JPH04285014A - ビスマス系酸化物超伝導材 - Google Patents
ビスマス系酸化物超伝導材Info
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- JPH04285014A JPH04285014A JP3076878A JP7687891A JPH04285014A JP H04285014 A JPH04285014 A JP H04285014A JP 3076878 A JP3076878 A JP 3076878A JP 7687891 A JP7687891 A JP 7687891A JP H04285014 A JPH04285014 A JP H04285014A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビスマス−ストロンチ
ウム−カルシウム−銅−酸素により構成され、その一部
に鉛が固溶してなるビスマス系酸化物超伝導材に関する
ものである。
ウム−カルシウム−銅−酸素により構成され、その一部
に鉛が固溶してなるビスマス系酸化物超伝導材に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ビスマス系酸化物超伝導体には、超伝導
に転移する臨界温度(Tc)が約110Kである高Tc
相、および約80Kである低Tc相の、少なくとも2種
の超伝導相が存在することが知られている。この臨界温
度が高い程、超伝導材としての応用価値が高まるが、高
Tc相はその生成に液相を介し、また低Tc相の原子の
再配列によつて形成されると考えられており、単相化す
ることは技術的に困難である。このため、液相生成範囲
を拡大し、高Tc相の生成を容易にする目的で、原料粉
中に鉛を添加することがしばしば行われる。添加された
鉛は、第2相を形成したり、液相に溶け込んだりして全
体の相平衡を変化させ、高Tc相の核生成、成長を容易
にしていると考えられる。
に転移する臨界温度(Tc)が約110Kである高Tc
相、および約80Kである低Tc相の、少なくとも2種
の超伝導相が存在することが知られている。この臨界温
度が高い程、超伝導材としての応用価値が高まるが、高
Tc相はその生成に液相を介し、また低Tc相の原子の
再配列によつて形成されると考えられており、単相化す
ることは技術的に困難である。このため、液相生成範囲
を拡大し、高Tc相の生成を容易にする目的で、原料粉
中に鉛を添加することがしばしば行われる。添加された
鉛は、第2相を形成したり、液相に溶け込んだりして全
体の相平衡を変化させ、高Tc相の核生成、成長を容易
にしていると考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鉛の添
加により高Tc相の生成は促進されるものの、得られた
高Tc相の臨界温度は高々110Kであり、従来に比し
超伝導特性の大幅な向上が見られるとはいえなかつた。 これは鉛が高Tc相に固溶しにくいためと考えられ、例
えば出発組成において、鉛をビスマス量の60%程度ま
で添加しても、高Tc相への固溶量はせいぜい10%で
あった。このため、添加した鉛の多くは焼成中に蒸気と
なつて系外に散逸してしまい、残った鉛もその一部は第
2相中に取り込まれている割合が大きいなど、鉛の添加
による超伝導特性向上の効果があまり期待できなかった
。
加により高Tc相の生成は促進されるものの、得られた
高Tc相の臨界温度は高々110Kであり、従来に比し
超伝導特性の大幅な向上が見られるとはいえなかつた。 これは鉛が高Tc相に固溶しにくいためと考えられ、例
えば出発組成において、鉛をビスマス量の60%程度ま
で添加しても、高Tc相への固溶量はせいぜい10%で
あった。このため、添加した鉛の多くは焼成中に蒸気と
なつて系外に散逸してしまい、残った鉛もその一部は第
2相中に取り込まれている割合が大きいなど、鉛の添加
による超伝導特性向上の効果があまり期待できなかった
。
【0004】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、転移を開始する臨界温度が大幅に向上し
、優れた超伝導特性を有するビスマス系酸化物超伝導材
を提供しようとするものである。
たものであり、転移を開始する臨界温度が大幅に向上し
、優れた超伝導特性を有するビスマス系酸化物超伝導材
を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するために鋭意検討を行い、その結果、ビスマス、
ストロンチウム、カルシウム、銅、および酸素よりなり
、ビスマス量に対して15〜40モル%の鉛が固溶して
なるビスマス系酸化物超伝導材が、高い転移開始温度を
有することを見いだした。
解決するために鋭意検討を行い、その結果、ビスマス、
ストロンチウム、カルシウム、銅、および酸素よりなり
、ビスマス量に対して15〜40モル%の鉛が固溶して
なるビスマス系酸化物超伝導材が、高い転移開始温度を
有することを見いだした。
【0006】本発明のビスマス系酸化物超伝導材は、ビ
スマス(Bi)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム
(Ca)、銅(Cu)および酸素(O2 )を主たる構
成元素とする酸化物超伝導材であり、臨界温度が約11
0Kないしそれ以上である高Tc相を主体とする。高T
c相の典型的な組成としてはBi:Sr:Ca:Cu=
2:2:2:3(原子比)である酸化物が挙げられるが
、各陽イオン間で相互に固溶現象があり、またホールが
ドープされるため、化学量論比からややずれた値をとる
ことが多い。相互の固溶量を補正した後でも上記の比率
の最大10%程度までは比率が変化し得る。
スマス(Bi)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム
(Ca)、銅(Cu)および酸素(O2 )を主たる構
成元素とする酸化物超伝導材であり、臨界温度が約11
0Kないしそれ以上である高Tc相を主体とする。高T
c相の典型的な組成としてはBi:Sr:Ca:Cu=
2:2:2:3(原子比)である酸化物が挙げられるが
、各陽イオン間で相互に固溶現象があり、またホールが
ドープされるため、化学量論比からややずれた値をとる
ことが多い。相互の固溶量を補正した後でも上記の比率
の最大10%程度までは比率が変化し得る。
【0007】本発明では、上記組成におけるビスマス量
に対して15〜40モル%の鉛(Pb)が固溶してなる
ことを必須条件とする。鉛の固溶量をビスマス量の15
〜40モル%の範囲とする理由は、固溶量が15モル%
より低いと固溶による臨界温度の向上効果が小さいため
である。また40モル%を越えて固溶させようとしてよ
り多くの鉛を添加しても、固溶せずに第2相を形成して
しまう。なお、高Tc相中に固溶している鉛のほとんど
はビスマス位置を置換しているが、一部はストロンチウ
ム、カルシウム、銅とも置換し得る。
に対して15〜40モル%の鉛(Pb)が固溶してなる
ことを必須条件とする。鉛の固溶量をビスマス量の15
〜40モル%の範囲とする理由は、固溶量が15モル%
より低いと固溶による臨界温度の向上効果が小さいため
である。また40モル%を越えて固溶させようとしてよ
り多くの鉛を添加しても、固溶せずに第2相を形成して
しまう。なお、高Tc相中に固溶している鉛のほとんど
はビスマス位置を置換しているが、一部はストロンチウ
ム、カルシウム、銅とも置換し得る。
【0008】本発明のビスマス系酸化物超伝導材を製造
する場合、添加した鉛は比較的容易に蒸気となって系外
へ散逸してしまうため、原料粉調製の早い段階で、でき
るだけ多くの鉛を超伝導相中へ固溶させることが重要で
ある。これには原料粉を予め加熱処理する際に雰囲気を
低酸素分圧にコントロールすることが有効で、鉛の固溶
限を大きく上昇させることができる。具体的には、酸素
分圧が0.1気圧以下の低酸素分圧下で処理することが
望ましく、鉛の固溶量の著しい増加が認められる。熱処
理温度は、通常、400〜850℃の範囲が望ましい。
する場合、添加した鉛は比較的容易に蒸気となって系外
へ散逸してしまうため、原料粉調製の早い段階で、でき
るだけ多くの鉛を超伝導相中へ固溶させることが重要で
ある。これには原料粉を予め加熱処理する際に雰囲気を
低酸素分圧にコントロールすることが有効で、鉛の固溶
限を大きく上昇させることができる。具体的には、酸素
分圧が0.1気圧以下の低酸素分圧下で処理することが
望ましく、鉛の固溶量の著しい増加が認められる。熱処
理温度は、通常、400〜850℃の範囲が望ましい。
【0009】その他の条件は特に限定されるものではな
く、従来の方法に従って、得られた仮焼粉を成形した後
、750〜900℃で焼成すればよい。また、焼成をA
gシース等のシース材中で行なってもよく、表面のAg
シース材の存在で鉛の蒸発による散逸を防止することが
できる。
く、従来の方法に従って、得られた仮焼粉を成形した後
、750〜900℃で焼成すればよい。また、焼成をA
gシース等のシース材中で行なってもよく、表面のAg
シース材の存在で鉛の蒸発による散逸を防止することが
できる。
【0010】このようにして得られた本発明のビスマス
系酸化物超伝導材は、臨界温度が著しく上昇しており、
従来より金属酸化物超伝導材の使用が期待されている、
強力マグネット、磁気軸受等の磁気力を利用したもの、
超伝導送電線、リード線等の抵抗ゼロを利用したもの、
JJ素子、トランジスター等の超伝導特性を利用したも
のをはじめ、より広い分野への応用が可能である。
系酸化物超伝導材は、臨界温度が著しく上昇しており、
従来より金属酸化物超伝導材の使用が期待されている、
強力マグネット、磁気軸受等の磁気力を利用したもの、
超伝導送電線、リード線等の抵抗ゼロを利用したもの、
JJ素子、トランジスター等の超伝導特性を利用したも
のをはじめ、より広い分野への応用が可能である。
【0011】
【作用】本発明のビスマス系酸化物超伝導材は、高Tc
相に鉛を所定範囲で置換固溶した組成を有し、従来に比
し高い鉛の固溶量を実現したことにより臨界温度を著し
く向上させる。鉛の固溶量の増加により臨界温度が上昇
する理由は明らかではないが、Cu−O面でのホール濃
度に間接的に関与しているものと考えられる。
相に鉛を所定範囲で置換固溶した組成を有し、従来に比
し高い鉛の固溶量を実現したことにより臨界温度を著し
く向上させる。鉛の固溶量の増加により臨界温度が上昇
する理由は明らかではないが、Cu−O面でのホール濃
度に間接的に関与しているものと考えられる。
【0012】
【実施例】Bi:Sr:Ca:Cu=2:2:2:3(
原子比)で、かつビスマス(Bi)の0〜60モル%の
範囲で鉛(Pb)を添加した共沈粉を原料粉として使用
した。原料粉はすべて、酸素中、750℃で5時間仮焼
した後、酸素分圧0.05気圧または0.2気圧のO2
/Ar混合ガス中、840℃で熱処理を行なった。そ
の後、金型プレスで5×2×20mmの成形体を得、こ
れを酸素分圧0.1気圧の下、840℃で4時間焼成し
てビスマス系超伝導材を得た。得られたビスマス系超伝
導材について、交流磁化率による臨界温度Tcの測定を
行ない、結果を表1に示した。また表中、鉛の固溶量は
SEM中でのEDX分析で大きな板状の高Tc相に対す
るBi/Pb比より決定した。
原子比)で、かつビスマス(Bi)の0〜60モル%の
範囲で鉛(Pb)を添加した共沈粉を原料粉として使用
した。原料粉はすべて、酸素中、750℃で5時間仮焼
した後、酸素分圧0.05気圧または0.2気圧のO2
/Ar混合ガス中、840℃で熱処理を行なった。そ
の後、金型プレスで5×2×20mmの成形体を得、こ
れを酸素分圧0.1気圧の下、840℃で4時間焼成し
てビスマス系超伝導材を得た。得られたビスマス系超伝
導材について、交流磁化率による臨界温度Tcの測定を
行ない、結果を表1に示した。また表中、鉛の固溶量は
SEM中でのEDX分析で大きな板状の高Tc相に対す
るBi/Pb比より決定した。
【0013】
【表1】
【0014】表に明らかなように、鉛の固溶量が15〜
40%の範囲にある本発明のビスマス系酸化物超伝導材
は、臨界温度Tcが著しく向上している(実施例1〜3
)。さらに実施例3、比較例3の超伝導材について4端
子電流による臨界電流密度Jcの測定を行なったところ
、実施例3は5×103 A/cm2 、比較例3は2
×102 A/cm2 であり、また比較例3において
は粒界に多くの第2相が検出された。これより、固溶量
が40%を越えると(比較例3)、鉛が第2相を形成し
て超伝導特性を逆に低下させることがわかる。また、熱
処理工程における酸素分圧が高いと(比較例4〜9)、
鉛の添加量を増加しても固溶量は10%以下であり、臨
界温度Tcはいずれも110Kを下回った。
40%の範囲にある本発明のビスマス系酸化物超伝導材
は、臨界温度Tcが著しく向上している(実施例1〜3
)。さらに実施例3、比較例3の超伝導材について4端
子電流による臨界電流密度Jcの測定を行なったところ
、実施例3は5×103 A/cm2 、比較例3は2
×102 A/cm2 であり、また比較例3において
は粒界に多くの第2相が検出された。これより、固溶量
が40%を越えると(比較例3)、鉛が第2相を形成し
て超伝導特性を逆に低下させることがわかる。また、熱
処理工程における酸素分圧が高いと(比較例4〜9)、
鉛の添加量を増加しても固溶量は10%以下であり、臨
界温度Tcはいずれも110Kを下回った。
【0015】次に、この熱処理工程における酸素分圧を
0〜1気圧の範囲で変更し、臨界温度との関係を調べた
。鉛の添加量を30%または10%とし、他の条件は実
施例1と同様にしてビスマス系超伝導材を得、臨界温度
Tcを測定した。結果を表2に示す。この結果、添加量
30%、酸素分圧0.1気圧以下の場合のみ鉛の固溶量
が15%を越え、臨界温度の向上が見られた。
0〜1気圧の範囲で変更し、臨界温度との関係を調べた
。鉛の添加量を30%または10%とし、他の条件は実
施例1と同様にしてビスマス系超伝導材を得、臨界温度
Tcを測定した。結果を表2に示す。この結果、添加量
30%、酸素分圧0.1気圧以下の場合のみ鉛の固溶量
が15%を越え、臨界温度の向上が見られた。
【0016】
【表2】
【0017】さらに、実施例1と同様に酸素分圧0.0
5気圧、840℃で熱処理した粉末を、10mmφのA
g管につめ、2mmφまでスウェージ加工して、840
℃、大気中で4時間焼成した。同様にして超伝導特性を
評価し、結果を表3に示した。
5気圧、840℃で熱処理した粉末を、10mmφのA
g管につめ、2mmφまでスウェージ加工して、840
℃、大気中で4時間焼成した。同様にして超伝導特性を
評価し、結果を表3に示した。
【0018】
【表3】
【0019】実施例7、8では、鉛の添加量に対する固
溶割合が上記実施例1、2より増加しており、焼成中の
鉛の蒸発を抑制する効果があることがわかる。また、臨
界温度Tc、臨界電流密度Jcのいずれも従来に比し優
れた値を示す。
溶割合が上記実施例1、2より増加しており、焼成中の
鉛の蒸発を抑制する効果があることがわかる。また、臨
界温度Tc、臨界電流密度Jcのいずれも従来に比し優
れた値を示す。
【0020】
【発明の効果】以上のように、ビスマス、ストロンチウ
ム、カルシウム、銅、および酸素よりなり、ビスマス量
に対して15〜40モル%の鉛が固溶した本発明のビス
マス系酸化物超伝導材は、臨界温度Tcが従来に比し著
しく向上している。さらに臨界電流密度Jcなど他の超
伝導特性にも優れ、種々の分野に利用可能である。
ム、カルシウム、銅、および酸素よりなり、ビスマス量
に対して15〜40モル%の鉛が固溶した本発明のビス
マス系酸化物超伝導材は、臨界温度Tcが従来に比し著
しく向上している。さらに臨界電流密度Jcなど他の超
伝導特性にも優れ、種々の分野に利用可能である。
Claims (1)
- 【請求項1】 ビスマス、ストロンチウム、カルシウ
ム、銅、および酸素よりなり、ビスマス量に対して15
〜40モル%の鉛が固溶してなることを特徴とするビス
マス系酸化物超伝導材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3076878A JPH04285014A (ja) | 1991-03-15 | 1991-03-15 | ビスマス系酸化物超伝導材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3076878A JPH04285014A (ja) | 1991-03-15 | 1991-03-15 | ビスマス系酸化物超伝導材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04285014A true JPH04285014A (ja) | 1992-10-09 |
Family
ID=13617890
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3076878A Pending JPH04285014A (ja) | 1991-03-15 | 1991-03-15 | ビスマス系酸化物超伝導材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04285014A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007031266A (ja) * | 2005-06-23 | 2007-02-08 | Sumitomo Electric Ind Ltd | Bi系超電導体およびその製造方法、超電導線材ならびに超電導機器 |
-
1991
- 1991-03-15 JP JP3076878A patent/JPH04285014A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007031266A (ja) * | 2005-06-23 | 2007-02-08 | Sumitomo Electric Ind Ltd | Bi系超電導体およびその製造方法、超電導線材ならびに超電導機器 |
JP4631813B2 (ja) * | 2005-06-23 | 2011-02-16 | 住友電気工業株式会社 | Bi系超電導体およびその製造方法、超電導線材ならびに超電導機器 |
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