JPH04281894A - 海水浄化材および海水浄化方法 - Google Patents

海水浄化材および海水浄化方法

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JPH04281894A
JPH04281894A JP3069196A JP6919691A JPH04281894A JP H04281894 A JPH04281894 A JP H04281894A JP 3069196 A JP3069196 A JP 3069196A JP 6919691 A JP6919691 A JP 6919691A JP H04281894 A JPH04281894 A JP H04281894A
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JP
Japan
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immobilization
seawater
carrier
ammonia oxidation
rate
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Pending
Application number
JP3069196A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Uemoto
弘明 植本
Kotaro Kikuchi
弘太郎 菊池
Michiyasu Kiyono
清野 通康
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Research Institute of Electric Power Industry
Original Assignee
Central Research Institute of Electric Power Industry
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Publication date
Application filed by Central Research Institute of Electric Power Industry filed Critical Central Research Institute of Electric Power Industry
Priority to JP3069196A priority Critical patent/JPH04281894A/ja
Publication of JPH04281894A publication Critical patent/JPH04281894A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Farming Of Fish And Shellfish (AREA)
  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は海産魚類等の海水生物の
循環濾過飼育に利用できる海水浄化材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より熱帯魚等の淡水魚を家庭の水槽
でまたアジ、タイなどの海水魚を料理屋や水族館などで
水槽内で飼育することが行われている。この場合、常に
新鮮な水を水槽に供給することは困難なことであり、特
に海水の場合には新しい海水を補給することは困難であ
ることから、水を濾過して循環させている。このような
循環濾過飼育では、飼育水を再利用するため魚類の代謝
に伴う排泄物や残餌等の水質汚濁物質の浄化が必要とな
る。なかでもアンモニアは多量に排泄され、かつ魚類に
対する毒性も強いため、多量の魚を飼育するような場合
には、迅速に浄化・除去しなければならない。従来、魚
類飼育におけるアンモニア浄化は、ほとんどの場合、砂
やプラスチック濾材表面に付着した浄化微生物(硝化細
菌)の代謝を利用した生物膜法により行なわれている。
【0003】
【発明が解決すべき課題】しかし、従来の飼育水の浄化
は、自然発生した微生物により浄化を行うため微生物の
人為的コントロールが難しい、熟成に時間がかかる、物
理的な操作により生物膜の剥離が起こり浄化能力が低下
する等の問題点がある。排水処理の分野では、都市下水
、工場排水等の処理手段として活性汚泥法が知られてい
るが、この方法は有機物除去が主体であり、固液分離を
行うのに多大な時間と大規模な装置を必要とすることか
ら、水産生物の循環飼育水の浄化には適用されていない
【0004】微生物固定化法は、微生物をその活性を保
ったまま担体の表面や内部に固着、包埋するもので、有
用浄化微生物を選択的かつ高濃度に利用できるため、処
理効率の向上、施設のコンパクト化等にきわめて有効で
あると考えられている。本発明者らは、循環濾過飼育に
おける水質浄化においても、微生物固定化法の適用によ
り処理効率の向上と安定化が期待できると考えたが、こ
れまで海水の浄化に適用された例はみられない。本発明
は、微生物を特定の固定化担体に担持させた固定化微生
物を用いた効率的濾過槽を開発し、海産魚循環濾過飼育
システムへ適用することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは海産生物用
の循環飼育水の浄化について種々研究した結果、微生物
固定化法によって海洋性硝化細菌を合成高分子に固定化
したものがこの目的に使用できることを見出して本発明
を完成した。
【0006】従って、本発明の海水浄化材は、合成高分
子担体に海洋性硝化細菌を固定化したことを特徴とする
【0007】本発明において担体として使用する合成高
分子としては、海洋性硝化細菌を固定化できるものであ
れば特に限定されないが、水を循環させて飼育すること
から魚類等の生物に害を与えるような元素を含まず、ま
たある程度の機械的強度を有するものが好ましい。例え
ば、ポリビニルアルコール (PVA)、光硬化性ポリ
ビニルアルコール(PVA−SbQ) またはポリエチ
レングリコール(PEG) 等のものが好ましく、更に
炭素、水素および酸素からなる合成高分子で、水酸基、
カルボキシル基等の親水性基を有するものが好ましい。 これらの合成高分子は使用に際しては、常法にしたがい
適当なゲル化剤を使用してゲル化させ、適当な大きさの
球形、方形に成形して使用するとよい。ゲル化には、例
えば、PVA ではホウ酸がゲル化剤として使用される
。より具体的には、PVA は重合度および鹸化度の高
いものが好ましく、例えば重合度1500以上、鹸化度
85%以上のものが好ましく使用できる。市販品として
は、PVA ではPVA−HC(クラレ製:重合度20
00、鹸化度 99.85%)などが挙げられ、光硬化
PVA としては、東洋合成工業製のSPPーHー13
 Hosbq−785(重合度1700、鹸化度88%
)などが挙げられる。光硬化PVA は適当な光架橋剤
によってゲル化される。PEG は分子量 500,0
00程度のものが通常使用される。
【0008】微生物固定化法としては、担体結合法、架
橋法、包括法が知られているが、本発明では包括法が好
ましく使用できる。
【0009】また本発明は、上記海水浄化材を海産生物
循環濾過飼育システムに使用することを特徴とする海水
の浄化方法に関するものである。上記海水浄化材は、海
産生物循環濾過飼育システムの飼育水循環路または海水
取入水路の間に設けた浄化カラム等内に充填して使用さ
れる。
【0010】本発明は上記の如く浄化材として合成高分
子に海洋性硝化細菌を担持させているため、浄化材の製
造、保存、管理等が容易である。そのため、飼育水槽の
容量を大きくしたり、飼育魚数を増加させた場合でも、
本発明の浄化材の使用量を増加させることによって容易
に対応できる。
【0011】
【実験例】以下、実験例に基いて本発明を説明するが、
本発明はこれに限られるものではない。
【0012】実験例1 海水の浄化に使用可能な固定化材料を求めて以下の実験
を行った。固定化材料として天然高分子3種、合成高分
子7種を用いて海洋性硝化細菌を固定化し、作製した担
体(以下、固定化担体と呼ぶ)の比較を行った。なお、
実験に用いた固定化材料は、排水処理分野で適用が検討
されているものである。
【0013】(1) 材料と方法 実験に用いた固定化材料を表1に示す。固定化方法は、
固定化材料の溶媒として海水を用いた以外は、常法にし
たがって行った。なお、用いた海水は、全て天然海水(
塩分 3.4)である。
【表1】   供試した固定化材料とその固定化法───────
─────────────────────────
────  固定化材料        樹脂濃度(%
)    形状a)        固定化方法b) 
       ──────────────────
──────────────────天然高分子  
                         
                         
              寒天         
       3.0   円柱状(3×3mmφ) 
    加熱・溶解後、冷却  κ−カラギーナン  
    3.0   立方体状(3×3×3mm)  
   同上            アルギン酸   
         3.0   球状(3mmφ)  
        アルギン酸Na法    合成高分子   PVA               10.0 
  球状(3mmφ)          PVA−ホ
ウ酸法        PAA           
    18.0   立方体状(3×3×3mm) 
アクリルアミド法    PEG          
     30.0   立方体状(3×3×3mm)
     同上            光硬化性樹脂
                         
                         
            PVA−SbQ      
9.0   球状(3mmφ)          光
硬化性樹脂法        ENTG−3800  
   32.0   球状(3mmφ)       
       同上              EN
T−1000       53.0   球状(3m
mφ)              同上      
        ENTV−500      10.
0   球状(3mmφ)             
 同上          ────────────
────────────────────────a
)固定化操作時に球状に成形できないものは、固定化後
剃刀で細断した。 b)固定化方法は、固定化材料の溶媒として海水を用い
た以外は常法によった。 固定化に用いた海洋性硝化細菌は、循環濾過方式の飼育
水槽(総水量 0.8t)の濾過槽内の汚泥を培養する
ことにより得た。汚泥は、濾過槽内の濾材表面から採取
し、希釈法により従属栄養細菌数を減少させた後、2リ
ットル(l)容の培養装置を用いて約1カ月間培養した
。培養には海水に10mM硫酸アンモニウムを添加した
培地を用い、培養条件は30℃、pH7.5 〜8.5
 である。固定化には、培養終了後遠心集菌(8000
rpm、4℃)し 100倍に濃縮したものを用いた。 固定化担体の比較は、固定化時の活性残存率と機械的強
度を指標として、30℃で1週間振盪培養することによ
り行った。培地には、10mM硫酸アンモニウムと50
mMHEPES(Nー2ーヒドロキシエチルピペラジン
−N′−2−エタンスルホン酸)を添加した海水 20
0ml(K2CO3 を用いてpH8.5 に調整)を
用い、大洋工業社製の回転振盪培養装置(100 rp
m )により振盪を行った。活性残存率は、固定化担体
のアンモニア酸化速度と固定化に用いたのと同量の硝化
細菌培養液のアンモニア酸化速度を測定し、その比とし
て表した。固定化担体の機械的強度は、目視による担体
の損傷状態から判断した。なお、アンモニア酸化速度は
、実験開始2、4、6、12、24時間後サンプリング
を行い、培養液中の NH4−N、 NO2−N、 N
O3−N濃度を、それぞれインドフェノール法、GR法
、イオンクロマトアナライザ(IC−500 、横河電
機製)を用い測定することにより算出した。
【0014】(2) 結果 結果を表2に示す。天然高分子では活性残存率は50〜
65%と高かったものの、固定化担体の機械的強度は小
さく振盪培養2日以内で崩壊した。これに対し、合成高
分子では振盪培養1週間で崩壊する事はなかったが、ポ
リビニルアルコール(PVA) 、光硬化性樹脂(PV
A−SbQ) 、ポリエチレングリコール(PEG) 
の活性残存率はそれぞれ32、40、22%であり天然
高分子に比べ若干低く、ポリアクリルアミド(PAA)
 、光硬化性樹脂(ENTG−3800 、ENT−1
000、ENTV−500)では固定化後の活性が全く
検出できなかった。以上の結果より、固定化材料の中で
は、合成高分子の PVAと光硬化性樹脂(PVA−S
bQ) 、 PEGが海水の浄化に使用できると判断さ
れた。
【表2】   固定化材料の活性残存率と機械的強度に関する検討
結果───────────────────────
─────────────  固定化材料     
         活性残存率a)         
     機械的強度b)        ─────
─────────────────────────
──────天然高分子              
                         
                         
  寒天                     
  49.7                 2 
                   κ−カラギー
ナン             64.6      
           2             
       アルギン酸             
      63.5               
  2                  合成高分
子   PVA                    
   31.8                 7
<                  PAA   
                     NDc)
                7<       
           PEG           
            22.3         
        7<               
   光硬化性樹脂                
                         
                     PVA−
SbQ             40.1     
            7<           
         ENTG−3800       
   ND                  7<
                    ENT−1
000            ND        
          7<             
       ENTV−500          
  ND                  7< 
                 対照区(浮遊汚泥
)          100.0         
                         
   ──────────────────────
──────────────実験は、温度20℃、p
H 8.5の条件下、振盪培養することによって行った
。 a)活性残存率(%)=固定化した硝化細菌のアンモニ
ア酸化速度/固定化しない硝化細菌のアンモニア酸化速
度×100 b)30℃、100 rpm の回転振盪培養下で、ゲ
ル崩壊に要した日数 c)検出不可 また、本実験例では固定化担体の機械的強度と活性残存
率を指標として有効性の判定を行ったが、固定化操作の
簡便さや固定化に要するコストも重要な指標となると考
えられる。上記使用可能な3種の固定化材料では、 P
VAが最も固定化操作が簡便であり、固定化樹脂や試薬
が安価である。
【0015】実験例2 処理効率の向上に対する微生物固定化法の有効性につい
て検討するために、固定化担体を充填したリアクターを
用いて、固定化担体のアンモニア酸化速度を人工排水の
連続処理を行うことにより測定した。
【0016】(1) 材料と方法 実験には、図1に示したエアリフトによる流動床式のリ
アクターを用いた。固定化担体1を充填したリアクター
2はガラス製で容量は60mlとした。人工排水は、ペ
リスタポンプ(循環用ポンプ)5によりシリコンチュー
ブ製排水管7を通してリアクター2の下部から入り、リ
アクター2側部から処理水として給水管6を通って飼育
槽等に排出されるよう設定した。また、エアポンプ4か
らの空気を吸気管8によってリアクター2に送り込むエ
アリフト方式により、リアクター内の水3の撹拌と空気
供給を行った。この際のエアー流量は1l/min と
した。なお実験は暗室内で行った。
【0017】■ PVA固定化担体の馴養PVA固定化
担体は PVA−ホウ酸法で作製した。作製した固定化
担体は、リアクターに移す前に 500ml容三角フラ
スコを用い 150日間馴養した。馴養条件は、培地と
して10mM硫酸アンモニウムと50mM HEPES
を加えた海水(K2CO3 を用いてpH8.5 に調
整) 200mlを用い、回転振盪培養は30℃、 1
00rpm とした。なお、培地は2〜3日間隔で交換
し、熟成状態を観察するため培地交換時にアンモニア酸
化速度を測定した。
【0018】■ PVA固定化担体のアンモニア酸化速
度実験条件を表3に示す。
【表3】   アンモニア酸化速度測定に関する実験条件────
─────────────────────────
───────                  
    人工排水a)               
     固定化担体充填率b)    実験区   
 ───────────────────     
   (%)                   
 アンモニア濃度(mg−N/l)    流量(ml
/h)                      
  ───────────────────────
─────────────    1       
     10                  
120            10, 20, 30
, 40     ────────────────
────────────────────    2
           100           
       120            10,
 20, 30, 40     ─────────
─────────────────────────
──    3            10    
      120, 240, 380, 450 
          40           ──
─────────────────────────
─────────実験は、温度20℃、pH 7.5
、エアレーション1l/min の条件下で排水を連続
処理することによって行った。 a)天然海水(塩分 3.4)にアンモニアとして(N
H4)2SO4 を添加した。 b)充填率は、リアクターの容量60mlに対する固定
化担体の体積比で示した。 実験は、温度20℃、pH7.5 、エアー流量1l/
min 、人工排水流量 120ml/hの条件下、実
験区1では人工排水としてアンモニア濃度10mg−N
/lの海水を用い、実験区2ではアンモニア濃度100
mg−N/lの海水を用いて行った。リアクター体積当
りの固定化担体充填率は10、20、30、40%とし
、リアクター当りのアンモニア酸化速度と固定化担体当
りのアンモニア酸化速度を求めた。また、実験区3とし
て、アンモニア濃度10mg−N/lの人工排水を流量
 120〜 450ml/hと変化させ、アンモニアが
十分に存在する条件下での固定化担体のアンモニア酸化
速度を求めた。この時の固定化担体充填率は40%とし
た。アンモニア酸化速度は、実験開始2、4、6、12
、24時間後サンプリングを行い、処理水中の NH4
−N、 NO2−N、 NO3−N濃度より求めた。
【0019】(2) 結果 ■ PVA固定化担体の熟成 PVA固定化担体のアンモニア酸化速度の変化を図2に
示す。固定化担体のアンモニア酸化速度は培養開始直後
から徐々に高まり、14日目には開始直後の約4倍の活
性を示し、その後ほぼ一定に保たれ、 150日後もそ
の活性は一定であった。また、一定となったアンモニア
酸化速度は、固定化時の活性残存率 100%に相当す
るアンモニア酸化速度より高かった。以上の結果から、
本例の条件下では、熟成に少なくとも14日以上の培養
をする必要があるが、熟成により固定化時の活性低下を
十分に回復できることがわかった。固定化担体内での微
生物の増殖については、固定化担体のアンモニア酸化速
度の向上などから、固定化担体内部で海洋性硝化細菌が
増殖したためと考えられる。
【0020】■ PVA固定化担体のアンモニア酸化速
度実験区1での結果を図3に示す。固定化担体のアンモ
ニア酸化速度は、リアクター当りでは固定化担体充填率
の増加とともに上昇し、充填率40%では人工排水中の
アンモニアの95%までが酸化された。しかし、固定化
担体当りでは、充填率の増加にともない低下する傾向が
みられた。実験区2での結果を図4に示す。固定化担体
のアンモニア酸化速度は、リアクター当りでは、固定化
担体充填率の増加とともにほぼ直線的に上昇し、充填率
40%ではアンモニア除去率は27%と低いが、60m
lリアクター容量当りで1日79.0mg−Nのアンモ
ニアを酸化できる能力を持つことがわかった。しかし、
固定化担体当りのアンモニア酸化速度は、実験区1の場
合と同様に充填率の増加とともに低下する傾向がみられ
た。実験区3での結果を図5に示す。固定化担体のリア
クター当りのアンモニア酸化速度は、流量の増加ととも
に上昇し、流量 360ml/h以上では60mlリア
クター容量当りで1日で71.3mg−Nのアンモニア
を酸化できる能力を持つことがわかった。しかし、アン
モニア除去率は、人工排水の流量の増加とともに低下し
た。
【0021】生物膜法のアンモニア酸化速度については
既に報文があり、プラスチック濾材1m3で1日に 1
50〜200g−Nのアンモニアを酸化できると述べら
れている。今回用いた固定化担体は、アンモニア濃度1
0mg−N/lの人工排水を処理した場合、固定化担体
充填率40%のリアクター容量1m3では1日に最大 
1.2kg−Nのアンモニアを、充填率10%でも25
0g−Nのアンモニアを酸化する能力を持つことから、
固定化担体のアンモニア酸化速度は実験条件が異なるも
のの生物膜に比較して非常に高いことがわかった。よっ
て、微生物固定化法は処理効率の向上に有効であると思
われる。また、アンモニアが十分に存在する条件下では
、固定化担体充填率に比例してリアクター当りのアンモ
ニア酸化速度が向上していることから、固定化担体の量
を調整することで濾過槽全体の浄化能力のコントロール
も可能になると思われる。
【0022】実験例3 本例では、固定化担体の環境特性を明らかにすることを
目的として、温度、pH等を変化させた場合のアンモニ
ア酸化速度について、生物膜との比較を試みた。
【0023】(1) 材料と方法 実験には、図1に示した前述のエアリフトによる流動床
式のリアクターで、容量 110mlのものを用いた。 固定化担体には PVA−ホウ酸法で作製したものを用
いた。リアクター体積当りの充填率は20%とした。生
物膜は長さ15cmの繊維状濾材を用いた。固定化担体
と生物膜は、ともにリアクターに移す前に2リットル容
培養槽を用いて1カ月間培養し馴養を行った。馴養条件
は、培地として10mM硫酸アンモニウムを添加した海
水を用い、温度30℃、pH7.5 である。実験条件
を表4に示す。
【表4】   アンモニア酸化速度と環境要因に関する実験条件─
─────────────────────────
──────────実験  温度  pHa)  D
Ob)  塩分c)  アンモニア  撹拌時間e) 
 有機物負荷f)区    (℃)        (
%)          濃度d)        (
分)    (処理日数)             
                       (m
g−N/l)                   
         ────────────────
────────────────────1  10
−45   7.5     100    100 
     100            −    
    −        ────────────
────────────────────────2
    20   4.0−9.0  100    
100      100            −
          −      ────────
─────────────────────────
───3    20     7.5   0−10
0   100      100         
   −          −      ────
─────────────────────────
───────4    20     7.5   
  100   0−100    100     
       −          −      
─────────────────────────
───────────5    20     7.
5     100    100   10−200
0          −          −  
    ─────────────────────
───────────────6    20   
  7.5     100    100     
 100           0−120     
  −      ────────────────
────────────────────7    
20     7.5     100    100
      100            −   
      0−60    ───────────
─────────────────────────
人工排水流量は、実験区1〜6では 220ml/h、
実験区7では 110ml/hとした。 a)pHの調整は、HCl とK2CO3 を用いて行
った。 b)DOは、エアレーション1 l/min中にN2 
ガスを混合し、調整した。 c)塩分は、天然海水(塩分 3.4)を蒸留水で希釈
して調整した。 d)(NH4)2SO4 として負荷。 e)200ml 海水中で回転振盪(100rpm)。 f)肉エキスとして負荷、濃度50mg/l(極東製薬
工業製)。 各実験区での固定化担体と生物膜のアンモニア酸化速度
をそれぞれ2連で測定することにより環境特性の比較を
行った。温度、pH、溶存酸素(DO)、塩分、アンモ
ニア濃度の影響については、馴養条件から各環境条件下
に移し、アンモニア酸化速度を求めた。処理水のサンプ
リングは、実験開始1、1.5 、2時間後に行った。 温度は恒温槽により、pHは1N HClまたは0.5
M K2CO3により調整した。DOは、空気と窒素ガ
スの混合比により調整した。塩分は、人工排水に用いる
海水(塩分 3.4)を蒸留水で希釈することにより、
アンモニア濃度は、人工排水に添加する硫酸アンモニウ
ム(和光純薬工業製)量により調整した。人工排水の流
量は 220ml/hとした。撹拌の影響については、
固定化担体と生物膜の濾材をリアクターから取り出し、
海水 200ml中で5分間〜2時間の回転振盪(10
0rpm)後、リアクター内に戻して2時間経過後まで
のアンモニア酸化速度を測定した。人工排水の流量は 
220ml/hとした。有機物負荷の影響については、
アンモニア 100mg−N/lと50mg/l濃度の
肉エキス(極東製薬工業製)を添加した人工排水を流量
 110ml/hで流し、60日間にわたってそのアン
モニア酸化速度を測定した。実験条件は温度20℃、p
H7.5 、DO 100%、塩分3.4である。 アンモニア酸化速度は2時間経過後までの処理水につい
て測定した。結果は、温度、pH、DO、塩分、アンモ
ニア濃度については、馴養条件下でのアンモニア酸化速
度を 100%とし、それに対する比活性で表した。撹
拌と有機物については、実験開始時のアンモニア酸化速
度を 100%とし、それに対する比活性で表した。
【0024】(2) 結果 固定化硝化細菌と生物膜のアンモニア酸化速度は、温度
では30〜35℃、DOでは 100%、塩分では10
〜34、アンモニア濃度50〜 200mg−N/lで
最大活性を示し、既知の文献による固定化しないフリー
の海洋性硝化細菌の特性にほぼ一致するものであった。 撹拌時間とアンモニア酸化速度との関係については、生
物膜ではわずか1時間の回転振盪でアンモニア酸化速度
は2分の1以下にまで低下し、目視によっても生物膜の
剥離が確認できたのに対し、固定化担体では撹拌によっ
て全く影響を受けなかった。海洋性硝化細菌に対するエ
アレーションの影響については、エアレーションを行っ
た場合フリーの硝化細菌では、アンモニア酸化速度は低
下すると報告されている。これに対し、固定化担体では
撹拌等の物理的な操作に対し安定であり、酸素供給のた
めのエアレーション等を十分に行えることがわかった。 このことは濾過槽のアンモニア酸化能力が高くなり、エ
アレーションによる酸素の供給が重要になった場合に大
きな利点になる。有機物添加のアンモニア酸化速度に対
する影響は、実験開始直後に固定化担体のアンモニア酸
化速度の向上がみられたが、34日目には安定し、固定
化担体および生物膜のアンモニア酸化速度はともに実験
開始時より低下することなく60日間維持され、両者に
大きな影響はみられなかった。
【0025】
【発明の効果】本発明は特定の合成高分子で海洋性硝化
細菌を固定化することにより、従来の生物膜に比べ機械
的強度が大きく、アンモニア酸化速度の速い海水浄化材
を容易に得ることができる。本発明の浄化材は大きい機
械的強度を有するため、飼育水槽の機械的撹拌、エアレ
ーションによる撹拌等も行うことができる。また、海洋
性硝化細菌は十分保水性のある合成高分子のゲル体の中
に保持されるため、保存、熟成、取扱い等が容易であり
、かつ単位量当り例えばビーズ当りの浄化活性も容易に
求めることができるので、飼育魚数の増加や飼育水量の
変化に対応させて容易に増加させることができること、
固定化担体の熟成が不要であること、アンモニアを含ま
ない4℃の海水中で60日経過後も約85%の活性を保
持していることから、使用しない時は冷蔵庫(例えば4
℃)等で保存できるなど多くの利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験装置の概略図、
【図2】PVA 固定化担体の熟成効果を示すグラフ、
【図3】実験例2の実験区1における固定化担体のアン
モニア酸化速度を示すグラフ、
【図4】同上実験区2における固定化担体のアンモニア
酸化速度を示すグラフ、
【図5】同上実験区3における固定化担体のアンモニア
酸化速度を示すグラフ、
【符合の説明】
1  固定化担体 2  リアクター 3  海水 4  エアポンプ 5  循環用ポンプ 6  処理水管 7  排水管 8  給気管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  合成高分子担体に海洋性硝化細菌を固
    定化したことを特徴とする海水浄化材。
  2. 【請求項2】  合成高分子がポリビニルアルコール、
    光硬化性ポリビニルアルコール(PVA−SbQ) ま
    たはポリエチレングリコールであり、微生物包括固定化
    法により海洋性硝化細菌を固定化したことを特徴とする
    請求項1記載の海水浄化材。
  3. 【請求項3】合成高分子担体に海洋性硝化細菌を固定化
    した海水浄化材を海産生物循環濾過飼育システムに使用
    することを特徴とする海水の浄化方法。
  4. 【請求項4】上記海水浄化材を海産生物循環濾過飼育シ
    ステムの海水循環路または海水取入水路の間に設けた浄
    化カラム等内に充填使用することを特徴とする請求項3
    記載の海水浄化方法。
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