JPH04285114A - 耐熱ロール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は加熱炉、熱処理炉等の炉
内において、被処理材を支持し搬送するための耐熱ロー
ルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、加熱炉、熱処理炉等の炉内におい
て、被処理材の支持搬送用ロールには、多くのものが提
案されてきたが、それぞれに使用上の問題点があった。 例えば、カーボンロールでは酸化性雰囲気では使用でき
ず、また耐摩耗性も小さい。アスベストロールでは、耐
熱性、耐摩耗性が小さく、約１０００℃以上の炉内での
使用が困難であり摩耗や劣化により頻繁な取り替えを必
要としていた。スチールロール、メッキロール、肉盛ロ
ールおよびセラミック溶射ロールでは、ロール表面への
被処理材の剥離片やその酸化物の転着（以下ビルドアッ
プと呼ぶ）が生じ、これが被処理材に疵を付け生産性を
阻害していた。

【０００３】ロール内部に直接水を通した水冷ロールで
は被処理材が特に薄板ストリップの場合、水冷ロールと
の接触部でストリップが部分的に急冷されて、熱変形す
るという問題があった。また炉内熱を低温のロールが吸
収するため炉の熱効率を低下させていた。一方、実公昭
５７−４０３５６号公報に記載のようなセラミックスリ
ーブロールではロール組み込み時の衝撃、あるいはスト
リップ通板時にストリップの溶接部および形状不良部が
ロール表面に与える衝撃によって、その衝撃が軽度の場
合でも微小な亀裂が進展し、使用中にロールが割れると
いう問題があった。また組み込み作業中等に吸収した水
分により炉内で局所的に爆裂を起こしていた。さらに、
セラミックロールは１０００℃を超えると耐ビルドアッ
プ性が低下するため、ビルドアップが発生していた。

【０００４】このような水冷ロールの問題点を解消し、
ロール表面温度を炉温より２００〜３００℃低い状態に
制御可能なロール構造として、図２に示す実公昭６２−
６１２５号公報記載の緩冷却耐熱ロールがある。しかし
該ロールではロール支持軸４Ａ、４Ｂに２つの冷媒８、
１０の冷媒供給口１１Ａ、１１Ｂ及び２つの冷媒排出口
１２Ａ、１２Ｂを設ける必要があるため、支持軸４Ａ、
４Ｂの構造および回転する支持軸４Ａ、４Ｂに冷媒を供
給する回転継手構造（図示せず）が複雑且つ大径となり
、ロールの回転性および整備性が悪いという問題が生じ
る。

【０００５】また図３に示すように、冷媒流路７を１つ
としロールの外殻１と冷媒管２との間に耐熱性の成形体
１３（例えばスリーブレンガ）を挿入し外殻１と冷媒管
２との間の伝熱を促進する場合には、成形体１３とロー
ル外殻１及び冷媒管２との熱膨張差により隙間１４が生
じ、伝熱が不安定になるという問題がある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は従来ロールの
持つ前記問題を克服し、簡易な構造にて耐摩耗性、耐熱
性、耐衝撃性および耐水性の向上を図るとともに、ビル
ドアップにより発生する被処理材への疵付および急冷に
よる被処理材の変形等を防止し、省エネルギーで長期間
のメンテナンスフリーを可能とすることを目的としてい
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】以下、本発明を図面に示
す実施例により説明する。図１に示す耐熱ロールは被処
理材の支持、搬送面を形成する円筒面を持つ外殻１と、
外殻１の内部に空隙部６を介して配設された冷媒管２と
を備え、冷媒管２の内部に形成された冷媒流路７中に外
部より冷媒８が供給されるように構成されている。

【０００８】外殻１の表面は、Ｃｏ，Ｃｒ，Ｎｉ，Ｍｏ
，Ａｌ，Ｚｒ，Ｓｉ，Ｙ，Ｔｉ，Ｈｆ，Ｍｇ，Ｃａ，Ｔ
ａの１種又は２種以上の金属、及び／又は前記金属の酸
化物、炭化物、窒化物又は硼化物の１種又は２種以上及
び不可避不純物からなる厚さ０．０５ｍｍ〜１ｍｍの溶
射によるコーティング材５によって被覆されていること
が望ましく、これによりすぐれた耐ビルドアップ性が付
与される。

【０００９】また、外殻１の表面には、Ａｌ２　Ｏ３　
−Ｃｒ２　Ｏ３　、Ｙ２　Ｏ３　系セラミックスあるい
はＡｌ２　Ｏ３　系サーメット等、耐ビルドアップ性の
高いコーティング材５が被覆されていることが望ましく
、これによりすぐれた耐ビルドアップ性が付与される。

【００１０】冷媒管２の両端には支持軸４Ａ、４Ｂが固
設されている。支持軸４Ａ、４Ｂおよび冷媒管２の内部
に形成された冷媒流路７は外部より冷媒８としての水が
導通される。空隙部６の内部には、Ａｌ２　Ｏ３　ある
いはＳｉＯ２　等、耐熱性の粉粒体９が充填されている
。粉粒体９の粒径は、流動性および空隙への充填性を考
慮して０．１〜３．０ｍｍであることが望ましい。

【００１１】

【作用】水の導通により冷却された冷媒管２の外面は、
炉内に曝露され被処理材に圧接されている外殻１に比し
、温度が格段に低い。この温度差により空隙部６内にお
いて伝熱が生じる。この伝熱は、粉粒体９の充填率（粉
粒体９の容積／空隙部６の容積）の大小により、次の２
種類の機構にて行われる。即ち粉粒体９の充填率が５０
％以下と充分小さい場合には、ロールの回転軸３を軸芯
とする回転に伴い粉粒体９が空隙部６の内部を流動する
ため、輻射伝熱に加えて粉粒体９による流動伝熱が生じ
る。また粉粒体９の充填率が大きく１００％に近い場合
には、ロールの回転にもかかわらず粉粒体９の空隙部６
内での移動は微少であり、従って伝熱機構は粉粒体内の
伝導伝熱が主となる。後者の伝熱機構の場合においても
微少な粉粒体９の移動により、空隙部６内に図３に示す
ような固定した隙間１４が生じることが防止されるため
伝熱は安定したものとなる。

【００１２】実際の使用に当たっては、粉粒体９の充填
率を任意に調整することにより、これら２種類の伝熱機
構の組合せに基づき、外殻１の内面と冷媒管２の外面と
の間の伝熱量を任意に調整できるため、外殻１は任意の
程度に緩冷却される。このため被処理材へのロールによ
る熱影響を小さく抑え、被処理材の急冷による変形を防
止できる。又被処理材と外殻１との温度差が適度に保た
れることにより、ビルドアップの発生を防止することが
できる。

【００１３】すなわち、粉粒体９の充填率を調整し外殻
１の温度を調整することによってビルドアップ及び被処
理材の変形が生じない最適温度に調整することができる
。例えば、ステンレス鋼帯の連続焼鈍炉においては、Ｎ
ｉ系ステンレス鋼帯は約１１００℃で焼鈍される。この
時、ロール表面温度を８００〜９００℃に調整すること
によりビルドアップ及び鋼帯の熱変形を解消できる。 本発明者は粉粒体９の充填率と炉温、及び外殻１の表面
温度について調査した。その結果の１部を表１に示すが
、表１からもわかる通り、炉温１２００℃の前記適用例
においては、粉粒体９の充填率を３０％に調整すること
により外殻１の表面温度を８５０℃に調整可能である。 これにより耐ビルドアップ性を確保することができると
同時に、被処理材の熱変形を回避することが可能となっ
た。

【００１４】

【表１】

【００１５】

【発明の効果】本発明により、簡易な構造にて耐熱ロー
ルの耐摩耗性、耐熱性、耐衝撃性および耐水性が向上し
、耐熱ロールの手入れおよび取り替え頻度が減少し、ビ
ルドアップによる被処理材の疵や、急冷による被処理材
の変形を防止することができ、品質、歩留り、作業性お
よび保全性を著しく向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す図である。

【図２】従来の支持ロールの１例を示す図である。

【図３】従来の支持ロールの１例を示す図である。

【符号の説明】

１　　外殻　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　２　　冷媒管３　　回転軸　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　４Ａ，４Ｂ　　支
持軸 ５　　コーティング材　　　　　　　　　　　　　　　
　６　　空隙部７　　冷媒流路　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　８　　冷媒９　　粉粒体　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　１０　　
冷媒１１Ａ，１１Ｂ　　冷媒供給口　　　　　　　　１
２Ａ，１２Ｂ　　冷媒排出口

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　炉内において被処理材を支持し搬送す
   るためのロールであって、軸心部位に冷媒管（２）およ
   び冷媒管（２）の外周りに空隙部（６）を有しており、
   空隙部（６）に伝熱媒体として耐熱性の粉粒体（９）が
   充填されていることを特徴とする耐熱ロール。
2. 【請求項２】　　ロールの外周面がＣｏ，Ｃｒ，Ｎｉ，
   Ｍｏ，Ａｌ，Ｚｒ，Ｓｉ，Ｙ，Ｔｉ，Ｈｆ，Ｍｇ，Ｃａ
   ，Ｔａの１種又は２種以上の金属、及び／又は前記金属
   の酸化物、炭化物、窒化物又は硼化物の１種又は２種以
   上及び不可避不純物からなる厚さ０．０５ｍｍ〜１ｍｍ
   の溶射によるコーティング材によって被覆されているこ
   とを特徴とする請求項１記載の耐熱ロール。