン酸でんぷん及びポリアクリル酸ソーダのみの
従来例（比較例１，２）に比べて、同添加量にてはるか
に優れた防食効果を発揮することが明らかである。

【００１７】

【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のボイラ薬剤
は、著しく優れた防食効果を発揮し、ボイラ水系の腐食
を大幅に低減することができる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　リン酸でんぷんと水溶性ポリカルボン
   酸系ポリマーとを含むボイラ薬剤。