JPH04282244A

JPH04282244A - 電界発光素子

Info

Publication number: JPH04282244A
Application number: JP3046977A
Authority: JP
Inventors: Yoshio Tanaka; 田中　善雄; Yukichi Deguchi; 出口　雄吉
Original assignee: Toray Industries Inc
Current assignee: Toray Industries Inc
Priority date: 1991-03-12
Filing date: 1991-03-12
Publication date: 1992-10-07
Anticipated expiration: 2015-04-24
Also published as: JP3036097B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電界発光素子（エレクト
ロルミネッセンス発光素子）に関する。

【０００２】さらに詳しくは、発光輝度・効率が良好で
かつ、耐久性に優れた電界発光素子に関する。

【０００３】

【従来の技術】従来、電界発光素子として、電極層上に
高誘電率層、発光層、透明電極層を積層したものが知ら
れている高誘電率層としては、チタン酸バリウム、チタ
ン酸ストロンチウム、チタン酸鉛などの高誘電率の無機
粉末をシアノエチルセルロ−スなどのセルロ−ス系高誘
電体バインダ−中に分散したものが用いられている。ま
た、発光層としては、銅やマンガン、アルミニウムなど
をド−プした硫化亜鉛などの蛍光体粉末をシアノエチル
セルロ−スなどのセルロ−ス系高誘電体バインダ−中に
分散したものが用いられている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電界発光素子には、次のような問題点があった。

【０００５】すなわち、高誘電率層として用いられてい
るチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン
酸鉛などの高誘電率の無機粉末をシアノエチルセルロ−
スなどのセルロ−ス系高誘電体バインダ−中に分散した
ものや、また、発光層として用いられている、銅やマン
ガン、アルミニウムなどをド−プした硫化亜鉛などの蛍
光体粉末をシアノエチルセルロ−スなどのセルロ−ス系
高誘電体バインダ−中に分散したものは、水分を吸着す
ることにより発光輝度が低下するという問題点や、透明
電極層と発光層、あるいは、高誘電率層と電極層との密
着性が悪く、発光ムラが発生するという問題点があった
。

【０００６】これらの問題点を解決するため、■防湿性
の改良に関しては、フッ素フイルム上にさらに無機の防
湿層を形成する方法（特開平２−２２９０３２）、■密
着性の向上には透明電極層上にパラジウム層を形成する
方法（特開昭６４−８１１１２、特開平２−７２９４０
、特開平２−９８４３６）などが提案されてきた。

【０００７】しかしながら、■に関しては、水分の透過
率を完全にゼロにすることは困難である。また、■に関
しては、パラジウム層の形成により、密着性の改良およ
び発光輝度の低下はある程度防ぐことが可能であるが、
パラジウム層を形成することにより、発光輝度が低くな
り、また、消費電力の増大、すなわち、効率の低下をき
たす。

【０００８】しかしながら、本発明のごとくパラジウム
を高誘電率層および／または発光層に添加することで上
記の問題点が解決できることを見出し本発明に到達した
。

【０００９】

【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、電極
層、高誘電率層、発光層、透明電極層および、これらを
包む保護シ−トからなる電界発光素子において、高誘電
率層および発光層のどちらか一方、またはその両方に平
均粒径３０μｍ以下のパラジウム微粒子が、高誘電率層
および発光層を構成する全材料に対し、０．００１〜５
ｗｔ％含まれていることを特長とする電界発光素子を提
供する。

【００１０】本発明の電極層には、１０〜５０μｍのア
ルミニウム箔を主として使用するが電極層はこれに限定
されるものではない。例えば、１０〜５０μｍの銅箔や
ポリエステルなどのプラスチックフイルムに銀ペ−スト
などを塗布して電極層としても良い。

【００１１】高誘電率層は、チタン酸バリウム、チタン
酸鉛、チタン酸ストロンチウムなどの高誘電率粉末を、
シアノエチルセルロ−ス、シュクロ−ス、シアノエチル
プルラン、酢酸セルロ−スなどの高誘電体バインダ−を
溶解したジメチルホルムアミドなどの溶媒に分散して塗
料とし、アルミニウム電極層上に１０〜５０μｍ厚さに
スクリ−ン印刷などの方法で塗布、乾燥して形成する。

【００１２】発光層は、銅やアルミニウムなどをド−プ
した硫化亜鉛などの蛍光体を、シアノエチルセルロ−ス
、シュクロ−ス、シアノエチルプルラン、酢酸セルロ−
スなどの高誘電体バインダ−を溶解したジメチルホルム
アミドなどの溶媒に分散して塗料とし、高誘電率層上に
１０〜５０μｍ厚さにスクリ−ン印刷などの方法で塗布
、乾燥して形成する。

【００１３】高誘電率層および発光層のどちらか一方、
またはその両方に平均粒径３０μｍ以下のパラジウム微
粉末が添加される。添加されるパラジウム微粉末の添加
量は高誘電率層および発光層を構成する全材料に対し、
０．００１〜５ｗｔ％である。好ましくは、０．００２
〜１ｗｔ％、さらに好ましくは、０．００５〜０．１ｗ
ｔ％である。パラジウムの添加量が少ないと、電界発光
素子の寿命、すなわち発光輝度が早く低下する。また、
パラジウムの添加量が多すぎると、電界発光素子の発光
効率が悪くなり、同じ輝度で消費電力が大きくなる。高
誘電率層、、発光層各々の層における添加量は各層を構
成する材料に対して、５ｗｔ％以下、より好ましくは１
ｗｔ％以下、さらに好ましくは０．１ｗｔ％以下である
ことが好ましい。

【００１４】高誘電率層および／または発光層に添加さ
れるパラジウム粒子の平均粒径は、３０μｍ以下である
必要がある。好ましくは粒径１５μｍ以下、さらに粒径
５μｍ以下であればより好ましい。パラジウムの平均粒
径が３０μｍを超えると、短絡などのトラブルが起こり
やすく好ましくない。

【００１５】パラジウムの平均粒径をＸ（μｍ）、高誘
電率層および発光層を構成する全材料に対する添加パラ
ジウムの濃度をＹ（ｗｔ％）とするとき、式（Ｘ／３０
）≦Ｙ≦（Ｘ／６）を満たすようにするのが好ましい。

【００１６】透明電極層はポリエステルフィルムの片面
に、酸化インジウム−錫複合酸化物（ＩＴＯ）から成る
透明導電層を真空蒸着、スパッタリングなどの方法で形
成し、さらに、発光層との密着性を付与するため、必要
に応じて易接着層が設けられる。易接着層としては特開
昭６４−８１１１２、特開平２−７２９４０、特開平２
−９８４３６で述べられている手法が利用できる。この
透明電極層が加圧プレスなどの方法で発光層と積層され
る。

【００１７】保護シ−トは電極層、高誘電率層、発光層
、透明電極層全体を包み、主として、防湿性のすぐれた
３フッ化塩化エチレンに熱融着可能なポリエチレン・酢
酸ビニル共重合樹脂を積層したフイルムが一般に使用さ
れるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。また、必要に応じて透明電極、背面電極層と保護シ−ト
の間にポリアミドフィルムなどの捕水層が含まれていて
も良い。また透明電極、背面電極層から各々取出し電極
を設ける。

【００１８】

【実施例】アセトン洗浄した５０μｍのアルミ箔（昭和
アルミ（株）製）上に、表１に示す■〜■の４通りの塗
料組成の高誘電率層を３５μｍ厚み形成した。

【００１９】チタン酸バリウムはロ−ヌ・プ−ラン社の
ＢＴ−３００を用い、シアノエチルプルランは信越化学
（株）製ＣＲ−Ｓを用いた。ジメチルホルムアミド、ア
セトンは試薬（特級）を用いた。

【００２０】

【表１】

【００２１】次いで、表１に示す■〜■の組成の高誘電
体層上に表２に示す■〜■の塗料組成の発光層を３５μ
ｍ厚み形成した。

【００２２】発光層中の蛍光体はシルバニア社のＴＹＰ
Ｅ８３０を用いた。

【００２３】

【表２】

【００２４】さらに、取り出し電極をセットした透明電
極（東レ（株）製透明導電フイルム“ハイビ−ム”７５
Ｌ−ＣＦ９８）と上記中間素子とをファ−ストラミネ−
タで仮ラミネ−トした。最後に、３フッ化塩化エチレン
フィルム（日東電工（株）製ニトフロン　Ｎｏ．４８１
０）で本ラミネ−トを行い、電界発光素子とした。

【００２５】高誘電率層にパラジウムを０．００２ｗｔ
％添加したもの（■）を実施例１、０．０２ｗｔ％添加
したもの（■）を実施例２、０．２ｗｔ％添加したもの
（■）を実施例３とする。

【００２６】また、発光層にパラジウムを０．００２ｗ
ｔ％添加したもの（■）を実施例４、０．０２ｗｔ％添
加したもの（■）を実施例５、０．２ｗｔ％添加したも
の（■）を実施例６とする。

【００２７】パラジウムは、田中貴金属（株）製　　純
度９９．９％　　平均粒径１０μｍのものを使用した。

【００２８】この電界発光素子の９００Ｈｚ１００ｖに
おける初期輝度と２００ｎｔにおける効率、および５０
℃９０％ＲＨ雰囲気５００時間放置後の９００Ｈｚ１０
０ｖにおける輝度と２００ｎｔにおける効率を測定した
。表３にその結果を示す。

【００２９】

【表３】

【００３０】

【比較例】アセトン洗浄した５０μｍのアルミ箔（昭和
アルミ（株）製）上に、表１の■に示す塗料組成の高誘
電率層を３５μｍ厚み形成した。

【００３１】次いで、表１■に示す組成の高誘電体層上
に、表２■に示す塗料組成の発光層を３５μｍ厚み形成
した。

【００３２】さらに、取り出し電極をセットした透明電
極（東レ（株）製透明導電フイルム“ハイビ−ム”７５
Ｌ−ＣＦ９８）と上記中間素子とをファ−ストラミネ−
タで仮ラミネ−トした。最後に、３フッ化塩化エチレン
フィルム（日東電工（株）製ニトフロン　Ｎｏ．４８１
０）で本ラミネ−トを行い、電界発光素子とした。この
ものを比較例１とする。

【００３３】また、比較例１の透明電極を７５μｍポリ
エチレンテレフタレ−トフイルム上にＩＴＯ層を形成し
ただけの透明導電フイルムにしたものを比較例２とする
。表３にその結果を示す。

【００３４】

【発明の効果】本発明の電界発光素子は、面状照明、表
示等の分野に広く用いることができる。中でも、液晶表
示素子や液晶テレビのバックライト、曲面表示、あるい
は自動車、電車などのパネル表示などに用いることがで
きる。

【００３５】本発明の電界発光素子は、発光輝度・効率
が良好でかつ、耐久性に優れていることから、■　　従
来の電界発光素子に較べ、輝度が高い。

【００３６】■　　効率が良好なため、同じ輝度で消費
電力が少ない。

【００３７】■　　耐久性に優れているため、発光輝度
が長時間保持される。等の効果を有する。

【００３８】上記のごとく効果が発揮されるのは、高誘
電率層あるいは、発光層に添加したパラジウムが電界発
光素子中に侵入してきた水分と作用し、発光層のＺｎＳ
の劣化防止の働きをするためと推定される。そのため、
例えば、水素吸蔵合金なども同様の効果があると考えら
れる。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】　　電極層、高誘電率層、発光層、透明電
極層、および保護シ−トからなる電界発光素子において
、高誘電率層および発光層のどちらか一方、またはその
両方に平均粒径３０μｍ以下のパラジウム微粒子が、高
誘電率層および発光層を構成する全材料に対し、０．０
０１〜５ｗｔ％含まれていることを特長とする電界発光
素子。